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映画『ティファニーで朝食を』の名言集!自由を求める女性の考え方とは?

ひつじ

『ティファニーで朝食を』は、1961年のアメリカの恋愛映画です。この映画はオードリー・ヘプバーン主演作品の中でも、『ローマの休日』と並ぶほど認知度が高い映画の1つと言えるでしょう。物語の筋書きは、同じアパートに住む男女の恋愛を描いたものですが、同時に誰のものにもなりたくない主人公のジレンマや、心理的葛藤にもスポットが当てられています。

「女性の自由と自立」これは当時のアメリカ人にとって非常に刺激的で、興味深いテーマだったのではないでしょうか?この記事では自由奔放でいられる自分に憧れつつも、経済力のある男性を求めてしまう主人公の名言を中心に、ハッとさせられるような素晴らしいセリフをご紹介します。

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目次

あらすじ

主人公ホリー(オードリー・ヘプバーン)はニューヨークのアパートに、拾ったネコと共に暮らしている。ただしこのネコに名前はない。
ある日アパートの上の階に、ポール(ジョージ・ペパード)という男が引越ししてきた。ポールは過去に短編小説が売れた事もある作家だが、最近は主に2E(パトリシア・ニール)という人妻と不倫関係を持つことで、収入を得ているようだ。

ホリーもまた、定職には就いていなかった。彼女はコールガールでありパーティーで知り合った複数の男性と、共に酒を飲む事でチップを受け取り、それで生計を立てていたのだ。またホリーは、シンシン刑務所の囚人サリー・トマト(アラン・リード)に面会に行くことで、毎週一定額の報酬を受け取っていた。サリー・トマトは税金をごまかした罪で、刑務所に入っている。

ホリーと同じアパートには、日系アメリカ人のユニオシ(ミッキー・ルーニー)が住んでいた。ホリーはアパートの鍵を忘れる癖がひどく、そのたびにユニオシから開けてもらっていたのだ。
ユニオシは騒音などのマナーにも厳しく、ホリーに対してたびたびクレームをつけてくる。越してきたばかりのポールは、電話を借りる為ホリーの部屋を訪ねるが――。

『ティファニーで朝食を』の思いがけない名言・名台詞

ティファニーで朝食を
出典:映画『ティファニーで朝食を』公式Facebook

映画『ティファニーで朝食を』の物語は、主人公であるホリーが人気宝石店「ティファニー」のショーウィンドウを眺めながら、デニッシュをかじるシーンからスタートします。
「ティファニー」は女性の憧れでもあり、劇中でのヘプバーンのファッションやヘアスタイルは、当時多くの女性のファッションスタイルのお手本となりました。

原作はトルーマン・カポーティの同名中編小説である、『ティファニーで朝食を』です。アメリカの小説家であるカポーティは、この小説の中でホリーという女性を、常識にとらわれない生き生きとした人物として描いています。
本来この物語の映画化が決まった時、主役にはマリリン・モンローが選ばれていましたが、モンローがこの役を断った為、ヘプバーンが演じることになりました。

この映画の監督は『酒とバラの日々』や『ピンク・パンサー』シリーズでも知られる、ブレイク・エドワーズです。また劇中でホリーが歌う『ムーン・リバー』は、本作が公開された年の大ヒット曲となりました。ここでは登場人物らの、生き生きとした名言をご紹介します。

【名言①】「名無しのネコちゃん、名付け親が必要ね。私は拾って来ただけだし」

ティファニーで朝食を 名言
出典:映画『ティファニーで朝食を』公式Facebook

これはホリーのセリフですが、彼女は拾ったネコに対して無責任な訳ではありません。彼女がネコに名前を付けない理由は、自分がまだ安住できる場所を見つけていないから、なのです。よってホリーはこのネコに対して、きちんと敬意を払っていると言えるでしょう。
また
名前を付ける=所有することでもあり、それはホリーが他者から決してして欲しくないことの1つであるからだとも言えます。

【名言②】「落ち着ける所よ、ティファニーにいる時みたいにね」

ポールがホリーを訪ねてきた時の、彼女のセリフです。がらんとして何もない部屋に通されたポールは、「最近入居したのか?」とホリーに訪ねます。ホリーにとっては今のアパートは、仮の住居であり望んでいる場所とは違っていました。

