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映画『紅の豚』のネタバレあらすじ解説|ポルコは人間に戻れるのか?

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『紅の豚』は1992年に公開されたスタジオジブリ製作のアニメ映画。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」という有名なセリフは、誰もが一度は聞いたことがあるはずです。

第一次世界大戦後のイタリアを舞台に、豚の姿のポルコ・ロッソが紅の飛行艇を乗り回し、空賊を相手に空中戦を繰り広げます。

主人公のポルコの他にも、マダム・ジーナやフィオ・ピッコロ、ドナルド・カーチスなど魅力的なキャラクターが多数登場しますよ!

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映画『紅の豚』について

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

宮崎監督の作品としては、『紅の豚』は『魔女の宅急便』の次にあたります。もともとは日本航空の機内上映用として作られていたのですが、長編となったため、劇場で公開されることになりました。

1992年7月18日に公開され、興行収入は47.6億円、動員は約305万人と大ヒット作品となりました。配給収入は28億円で、1992年に公開された映画の中では1位を獲得しています。

宮崎監督は大のミリタリーマニアで知られていますが、その一方で、戦争には断固反対というスタンスを取っています。『紅の豚』は兵器や飛行機は大好きだけれども、戦争は大嫌いという彼の思いが強く反映されています。

公開当時はコピーライターの糸井重里さんが作った「カッコイイとは、こういうことさ。」というキャッチコピーも話題になりました。

主人公のポルコ・ロッソのハードボイルドな姿がとにかく格好良く、男性ファンが多い映画でもあります。

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10秒で分かる!映画『紅の豚』の簡単なあらすじ

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出典:スタジオジブリ公式サイト

深紅の飛行艇を操るポルコ・ロッソは、かつてはイタリア空軍のエースとして活躍していました。しかし、大戦後は退役して、空賊を退治する賞金稼ぎとして暮らしています。彼は豚の姿をしていたことから、空賊たちから「紅の豚」と呼ばれていました。

ポルコにやられっぱなしだった空賊連合は、用心棒としてアメリカ人の飛行艇乗りのカーチスを雇います。カーチスはポルコと仲が良いジーナに気があり、彼を倒せば彼女が自分の方を向いてくれるのではと考えています。

こうしてポルコとカーチスは飛行艇で、一騎打ちをすることになるのでした。

見た目は豚ながら、さまざまなシーンでポルコのダンディズムが感じられる名作映画です。飛行艇の細かい設定も見どころの1つです。

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映画『紅の豚』のネタバレあらすじ

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

映画『紅の豚』の詳しいあらすじをネタバレを交えつつ紹介していきます!昔、見たけれども、どんな映画だったか忘れてしまった人は、ぜひこれを読んで思い出してみてください。

【あらすじ①】紅の豚「ポルコ・ロッソ」

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

舞台は第一次世界大戦後のイタリア。終戦後、不安定な世界情勢の中で、飛行艇に乗り、富裕層の客船を狙う「空賊」が暴れ回っていた。

ポルコ・ロッソは、かつてイタリア空軍のエースだったが、今は空賊退治を仕事とする賞金稼ぎとして生活している。彼は魔法により、人間から豚の姿に変えられていた。

そういうこともあり、深紅の飛行艇に乗っていたマルコは、空賊たちからは「紅の豚」と呼ばれ、目の敵にされていた。

そんな彼の元に依頼がやってくる。依頼内容はバカンスツアー中の女学生たちの奪還だった。彼女たちは空賊に襲われ、身代金を請求されていた。

ポルコは難なく空賊を撃退して、女学生たちを解放するーー。




【あらすじ②】ポルコとフィオの出会い

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

仕事を終えたポルコは、馴染みのマダム・ジーナの店で酒を飲んでいた。そこでアメリカ人の若い飛行艇乗り、ドナルド・カーチスと出会う。

彼はポルコのことをよく思っていない空賊たちによって雇われたのだった。また、カーチス自身もポルコの存在を邪魔に思っていた。

ポルコは空賊たちから挑発を受けるも無視する。飛行艇の調子が悪かったため、ポルコはミラノまでエンジンを見てもらいに行こうとする。すると、そこにカーチスがやってきて、ポルコを奇襲する。ポルコはエンジンの調子が悪かったため、そのまま敗北してしまう。

