韓国映画『ザ・コール』のあらすじネタバレ&ラストシーン考察

たかなし亜妖

 

Netflix限定配信が話題を呼んでいる、韓国映画の『ザ・コール』。同じ家で違う二人の女性が過去⇔現在同士で電話をし合ったことから運命の歯車が狂い始める……という恐ろしきスリラー。

ジワリと心を圧迫する描写や圧巻の演技力、そしてラストシーンには誰しもが釘付けになってしまうことでしょう。ストーリー、キャスト、雰囲気全てに花丸をつけたくなる、そんな作品です。

ドキリとさせられる描写こそあるもののホラーが苦手な方でも観られるのでご安心を。霊よりも怖いのはやはり人間、そんなことを思い知らせてくれる映画と言えるはず。本記事はネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意下さいね。

韓国映画『ザ・コール』について

ザ・コール Netflix
Netflix公式HP

本来は制作国の韓国にて公開が決定していたものの、コロナウイルスの影響によりNetflix上での配信が決定しました。『ザ・コール』だけでなく公開延期を余儀なくされた作品は多いので「限定配信」に踏み切ったのはまさに名案と言えるでしょう。配信直後からSNSでは大絶賛の嵐で「めっちゃ面白い」「映画館で上映されないのが勿体ない!」「とにかく怖かった」など、様々な感想が寄せられています。

2011年に公開された映画『The Caller(邦題:恐怖ノ黒電話』を原作としており、本作がデビューとなるイ・チュヒョンが監督を務めました。元の作品はホラーなのですが、『ザ・コール』はホラー要素を残してのスリラーとなっています。斬新なアレンジがこれまた良く、切れ味の鋭いストーリーが特徴的。1時間52分、画面から一瞬たりとも目が離せません!

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10秒で分かる『ザ・コール』の簡単なあらすじ

Netflix Japan公式YouTubeチャンネル

母の入院によって実家に帰ってきたソヨン。父はすでに亡くなっており、母とはあまり関係がうまくいっていませんでした。

実家に帰る途中スマホを落としてしまったソヨンは拾った女性から電話がかかってくるものの、謝礼を要求されそれっきり。そして固定電話には謎の電話が逐一かかってくるようになり、受話器の向こう側からは「助けて」「母に殺されそう」とSOSを求める声が……。

電話口の女性はヨンソクと言い、彼女が住んでいる住所はソヨンの実家と全く同じだったのです。つまり過去と現在で二人は通話し合っていることが分かりました。お互いの顔が分からないまま不思議な友情が生まれ、ある日ヨンソクは「いいこと」を思いついたのですが……。

 

『ザ・コール』のネタバレあらすじ

映画『ザ・コール』のストーリーを徹底解説していきます。まだ未鑑賞の方はご注意ください!

その①不気味な電話

ザ・コール 実家
IMDb

母の入院により実家に戻ってきたソヨン(パク・シネ)はその道中でスマホを落としてしまったことに気がつく。家の固定電話で自分のスマホに電話を掛けると一人の女性が出る。向こうはなぜか謝礼を求め「また連絡するから」と一方的に電話を切られてしまった。

再び電話が鳴り、ソヨンが急いで取ると次は見知らぬ女性が焦った様子で何かを言っている。「間違い電話では?」と伝えるとまたも一方的に電話を切られるのだった。

不思議な気持ちを抱えたまま母の入院している病院へ向かうと、主治医から手術が難航する旨を聞かされる。父はすでに死亡しており、ソヨンと母の関係はあまり良いものではなかった。そして家へ戻ると先ほどの女性からまたも電話がかかってくる。どうやら電話口の女性は母親に殺されそうになっているとのことだ。

彼女が「助けに来て欲しい」と言った住所はなんと、ソヨンの実家の旧住所であった……。

 

その②不思議な友情

ザ・コール 地下室
IMDb

電話がかかってきた日の夜、ソヨンは家族写真が落ちた音で目が覚める。なぜか家の中には地下へ行く階段があり、彼女は恐る恐る下へと降りていった。そこには古びた日記があり「霊を撃退するために母が火を点ける」といった恐ろしい一文と、若い女性が写った写真が残されていたのだ。

