映画『そして、バトンは渡された』のあらすじネタバレ解説 親子に隠された秘密とは?
令和最大のベストセラー小説が原作の映画『そして、バトンは渡された』。何より田中圭さんや石原さとみさんが親役ということが珍しいこともあり、公開前から注目を浴びました。石原さとみさんは本作が初の母親役となったそうです!
そして、インスパイアソングを担当したのは今注目のピアノロックバンド、SHE’S。彼らのエモいサウンドは本作にぴったりですね!
この物語は、終盤で全てが繋がるような構成になっています。一度見ただけでは理解しきれない部分も多く、予告やポスターにある「もう一度見て、もっと泣く」という言葉にも共感できるはずです!
本記事では、映画『そして、バトンは渡された』のネタバレあらすじ、キャストや原作との違いなどについて解説していきます!ぜひ、最後までご覧ください。
目次
映画『そして、バトンは渡された』について
原作は、2019年に本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんのベストセラー小説『そして、バトンは渡された』。血の繋がらない2つの親子が織りなす感動の物語です。
この物語の真実を知ったとき、誰もが涙すること間違いありません!そんな感動の物語が『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』を手掛けた前田哲監督によって、小説とはまた違った結末へと導かれます。
原作の大ファンであるという永野芽郁さんを主演に迎え、ついに映画化となった本作。永野芽郁さんは、この役は絶対に自分が演じたい!という熱い想いがあったんだとか。
2つの家族の物語が次第に結び付いていくストーリーとなっており、血の繋がらない娘を育てるシングルファーザー役を田中圭さん、物語のキーパーソンとなる自由奔放なシングルマザー役を石原さとみさんが演じます。さらに、市村正親さんや大森南朋さん、岡田健史さんなど若手からベテランまで豪華キャストが集結しました。そして、天才子役の稲垣来泉さんの演技にも注目です!
10秒で分かる!映画『そして、バトンは渡された』の簡単なあらすじ
優子(永野芽郁)は、血の繋がらない親の森宮(田中圭)と2人で暮らしています。優子には父親が3人、母親が2人おり、苗字が4回変わっていました。幸せに暮らしていた優子でしたが、森宮は優子に話していないことがありました。
一方、みぃたん(稲垣来泉)は母親が亡くなっており、実の父親(大森南朋)と2人暮らしです。そんな父親の再婚相手が梨花(石原さとみ)でした。泣き虫なみぃたんにたくさん愛情を注いでくれていた梨花でしたが、梨花には秘密がありました。
別々の家族のように思える2つの物語は、映画が進むにつれて引き寄せられていきます。森宮が優子に話していないこととは?梨花の秘密とは?それぞれの親がついた、命をかけた嘘と知ってはいけない秘密とは何なのか?
タイトルの本当の意味を知ったとき、驚きと感動が押し寄せます!
映画『そして、バトンは渡された』のネタバレあらすじ
【あらすじ①】2つの家族
泣き虫のみぃたん(稲垣来泉)。みぃたんの実の母親は物心ついた時にはもういなかった。実の父親(大森南朋)と2人で暮らしていたが、ある日、父は梨花(石原さとみ)と再婚した。梨花は若くて美人で欲しいものを手に入れるなら手段を選ばない女だった。梨花はみぃたんに可愛い洋服を選んでくれたり、何よりたくさんの愛情を注いでくれたので、みぃたんはとても喜んでいた。
高校3年生の優子(永野芽郁)。血の繋がらない父親の森宮(田中圭)と暮らしている。優子には父親が3人、母親が2人いて、苗字は4回変わっている。優子は誰にでも明るく振る舞う性格で、気に入らない女子たちから嫌味を言われることもあった。
【あらすじ②】出会い
梨花は、笑顔でいると幸せは3倍増しでやってくる、とよくみぃたんに言っていた。ある日、父親は会社をやめてブラジルに行くことを梨花とみぃたんに話した。しかし、梨花は反対し、みぃたんも日本に残ることになった。父親についていく道もあったが、みぃたんは梨花と日本で暮らすことに決めた。みぃたんは苗字を田中に変え、再出発することになった。
優子は合唱コンクールでピアノを演奏することになった。全クラスのピアノ奏者が音楽室に集まって1人ずつ演奏した時に、優子は緊張し、演奏が途中で止まってしまった。しかし、優子の次の番だった早瀬(岡田健史)は素晴らしい演奏を披露し、彼の演奏に優子は引き込まれた。ある日、優子が早瀬にピアノの演奏が良かったことを伝えると、彼も優子の演奏は柔らかくて好きだと言ってきた。
ある日、森宮の元に一人の女性が尋ねてきた。梨花だった。2人は優子と3人で食事の約束をしたが、その夜レストランに梨花が現れることはなかった。
【あらすじ③】森宮と梨花の関係とは?
