『アーヤと魔女』のあらすじをネタバレと共に解説|ジブリ初の3Dアニメーション映画!

ネジムラ89

 

2021年夏、スタジオジブリの新たなヒロインが誕生!その名も「アーヤ」です。

TV放送を実施した後に劇場公開をするというこれまでのジブリ作品ともまた違った展開の仕方で展開される長編作品『アーヤと魔女』が一体どんな物語でどんなキャラクターが登場するのか、今回はそんな映画『アーヤと魔女』の内容をネタバレ含めて紹介していきます

映画『アーヤと魔女』について

アーヤと魔女
出典:東宝映画情報公式Twitter

『アーヤと魔女』はもともと、イングランドの作家であるダイアナ・ウィン・ジョーンズさんによって書かれた児童向け小説という原作があり、それをあの宮崎駿さんが読んだことがきっかけでアニメーションの制作が始まりました。

すでに次なる長編企画が進んでいた宮崎駿さんに代わって、アニメーションの制作を担当することになったのは、『ゲド戦記』(2006)や『コクリコ坂から』(2011)を務めてきた宮崎吾朗監督。2014年からTV放送を果たした『山賊のむすめローニャ』の監督を務めたことをきっかけに、3DCGアニメーション制作に携わった経験を活かし、この『アーヤと魔女』ではスタジオジブリ初のフル3DCG長編作品として制作されるに至りました。

当初は2020年12月30日の年末に、NHK総合にてTV放送で初披露されるという、これまたスタジオジブリ作品としては珍しい試みにてデビューを果たします。しかしそれだけでは終わらず、さらに劇場上映用に新カットも加えて2021年8月27日より劇場公開をスタートしました。

10秒で分かる『アーヤと魔女のあらすじ』


出典:東宝MOVIE公式YouTubeチャンネル

幼い頃に赤髪の女性によって「子どもの家」に預けられた少女・アーヤは、10歳に至るまでうまく身の回りの人間を思うように動かしながら、不自由なく暮らしていました。

誰にも引き取られないように画策して生きてきたアーヤでしたが、ある日ベラ・ヤーガとマンドレークという怪しい二人組によって、家に引き取られることが決定してしまいます。

不満がるアーヤでしたが、実はアーヤを引き取ったのには理由があり、実は魔女だというベラ・ヤーガが自分の手伝いをさせるためにアーヤを引き取ることにしたのでした。いざという時は逃げ出せばいいと考えていたアーヤでしたが、普通ではない家の作りやデーモンたちに監視されていることを知り、どうやって思い通りに事を進めるのかを、ベラ・ヤーガの使い魔トーマスとともに計画していきますーー。

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映画『アーヤと魔女』のネタバレあらすじ

あらすじ①引き取られてしまうアーヤ

アーヤと魔女
出典:映画『アーヤと魔女』公式サイト

車に追われながら、赤髪の女性がまだ幼い赤ん坊を連れて「子どもの家」にやってきて、手紙を残してその場を去っていった。手紙には、追われている魔女から逃げ切ったのちに迎えに来る事、そして彼女の名前が“アヤツル”であることが書き残されていた。子どもの家の園長はその名前が気に入らず、子どもにはアーヤと名付け、アーヤを園に迎え入れるのでした。

それから時が経ち、すっかり成長したアーヤは10歳になっていた。周囲の人間の心を掴んで事を進めていくことから、周りはみんなアーヤを特別扱いし、アーヤ自身もその生活になに不自由なく満足をしていた。

そんな矢先、派手な女性と異様に背の高い男性の二人組が子どもたちを引き取ろうとやってくるのだった。子どもの家を離れたくないアーヤは、いつものように変な顔をして、気に入られまいとするが、なぜだかその二人組はアーヤを引き取ることに決めるのだった。

あらすじ②引き取ったのは魔女だった!