翌日そのことを近所に住むソンホおじさん(オ・ジョンセ)に聞いても、詳しくは教えてくれない。写真の女性の名前が「ヨンスク」であることが分かったくらいである。

だが謎の電話の相手はヨンスク(チョン・ジョンソ)であり、度々ソヨンの家にかけてきては自身の話を始めた。段々話が進むうちに、ソヨンのいる2019年、ヨンスクのいる1999年が何らかの形で繋がっていることが発覚する。ヨンスクは母の手により家に閉じ込められており、「魔除け」と称して色々なことをされているそうだ……。

ソヨンは母の不注意により家が火事に、それが原因で父を亡くしていることを告白。電話を通じてお互いの年齢が同じだということも分かり、二人は急接近した。

 

その③思いついた“面白いこと”

ザ・コール ヨンソク
IMDb

1999年、ソヨンら一家は引っ越しのために内件へ来ていた。それが元々ヨンスクの住んでいた家(=現ソヨンの実家)なのである。まだ当時ヨンスクと母はそこへ住んでおり、子供時代のソヨン達と会っていたのだ。本来はこの内件の後父親が死亡するのだが、「面白いこと」を思いついたヨンスクはソヨンの父を生き返らせるべく行動する。こうして過去は塗り替えられ、2019年の現在は彼女が幸せに暮らしている事実へと変化したのだ!

無くしたはずのスマホも手元にあり、元気いっぱいの両親。ソヨンはヨンスクに感謝し、彼女がファンだと言うアーティストの曲を電話越しに聞かせた。うまくいっていたと思われた二人だが、ある時ソヨンは家族旅行へと行ってしまう。電話にでないことを気に要らないヨンスクは怒り、そこから電話越しの関係は揺れ始めるのだった……。

 

その④恐ろしき事実


IMDb

ソヨンは旧住所をネットで調べると「養女を殺害した母」といったニュースが出てくる。2019年時点でヨンスクは死亡しているため、そのことを電話で伝えるとその日の夜、母は本当にヨンスクを殺そうとしていた。だが最初から知らされていた彼女は無事回避し、なぜ自分を殺そうとするのかを訪ねた。

「あなたは大勢の人を殺す」と母は口にするも、ヨンスクは理解ができず大笑い、そのまま母を刺殺してしまった。自由を手にした彼女は好きに食事をし、好きに洋服を買い伸び伸びと過ごすが母の死体は冷蔵庫の中……。彼女の家にイチゴを届けに来たソンホおじさんはうっかり冷蔵庫を開けてしまい、悲鳴を上げた。それを見られたためヨンスクはおじさんをも殺してしまう。

またも現在の事実が捻じ曲げられてしまったため、2019年時点でソンホはいないことになっていた。警察に彼のことを聞きに行くと加害者がヨンスクということが分かり、そこには「境界性人格障害」のメモが記されていたのだ!

ヨンスクから再び電話がかかってきたため、ソヨンは彼女が無期懲役の実刑判決を下されていた事実を伝える。その理由を聞いて真実を変えたいヨンスクは「その理由を教えて。あんたのお父さんを生き返らせてあげたのは私よ」と高圧的な態度を取った。怖くなったソヨンは勢いで電話を切ってしまうが、1999年の彼女の家には当時の父、そして子供のソヨンが引っ越しの件で来訪しており……。

 

その⑤それは現実か、幻か……

ザ・コール ラスト
MDb

ヨンスクの手によって父は殺され、2019年の事実は元通りになってしまった。そして子供のソヨンは白いシーツをかけられ今にも殺されそうな雰囲気である。電話越しで「警察に犯行がバレた理由を教えろ」と脅すヨンスク。頑なに教えたくないソヨンは1999年にビニールハウスが爆発した事件を見つけ、彼女が巻き込まれるようその場へ電話で誘導する。しかしその案は失敗に終わり、逆に怒りを買ってしまう。

