生きるヒントがもらえる、映画『イントゥ・ザ・ワイルド』の名言集
裕福で不自由のない環境で育った主人公が、自ら険しい道へと乗り出す――。1人の青年、クリスの放浪の旅を描いた『イントゥ・ザ・ワイルド』。厳しい状況に身を置きながら荒野を旅し、数々の出会いと別れを繰り返していきます。
クリスの人生には何もかもが揃っていたものの、両親に疑問を抱いたことからあえて過酷な選択肢を選びました。外側からは分からない苦悩や葛藤、人間の優しさや大地の広さを壮大に描いた作品です。
“一般の道”を歩み続けたのなら決して見えなかった景色、経験により、作中では多くの名言が登場。どれも深みがあり、心にぽっかりと空いた穴を塞いでくれるような温かさを感じます。
もし今人生がつまらない、毎日が充実していない、環境や自分自身に不満があるのなら、ぜひ『イントゥ・ザ・ワイルド』の世界に触れてみましょう。数々のセリフから、生きていくヒントを得られるかもしれません!
目次
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』あらすじ
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成績優秀なクリス(エミール・ハーシュ)は難関大学を優秀な成績で卒業し、両親は大喜びしていた。家庭も裕福で何でも欲しい物が与えられる環境。しかし家庭不和であることは事実で、両親はいつも激しいケンカを繰り返していた。
クリスと妹のカリーン(ジェナ・マローン)はそのことを決して快く思っていない。そして遂に彼は嫌悪感がピークに達し、預金を全て寄付して旅へ出てしまう。行き先は伝えず、急遽家族の前から姿を消したのだった。
身分証さえも切り捨て、偽の名前「アレグザンダー・スーパートランプ」と名乗りながらあちこちを旅するクリス。道中で様々な人間と出会い、別れを繰り返しながらアラスカへの道を目指していくが……。
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』の泣ける名言・名台詞
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【名言①】「ありがとう、でも何も欲しくない」
超難関大学、エモリ―大学を優秀な成績で卒業したクリス。元々頭脳明晰で、両親もこの件に関しては非常に喜んでいました。きっと自慢の息子だったことに間違いはありません。
しかしクリスは両親が不仲なこと、裕福がゆえに何でも物を与えて解決させようとする姿勢に嫌気が指していました。せっかく彼が買った中古車を「ボロ車」と表現し、新しく買い替えろと言うのです。
卒業式後の食事会で、両親の“いつもの”雰囲気にはもううんざり。「物、物、物ばかり」と怒りをあらわにしたクリスは、「でも何も欲しくないから」と言葉を続けるのでした。
きっと一般的な視点から見れば、「何でも買ってくれるなんて羨ましい。いいじゃない」といった意見が出るでしょう。しかし物でもない、お金でもない。違うものを求めていた彼からすれば、家族の在り方には疑問しか抱けなかったのですね。
【名言②】「“過去 制圧 法律 面倒な義務からの――、絶対的な自由”」
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本作はクリスとその妹・カリーナのナレーションで物語が進んでいきます。カリーナは兄の自由な性格や個性派な一面を知っていたため、旅に出たことに関しては、両親ほどの強いショックを受けていませんでした。
この旅に出る行為を彼女は家出などとは捉えません。兄にはそれ相応の考えがあることを察し、面倒な義務からの解放。そして絶対的な自由を手に入れるためのものだと分かっているのです。
あのまま家にいれば両親からの制圧、消え去れない家庭不和からは免れないですからね。また大学卒業後はエリートな社会人となり、法律から縛られる“分かり切ったルート”がクリスを待ってるはず。
この旅はある意味逃避のようなものですが、同時に絶対的な自由を獲得するための行動でもあるのでしょう。
【名言③】「人生において必要なのは――実際の強さよりも強いと感じる心だ」
クリスの旅にてカリーナのナレーションで発されたセリフです。
人は人生における“強さ”について問われると、なかなかハッキリとは答えられないもの。まるでその回答になっているような素晴らしい名言ですね。実際に持っている強さよりも、更なる自信をつける気持ちが必要だと言うのです。
またこの後に「自分の頭と手しか頼れない、過酷な状況に一人で立ち向かうこと」と続きます。クリスの生き様そのものを現し、多くの人間へ刺さるメッセージですね。
厳しい状況に身を置き、奮闘することでより成長していく……ということ。この言葉にはついハッとさせられるものがあります。
【名言④】「喪失し、深く考えることで穏やかになったのだ」
クリスが姿を消してから長い時間が経ち、彼の両親には変化が訪れました。毎日毎日ケンカを繰り返し、荒れていたお互いの関係が徐々に落ち着いてきたのです。
2人で揃って教会へ行くなど、以前では考えられなかった行動が見られ、穏やかさを取り戻していったとか。これまたカリーナのナレーションですが、彼女は変わらず実家にいますからね。両親の悲しむ姿から変化まで、全てを見届けているのです。
傍にあった“当たり前”を失ったことで、今までの行いを振り返ったのかもしれません。その結果冷静に考えることができ、段々と角が取れてきたのでしょう。
失った事実から後になって気づかされることは山ほどあります。クリスの両親を見て、心が痛んだ人もきっと多いのではないでしょうか?