アーヤと魔女
出典:映画『アーヤと魔女』公式サイト

思い通りにいかず不満げなアーヤは早々に荷物をまとめて二人組の家に向かうのだった。たどり着いたその家は、一見特に不思議なところもない家だった。しかし、家について早々に派手な女性は、なぜアーヤを引き取ったのかを告げた。なんとその女性……ベラ・ヤーガの正体は魔女であり、手が足りていなかった彼女は、自分の手伝いをさせるためにアーヤを引き取ったというのだ。

それを聞いたアーヤは途端に喜んだ顔をみせ、魔法を教えてくれるのなら、助手になってあげる、と伝えるのだった。それを聞いたベラ・ヤーガは承諾するわけでもなく、アーヤに命令を重ねていくのだった。

嫌になったら逃げればいいと思っていたアーヤ。しかし、一見普通の家に見えていたその家も、出入り口のドアが消えてしまっていたり、窓が全く開かなかったりと、アーヤが逃げ出す隙はなかったのだ。

あらすじ③トーマスとの共謀

アーヤと魔女
出典:映画『アーヤと魔女』公式サイト

早速、ベラ・ヤーガにこき使われ始めるアーヤ。受けた命令をこなしながら、魔法を教えてくれるよう頼むアーヤだったが、ベラ・ヤーガは一向にそれには応えようとはしない。独自に家の中を詮索するアーヤは、ベラ・ヤーガやマンドレークの部屋が見当たらないことや、ある部屋の奥には車があることを発見。さらにはそこからラジカセを発見し、自分の荷物に紛れていたカセットテープを再生して、気を紛らわして日々を過ごしていた。

しかし、どんどん不満が溜まっていくアーヤは、ベラ・ヤーガの使い魔であるトーマスと親しくなっていく。トーマスに手伝ってもらいながら、アーヤはベラ・ヤーガの魔法を回避するための薬を生み出すことに成功。アーヤとトーマスはそれを全身に塗り、ベラ・ヤーガの魔法に備えることにするのだった

あらすじ④反抗するアーヤ

アーヤと魔女
出典:金曜ロードショー公式Twitter

薬作りに疲弊してしまったアーヤは、翌朝ベラ・ヤーガに起こされて早々にこき使われそうになり、ついには「騙してずるい」と反抗するのだった。しかし、それにも動じないベラ・ヤーガはアーヤを叩いて出かけて行ってしまう。

ついに怒ったアーヤは、トーマスの力を借りて、ベラ・ヤーガに手を生やす魔法を教わるのだった。魔法に必要なベラ・ヤーガの髪の毛を手に入れるのに苦戦したものの、無事魔法をかける条件を整えたアーヤ。ついにその魔法をベラ・ヤーガにかけるのだった

驚き悲鳴をあげるベラ・ヤーガは、アーヤを部屋に閉じ込めて、ついにはその魔法を解いてしまうのだった。罰に怯えるトーマス。すでにその対策をしていることに自信のあったアーヤは平気そうにしているが、そのうち、アーヤの部屋の天井から大量のミミズが降ってくるのだった。

あらすじ⑤ついに魔女たちも操るアーヤ

アーヤと魔女
出典:金曜ロードショー公式Twitter

ベラ・ヤーガのミミズの罰を回避することに成功したアーヤだったが、ミミズを回避したことが見つからないように、部屋に開けた穴からミミズを逃すことを思いつく。

しかし、実は魔法の力を持ったミミズは、本来簡単に入ることができないマンドレークの部屋に送り込まれてしまった。激怒するマンドレークはベラ・ヤーガを追い詰める。アーヤはとっさにマンドレークの部屋に逃げ込む。しかし実はマンドレークたちは、かつてバンドをしており、アーヤは知らないが実はそのボーカルこそアーヤを置いて行った赤髪の魔女だったのだ。

アーヤにほだされたマンドレークは、ベラ・ヤーガにしっかり魔法を教えるように言っておく事を約束し、無事ベラ・ヤーガとも和解した。

それから時が経ち、アーヤはすっかりベラ・ヤーガやマンドレークを思いのままに“操れる”ようになり再び不自由のない生活を手に入れるのだった。

 

映画『アーヤと魔女』の登場人物

アーヤ/平澤宏々路

アーヤと魔女
出典:スタジオジブリ公式Twitter

幼い頃に「子どもの家」に預けられ、10歳まではそこで思うがまま生きていた少女が、アーヤ。本来は親から“アヤツル”と言う名前を貰っていたものの、園長の意向により、“アーヤ・ツール”と言う名前を授かることになります。

愛嬌や出まかせを駆使して、周囲の人間を自分の思い通りにしてしまう強かさをもっており、当初はずっと「子どもの家」で暮らしていたいと考えていたのだが、ベラ・ヤーガとマンドレークに引き取られたことをきっかけに予定が狂うことになります。普段のアーヤは、実は怖いもの知らずで生意気なところがあり、親しいカスタードにはその本心を明かしていました。

