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生まれてきた意味について考えさせられる『世界から猫が消えたなら』の名言集

ひとっとび編集長

原作・川村元気による感涙ベストセラー『世界から猫が消えたなら』。2013年に本屋大賞にノミネートされ、累計発行部数100万部を超えた大ヒット作品です。中国・韓国・台湾で出版もされ、世界的にも話題になりました。
“せか猫”の愛称でも親しまれ待望の映画化となった本作品から生まれてきた意味を考えさせられる名言・名台詞を紹介したく思います。

目次

あらすじ

世界から猫が消えたなら 名言
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

郵便配達員の“僕”(佐藤健)は、猫・キャベツと平凡な毎日を送っていた。
しかしある日突然、“僕”は余命わずかであることを医師から告げられる。悪性の脳腫瘍が、いつ破裂してもおかしくない状態だった…。
絶望の中自宅に戻ると、そこにはまるで外見が自分にそっくりな“悪魔”(佐藤健)がいた。そして“僕”にこう取引を持ちかけるのであった。
「世界から何か一つ、ものを消すことで1日の命をあげよう」
そして1日の寿命と引き換えに、“僕”の前から電話、映画、時計、そして猫が消えていく…

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『世界から猫が消えたなら』から“生きる意味”を考える名言・名台詞

世界から猫が消えたなら 名言
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

もし、突然あなたが余命を宣告されたなら、あなたは最期のときをどう迎えますか?きっと今までの人生について振り返るでしょう。また、自分が生きた意味を問うのではないでしょうか?
本作品は、死を目前にした“僕”がもう一人の自分・“悪魔”と対話をし、自分自身の人生を振り返りながら物語が進みます。
その中で出てくる人生を見つめ直すヒントとなる名言・名台詞を解説します!

【名言①】「もし世界から猫がきえたなら、この世界はどう変わるのだろうか。世界から僕が消えたなら、いったい誰が悲しんでくれるのだろうか。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

人生最期の日、“僕”は父親に向けて手紙を書きます。そしてこう綴りました。
“僕”がこれから自分の身に起こる現実を前にして、このフレーズから物語からはじまります。
もちろん命の重さを比較するのでもなく、猫が絶滅することで生態系が狂うことを想像する物語ではありません。ただ、「なぜ猫なのだろうか」と想像を掻き立てられるタイトルには違いないのです。最期のときに自分の存在意義を考える、そんな物語がはじまります。

【名言②】「今までの僕の人生は過去から現在を経て、無限の未来へと続いていた。」


出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

郵便配達員である“僕”は、平凡な毎日を過ごしていました。朝起きて猫に餌をやりコーヒーを飲む。そして仕事をして趣味の映画鑑賞をし、その感想を友人に語る。そんな毎日が突然終わる時、“僕”はそう振り返ります。

人生に“終わり”があるなんて、誰しもそれを目前にしないと実感できないと思います。実際に、自分自身の終わりを想像するなんてやろうと思ってもできません。

【名言③】「この世界は要らないものだらけじゃない。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

余命を宣告され絶望の淵にいた“僕”の前に、突然“悪魔”が現れました。
そして「この世界から一つだけ何かを消す。そのかわりに1日の命を得る」と、取引を持ちかけられます。そして“悪魔”は、まず初めに電話を消すことを提案します。
「そんなに電話帳に登録しているのに、最後にかけたい人いないんだ。」と悪魔に言われ、“僕”は元カノ(宮崎あおい)に電話します。

一瞬、ドキっとするこの台詞。確かに自分の命と秤にかけたら、要らないものばかりかも知れません。
これって本当に必要なものなの?それがあることで、逆に何かを失っているんじゃない?と、考えさせられます。例えば本作品でまず初めに消える“電話”。特に携帯電話は、いつどこでも連絡を取れる便利さをもたらす一方で、逆に私たちから“自由”を奪っているのかも知れません。

【名言④】「映画は無限にある。だからこのやり取りも永遠に続く。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

“僕”が大学で出会った友人・ツタヤ(濱田岳)とは、共通の趣味である映画を通じて仲を深めます。ツタヤは“僕”にオススメのDVDを日々選んで渡します。その時にツタヤが“僕”に言ったセリフです。
レンタルDVDショップで働くツタヤは映画をこよなく愛する青年。大学を卒業後、30歳になっても2人の関係は映画によって繋がっています。

大人になるにつれて価値観が変わるなかでも、“いつまでも続くんじゃないか”と思わせるかけがえのない関係って貴重ですよね。

【名言⑤】「何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたものじゃない。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

