ダークファンタジーの火付け役!『アダムス・ファミリー』のネタバレあらすじ
アメリカでは古くから愛されている『アダムス・ファミリー』。ゴシックな雰囲気漂うコメディ作品で、ドラマ&アニメ化されたことでも有名です。年代問わず観られるラフさが魅力の一つですね!
ちょっぴりインパクトの強いキャラクター達の行動には毎度驚かされますが……観ているうちにだんだん病みつきになってくるはず!?今回は記念すべき第一弾の映画版をご紹介致しますので、ぜひ本作の世界に触れてみて下さいね!
目次
あの監督も影響を受けた!?知名度高き『アダムス・ファミリー』!
ドラマやアニメで有名な本作ですが、原作はアメリカの雑誌『ザ・ニューヨーカー』の掲載されていた漫画なんです。日本でいうところの「サザエさん」や「コボちゃん」のような感じでしょうか。ただし4コマではなく1コマ漫画であり、タイトルもなければ登場キャラクターの名前もつけられていなかったそう。作者の名前が「チャールズ・アダムス」であったことから、タイトルに姓が取り入れられたようです。
大抵週刊誌や雑誌の漫画はイラストが簡易的というイメージがつきがちですが、『アダムス・ファミリー』に至ってはゴシックな雰囲気でまとめられていました。これにはあのティム・バートンも影響を受けたと言います。確かに彼の作品もゴシックさが魅力となっていますから、その話には思わず納得してしまいますね。
ダークファンタジーの金字塔ティム・バートン監督のおすすめ映画特集!タイトルもない、キャラの名前もない状態で1937年よりスタートした漫画ですが、徐々に設定も固められ1964年にはドラマ・アニメ化を果たします。ちょっぴり奇妙だけど憎めないアダムス・ファミリーが人々の心を掴み、みるみるうちに人気作品へ!日本でもアニメが放送され、その時のタイトルは『アダムスのお化け一家』でした。
ちなみに2008年にはブロードウェイミュージカル化しており、2014年には日本にも上陸していたのだとか。海外のみならず日本人にもファンが多いことから、根強い人気を誇っています。
愉快な『アダムス・ファミリー』のメンバーを紹介!
タイトルに「ファミリー」とつくだけあって、屋敷に住む人々は皆身内。丘の上にある大きな屋敷に住んでおり、莫大な資産を持っていることから「お金持ち」の部類にあたるのです。
けれども普通の一家とは違い、彼らは悪いもの、不謹慎なもの、怖いもの、不気味なものがだ~い好き……(!)全員の正体はお化けであることから、人々の嫌いなもの・ことを好むのでしょう。そんな個性的なファミリーの一員をご紹介致します。
ゴメズ・アダムス:ラウル・ジュリア
アダムス家の大黒柱であるゴメズ。漫画・アニメ版では小柄ででっぷりと太った中年男性として描かれていますが、映画・ドラマ版では長身でスタイリッシュな雰囲気と設定が変更されています。周りから「頭が良くない」と噂されるほど、頭の回転はあまり良くありません(笑)たまにドジを踏むことも多いですが常に明るく、家族を心から愛している優しいパパといった印象です。
特に妻のモーティシアを溺愛しており、二人のラブラブっぷりは見ていて羨ましくなるほど。「こんなアツい夫婦になりた~い!」なんて声も、あるのではないでしょうか?