そんなアーヤ役を務めるのは、女優の平澤宏々路(こころ)さんです。アーヤの声優を務めた時点でもまだ10代前半という若さでありながらも、実は幼少時代から芸能デビューを果たしており、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』や映画『貞子3D2』などにも出演した経歴を持っています。

ベラ・ヤーガ/寺島しのぶ

アーヤと魔女 ベラ・ヤーガ
出典:スタジオジブリ公式Twitter

アーヤを引き取りに来た青髪で大柄な体型が特徴の女性がベラ・ヤーガ

その正体は実は魔女であり、マンドレークにも実力を買われるほどの腕前ではあるものの、片付けが苦手であったり、アーヤをこき使うだけ使ったりと、思い通りにいかなかった際には、魔法で青と紫のミミズを相手に送り込んだりと荒い性格の持ち主です。

アーヤやトーマスには高圧的な態度をとる一方で、マンドレークには反抗することができないようで、いかにして怒らせないようにするかベラ・ヤーガ自身も気を遣っているようです。

実は若い頃はEarwigのドラマーを担当。かつては今よりもスリムな体型だったようで、アーヤの母親とも親しい仲だったようです。

そんなベラ・ヤーガ役を務めるのは、女優の寺島しのぶさん。ドラマ『あさが来た』や映画『ハッピーフライト』、『ヘルタースケルター』など多くの作品に出演してきましたが、アニメの声優を務めるのは今回が初でした。

マンドレーク/豊川悦司

アーヤと魔女 マンドレーク
出典:スタジオジブリ公式Twitter

身長が異様なほど高く、耳が尖っておりサングラスとスーツに身を包んだ男性がマンドレークです。口数が少なくいつも不機嫌そうな顔をしており、自身を煩わせるものが大嫌い。

その正体はデーモンを操ることができる持ち主であり、怒った際には人間とは思えないような姿へと変身してしまいます。気難しい性格で、褒められて照れた際にも怒った時同様に顔を真っ赤にさせる癖を持っており、慣れないとその心情は掴みにくいかもしれません。

普段は小説を書いており、新聞で批評を受けるほどの人物であったり、若い頃にはEarwigのキーボードを担当していたりといった意外な一面も持っています。

そんなマンドレーク役を務めるのは俳優の豊川悦司さん。映画『3月のライオン』や『ラストレター』など多くの作品に出演してきましたが、豊川さんも今作が初のアニメ声優への挑戦でした。

トーマス/濱田岳

アーヤと魔女 トーマス
出典:スタジオジブリ公式Twitter

ベラ・ヤーガの使い魔として、アーヤたちと一緒に暮らしている黒猫がトーマスです。

一見普通の黒猫ですが、実は人間の言葉を話すことができます。使い魔の中でも黒猫が一番上級であるらしく、少し偉そうな素ぶりを見せる一方で、ベラ・ヤーガによるミミズの罰にをやたら怖がっており、ベラ・ヤーガが怒った際にはアーヤのベッドのなかで一人震えていました。ベラ・ヤーガが魔法を教えてくれない際に、アーヤに魔法を教えたのはトーマスであり、それなりに魔法に関する知識も豊富なようです。

そんなトーマス役を務めるのは俳優の濱田岳さん。映画『ヒメアノ〜ル』やドラマ『働かざる者たち』など映画・ドラマ・CMに多数出演していますが、アニメの吹き替え経験も豊富で『ONEPIECE FILM GOLD』や『劇場版ポケットモンスターみんなの物語』などでも声優を務めました。

カスタード/齋藤優聖

アーヤと魔女 カスタード
出典:スタジオジブリ公式Twitter

アーヤと一緒に「子どもの家」で育った少年がカスタード。施設での生活ではアーヤと行動を共にしていながらも、弱気で怖がりな性格から、いつもアーヤに引っ張られがちな状態でした。火星人に興味があるようで、作中ではアーヤに火星人の姿を説いたり、火星人に関する本を読んでいるシーンが登場しました。

ベラ・ヤーガたちに引き取られて以降は、なかなかアーヤのところへ再会に行けずじまいでしたが、エピローグにてクリスマスの際に久しぶりの再会。エンディングにて海水浴に行ったり再び交流する姿が描かれます。