そしてヨンソクの口からは「あなたの母が原因で父親が死んだんじゃない。ガスをひねったのはあなた。母親のせいにしたいなんてよっぽど嫌いなんだね」と真実を明かす。そうこうしているうちに1999年ではソヨンの母と警察がヨンソクの家を訪ねていた。そこには一本のコードレス電話があり、ソヨンが電話をかけると当時の母が出たのだ。

遂に1999年では母親がヨンソクに襲われ、2019年では現在のソヨンとヨンソクが激しいバトルを展開することになる。1999年では間一髪のところで階段から二人が落ち、ソヨンは助かっていた。そして現在のソヨンもあと一歩のところで襲われそうになっていたものの、過去で二人の戦いが終わったことにより、家も何もかもが消失した――。

母が亡くなったと悲しむソヨンだが遠くから母親が登場。安堵した彼女は二人で一緒に歩き出す。だが母親の姿は突然消えていき……。2019年のヨンソクが1999年の自分へ電話をかけていることが明らかになる。「電話は手放さないで。変えられなくなる」との言葉を吐くと、死んでいたはずの過去のヨンソクが目を覚ました。

そしてソヨンは母親と空の下を歩くのではなく、白いシーツを被せられたまま“あの部屋”にいたのである……。

『ザ・コール』の登場人物

ソヨン役:パク・シネ

ザ・コール パク・シネ
パク・シネInstagram

冒頭部分ではあまり浮かない顔をしていたソヨンですが、ヨンスクとの出会いにより段々と笑顔を取り戻します。しかし過去との電話は悲劇の始まりと呼べるもので、事実を捻じ曲げてしまったが故の代償を支払うようなラストになってしまいましたね。

ソヨン役は韓国での有名女優パク・シネ。『美男ですね』や『ドクターズ~恋する気持ち~』などで観たことがある人も多いでしょう!中国での「海外スター」投票では一位を獲得するなど、国外でも高い人気を誇っています。

ヨンソク役:チョン・ジョンソ

ザ・コール チョン・ジョンソ
マイカンパニー公式サイト

一見「かわいそうな女性」ですが、物語が進むにつれて恐ろしき凶暴性を露わにします。電話を何度もかけてくる部分や常識外れの行動には、観ている人も恐ろしさを覚えたはず。きっと実母を亡くし、義母が現れてから狂ってしまったのでしょう……。彼女の存在は凶暴を通り越しているので、次元を超えた恐怖を覚えてしまいます。

ヨンソクを演じるのは2018年にデビューしたばかりのチョン・ジョンソ。新人でありながら度肝を抜くような演技力には圧倒されてしまいますね!デビュー作『バーニング』では体当たりの演技を見せるなど非常に注目されている大型新人女優さんです。

 

『ザ・コール』ラストシーンを考察してみた

ザ・コール オチ
IMDb

最後まで目が離せない展開となった本作ですが、ラストシーンの意味が分からないといった声も多いそう。なぜ外を歩いていた母の姿が急に消えたのか、ヨンソクは目を覚ましたのか、そしてソヨンは捕らわれてしまったのか……。推測できるのはこの二つです。

考察①ヨンソクが死んでいなかった=バッドエンド直行ルート

過去で父が生き返ったり、誰かが死ぬとすぐに2019年へ反映されるのが本作の特徴です。終盤で1999年のヨンソクが死んでいれば全ては綺麗に終わったはずですが、生憎彼女は生きておりました。更に自分が無期懲役を受ける、母に殺されるといった最大の難関をすり抜けてしまっています。そのことを知った上で生き延びていたのですから、2019年→1999年へと指示を出すことは簡単ですよね。

過去から現在の反映が難なく行われてしまっているため、このようなバッドエンドを迎えてしまったと考えられます。悲劇のヒロインとなってしまったソヨンですが、彼女のしていたことはこの結末へ向かわせる手伝いのようなもの。つまり自分で自分の首を絞めてしまったのでした。

 

考察②二人の妄想劇!?