そんなひょうきんであるゴメズを演じるのはラウル・ジュリア。1969年から活躍していた俳優であり、ゴールデングローブ賞に度々ノーミネート・受賞をされていた人物です。54歳という若さで亡くなり1995年公開の『闇に抱かれて』が遺作となってしまいました。
モーティシア・アダムス:アンジェリカ・ヒューストン
ゴメズの妻であるモーティシアはとても落ち着いた性格で、ゴメズをそっとサポートする麗しい女性です。正体は魔女であり、異様にやせ細った体と青白い顔が特徴的。家族や身内にはいつも優しく、微笑みを忘れないエレガントさを持っています。ただしあの微笑みが何を考えているか分からず、逆にコワイなんて声も…
ゴメズとは常にラブラブであり、二人の熱が燃え上がるとフランス語が口から飛び出す不思議な一面も。二人だけのヒミツ、といった感じでしょうか……羨ましい限りです。
モーティシアを演じるのは女優のアンジェリカ・ヒューストン。『ティンカー・ベル』のクラリオン女王の声で馴染みのある人も多いと思います。非常に息の長い女優であり、現在も精力的な活動を続けていますよ。
フェスター・フランプ:クリストファー・ロイド
ゴメズの兄であり、アダムスファミリーの子供たちにとっては伯父にあたる人物。頭は髪の毛一本生えておらずツルッツルで、目の周りは常に真っ黒。そして全身を黒いマントで覆っているので、見た目は屋敷の中で一番奇妙かもしれません。
ですが性格は至ってまとも、子供達の面倒見が良いなど優しい一面もあります。けれどもアダムスファミリーの一家ですから、”まとも”と言ってもダイナマイトでイタズラしたり、過激な行動も多いです……(笑)
フェスタ―を演じるのは『バック・トゥ・ザ。フューチャー』のドク役でお馴染み、クリストファー・ロイド!濃いメイクに身を包み、最初は彼と気づかなかった人もきっと多いはず。抜群の演技力で鑑賞者を引き付ける、魅力いっぱいのキャラクターとなっています。
ウェンズデー・アダムス:クリスティーナ・リッチ
アダムスファミリーの長女。基本的に無表情で無口、何を考えているかモーティシア以上に分からない不気味な少女です。口を開けば毒を吐き、子供らしさはまるでありません!見た目は全く奇妙ではありませんが、実は足の指が6本存在しているという……。常に黒い服を好み、ワンピースが良く似合っていますね。
遊びに関しては極めて残虐なものが多く「電気椅子ごっこ」や「葬式ごっこ」など10歳とは思えないほどのブラックさ(笑)ただし冷酷なだけではなく、成績優秀で勘も鋭いことから様々な面で家族の力になっています。
ウェンズデー役はクリスティーナ・リッチ、本作に出演後から一気に知名度が上がったそう。小柄な体が特徴的で、可愛らしい雰囲気を持っている女優さんです。
パクズリー・アダムス:ジミー・ワークマン
ウェンズデーの弟であるパクズリーはファミリー内で最も”フツー”の外見。そこら辺を歩いている子供といった感じですが、実際はイタズラ大好きっ子。よくウェンズデーやフェスタ―と共に、やってはならないレベルのイタズラを仕掛けて楽しんでいます。交通標識を盗んできて、事故を起こさせるという、悪すぎる趣味も……。
ウェンズデーとは仲が良いものの、彼女にはいつもいじめられています。いじめの内容もまぁヒドいものですが(笑)、本人はあまり嫌がっている素振りを見せないのもまた面白いところ。
パクズリーを演じるのはジミー・ワークマン。姉に女優のシャネル・ワークマンを持っていますが、ジミー本人は俳優活動を現在は行っていません。映画製作などの裏方として活躍しているそうですよ。
グラニー・アダムス:ジュディス・マリナ
ゴメズ&フェスタ―の実母であり、子供たちにとってはおばあちゃんにあたる女性。「グラニー」とはあだ名のようなもので、正式な名前は「フランプ」というようです。見た目はいかにも魔女らしい老婆で、ものすご~く長生きなんだとか。一家の料理やおやつを作る姿が見られ、悪趣味な部分を除けば可愛らしいおばあちゃんといった印象ですよね。
グラニーを演じるのは2013年まで活躍した女優のジュディス・マリナ。1958年から業界入りを果たし、女優だけではなく脚本家としての功績も遺したのだとか。現在は亡くなられていますが、アメリカでは有名な女優でした。
ラーチ:カレル・ストルイケン
お屋敷の執事を務めるラーチは長身でヒョロヒョロの、見ていて危なっかしくなるような男性(笑)アダムスファミリーのことを心から愛しており、一家もまたラーチの存在を大切にしています。見た目はちょっぴり奇妙ですが、彼もまた大切なファミリーの一員です。
ラーチを演じるのはカレル・ストルイケン。身長がなんと213センチ(!)もあり、ラーチの設定にぴったりな俳優さんですね。高身長を活かして様々な作品へ出演。「名脇役」としても知られています。
ハンド:クリストファー・ハート
ラーチのような執事と思いきや、実はゴメズの幼馴染なんです!屋敷内をパタパタと動き回り、人間と同じ意思があるのでピンチの時は家族の力となってくれます。普段はゴメズの身の回りの世話をしているようですよ。
ちなみにハンドの手はクリストファー・ハートというマジシャンが演じているそう。通りで手つきが美しいと言いますか……動きに特徴的なものを感じますよね!