これは不朽の名作『海の上のピアニスト』の名言です。”僕”とツタヤが自分たちの関係に重ね合わせながら発する台詞です。
映画は非現実的な世界ではありますが、観る人が共感をすることで名作となっていきます。そして自分の好きな作品に自分の人生が重なったとき、”運命”なんて言葉では済ませられない、特別な感情を2人は覚えたのではないでしょうか。

本作品では過去の名作の名言を取りあげるシーンが何度かありますが、特にグッとくる台詞を選んでみました。いやはや、さすがの名台詞ですね。

【名言⑥】「人生を秒とか分とかで区切って不自由にしているのは人間だけだ。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

“僕”と当時まだ付き合っていた彼女とアルゼンチンに旅行に際に、バックパッカーのトム(奥野瑛太)に出会います。そして彼が世界中を旅する理由の一つに挙げた台詞です。
“時間”から逃げるために旅をする。でもその“時間”という概念は人間特有なもの、と続けて語ります。

時計屋の息子である“僕”としては、なんとも皮肉な一言です。時を刻むことを生業とする家で育った“僕”。それは時に母親(原田美枝子)の寿命をも刻み、そして自身の寿命も刻むことになります。しかし、“悪魔”によって時計がこの世から消されても、自分の最期が迫っていることに変化はないんですよね…

【名言⑦】「大切な人との関係が消えていくのはつらい。でも、自分の命が一番大事。そうだよな?」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

“悪魔”によって電話、映画、時計が消されていき、またそれらが消えることによってそれをきっかけにできた関係も消えてしまいました。そして悪魔はまさに“悪魔のささやき”のごとく、彼に告げたのです。「何かを得るためには、何かを失わなければならない。」と。

どれも自分の命と比較したら必要のないものかも知れないけど、それらが無くなることでそれまでの生活を形成していた存在も消えてしまう。“自分”を構成していたものは案外、まわりのものや人なのかもしれません。

【名言⑧】「私思うんだ。人間が猫を飼ってるんじゃない。猫が人間の側にいてくれてるのよ。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

死期を目前とした母親が、飼い猫・キャベツを“僕”に託す際に言った台詞です。“悪魔”から寿命1日と引き換えに猫をこの世から消すことを提案された際に、”僕“はその日のことを回想します。

本作品のタイトルでもある『もしこの世界から猫が消えたなら』ですが、ここでは明確に答えは語られません。自分を取り巻いているすべてのものに意味があり、それらに何を見出すかは人それぞれなのでしょう。

【名言⑨】「あなたのおかげで、この世界がかけがえのないものでできているって知れたから。」

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

“僕”は猫を消す提案をした“悪魔”に対して、それを断り最期のときを迎える決心をしたことを伝えます。
それまで攻撃的だった“悪魔”が初めてほっとした表情になり、”悪魔”に押されっぱなしであった”僕”も同じ表情をし、以降”悪魔”は消えました。

はじめは自分の命より必要なものはない、と思って受け入れた悪魔の提案。
自分の周りの全てのものは、想像以上に自分の人生に食い込んでいるのかも知れません。
そして、大事なものは失って初めて“大事”だったことに気がつくものなのかもしれませんね。

【名言⑩】「僕がいた世界といなくなった世界はきっと違うはずだと信じたい。本当に小さな小さな違いかも知れない。でもそれこそが、僕が生きていた証。もがいて悩んで生きてきた証。」

父親に宛てた最後の“僕”からの手紙。映画冒頭の悲観的なメッセージに続くのは、このメッセージでした 。
自分の命よりは“要らない”と思っていたものが目の前から消え、それらが自分の人生を構成していたことに気がついた“僕”。
自分の存在も誰かの人生に影響を与え、その一部を構成している。本作品からこの強いメッセージが受け取れるのではないでしょうか。

まとめ

世界から猫が消えたなら
出典:映画『世界から猫が消えたなら』公式Facebook

以上、『世界から猫が消えたなら』の名言・名台詞をご紹介致しました。
“なぜ自分は生まれてきたのか”“自分が生きる意味って何なのか”“自分がいなくてもこの世界は1ミリもかわないのではないか”
時に人はそう考え、自分の人生に意味を見出そうとします。しかし自分の人生は様々なものや考えから構成され、そして、また誰かの人生をも構成しているに違いありません。
嫌なことが続き落ち込むとついつい悲観的になってしまいがちです。そんな時は、本作品から“生きるヒント”を見つけてみてください!

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この記事を書いた人
ひとっとび編集長
ひとっとび編集長

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