ソヨンとヨンソクには「母が嫌い」といった共通点を持っています。もしかするとこの物語は二人の妄想で創り出されているだけなのかもしれません。

ソヨンは「母のせいで火事になった」とありますが、ヨンソクの話では「彼女が火災の原因を作った」と言っています。ただしそれが本当なのか嘘なのか、それさえも怪しいところがありますよね……。ラストの母親と幸せそうに歩くソヨン、そしてソヨンを殺せたヨンソク、どちらも真実ではないといった見方もできるでしょう。もしかすると最後のあのお墓は、ソヨンの墓であってヨンソクの墓という可能性も……。

実際に二人とも死んでいることも考えられるので、ラストシーンに至っては様々な解釈ができるということ。あなたは観て、どう思いましたか?

 

『ザ・コール』のココが面白い!注目ポイント3選

ザ・コール ポスター
IMDb

ポイント①前半ホラー、後半スリラー

作品のカテゴリーはスリラーなのですが前半はホラー要素もありつつ物語が進んでいきます。彼女の実家は古くてかな~りアヤしい感じ。いかにも霊が出そうな地下室などホラーファンにはたまらない描写が次々と飛び出すのも魅力的ですよね!「何かいる?」と思わせるようなアングルやサウンドの使い方には繊細ささえ覚えてしまいます。

中盤~後半に突入すると一気にスリラー要素が炸裂し、息が詰まりそうになるほどの緊迫感がたまりません。このホラーとスリラーのバランスの良さがちょうどいいのです。

 

ポイント②鑑賞者を追い詰めるシーンを描くのがうまい!

好き嫌いはハッキリと分かれますが、心理的に「ウッ」と思わせる描写が非常に多いと思いました。例えばヨンソクが義母の作った(謎の)料理を鷲掴みして食べるシーン。人としての“何か”が失われている目つきでかぶりつく薄気味悪さが、なかなか心にグサリとくるんですよね……。彼女の食事シーンは観ていて気分の良いものではなく、ソンホおじさんのいちごを食べているところも、なんだかモヤモヤした気持ちになりました(笑)

他にも子供時代のソヨンを容赦なく縛ったり、義母の儀式だったり……生理的嫌悪感を誘うのが上手すぎます。これもある意味一つの面白ポイントではないでしょうか。

 

ポイント③予測不能なストーリー展開

「未来と過去が繋がる」「過去で未来を塗り替える」というのはよくある題材ですが、その題材に加えて新しい要素を加えているために予測不能なストーリーが完成しています。電話の相手が普通だったらいいものの、ヨンソクは精神疾患持ち。更に「自分は不幸だけでソヨンは幸せになった」というのが許せなかったのでしょう。一気に対等な立場ではなくなり、そこから全てが崩れ去っていくのです。

スリラーだけでなくミステリーといった目でも見ることができ、過去⇔現在は終始ハラハラしっぱなし!どう着地するかは全く読めず、ラストのどんでん返しも秀逸すぎますね。ここまで細やかに作りこまれた作品はあまりないので、多くの人がきっと引き込まれてしまうはずですよ!

 

映画『ザ・コール』のネタバレまとめ

大きな話題を呼んだ『ザ・コール』は2020年最高のスリラー映画と現わしても良いのではないでしょうか?多少のスプラッターはあれどグロ度は高くないので、あまり耐性がない方でも鑑賞することが可能です。もちろんホラー、スリラー、そしてサスペンス好きにもおすすめなので、ぜひ配信している時に必ず観て下さいね!

鑑賞後はラストシーンやそれぞれのセリフを思い出し、繰り返し鑑賞したくなってしまうはず。奥が深い映画なので二度、三度観れば新たな発見があるかもしれませんよ。

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この記事を書いた人
たかなし亜妖
たかなし亜妖

フリーライター&シナリオライターの映画好きサブカル女子。ライター歴は一年半くらいでまだまだひよっこ。 「感動よりも恐怖を、お涙よりもスリルを!」を基準に映画を選ぶ人。ホラー、スリラーサスペンス、鬱になりそうな作品が特に好き。でもハッピーな気分になれる海外ドラマも好き。キャラクターものもアニメも好き。要するにかなりの雑食です。