みぃたんは、周りの友達がピアノを習っていたため、自分もピアノを習いたいと言った。そして、その願いを叶えるため、梨花はピアノがいっぱい弾ける場所へ引っ越そう!と突然言い出した。梨花についていくとそこは大きなピアノがある広い家だった。そこで紹介されたのは泉ヶ原(市村正親)。泉ヶ原は梨花の次の夫、つまりみぃたんの2番目の父親となった。ピアノが弾き放題で満足していたみぃたんだったが、梨花は窮屈に感じてしまっているのだった。
そうしているうちに、梨花は同窓会で再会した男と付き合い始める。梨花は泉ヶ原と離婚し、再婚することに。この再婚相手が森宮である。森宮はみぃたんのことを優子ちゃんと呼んだ。みぃたんは、幼い頃の優子だったのだ。しかし、梨花はしばらくして姿を消してしまう。森宮は優子の父親として1人で育てることを決め、優子の苗字は森宮となった。
【あらすじ④】運命の再会
合唱コンクールが終わり、優子は受験に挑んだ。密かに早瀬に恋心を抱いていた優子だったが、早瀬には恋人がいると分かって失恋してしまう。優子は調理師になるため短大へ、早瀬は音大へ行った。
短大卒業後、優子は早瀬と再会した。早瀬は優子の気持ちに気がつき、2人は付き合うことに。そして結婚へと行き着こうとしていたが、それを阻止するのは森宮だった。大学をやめ、優子と店を開こうとしている今の早瀬は、音楽家でもシェフでもないふらふらとした状態だったからだ。
優子は他の親たちにも相談することにした。泉ヶ原も実の父親の水戸も素直に2人を祝福してくれた。ただ、優子はピアノをやっぱりやるべきだと早瀬に伝え、早瀬はピアノを続けることに。2人は晴れて結婚することになった。
【あらすじ⑤】隠された真実
とある手紙が優子の元に届いた。それは昔、家を出ていった梨花からだった。梨花は姿を消した経緯などを書いていた。梨花は重い病になり元気な姿で優子と共にいられなくなったので、寂しくないように森宮に優子をお願いしたのだ。そして、自分の病を知らせたくなくて自ら身を隠したのだった。梨花なりの優子への愛だった。
結婚式当日。結婚式には優子の3人の父が参列していた。その時、かつて卒業式で弾いた「旅立ちの日に」を泣きながら弾いた優子の姿を森宮は思い出していた。実は車椅子に乗った余命短い梨花がこっそり優子を見にきていたのだ。その後、梨花は亡くなっていた。そして、3人の父親から早瀬へ確かにバトンは繋がれたのだった。
映画『そして、バトンは渡された』の登場人物・キャスト
優子/永野芽郁
女子高生。血の繋がっていない父親の森宮と二人暮らし。父親は3人、母親は2人で4回苗字が変わっている。不遇な環境にも関わらず常に笑顔であっけらかんとした性格。
高校生の同級生でずっと好きだった早瀬とは卒業後に付き合うことに。
優子役は永野芽郁さん。『ひるなかの流星』『君は月夜に光り輝く』『仮面病棟』などに出演しています。
複雑な家庭環境にある優子は難しい役だったはずですが、永野芽郁さんは役に入り込んでいてさすがですね!
森宮/田中圭
血の繋がっていない娘の優子を1人で育てているシングルファーザー。料理上手で優子のことを大事に思っているが、時にダメ親父っぷりを発揮してしまう。
優子にはまだ言っていない秘密があった。
森宮役は田中圭さん。『スマホを落としただけなのに』『おっさんずラブ』『あなたの番です。』などに出演しています。
田中圭さんは今回父親役をやるということで自分の経験を生かそうとしたそうです。ただ、優子とは歳が全然違うため参考にならなかったんだとか(笑)。
梨花/石原さとみ
自由奔放で、目的を叶えるためには手段を選ばない女。みぃたんの母親となってから離婚と再婚を繰り返す。ただ、みぃたんには変わらぬ愛情を注いでいた。
ある日突然いなくなってしまった梨花には、ある秘密があった。
梨花役は石原さとみさん。『忍びの国』『アンナチュラル』『失恋ショコラティエ』などに出演しています。
なんと今回、初めての母親役だという石原さとみさん。みぃたんを演じる来泉ちゃんのことをくるみんと呼び、溺愛していたんだとか。
また、梨花は重い病気を持っています。石原さとみさんは痩せていく梨花を演じるために、食事制限をして役作りに励んだといいます。
早瀬/岡田健史
優子の高校の同級生。ピアノが上手で、合唱のピアノ演奏を機に優子と話すようになる。高校卒業後に優子と再会し、優子の気持ちに気づいて2人は付き合うことに。
料理人を目指したい早瀬は、ピアノを続けてほしい親と対立している。
早瀬役は岡田健史さん。『望み』『MIU404』『中学聖日記』などに出演しています。
実は岡田健史さん、永野芽郁さんとは同い年なんです。2人がカップルとして過ごしているシーンは心温まりますね。
みぃたん/稲垣来泉
いつもみぃみぃ泣いてる泣き虫な女の子。 梨花に振り回されながらも楽しく過ごしている。
みぃたん役は稲垣来泉さん。『人魚の眠る家』『TWO WEEKS』『砂の塔』などに出演しています。
今までも天才子役と話題になった稲垣来泉さん。本作ではみぃたんは泣き虫ということで泣くシーンが多かったのですが、良い演技を見せています。
『そして、バトンは渡された』の原作と映画の違い
みぃたんという呼び方
原作にはみぃたんという呼び方は出てきません。みぃみぃ泣いてばかりいるからみぃたんという映画オリジナルの設定です。
映画で描かれるみぃたんつまり優子の幼少期の部分は、原作では普通に優子の視点で回想として描かれています。
この呼び方のおかげでみぃたん=優子とはなかなか気づけない仕掛けになっていますね!
