はぐれ者を魅力的に描く!ガス・ヴァン・サント監督の映画7選!

「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」や「永遠の僕たち」で知られているガス・ヴァン・サント監督。

ガス・ヴァン・サント監督は、1952年7月24日にアメリカのケンタッキー州で生まれました。ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで映像を学んだ後に、コマーシャル製作の仕事に就職します。

その後、1985年の映画「マラノーチェ」で監督デビューを果たしました。ガス・ヴァン・サント監督の作品の多くは、実際に起こった事件や実在の人物を描いています。
独特の世界観で、社会的少数派の人間たちを題材にしていることが魅力です。

そんなガス・ヴァン・サント監督の作品を、公開年順に紹介していきます!

目次

1.ドラッグストア・カウボーイ

映画ドラッグストア・カウボーイ
出典:amazon.co.jp

あらすじ

麻薬中毒のボブ(マット・ディロン)と妻のダイアン(ケリー・リンチ)は、仲間と共にドラッグストアを襲撃してはドラッグを手に入れ、吸引する毎日を送っていた。

ある日、ドラッグストアの襲撃中に仲間のナディーン(ヘザー・グラハム)がミスを犯し、危うく捕まりそうになってしまい、仲間の間に亀裂が入る。
更に、ボブのドラッグをこっそりくすねていたナディーンは、急性の麻薬中毒で死んでしまった。

ナディーンの突然の死にショックを受けたボブは、更生をしようと療養所に入るが、そこで昔ボブの手下だったデイヴィッド(マックス・パーリック)に撃たれてしまう。

ガス・ヴァン・サント監督「ドラッグストア・カウボーイ」のトリビア!

・「ドラッグストア・カウボーイ」は、同名の小説が原作となっていますが、原作者であるジェームズ・フォーグルは、自らの半生を元にこの小説を書きました。少年時代に服役し、刑務所で囚人仲間にドラッグの使用方法や、ドラッグストアへの不法侵入の方法を教わったそうです。出所してから40年近く、ロサンゼルスのドラッグストアで強盗を繰り返していました。
・「ドラッグストア・カウボーイ」が映画化され、公開された年は、ワシントンで刑に服していました。

ガス・ヴァン・サント監督の「ドラッグストア・カウボーイ」みどころ!

「ドラッグストア・カウボーイ」のみどころは、麻薬を使った時に起こる幻覚を映像にしている所です。
麻薬に溺れてどんどん精神が崩壊していく様が忠実に描かれているので、麻薬がいかに恐ろしいものかということを思い知ることができます。

ハンサムなキャストとおしゃれなファッションを楽しめますが、裏腹に内容はかなりヘビーで深い映画です。

基本情報

上映時間:102分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:マット・ディロン、ケリー・リンチ、ジェームズ・レグロス
受賞歴:第24回全米映画批評家協会賞 作品賞、監督賞、脚本賞
第55回ニューヨーク映画批評家協会賞 脚本賞
第15回ロサンゼルス映画批評家協会賞 脚本賞
1989年インディペンデント・スピリット賞 主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、撮影賞
公開日:1990年12月22日(日本)1989年10月9日(米国)

2.マイ・プライベート・アイダホ

映画マイ・プライベート・アイダホ
出典:映画「マイ・プライベート・アイダホ」ワーナー公式サイト

あらすじ

ストリートキッズのマイク・ウォーターズ(リヴァー・フェニックス)と、ポートランド市長の息子であるスコット・フェイヴァー(キアヌ・リーヴス)という生い立ちが対照的な2人の男。マイクとスコットは共に男娼として働いていた。

ある日、マイクは幼い頃に自分を捨てた母親を探すことを決意し、スコットと共にマイクの兄リチャード(ジェームズ・ルッソ)が住んでいるアイダホへと向かう。

ガス・ヴァン・サント監督「マイ・プライベート・アイダホ」のトリビア!