よって彼女は宝石店のティファニーのように落ち着ける場所を見つけるまでは、家具類などを含め多くの物を所有しないつもりなのです。また彼女は、気分が落ち込んだときはティファニーに行くと、元気が出るのだとポールに説明します。
ティファニーに住むわけにはいきませんが、そこにいる時のような気分になれる場所を彼女は探しているのでしょう。

【名言③】「あなたは変な動物を可愛がるし。ケガをした鷹や足を折った山ネコを連れてきたわ。可愛がって丈夫にしても森に逃げられるだけよ、高い木の上や大空に。」

元夫ゴライトリー(バディ・イブセン)に対して言った、ホリーのセリフです。医者のゴライトリーは怪我をした動物をたびたび庇護して、回復するたび逃げられていました。野生の動物とは、ホリー自身の例えなのかも知れません。


ホリーを自分の家におきたがるゴライトリーですが、結局自由に羽ばたく鳥のような生き物を、愛しているのでしょう。このような矛盾した登場人物の感情は、映画をより興味深いものにしています。

【名言④】「お願いだから、分かって欲しい。ルラメーはもういない。私は別人なのよ」

ニューヨークのホリーのアパートを、わざわざ訪ねてきたゴライトリーを見送る際、別れ際にホリーが言ったセリフです。何と彼女の実の名はルラメーであり、ホリーというのは新たに付けた名前でした。
ゴライトリーはホリーのことを昔の名前で呼びますが、彼女がルラメーと呼ばれることを嫌がっているのは、一目見れば分かります。

おそらくホリーは過去の自分とは決別し、完全に違う人生を歩もうとしているのでしょう。ホリーには兄以外の身寄りがおらず、14歳でゴライトリーと結婚しました。彼はホリーに、何不自由ない暮らしをさせていたようです。
しかし彼女にとっては、幸せな過去とは言いがたいものなのかも知れません。
自分が誰の所有物でもないことがホリーのポリシーである以上、これは彼女の中で譲れないことなのだと考えられます。

【名言⑤】「今日は今までにしなかったことをしましょうよ」


出典:映画『ティファニーで朝食を』公式Facebook

ポールは気まずい雰囲気で別れたホリーとの関係を修復する為にも、久々に彼女の部屋を訪ねます。これはその時の、ホリーのセリフです。その日ホリーとポールは朝食前にシャンパンを空け、2人でニューヨークの街をうろつきティファニーに入りました。

またホリーはこれまでに1度も万引きをしたことがないというポールを誘い、10セント・ストアで動物の顔をしたお面を万引きしました。ホリーの行動は刺激的で、ポールの心を掴みます。
しかし一
緒にいて楽しい女性である反面、次に起こす行動が常に予測出来ません。例えばポールの部屋のベッドに1度は潜り込んだものの、次に彼が目を覚ました時には、もういなくなっていたりするのです。

【名言⑥】「多少異例ですが当店は物分かりが良い方で、文字のご注文を頂ければ、何とか明朝までには」


出典:映画『ティファニーで朝食を』公式Facebook

ポールとホリーはティファニーの店内に入り、店員に10ドルの予算で購入出来るものはないかと尋ねます。物静かなこの店員(ジョン・マッギーヴァー)は非常にジェントルで、6ドル75セントの電話のダイヤル回しを薦めるのです。
そこでポールはコーン・キャンディーのおまけに付いてきた指輪を見せ、これに刻印してもらう事は出来ないかと交渉しました。

これはその時に店員が言った名言です。意外にも上品なこの店員は、今でもコーン・キャンディーにおまけが付く事に深く感心します。また彼はめまぐるしく変化する世の中で、ホッとできる話だとも言いました。短いシーンですが、この映画の中で重要な場面の1つと言えるでしょう。

【名言⑦】「待て、だったらこれをやるよ。化粧室の50ドルだ」

図書館で偶然ホリーと再会したポールは、彼女を必死に口説き離れません。しかし何とホリーは富豪のホセ(ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ)と結婚すると言い出し、ポルトガル語を勉強しているのでした。ポールは彼女に「愛している」と言いますが、ホリーは逃げるように化粧室へ向かいます。

