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その美学に引き込まれる!岩井俊二監督のおすすめ映画7選!

アルファ

彼の映像美が”岩井美学”と呼ばれるように、独特の空気感や色彩で知られる岩井俊二さん。映画の他にも、ドラマやミュージックビデオなど多方面で活躍しています。日常を切り取ったような自然なシーンを美化するように、岩井監督が手がける美しく繊細な映像に惹かれている方が多いのではないでしょうか?

岩井俊二さんは1963年1月24日に宮城県の仙台市で生まれました。小説家になることを夢見ながら横浜国立大学で美術を専攻し、卒業後はミュージックビデオの仕事に没頭。1993年にはテレビドラマ『if もしも〜打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で日本映画監督協会新人賞を受賞し、その後も数々の話題作を制作しています。テレビドラマの作品で監督賞を獲得するのは前代未聞だったため、彼が有名になったきっかけでもあります。
その後、初めて長編映画監督を務めた『Love Letter』では日本だけでなく、中国や韓国でも人気を呼び、岩井俊二の名を知らしめた作品となりました。
それからは新たな撮影技術や撮影方法を多く用いながら、長編・短編双方を手がけています。2005年には拠点をアメリカのロサンゼルスに移し、ハリウッドにも進出するなど、とどまるところを知りません!

このページでは、岩井俊二さんが監督を務めた長編映画を7本厳選して紹介します!”岩井美学”の魅力も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

1.Love Letter

映画Love Letter
出典:Amazon.com

あらすじ

2年前に遭難事故で亡くなった婚約者の藤井樹が忘れられない渡辺博子(中山美穂)は、興味本位で彼が中学時代に住んでいた小樽の住所に手紙を送る。すると驚くことに、届くはずがないと思っていた手紙に返事がくる。しかも送り主は藤井樹だった。
博子は奇妙に感じていたが、いつからか藤井樹からの手紙が心の拠り所になってしまっていた。しかし、その手紙の送り主は彼の同級生で同姓同名の女性が書いていたものだった…

岩井俊二監督のココがすごい!『Love Letter』の撮影秘話

・バラエティ番組の『探偵!ナイトスクープ』で、視聴者から「全く知らない人から手紙が来たから調べて欲しい」という内容の手紙が届き、その番組をたまたま観ていた岩井監督がそれをヒントに映画を作ったことが本作の誕生秘話
・日本以外(特に中国・韓国)でも大ヒットして、舞台になった小樽に大勢の観光客が集まった

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

中山美穂さんが主人公の博子と藤井樹(女)の一人二役を演じたことでも話題になった今作は、とにかく岩井監督の演出と脚本のセンスの良さが引き立っています!粉雪を見上げる冒頭シーンを始め、樹が図書館のカーテンで顔をチラチラさせる場面が特に美しいです。
ラストシーンでは、中山美穂さんがなぜ一人二役を演じたのかなど物語が繋がるので、映画を読み取れた喜びが湧いてきます!意外な展開に、鳥肌が立つかもしれません。

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2.打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

映画打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
出典:Amazon.com

あらすじ

夏休みの登校日、幼馴染の典道(山﨑裕太)と祐介(反田孝幸)は、同じく幼馴染のなずな(奥菜恵)の前で競泳対決をすることに。2人ともなずなに好意を抱いているが、実はなずなの両親が離婚したことで、彼女は次の学期から転校することになっていた。そして親に反発したかったなずなは、競泳対決で勝った方と駆け落ちしようと密かに考えていた。そして対決中に典道は、プールの中からある玉を見つける。
勝ったのは祐介か、それとも典道か。この勝負の後から、二つの物語が展開する…

岩井俊二監督のココがすごい!『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』撮影秘話

・元はテレビドラマとして作成した
・テレビドラマの監督としては異例の日本映画監督協会新人賞を獲得
・ストーリーテラーにタモリさん!
・2017年にはアニメ化された

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

この映画には、岩井監督のフィルムへのこだわりがひしひしと伝わってきます。当時は珍しかった、色調を調節してフィルムらしく見せる”フィルム手法”という技術を駆使して製作しています。そのこともあり、おしゃれ度とレトロ感がマッチしていて”映像”の観点で非常に斬新かつ、懐かしさの残る作品になっています。

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3.FRIED DRAGON FISH

映画FRIED DRAGON FISH
出典:Amazon.com

あらすじ

データバンクの会社で働くプー・リンウォン(芳本美代子)は、パソコンのオペレーターとして小さな探偵事務所に一ヶ月間だけ派遣される。そこで、社長の相田(酒井敏也)に操作方法を教えていた際、ある依頼人の情報を入力中にエラーが発生する。依頼主は生物学者のトーマス・アーウィングという人物で、彼の研究所から一匹のドラゴンフィッシュが盗まれたから調査してほしいという内容だった。
一匹の魚をめぐり、プーと探偵事務所がある事件に巻き込まれていく…