・「マイ・プライベート・アイダホ」は、ガス・ヴァン・サント監督の原点となっている「ポートランド3部作」のひとつです。
・主人公のマイクとスコットを演じたリヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスは、役作りのために男娼について徹底的にリサーチをしたそうです。

ガス・ヴァン・サント監督の「マイ・プライベート・アイダホ」みどころ!

「マイ・プライベート・アイダホ」は、複雑な生い立ちながらも強く生きようとする若者たちの生き様がセンセーショナルに描かれている所がみどころです。
若かりし日のキアヌ・リーヴスや、若くしてこの世を去ったリヴァー・フェニックスのハンサムな魅力も堪能できます。

家族、友情、愛情など、いろいろなことを考えさせられる作品です。

基本情報

上映時間:102分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:キアヌ・リーヴス、リヴァー・フェニックス
受賞歴:第48回ヴェネツィア国際映画祭 主演男優賞
第26回全米映画批評家協会賞 主演男優賞
1991年インディペンデント・スピリット賞 主演男優賞
公開日:1991年7月20日(日本)1991年10月18日(米国)

3.誘う女

映画誘う女
出典:amazon.co.jp

あらすじ

お天気キャスターであるスーザン・ストーン(ニコール・キッドマン)は、テレビに映らなければ意味がないという信条の持ち主。さらに有名になって目立ちたいと思っていたスーザンはニュースキャスターを目指していたが、夫のラリー(マット・ディロン)は彼女の夢に興味を示さない。

ある日、仕事に夢中になって家庭を疎かにしていたスーザンに、ラリーは「子供を持って、将来はレストランの経営を手伝って欲しい。」と告げる。

その言葉を聞き、有名になるという目標達成の過程で夫の存在が邪魔になることに気が付いたスーザンは、高校生の少年をそそのかして、夫を殺害させることを思い付く。

ガス・ヴァン・サント監督「誘う女」のトリビア!

・「誘う女」は、1990年に実際に起きた事件をテーマにした小説「誘惑」を映画化した作品です。この事件の犯人であるパメラ・スマートは、映画と同様に夫を殺させた罪で終身刑になり、現在も服役しています。

・企画段階では、スーザン役にサラ・ジェシカ・パーカーや、ジョディ・フォスターなど数多くの女優が候補に挙がっていました。そんな中、本作の脚本を読んだニコール・キッドマンは、ガス・ヴァン・サント監督の自宅に電話を掛け、どのようにスーザンを演じたいかを40分以上語ったそうです。その結果、見事にニコール・キッドマンが役を勝ち取りました。

ガス・ヴァン・サント監督の「誘う女」みどころ!

「誘う女」のみどころは、主人公のスーザンを演じたニコール・キッドマンの清々しいまでの悪女ぶりです。実際の事件が元になっていますが、事件とは違う展開になっていく所が面白いので、最初から最後まで目が離せません。
事件に関わった人々のインタビューを交えて、ストーリーが進んでいくので、ドキュメンタリー要素もある作品です。

名女優ニコール・キッドマンの神々しい魅力も堪能できます。

基本情報

上映時間:106分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:ニコール・キッドマン、マット・ディロン、ホアキン・フェニックス
受賞歴:第53回ゴールデングローブ賞 主演女優賞
公開日:1996年6月22日(日本)1995年9月27日(米国)

4.グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

映画グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
出典:映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」公式facebook

映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」予告編

あらすじ

ある日、大学教授のジェラルド・ランボー(ステラン・スカルスガルド)は、世界屈指の頭脳を持つ生徒たちに難問を出す。誰もが悪戦苦闘する中、いとも簡単に答えを導き出したのが、ウィル・ハンティング(マット・デイモン)という青年だった。

ウィルは孤児で、清掃員として大学に来ていた素行不良の少年だった。 ウィルの類いまれなる才能に目を付けたランボーは、ウィルを更生させようと様々な心理学者に彼を診てもらったが、どの学者もまともに彼と話すことができなかった。

困ったランボーは、最終手段として不仲な心理学講師のショーン・マグワイア(ロビン・ウィリアムズ)にカウンセリングを依頼する。

ガス・ヴァン・サント監督「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のトリビア!