梨花の死
映画で涙してしまう大きな理由は、梨花の死ですよね。優子の結婚式にも遺影が置かれており、涙腺崩壊のシーンです。
これが原作では、梨花は病気で入院はしていますが、優子にはちゃんと会えて、結婚式にも出席してるんです。
ただ、映画では梨花が死んでしまったことで、今までの梨花の少し自分勝手にも思える行動に納得ができたような気がします。
手紙
梨花から突然送られてきた水戸さんの手紙ですが、原作では優子は読まないと心に決めるんです。優子が読まずにしまってしまった手紙を、森宮さんがどうしても読まずにおれなくて読んでしまい、結婚式に水戸さんを招待します。
ただ、優子が手紙を読んで、早瀬くんと一緒に水戸さんに会いにいくシーンはとても良かったので、映画ならではの良さだといえますね。
映画『そして、バトンは渡された』のトリビア
撮影スケジュールがきつかった!
本作は初日から撮影が深夜1時から朝10時までという厳しいスケジュールだったため、田中圭さんはとんでもない撮影現場に来ちゃったと思ったんだとか。
卒業式で永野芽郁さんがピアノを弾くシーンも、朝から晩まで撮影していたといいます。
ピアノ未経験の2人
永野芽郁さんは、撮影の3か月前からピアノの練習をしていました。弾きながらの芝居は難しく、アングルを変えて何度も撮影するため混乱していたと話します。
また、ピアノを弾くシーンの撮影日ではないときでもピアノがあれば弾いていたんだとか。好きな曲の方が上達するからと、永野芽郁さんは洋楽、岡田健史さんはジブリの曲を弾いて現場を和ませていたそうです。2人ともピアノ未経験なのにすごいですよね!
スタッフも出演!?
優子のアルバイト先のキッチン吉田のシーン。実はお客として映っているのは全員この映画のスタッフなんです!
出演するスタッフを選ぶ際には、ご飯を美味しそうに食べる人オーディションが開催されたんだとか。映画にはこのオーディションに勝ち残ったスタッフが出演しています。
そこにも注目してみると面白いかもしれません。笑
アドリブシーン
梨花とみぃたんが家の中で50円玉を見つけるシーン。ちょっと贅沢をしよう!とホットカーペットの電源を入れてごろごろします。
なんとこのシーンでのセリフは即興でつけたものなんです!石原さとみさんと稲垣来泉さんが本当に仲良かったことで生まれたシーンですね。
それぞれの親の嘘と秘密とは
まず、頭に入れておきたいのはみぃたんは実は優子の幼少期だったということ。みぃみぃ泣いていたからみぃたんと呼ばれていたみたいですね。
優子には物心ついたときから母親がいませんでした。小学生のころまで父親1人で育てられ、父親の再婚相手となった梨花との生活が始まります。
しばらくして実の父親がブラジルで仕事をすると言いだし、梨花とみぃたんは2人で日本に残ります。金遣いが荒かった梨花はピアノを習わせてあげることができず、お金を持っている泉ヶ原と再婚をすることになります。優子にとって2人目の父親です。
しかし、梨花は家政婦が付きっぱなしの泉ヶ原の家での生活を窮屈に感じてしまい、また結婚相手を探します。そうして次の結婚相手となったのが森宮でした。泉ヶ原と離婚し、森宮と結婚した梨花でしたが、しばらくして梨花が姿を消してしまいます。それからは森宮と優子は2人で暮らすことになるのです。
実は、この梨花が姿を消した理由は、今までのように他の相手と結婚するわけではありませんでした。梨花は重い病気を患っており、長くは生きられない身体だったのです。優子の記憶の中では元気な母親でいたかった梨花は、病気が悪化して姿を消したのでした。
森宮はこのことを知っていましたが、優子には打ち明けていませんでした。1人で本当の父親のように優子を育てようと頑張っていました。
優子に幸せにいてほしいと願ってこその嘘と秘密だったのです。
まとめ
映画『そして、バトンは渡された』のネタバレあらすじ、キャスト、原作との違いや撮影秘話について紹介しました!
途中まで全く別の家族の話として見ていて、2つの物語が繋がったときのスッキリ感が凄いはずです!この構成を分かった上でもう一度見てみると感じ方が変わるかもしれません。
本記事を参考に映画『そして、バトンは渡された』を存分に楽しんでいただければ幸いです!
【邦画】絶対泣ける!感動する日本の映画30本を夢・家族・恋愛…テーマ別で紹介 心温まる感動映画『コーヒーが冷めないうちに』あらすじネタバレ