ポルコは大破した飛行艇をミラノの工房に持ち込む。そこには工房の主であるピッコロと、彼の孫のフィオが待っていた。

フィオはポルコの飛行艇を見ると、自分に直させて欲しいと頼んでくる。ポルコは最初は反対していたものの、フィオの腕が確かなことを認めると、彼女に任せることにした。

修理費用は高くついてしまったものの、飛行艇は無事に直った。しかし、テスト飛行をする間もなく、秘密警察が彼らの元にやってくる。

ポルコがそのまま出発しようとすると、フィオが自分も連れて行ってくれと頼み込む。渋々ながらもポルコはフィオを連れて行くことにする。

【あらすじ③】カーチスとの再戦

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

ポルコに勝ったカーチスは、ジーナにプロポーズするも振られてしまう。ジーナはポルコがまだ生きていることを信じていた。

一方、ポルコとフィオは何とか隠れ家まで帰ってくるも、そこには空賊たちが待ち受けていた。空賊たちが飛行艇を壊そうとすると、フィオが一喝してそれを止めた。フィオが飛行艇乗りとはどのようなものかを説くと、空賊たちは何も言えなくなってしまった。

そこへカーチスがやってきて、ポルコに勝負を申し出る。ポルコが勝てば修理代を支払うと言い、自分が勝てばフィオを嫁にもらうと告げた。

そして、ポルコとカーチスの一騎打ちが始まる。

激しい空中戦の末、双方とも銃弾が切れてしまう。すると彼らは着陸して殴り合いを始めた。彼らが戦っていると、ジーナがやって来て、イタリア空軍がこちらに向かっていることを皆に知らせた。

ポルコとカーチスはどちらも倒れるが、ポルコが立ち上がって勝利を宣言する。ジーナが勝ったポルコにキスをすると、彼は再び倒れた。

空軍から逃げるため、見物客や空賊たちも逃げ始める。ポルコはジーナに、フィオを連れて行くように頼む。やがてカーチスが目を覚ますと、空軍がすぐ近くまで来ていることに気づく。カーチスは、囮になることを提案しようとポルコを見ると、彼の顔が変化していることに気づいたーー。

【あらすじ④】ポルコはどこへ

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

それから数年が経った。

フィオは工房を継ぎ、ジーナと仲良くなっていた。カーチスはアメリカに戻り、ハリウッドスターになっていたのだが、そこにポルコの姿はなかった……。

あれからポルコは姿を消してしまっていたのだ。それでもジーナはポルコのことを待ち続けていた。

その遠くに、ポルコの紅の飛行艇が飛んでいったーー。

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映画『紅の豚』の登場人物・キャスト(声優)

『紅の豚』に登場した人物について詳しく紹介していきます。

ポルコ・ロッソ/森山周一郎

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

本作の主人公であるポルコ・ロッソは元々は人間でしたが、今は豚の姿になっています。イタリア空軍のエースパイロットとして活躍していましたが、終戦後に退役して、今は空賊相手の賞金稼ぎをしています。

紅色の飛行艇『サボイアS.21試作戦闘飛行艇』に乗っているため、「紅の豚」と呼ばれています。ちなみにポルコ・ロッソというのはイタリア語で「紅の豚」という意味です。本名はマルコ・パゴットで、昔から彼を知っている人はそう呼んでいます。

マルコの声を担当しているのは森山周一郎さんです。俳優・声優・ナレーターとして活躍しており、ダンディな声が特徴的です。洋画の吹き替えで活躍しており、ジャン・ギャバン、リノ・ヴァンチュラ、スペンサー・トレイシー、テリー・サバラス、チャールズ・ブロンソンといった俳優を担当していました。