・「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」は、ウィル役のマット・デイモンがハーバード大学に在学中、シナリオ製作の授業で作った戯曲を親友であるベン・アフレックに見せたことがきっかけで生まれました。2人は共同で本作の脚本を手掛けています。

・センター分けで印象的なマット・デイモンの髪型ですが、当時ガス・ヴァン・サント監督やベン・アフレックは、その髪型で撮影することに反対していたそうです。しかしマット・デイモン自身は気に入っていたため、そのままの髪型で映画が撮影されました。

ガス・ヴァン・サント監督の「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」みどころ!

「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のみどころは、心に突き刺さる名言の数々です。
主人公の少年ウィルや、彼が出会う心理学講師のショーンなど、いろいろな人物が発する深い言葉たちは、観る者の人生に彩りを与え、
生きていく上で大切なものは何かということを教えてくれます。

まだ俳優として無名だったマット・デイモンの、初々しい演技にも注目です!

基本情報

上映時間:127分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:マット・デイモン、ベン・アフレック、ロビン・ウィリアムズ
受賞歴:第70回アカデミー賞 助演男優賞
第55回ゴールデングローブ賞 脚本賞
第48回ベルリン国際映画祭 銀熊賞
第3回放送映画批評家協会賞 オリジナル脚本賞、ブレイクスルー賞
公開日:1998年3月7日(日本)1997年12月5日(米国)

5.エレファント

映画エレファント
出典:amazon.co.jp

あらすじ

オレゴン州のワット高校では、生徒たちがいつもと変わらない1日を過ごしていた。

ジョン(ジョン・ロビンソン)は、学校まで送ってくれた父親が酒に酔っていることに気付き、兄に迎えに来るように連絡をする。
写真部員のイーライ(イライアス・マッコネル)は、公園でポートレートの制作中。
女子から大人気のアメフト部員ネイサン(ネイサン・タイソン)は、練習後に恋人と待ち合わせをしていた。

そんな中、内向的でいじめられていたアレックス(アレックス・フロスト)とエリック(エリック・デューレン)は、ネットで購入した銃を持って学校へと向かっていた。

ガス・ヴァン・サント監督「エレファント」のトリビア!

・「エレファント」は、1999年にコロラド州で実際に起きたコロンバイン高校銃乱射事件をテーマにして製作されました。
・生徒役のキャストは全員オーディションで選ばれ、ほとんどが役者経験なしの少年少女でした。役名は彼らの本名から付けられていて、それぞれの役どころや台詞にも演じている役者自身の生活や、実際に体験したことが反映されています。そのため、アメリカの高校での雰囲気を忠実に表現できていて、実際に起こった事件の悲劇がリアルに伝わってきます。

ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」みどころ!

「エレファント」のみどころは、銃の乱射事件をテーマにしながら、ひとりひとりの学生たちの日常を丁寧に描いている点です。いつも通り過ごしている風景がたくさん差し込まれていることによって、事件の悲惨さを更に深く実感できます。

人の心をいとも簡単に変えてしまういじめという行為の惨さ、一瞬にして命が奪われてしまう銃の恐ろしさを肌で感じることができる作品です。

基本情報

上映時間:81分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:アレックス・フロスト、エリック・デューレン、ジョン・ロビンソン
受賞歴:第56回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール、監督賞
公開日:2004年3月27日(日本)2003年10月24日(米国)

6.永遠の僕たち

映画永遠の僕たち
出典:「永遠の僕たち」公式facebook

映画「永遠の僕たち」予告編

あらすじ

交通事故で両親を失ったイーノック・ブレイ(ヘンリー・ホッパー)は、事故によって臨死体験をして以来、日本人の特攻青年ヒロシ・タカハシ(加瀬亮)に取り憑かれ、彼が唯一の話し相手となっていた。

死に囚われてしまったイーノックは、見ず知らずの人の葬式にこっそり参列する日々を送っていたが、ある日それを咎められた彼は、参列者の少女アナベル・コットン(ミア・ワシコウスカ)に救われる。

アナベルは自分の余命があと3ヶ月しかないことをイーノックに打ち明け、2人は徐々に距離を縮めていく。

ガス・ヴァン・サント監督「永遠の僕たち」のトリビア!