カスタード役を務めたのは、平澤さんと同じくまだ十代の俳優である齋藤優聖さんが務めました

アーヤの母親/シェリナ・ムナフ

アーヤと魔女 アーヤの母親
出典:スタジオジブリ公式Twitter

どういうわけか12人の魔女に追われる身となり、アーヤを「子どもの家」に預けて去ってしまったのがアーヤの母親です。赤い髪を持っていたり、魔法を使って追っ手を避けたりと、作中ではその姿こそ登場していますがその名前は明らかになっていません。

若い頃はEarwigにてボーカルとギターを担当。かつてはマンドレークとも良い仲であったかのようなシーンが登場しますが、はっきりとその真相は明かされません。

そしてそんなアーヤの母親役を務めるのは、インドネシアで女優、そしてシンガーソングライターとして活躍するシェリナ・ムナフさん。作中の楽曲の歌唱もシェリナさんが担当しています。

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映画『アーヤと魔女』におけるジブリの新たな挑戦

ジブリアニメと3DCGアニメの歴史

アーヤと魔女
出典:金曜ロードショー公式Twitter

『アーヤと魔女』は記念すべきスタジオジブリ初のフル3DCGアニメーション映画。スタジオジブリ作品といえば、宮崎駿監督や高畑勲監督の作品などで特徴的なように“徹底的に手描きにこだわる”スタジオという印象を持っている人も多いでしょう。しかし、実は3DCG技術を作中に取り入れること自体は、古くから実施されています。

例えば『もののけ姫』では、無数の蛇のようなものが体を構成しているタタリ神の姿は手描きのアニメーションで書かれているという逸話が有名ですが、シーンによってはCGが用いられていたり、実はジブリ初の3DCG導入作品であったりします。

その後も、スタジオジブリでは長編映画で部分的に3DCGを用いたり、2018年に三鷹市立アニメーション美術館で上映された短編アニメーション『毛虫のボロ』は当初3DCGでの制作で企画が当初は進んでいたりと、3DCGの使い方を模索していたのですが、なかなか実現せずにいました。ある意味、『アーヤと魔女』はそんな苦難の歴史を経て生まれてきた作品だったのです。

音楽への強いこだわりも見逃せない!?

アーヤと魔女
出典:金曜ロードショー公式Twitter

そんな映像化に伴って加えられた音楽の要素には、スタジオジブリの強いこだわりが見られます。『ゲド戦記』や『コクリコ坂から』、さらにはジブリ以外の『山賊の娘ローニャ』といった作品でも、宮崎吾朗監督とタッグを組んだ武部聡志さんが本作の音楽を担当

作中の時代に合わせて70年代のロックを意識して制作していたことが公式サイトなどでも語られています。

作中のクライマックスを担うライブシーンにも一線で活躍するアーティストが集結。インドネシアのシンガーソングライター・シェリナ・ムナフさんがボーカルを務めるのに加えて、ギターにはGLIM SPANKYの亀本寛貴さん、ベースにはMrs.GREEN APPLEの高野清宗さん、ドラムにはシシド・カフカさん、そしてキーボードを武部さんが担当するという今作のためのスペシャルユニットを結成しているのだから驚きです。物語だけでなく劇中の音楽にもぜひ注目してみてください。

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こんな発見も!?『アーヤと魔女』のトリビア

実は海外先行だった劇場公開!

アーヤと魔女
出典:Amazon.com

日本での初めての公開が2020年12月末だった『アーヤと魔女』ですが、実はそれから間もなく早くも海外進出を果たしていたのはご存知だったでしょうか。

2021年2月3日からアメリカにて劇場公開をスタートして、さらに2日後の2月5日からは、海外で展開している動画配信サービスHBOmaxにてデジタル配信をスタートしました。日本でもまだ実施されていなかった劇場公開をいち早く体験できたり、しっかり英語での吹き替え版も用意されていたりと、さすがジブリ作品ブランドといったところか、手厚い待遇で迎え入れられていました。

興行成績自体は、大きくニュースとなるような結果を残すことはできませんでしたが、アニメーションを対象とする賞であるアニー賞の最優秀ストーリーボード賞や、英語版でベラ・ヤーガ役を務めたヴァネッサ・マーシャルさんが最優秀声優賞にノミネートされるなど、海外の賞レースでも注目される一本となっていました。

実物を制作しているアイテムもたくさんあった!?