岩井俊二監督のココがすごい!『FRIED DRAGON FISH』の撮影秘話

・深夜ドラマ『La Cuisine』の最終話を映画化した
・1981年のフランス映画”ディーバ”をイメージして製作した

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

インターネットがテーマになって映画ですが、他にも携帯電話や服装、髪型など当時の流行りを取り入れているので、時代を感じさせられるものが多く登場します。元がテレビドラマ用に製作した作品だと考えると、納得がいきますね。ですが、ストーリー展開が面白く、時代に関係なく楽しめます。
岩井監督ならではの映像美が引き立っているのは、水族館での場面。青のコントラストを生かしていて一際目立つ場面になっています。浅野忠信さんがかっこよすぎる!と観た者を虜にしている、という面でも注目の場面です。岩井監督の隠れた名作を観たい方におすすめの一作。

 

4.四月物語

映画四月物語
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あらすじ

桜が舞い散る季節。東京の武蔵野大学に通うために、北海道から上京してきた卯月(松たか子)は慣れない土地で一人暮らしを始めることになった。アパートの隣人に挨拶に行ってもなんとなく気が合わず、1人で映画館に行くと、気味の悪い男にストーカーされる始末。
そして、大学の入学式が終わり、ゼミの自己紹介の時になんでこの大学を選んだのかと聞かれた卯月は、はっきりと答えることができなかった。それもそのはず、彼女が武蔵野大学を選んだのには、誰にも言えないある理由があった…

岩井俊二監督のココがすごい!『四月物語』撮影秘話

・当時、武蔵野大学は実在しなかったが、映画が公開されてから5年後、武蔵野女子大学が武蔵野大学に改名したことで、実在する大学になった
・実際ロケ地は成蹊大学

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

春になると定期的に観たくなる!と言う声が多い今作は、1人の人を一途に思い続ける甘酸っぱい純粋さが最高。そして、何もかもが新しい新学期の雰囲気とまだ初々しい松たか子さんの演技が映画の純粋さを際立てているのもステキです。
そして、今作でも岩井監督の映像美は健在です!こんなに桜を綺麗に撮れる人はなかなかいない!と言うほどに美しかったり、雨の中赤い傘をさしている松たか子さんの姿も息を呑む美しさです。また、松たか子さんが自転車で東京の街を駆け巡るシーンは、日常を切り取った美しさがとてもステキなんです。ぜひ、注目してください。

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5.リリイ・シュシュのすべて

映画リリイ・シュシュのすべて
出典:Amazon.com

あらすじ

中学生の蓮見雄一(市原隼人)は、友達と万引きしたCDを売りさばいたり、カバンを盗んだりして小遣い稼ぎをしている。また、リリイ・シュシュという歌手の大ファンで、等身大ポスターを譲り受けたり、リリフォリアという掲示板の管理人をしたりと、いわゆる彼女の信仰者であった。
そんなある日、CDショップで万引きをしようとした雄一は店員に捕まってしまう。母親に厳しく叱られた後、友人2人に呼び出されて家を出た彼は、生徒会長で優等生でもありながら、不良軍団をまとめる星野修介(忍成修吾)らにいじめられてしまう。そして、このことがきっかけで雄一と星野の関係が意外なものに変わっていき…

岩井俊二監督のココがすごい!『リリイ・シュシュのすべて』の撮影秘話

・ライブ会場の撮影には全員で約1,000人ものエキストラが参加したが、そのシーンの前後のリアル感を演出するために、岩井監督自らエキストラ一人一人に演技を指示した
・少女が丸刈りにするシーンは本当に髪の毛を刈っていた
・岩井監督自ら、「遺作を選ぶならリリイ・シュシュ」と言うくらいの自信作

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

とにかく暗く、「鬱映画」と評される本作は、いじめ、万引き、恐喝、レイプ、売春、自殺と中高生に降りかかる闇が過激に描かれています。
今作が表現するのは、モヤモヤとしているダークな世界です。息苦しく、彼らの心の闇を映し出すかのように思いますが、岩井監督はあえて沖縄の透き通った海や、緑で鮮やかな原っぱのシーンをを多く使用し、非現実的で夢の中のような世界観を作り出しています。逆にそれが物語とミスマッチで、恐怖を覚えることも。どこまで計算してるんだって感じるほどです。
また、雄一と星野らが沖縄に旅行しているシーンは、全て手持ちカメラを使って撮影しているのも粋な計らい。この部分だけ画質が落ちるのも、”思い出感”を強く感じられておしゃれだなと感じるポイントです。この前後の切り替わる場面にも注目してください。