『アダムス・ファミリー1』のネタバレあらすじ
ゴメズの決心
ある丘の上には大きな屋敷がそびえたっている。その建物に住むのは「アダムスファミリー」と呼ばれる、一風変わった家族だった。大黒柱のゴメズ(ラウル・ジュリア)は人間とは比べ物にならないくらい身体能力が高く、なぜか金回りが良い。妻のモーティシア(アンジェリカ・ヒューストン)は常に黒のドレスを纏っており、魔女の家庭に生まれたことから不死身である。そんな夫婦だが二人はラブラブで、お互い愛の言葉をささやき合うほどだった。
両親だけではなく子供も奇妙な雰囲気があり、長女のウェンズデー(クリスティーナ・リッチ)は無口&無表情。長男のパクズリー(ジミー・ワークマン)で明るいが桁違いの悪戯好き。そしてゴメズの母であるおばあちゃんのグラニー(ジュディス・マリナ)も魔女の血を引いていた。
とにかく一家全員が変わっているのだが、アダムス家は莫大な資産を有する、いわば「お金持ち」なのである。大きな屋敷を構え、執事のラーチ(カレル・ストイルケン)を雇いながら優雅に暮らしている。
一見何の悩みもなさそうに見えるが、ゴメズは過去に行方不明となっていた実の兄・フェスタ―(クリストファー・ロイド)の存在が気になっていた。ゴメズは若かりし頃、女性関係の嫉妬によって彼を追い出してしまったのである。兄のことを考えていると偶然にもその日の夜に、フェスタ―に関する夢を見てしまった。その出来事をきっかけに、25年間行方知らずだった彼を探すことに決める。
資産を狙う者
資産家のアダムス一家には顧問弁護士のタリー(ダン・ヘダヤ)が仕えていた。長い付き合いではあるが、タリーの正体は悪徳弁護士。自身に多額の借金があることから、一家の資産を狙い続けていたのだ。しかし思うようにはいかず、いつも新たな金儲けの話を持ち掛けるのですが、毎回うまくいくことはない。闇金などの悪事を働き、タリーに金を貸すアビゲイル(エリザベス・ウィルソン)は多額の利子をつけ、一向に返済できぬ彼を追い詰めていた。
そんな中タリーはアビゲイルの息子・ゴードン(クリストファー・ロイド)が行方不明になったフェスタ―とよく似ていることに気づく。タリーは借金を返済したい気持ちから、そしてアビゲイルはお金を取り立てて向けたい気持ちから2人は協力体制に入った。ゴードンをフェスタ―としてアダムス家に送り込み、資産をガッポリと奪うという作戦だ。毎年アダムス家では「降霊会」というのが行われており、ゴメズは消えた兄をこの場で呼び出そうとしていた。タリーとアビゲイルはこのイベントを逆利用して、資産を奪う計画を立てていく。
そしていざ降霊会の日、儀式を終えて偽のフェスタ―を屋敷へ登場させると……ゴメズは疑いもせず、本人だと信じ込んでしまう。アビゲイルの「彼は網にかかっていた」という雑な説明もすんなりと受け入れ、一家の一員として再び招き入れたのだ。
偽フェスタ―のドキドキな日々
ゴードンはフェスタ―に扮してあっさりと屋敷に入るも、似せたのは格好だけ。昔話をされても一切分からず、彼の過去や性格さえ把握していないことからボロを出しまくってしまう。能天気なゴメズは「昔のことだから忘れているんだな」と仕方なく思うが、鋭いウェンズデーには「本物?」と早速疑われてしまった。更にはフェスタ―にしか知らない鍵の暗号まで分かっていなかったので、ゴメズにも怪しまれてしまう。
ゴードンは母の言われた通りにしているだけであり、彼女の期待に応えようとする素直な青年であった。奇妙な屋敷の生活にも耐え、なんとかフェスタ―を演じて潜入を続けていると……だんだんアダムスファミリーに愛着が湧いてきてしまう。子供達とは打ち解け、共にイタズラをするほどの仲になる。そして悪趣味な一家の方向性にも、だんだんと慣れてくる自分がいた。
そんな一方でタリーやアビゲイルは動き続けており、遂に最終段階へ突入する。屋敷で行われる盛大なパーティーの日に金庫を破って資産を奪う計画を立てていた。しかしその話をゴードンとしている最中に、ウェンズデーに聞かれてしまう。