フィオ・ピッコロ/岡村明美

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出典:スタジオジブリ公式サイト

ピッコロ社で働いている飛行機設計技師。ポルコの古くからの知人であるピッコロの孫娘にあたります。サバサバした性格で、見た目はかわいらしい女子ですが、技師としての腕は確かです。物語の終盤でポルコに恋をしますが、あの事件以来会っていません。

フィオの声を担当しているのは岡村明美さんです。『ONE PIECE』のナミの声でお馴染みの声優さんですね。その他には『海月姫』のまやや、『ふたりはプリキュア』のフープなどを担当しています。

マダム・ジーナ/加藤登紀子

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

主人公のポルコの有人で、ホテル・アドリアーノを経営している女性。歌姫でもあり、多くの人たちが彼女の歌声に魅了されていました。飛行艇乗りたちのマドンナ的存在で、「アドリア海の飛行艇乗りはみんなジーナに一度は恋をする」と言われています。

ジーナの声を担当しているのは加藤登紀子さん。シンガーソングライター・作詞家・作曲家・女優として活躍しており、「おときさん」の愛称で親しまれています。作中でもその見事な歌声を披露してくれます。

ドナルド・カーチス/大塚明夫

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

アメリカ人の飛行艇乗りです。空賊たちが仕事のために雇った用心棒で、パイロットとしての腕は確かです。美女に目がなく、本編中でもジーナとフィオにプロポーズしていました。ポルコとの一騎打ちの後、アメリカで俳優として活躍します。

カーチスの声を担当してるのは大塚明夫さんです。日本を代表する声優さんの1人で、ナレーターとしてもお馴染み。洋画の吹き替えも多く、スティーヴン・セガール、ニコラス・ケイジ、デンゼル・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソンなど数多くの声を担当しています。

マンマユート・ボス/上條恒彦

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出典:スタジオジブリ公式サイト

空賊たちのボスです。大きな鼻をしており、いつもゴーグルをかけています。空賊連合とは距離を置いていましたが、ポルコに対抗するために手を組むことになります。人情に厚い人物で部下たちから慕われています。

ボスの声を担当しているのは上條恒彦さんです。歌手・俳優・声優として活躍しており、『3年B組金八先生』では社会教師の服部肇役をしていました。『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』に出演しており、ジブリ作品でもお馴染みです。

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映画『紅の豚』に関する疑問を徹底解説!

【解説①】ポルコはどうして豚になったのか?

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

劇中で、どうしてポルコが豚の姿になってしまったのかは明らかにされていません。映画が公開された当時から「なぜ豚になったのか」「人間には戻れたのか」といった謎が残されたままです。

宮崎駿監督も、それらの問いかけに対しては、はっきりとした答えを出していません。ただ、『紅の豚』のパンフレット中のインタビューで、いくつか監督自身が言及しています。

忠義心がある犬ではなく、自由奔放な猫でもないため、豚が選ばれたこと。戦争に対してどちらにも与しないというスタンスを「豚になる」と表現していることなどが、述べられています。

さらに、パンフレットの冒頭では以下のような文が書かれています。

「迫り来る新たな戦争を前に再び国家の英雄になることを拒み、自分で自分に魔法をかけてブタになってしまいます」

つまり、ポルコは誰かに呪いを掛けられたわけではなく、自分自身で豚になったということになります。人間世界のしがらみから逃れるために、自分を豚にする選択をしたのかもしれませんね。

ポルコのことを思っているジーナは3回飛行機乗りと結婚しています。しかし、夫全員がすでに死んでしまっています。そのため、ポルコはジーナと恋仲になり自分が死んだら、彼女をまた悲しませてしまうことを恐れ、豚という醜い姿になることを選んだのかもしれません。




【解説②】豚は宮崎駿監督自身を表している?