【名言⑤】「生きるためにすがれるものがほしい この世はとってもつらいから」
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序盤に出会った夫婦と再会後、クリスは歌を歌う少女トレイシー(クリステン・スチュワート)と出会います。ちょっぴりイイ雰囲気になるものの、なんと彼女はまだ16歳!残念ながら恋仲になることはありませんでした。
クリスが旅立つ最後の夜、2人は観客の前でデュエットを披露します。その時の歌詞がこちらで、人間としての本音を表現しているストレートな一節ですね。
けどこの言葉は誰しもに共通していて、すがるものが無ければ生きていくことがとても難しいのでしょう。放浪しているクリスだって、天涯孤独のままではやっていけません。
ちょっぴりネガティブなセリフにも聞こえますが、トレイシーの歌詞は紛れもない事実。このことを理解しつつも私たちは明日も歩んでいくのです――。
【名言⑥】「許せる時が来たら――愛せる」
荒野で野宿をして過ごしていた時、ロンという1人の老人と出会います。彼は妻子を亡くしてから酒浸り、立ち直ったその後は働きながら孤独に暮らしているのでした。
クリスとの時間を過ごしていくうちに、ロンは彼を気に入ります。そして“ワケあり”なことをすぐに察し、「いつか(両親を)許せる時が来たら、愛すことができるさ」と穏やかに言うのです。
「親が心配するから早く帰りなさい」ではなく、クリスの生き様を受け止めた上での言葉。誰かを受け入れることができたなら、同時に愛せるほど懐が広くなっていくのでしょうね。
ロンの穏やかさにも心温まるものがありますが、彼は現在独り身。もしかすると名言④で紹介した「喪失し、深く考えることで穏やかになった」からこそ、この言葉が出てきたのかもしれませんね。
【名言⑦】「僕の一生は幸せだった! みんなに神のご加護を!」
多くの人との温かさに触れ、出発時からは大きく顔つきが変わったクリス。精神的な成長を遂げましたが、そんな彼に悲劇が訪れます。食料に困り果て野草を口にしたところ、毒を含んだ植物だったのです……!
すぐ死には至りませんでしたが、徐々に毒が体を蝕んでいきます。そしてアラスカへ辿り着き、激しい衰弱のもと死に至りました。もう長くは持たないことが自分でも分かっており、最後にカードへこの言葉を書き記したクリス。
「僕の一生は幸せだった!」と言い切り、最期は幸福に包まれた穏やかな笑顔で息を引き取ったのです。そしてカードの最後には“クリストファー・マッキャンドレス”と本名の記載が。
偽の名前で偽らず、本当の自分に満足感を得たまま生涯を閉じられたのです。「幸せだった!」に嘘は決してありません。悲しいラストではありますが、クリスからすればこの旅は成功に終わった、きっとそう思っているでしょうね。
まとめ
全4章で紡がれるクリスの物語。裕福がゆえに抱いた不満、外側からは見えぬ苦悩が彼の欲を掻き立てました。荒野で数多くの体験をしていく彼の姿は必見です。
“生きること”や“人生とは何か?”について深く考えられる作品でもあります。『イントゥ・ザ・ワイルド』生きるのに疲れ、迷った時に観ると心にヒントを与えてくれる作品ですよ。名言と共に壮大な世界観をぜひ味わってみてくださいね!
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