彼女に聞かれたことをマズく思う大人たち、彼女を追いかけるとウェンズデーは墓地へと逃げていった。そしてアダムスファミリーはパーティーが終わっても長女の姿が見えないことを心配している。無事に墓地で見つかったのだが、屋敷へ戻ると計画は実行され、資産が奪われていたのである。差し止めの手続きを行ってしまい、全ての資産はゴードンのものとなってしまっていた……。屋敷を追い出された一家は、丘の下貧乏な暮らしをするハメに。
ゴードンの正体
悲しみにうちひしがれて動けないゴメズを救うべく、モーティシアは屋敷へと向かって話をつけにいった。しかし意地悪なアビゲイルに捕まってしまい、絶対絶命のピンチに陥ってしまう。その状況をハンド(クリストファー・ハート)は偶然にも捉えており、急いでゴメズへと知らせに行く。愛する妻のために屋敷へ乗り込んだゴメズだが、アビゲイルは拳銃を所持しており、資産を渡す気は一切ない。更にはゴードンに「二人をこらしめろ」と命令するのだった。
しかしゴードンは一家に愛着が湧いていることから、そのようなことはできなかった。母に対して怒りを覚え、ある本に載っていた呪文を唱えると室内に嵐が巻き起こる。術を使った本人も見事に吹き飛ばされてしまい、雷に直撃してしまうという事故が発生。それと同時になくなっていた記憶が蘇り――、なんとゴードンは行方不明だったフェスタ―本人だったことが発覚する。どうやら記憶喪失になった際にアビゲイルに拾われ、養子となっていたらしい。悪事を働いた彼女とタリーはアダムス家の子供達によって、埋められてしまった。
その後、時はハロウィン。フェスタ―は無事に一家のメンバーへと戻り、アダムスファミリーは再び幸せな生活を送るのだった。
『アダムス・ファミリー』のトリビア3選!
トリビアその①原作で最初に登場したのは……
原作は設定がとにかく固まっていなかったため、家族全員が最初から登場していたのではありません。むしろ主人公らしい風格のあるゴメスが出てきたのは1942年、連載開始から5年後の事でした!
モーティシアとラーチは1938年の同時期から登場しているので、この二人の方が古いキャラクターなのですね。ハッキリと解明されていないのですが、初登場時のモーティシアは他の男性とパーティへ行っている様子から、独身だったことが推測されています。
ちなみにおばあちゃんとパクズリーはゴメスよりも後に登場しているので、開始時は家族全員の構想がなかったのでしょう。
トリビアその②最初は「アダムス」じゃなかった?
作者は姓を「アダムス」ではなく「フランプ」にする予定だったそうですが、ドラマやアニメ化の企画が進行すると、すっかり「アダムス」での話が進んでいたそう。世間でも「アダムス・ファミリー」の名前で馴染んでしまっていたことから、姓の変更はできなかったようです。そのため「フランプ」をモーティシアの旧姓という設定にしたのだとか。
「フランプ・ファミリー」でも悪くなさそうですが、やっぱり原作者の名前が取り入れられている方がインパクトも強いです。結果的には「アダムス」になってよかったのかもしれませんね。
トリビアその③映画3作目の企画があったものの……
実写映画は二作まで制作されていますが、興行収入も好調であったことから3作目の企画も進行していました。しかしその途中でゴメズ役のラウル・ジュリアが死去してしまったため、あえなく3作目の製作は中止に。悲しみの声が多数上がり、人気も高かったことから1998年にVシネマとして復活を果たします。
映画オリジナルという感じよりも、ドラマのリメイクにほぼ近いもの。キャストもほとんどが変更となっていますよ。
まとめ
根強い人気を誇る『アダムス・ファミリー』ですが2020年にはアニメ映画も新たに公開されます。前知識がなくても楽しめるかと思いますが、過去作を観れば楽しさはより倍増することでしょう!
映画版1に登場する、”あのキャラクター”も出てくるそうですよ。気になる方はぜひ『アダムス・ファミリー1』をご覧になってから、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。