ポールはホリーのその態度に、ガッカリしたのでしょう。彼女が化粧室へ入る前に50ドルの小切手を渡し、このセリフを吐き捨てます。ポールは自分が、コールガールに群がる大勢の男と同じなら、彼らと同じように君に化粧室のチップをやるよと、言いたかったのかも知れません。
化粧室のチップ代がそんなに高額な訳はありませんから、残りはホリーのお小遣いとなる訳です。ホリーはこれを、何とも言えない表情で受け取りました。

【名言⑧】「だがあの娘はイカれている。ニセ物だ。だが本物のニセ物だ、意味が分かるか?」

ホリーが刑務所で面会していた老人サリー・トマトは、実は麻薬ギャングのボスでした。この事実が発覚したおかげで、ホリーは大スキャンダルに巻き込まれます。
また事件のせいで警察に拘束されていたホリーですが、
O・J・バーマン(マーティン・バルサム)という男が義理で保釈金を払いました。この名言はO・Jがポールに「ホリーを迎えに行ってやれ」と、電話で言うシーンのものです。

O・Jはホリーが田舎から出てきたばかりの時の世話人で、「彼女を愛している」と言っていました。また彼はホリーのことを、「自分の嘘を本当だと信じているから、本物のニセ物だ」と言うのです。O・Jは以前パーティーの時にも、同じことをポールに話しています。しばらくの付き合いでホリーの性格を理解したポールは、O・Jのこの質問に対して「分かります」と答えるのでした。

【名言⑨】「人が人のものなんて!檻はお断りよ。私はホリーでもルラメーでもないわ、ネコと同じ名無しなのよ。誰のものでもない、ひとりぼっちよ」


出典:映画『ティファニーで朝食を』公式Facebook

ポールはO・Jに言われた通りホリーを迎えに行き、彼女をタクシーに乗せました。ホリーの婚約者だったはずの富豪ホセは、スキャンダルを知り彼女との関係を断つ内容の手紙をよこしてきたのです。
そのことに傷ついたホリーは、ポールからの「君を愛している、君は僕のものだ」という愛のメッセージを、突っぱねてしまいます。彼女は強気でこの名言を吐き捨てた後、
タクシーを止めて飼っていたネコをどしゃぶりの雨の中放すのでした。

ホリーには野生動物のような自由さがあり、そこが彼女のチャームポイントかも知れません。しかしホリーの分身ともいえるこのネコを、まるで当て付けのように自由にする彼女は、もはや自分を放棄している状態であるとも言えるでしょう。
ホリーは自由である事に捉われるあまり、自分にとって何が大切なのかも分からなくなっていきます。

【名言⑩】「君は自分で作った檻の中にいるのだ。その檻はテキサスでも南米でもついて回る。自分からは逃げられないからだ。何か月も待っていたが、もういらない」

ティファニーで朝食を
出典:映画『ティファニーで朝食を』公式Facebook

ネコを野放しにしたホリーの態度を見て、ポールは怒ってタクシーを降りました。これはその時のポールの名言ですが、このセリフにはなるほどと思わせられる部分が多数あります。例えばこの名言からすれば、ホリーはただ表面的な自由を追い求めていただけなのかも知れません。

現に彼女は元夫からも逃げてきたわけですが、心底幸せであるようには見えません。ポールが「もういらない」と言ってホリーに投げつけた指輪は、いつか2人でティファニーに行き刻印をしてもらったものでした。
それを見てハッとしたホリーは、タクシーを降り、雨の中名無しのネコを必死で探します。ホリーはポールと共に生きるこそが、幸福への道だとやっと気付けたのです。

まとめ

以上『ティファニーで朝食を』の名言をご紹介しました。本作品は恋愛映画でありながらも、自由や自立など現在にも通用するような、普遍的なテーマが語られています。またこの映画を鑑賞すれば、女性の自立が困難であった1960年代当時のアメリカの時代背景を垣間見ることができるかも知れません。
劇中の名言を俳優達の生の声で聞けば、本作が素晴らしい作品であるときっと理解できるでしょう。機会があれば、ぜひご鑑賞ください!

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ひつじ
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