・「永遠の僕たち」で主人公のイーノックを演じたヘンリー・ホッパーは、名優デニス・ホッパーの1人息子です。アクターズスクールで学びながら数々のオーディションを受けていたそうですが、本作が映画デビュー作となりました。
・日本人キャストとして出演している加瀬亮は、ガス・ヴァン・サント監督が「エレファント」のPRで日本に訪れていた時に、雑誌の対談をしたことがきっかけで監督と出会い、それが後に「永遠の僕たち」のオファーに繋がりました。

ガス・ヴァン・サント監督の「永遠の僕たち」みどころ!

「永遠の僕たち」のみどころは、ファンタジーの要素が絶妙に組み込まれた、繊細なラブストーリーです。それぞれ「死」に支配されている男女の恋が描かれていますが、悲しいテーマながらもどこか温かい気持ちになれます。

ミア・ワシコウスカ演じるアナベルのおしゃれでキュートなファッションにも注目です!

基本情報

上映時間:90分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮
受賞歴:なし
公開日:2011年12月23日(日本)2011年9月16日(米国)

7.追憶の森

映画追憶の森
出典:映画「追憶の森」公式twitter

映画「追憶の森」予告編

あらすじ

アメリカから富士山の麓にある青木ヶ原樹海にやってきたアーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)は、死に場所を求めていた。

アーサーが睡眠薬を飲んで自殺を図ろうとしていた時、目の前に傷だらけの日本人男性ナカムラ・タクミ(渡辺謙)が現れ、アーサーに助けを求めた。樹海からでたがっているナカムラを放っておけず、一緒に樹海の出口を探し始めたアーサーだったが、なかなか出口を見つけることができない。

そして樹海を彷徨い歩く2人は、互いに自分が何者なのか、なぜここに来たのかを話しながら、数々の災難に見舞われていく。

ガス・ヴァン・サント監督「追憶の森」のトリビア!

・映画を撮影するにあたってガス・ヴァン・サント監督は、撮影前に主演のマシュー・マコノヒーと話し合いを行い、「日本で撮影がしたい。」と話していました。撮影はアメリカのフォックスボロで始まり、最終的には監督の念願通り日本での撮影も実現しました。
・「追憶の森」の企画段階で、1番初めにキャスティングされたのは、ナカムラ・タクミ役の渡辺謙でした。
・渡辺謙は、死生観をテーマにした本作のオファーを受けた時、初めは渋っていたそうです。

ガス・ヴァン・サント監督の「追憶の森」みどころ!

「追憶の森」のみどころは、マシュー・マコノヒーと渡辺謙の芝居合戦です。映画のほとんどが2人の会話劇で成り立っていますが、観客を飽きさせない演技力で難しい役どころを演じています。
なぜ男たちが樹海にやってきたのかという謎が、どんどん明かされていくのが面白いです。

自殺が多い樹海の中で出会った2人の男が、互いに助け合いながら自分の人生を見つめ直していく姿に思わず感動してしまいます。

基本情報

上映時間:111分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演者:マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ
受賞歴:なし
公開日:2016年4月29日(日本)2015年5月16日(米国)

まとめ

ガス・ヴァン・サント監督の作品を公開年順に紹介しました。社会のはぐれ者たちを魅力的に描いているガス・ヴァン・サント監督の作品は、唯一無二で独特の雰囲気を醸し出しています。

今後もガス・ヴァン・サント監督の作品に注目です!