アーヤと魔女
出典:スタジオジブリ公式Twitter

作中で登場するアイテムの数々の中には、実は実物が制作されていたものもいくつか存在します。例えば、ベラ・ヤーガが魔法を作る際に参考にしていた“魔法の書”。作中でも緻密に書かれていたり、酷く汚れているのがわかるほどディテールが表現されていましたが、なんと実際に1ページ1ページを手描きで作っていたというのだから驚きです。

ページによっては猫の足跡が付いていたりと、トーマスがそのうえを歩いたのであろうと想像させる細かい演出も盛り込まれていたりと、芸の細かさに唸らされます。

 

アーヤと魔女
出典:スタジオジブリ公式Twitter

その他には、子どもの家の壁に貼られた掲示物の絵も、実際に子どもたちに手形を押してもらって、キャラクターに合わせて作品を作ったりと、異様なほどの細かさが見て取れます。

これらの実物については、2021年6月より三鷹の森ジブリ美術館の企画展示にて実施される『アーヤと魔女展』でも披露されるそうで、実際に近くで観ることができます。開催は2022年5月までを予定しているので、期間中に間に合う人はぜひ足を運んでみてください。

原作『アーヤと魔女』と映画の違い

アーヤと魔女
出典:Amazon.com

意外と原作とは全然話の内容が変わることも多いスタジオジブリ作品。原作の『アーヤと魔女』と、映画『アーヤと魔女』にはどれくらいの違いがあるのでしょうか。実は内容は大半を原作に忠実に描いており、原作と同様のセリフが用いられるシーンなどもあるほどでした。

一方で映画『アーヤと魔女』で決定的にオリジナルの要素として盛り込まれているのが、アーヤの母親の描写と最後のシーンの2つです。

実は原作ではアーヤの母親は一切登場することがなく、冒頭で残された手紙だけでその存在が示唆されるのみでした。そのため、バンドマンであった姿なども、今回の映像化でのオリジナルの要素だったのです。

そのため映画『アーヤと魔女』では最後に母親がアーヤを迎えにきますが、そのシーンはありません。加えて実はこのシーンのカスタードの訪問もオリジナル。悲しいことに原作では、カスタードがアーヤの家を訪問することなく終わってしまいます。意外ですよね。

原作のアーヤの名前は“ハサミムシ”だった!?

アーヤと魔女
出典:Amazon.com

作中で登場するバンド名のEarwig。果たしてその意味が何かわかりますか?

実はEarwigとはハサミムシという意味。実は『アーヤと魔女』の原作のタイトルは『Earwig and the Witch』。日本語訳ではアーヤ・ツールという名前でしたが、もちろん原作は別の名前となっており、それが『Earwig』だったわけです。

なぜハサミムシなのかと言えば、二つで結んだ髪の毛がハサミムシのようであることを暗示していたり、そのハサミで捉えたものを話さないような力強い性格を表していたりするようです。アーヤの虫の触覚のような特徴的な髪型は、そんな原作の名前の名残だったわけですね。

そして、原作からは損なわれてしまったこの『Earwig』という単語は、映画『アーヤと魔女』ではバンド名という形でアーヤへと引き継がれていくことになるわけです。そんな経緯を知っていると、エンドロールでギターを抱える姿や、マイクを持ったアーヤのキービジュアルなどはまた違った見え方がするのではないでしょうか。

まとめ

『アーヤと魔女』のあらすじだけでなく原作や、制作背景に至るまで、紹介してきました。作品だけを観ていても楽しい物語で終わってしまいそうなところですが、あの後アーヤはどうなったのか、母親とはどうなったのか、いろんな想像を膨らませがいのある作品だということがわかったのではないでしょうか。ぜひこのジブリ版を観たあとは原作にも手を出してみたり、今回紹介した細かい要素についても観返してみることをオススメいたします。

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缶バッジ販売専門店「カンバーバッチ」のオーナー兼アニメ映画ライター。アニメ映画情報マガジン「読むと アニメ映画 知識が結構増えるラブレター」をnoteにて配信中。その他いろんなとこでアニメ映画話を執筆中。古今東西関係なくアニメ映画を中心とした有益な情報を多くの人に提供できるようにやっていきます。