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6.花とアリス

映画花とアリス
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あらすじ

内気な性格の花(鈴木杏)は天真爛漫なアリス(蒼井優)に振り回されながらも、いつも一緒にいる仲良しコンビ。ある日、花はたまたま見かけた男子高校生に一目惚れをし、ストーキングをするようになる。やがて花とアリスは同じ高校に合格する。そしてその高校は花の初恋相手である宮本(郭智博)が通っていた。花は彼と同じ落語研究会に入会してアタックするも、反応はイマイチ。
ある帰り道、宮本が頭をぶつけて倒れた場に偶然居合わせた花は、自分が宮本の彼女で、覚えていないのは部分的に記憶が喪失しているからだと言い張る。ストーキングしていたことがバレそうになると、アリスがやったと嘘を重ねてしまう…

岩井俊二監督のココがすごい!『花とアリス』の撮影秘話

・花を演じた鈴木さんは映画を撮る前から岩井さんのファンだった
・元々はショートフィルムで作る予定だった
・海辺で撮影中、人の死体だと思ってパトカーまで呼んだらイルカの死体だった

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

中高生が抱く恋心と、”恋は盲目”と言うばかりに嘘を重ねてしまう心理が非常に現実的で、共感できるポイントです。よくよく考えると「こんなに上手くいかないだろう」と思ってしまいそうな青春映画なのですが、それを感じさせないドキュメンタリー風の撮り方が岩井監督ならでは!ふわふわとした空気感を出しつつ、細部までこだわってリアルさを追求しているのでしょう。
また、岩井作品を語る上で欠かせないのが、音楽。終盤にアリス役の蒼井優さんがバレエを踊るシーンがとっても綺麗なのですが、そこで流れる音楽がいい仕事をしています。クライマックスにふさわしい場面!ぜひ注目してください!

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7.リップヴァンウィンクルの花嫁

リップヴァンウィンクルの花嫁
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あらすじ

東京の片隅にある中学校で臨時教師として働いている皆川七海(黒木華)は、生活費を稼ぐためにコンビニのアルバイトやインターネット上での家庭教師も掛け持ちしていた。友達がいなく、1人で平凡な日々を送っていた七海はある日、SNS上で鉄也(地曵豪)という男性と出会い、やがて結婚することに。結婚式を挙げることになった2人だが、友達が多い鉄也に対し、七海には友達や親族が少なかった。そのため、七海は仕方なく”なんでも屋”の安室(綾野剛)に代理出席を依頼する。

幸せな結婚生活を思い描いていた七海だったが、やがて鉄也の浮気が発覚し…

岩井俊二監督のココがすごい!『リップヴァンウィンクルの花嫁』撮影秘話

・活動の場をアメリカに移していた岩井監督だが、東日本大震災を経て母国に戻って手がけた映画
・都内の雑踏シーンの撮影は、通行人に気づかれないで自然な場面を撮れるように、カメラを隠しながら撮影した

ココに注目!映画の”岩井美学”ポイント

謎が多いと話題の今作は、岩井監督が『花とアリス』以来12年ぶりに手がけた作品です。
そもそも”リップヴァンウィンクル”って何?と思っっている方が多いかと思いますが、これはワシントン・アーヴィングというアメリカ人の作家が書いた『リップ・ヴァン・ウィンクル』という小説に登場する主人公の名前です。ストーリーは、「山の中で出会った男たちと酒盛りをしていたらいつの間にか寝込んでしまい、目が覚めるとみんな歳をとっていた」というもので、一言で言うと”西洋版浦島太郎”です。

題名がどう物語と関係しているのかと言うと、主人公の七海が”目覚める”たびに変わっていくところ。彼女の”目覚め”を起点にすると、物語は4つの章に分けることができます。1章は夫との間に起こったある事件で終わるのですが、この「今まで平凡な日常がある日一瞬にして奪われる」終わり方こそが、岩井監督が映画で主張したかった『3.11後の日本』ではないでしょうか。現代社会とその象徴であるSNSを絡めた、非常に深い一作です。

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まとめ

絶妙なキャスティングと映像美で日本映画の最先端を走る岩井俊二さん。技術の進化と共に作風も変化するところが、魅力の一つです。
活動の場を多方面に広げ続けている彼の活躍に、今後も目が離せません。

この記事を書いた人
アルファ
アルファ

滋賀県在住、高卒から映画ひとっとび専属ライターになりました。 親の影響で映画が好きになり、特にアクション系が大好き。 特にトム・クルーズとキアヌ・リーブスは私のマイヒーローです!