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

ポルコは宮崎駿監督自身を投影しているという説もあります。

理由として、監督の自画像のイラストは豚になっています。さらに監督は戦争のために作られた飛行機に対して憧れがあるにも関わらず、戦争を否定するという矛盾を抱えています。『風立ちぬ』の中で飛行機の設計家を主人公にしたことからも、飛行機への憧れが見て取れます。

さらに『紅の豚』のエンドロールで流れる飛行機黎明期のイラストは、人物がすべて豚として描かれています。監督はこのイラストについて「どんなものでも黎明期はキラキラしているけど、それは現実に資本や国家の論理に飲み込まれてしまう」と語っています。

『風立ちぬ』と『紅の豚』、どちらも飛行機が大きなテーマとして描かれています。2つを比較すると、『紅の豚』の方が明るく、軽快で、夢のある物語に仕上がっています。それに対して『風立ちぬ』は、戦争の醜さや世俗の汚さといった重苦しい物語が描かれています。

飛行機に対して純粋な存在として豚を描くことで、人間との差別化を図ったのだとも考えられます。豚であることは、飛行機のことを純粋に思い続けられるといった意味合いが込められているのかもしれません。

【解説③】作品にこめられた反戦への思い

紅の豚
出典:スタジオジブリ公式サイト

作中でポルコは殺人を犯さないという信条を持っています。高性能焼夷弾や徹甲弾を勧められたときも「俺たちゃ戦争やってるんじゃねえんだよ」と使用を断っています。

ポルコ自身が戦争で親しい人を亡くしているため、戦争に対しては強い反発を持っていることが見て取れます。また、ジーナが夫を亡くしていることも、その理由の1つとなるでしょう。そのジーナもアドリア海の男たちに対して「戦争ごっこはダメよ」とたしなめるシーンがあります。

映画のラストでは、年をとった空賊のマンマユート団がチェスを楽しんでいるところが映し出されます。また、フィオも「あれから何度も大きな戦争や戦乱があったけれど、その友情は今も続いている」と言っていました。

これらのシーンから伝わるのは、もし戦争があったとしても、元気でいて欲しいという宮崎駿監督の願いです。

劇中には戦争の不穏な雰囲気が漂うシーンもありますが、アドリア海の飛行艇乗りたちは、とにかく明るく描かれていました。こうした描写からも、監督の反戦的な姿勢が見て取れます。

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ポルコは人間に戻るのか?

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出典:スタジオジブリ公式サイト

ポルコは映画の中で2回、人間の姿に戻っています。フィオに仲間の思い出話をしているときと、カーチスとの戦いの後にフィオにキスされたときです。

ここから読み取れるのは、ポルコが戦争の中で他の人とのつながりを思い出したときと、他者との距離感が乱れたときに人間に戻るということです。

そもそもポルコは自らの意志で豚になっています。

そのため、ポルコの考えが変わらない限り、人間に戻れそうにはありません。さらにポルコには戦争でたくさんの人間を殺したという罪の意識があり、それも豚になった理由の1つと考えられます。

ポルコが人間に戻るには、こういった罪の意識をなくす必要があり、かなり難しいことが予想できます。一時的には人間に戻れるかもしれませんが、すっかり人間に戻るという可能性は低そうです。




まとめ

スタジオジブリのアニメ映画『紅の豚』の紹介をしてきました。なぜポルコが豚の姿になったのか、結局人間に戻ることができたのかは劇中では明らかになっていません。そのため、実際どうなったのかが気になっている人も多いかもしれません。

さまざまな考察も交えてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

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映画は邦画・洋画を問わず、気になったものをどんどん観ていくタイプ。「シックス・センス」を映画館で観たのをきっかけに、オチのある映画が大好きに。ボードゲームを遊ぶのが趣味で、国内外のゲームについて紹介している「ゴクラキズム」というブログを運営中。