花のように繊細で時に醜く美しい百合映画特集!乙女たちの愛憎劇
皆さんは映画に何を求めていますか?
スリル溢れる冒険?しっとり美しい愛?ドロドロと渦巻く欲望?
”女同士の恋愛”には、その全てがあります!今回は、百合映画特集としてディープな世界への入口をここに用意しました!常識や自制心をかなぐり捨てた感情の果て、映画好きなら一度は覗いてみませんか?
そもそも百合映画とは?
「百合」とは女性の同性愛のことです。古来より日本では美しい女性の事を「歩く姿は百合の花」と呼ぶなどして花にたとえる風習がありました。
そこから転じて、女性同士の恋愛関係を総称して「百合」と呼ばれるようになったようです。「レズビアン」と聞くとなんだか生生しい気がしますが、「百合」という呼び方は口にしやすく、どこか繊細で美しいイメージが浮かびますよね。
女性同士の恋愛は、男女の恋愛のようにベッドを共にすることがゴールなだけでなく、様々な困難を乗り越えた先の精神的な繫がりを求めていることが多いです。2019年6月には、日本国内で初の同性婚が認められた理と、LGBTへの理解はいま、世界中で広まりつつあります。
ただの恋愛映画としてだけではなく、マイノリティーに生きる恋人達の運命や生き様などに、ぜひ着目してみてくださいね!
切なくも美しい百合映画を観たいならこれ!
それでは、さっそくイチオシの百合映画をご紹介します。まずは、切ない百合映画からご紹介していきます!
1.マリー・アントワネットに別れをつげて
「全ては報われない」
出典:IMDb
あらすじ
18世紀のフランス・パリ、王妃マリー・アントワネットお付きの朗読係シドニーは王妃を敬愛し、王妃へ仕えられることに喜びを感じていた。しかしフランス革命が始まってしまい、シドニーは王妃の“愛人”の身代わりを命じられる――
歴史ものです。崩壊していく国と宮廷、歴史に翻弄される女達を描いた悲哀の物語です。
百合映画としてのみどころポイント!
主人公シドニーの盲目的で献身的、そして少女的な恋のいじらしさがとても美しく悲しい物語です。決して報われることはなく、また王妃の結末を知っている観客は感情をぐるぐるさせながらシドニーの恋とフランス革命を見守ることになります。
また、作中はフランス革命の真っ最中、栄華を誇ったベルサイユ宮殿は絶賛崩壊中でひどい有様です。状況もひどければ人もひどい、醜いとしか言いようがありません。滅びゆく者達の虚しい足掻き、狂気、しかしそれが逆にたまらなく美しいのです。
こんな人におすすめ
- 報われない悲恋が好きな人
- 歴史ものが好きな人
- 悪女が好きな人
こんな人には向かないかも…
- 悪女に腹が立ってしまう人
- ハッピーエンドが見たい人
2.ジェリー・フィッシュ
出典:Amazon.com
あらすじ
高校のクラスで浮いていた宮下夕紀(大谷澪)は、ある日水族館のクラゲの展示の前で篠原叶子(花井瑠美)に声をかけられ、二人は戸惑いながらも口づけを交わす。夕紀は比較的平凡な家庭に育ってきたが、母親からうるさく小言を言われたりバイト先の男性と肉体関係にあったりと複雑な状況下にある。
一方叶子はクラスの人気者で彼氏もいて一見とても不自由なく暮らしているようだったが、彼女もまた複雑な家庭環境にある。2人がお互いの感情を吐露していくうちに徐々に関係性に変化が生まれる。
百合映画としてのみどころポイント!
一見キラキラした青春を送る女子高生ですが、実はうちに秘めた複雑な悩みや変化していく心情が悲しくも美しく描かれています。高校生の揺れる恋心と周りの変化に要注目です。
一選を越えようとする覚悟や好奇心、背徳感などを美しくシルエットで描いたシーンや、徐々に2人が惹かれ初めてキスをする水槽前の青と黒のコントラストなど、美しい描写に着目してみてください。
こんな人におすすめ
- 女子高生の恋愛が見たい人
- とにかく切なく心が痛くなるような内容が見たい人
こんな人には向かないかも
- すごい濡れ場が見たい人
- 偏見など見聞きすると悲しくなる人
3.ホワイトリリー
出典:Amazon.com
あらすじ
陶芸を学んでいる登紀(/山口香緒里)は、弟子であるはるか(飛鳥凛)と、お互いが過去に抱えたトラウマを慰め合うかのように肉体関係を持ち日常を送っていた。
ある日、有名陶芸家の息子であるという二階堂さとる(町井祥真)が現れ、その日をきっかけに周囲の人間関係や結ばれていたはずの2人の関係性が崩れ始める。
百合映画としてのみどころポイント!
監督の中田秀夫氏ですが、「クロユリ団地」「仄暗い水の底から」等世界的に評価を高く受けたホラー映画を多く製作し、その実力からホラー映画界の巨匠とも呼ばれていました。そんな中田氏がロマンスポルノに挑戦するとのことで、映画内の描写やビジュアル的要素にも要注目です!
こんな人におすすめ
- 美しいポルノ映画が好きな人
- 比較的物静かなのが好きな人
こんな人には向かないかも
- 怖い要素は苦手な人
- メンヘラ系が苦手な人
4.ハンズ・オヴ・ラヴ 手のひらの勇気
“平等”とは何?
出典:Amazon.com
あらすじ
ニュージャージー州オーシャン郡の刑事ローレルは49歳。レズビアンであることを隠しながらキャリアを積み重ね、男性優位な警察社会でも腕利き女刑事として評判だった。ある日若いレズビアンのステイシーと出会い意気投合、順調に交際を進め入籍する。しかし、順風満帆に思われた彼女の人生は末期の肺がんが発見されたことによって暗転、刑事を辞め治療に専念することになった。
自らの死期を悟ったローレルは遺族年金が現状の制度ではパートナーのステイシーに支払われないことを知り、余命を賭して最後の戦いに挑む――
ヒューマンドラマです。実際の出来事を基にしたドキュメンタリーの映画化で、王道の筋立てながら決して一筋縄ではいかない側面を見せてくれます。
百合映画としてのみどころポイント
レズビアンのカップルというとどうしても性的な”イチャつき”が過度に強調されがちです。しかしこの映画はそこが主題ではないということもあって、主役2人の関係はそこまで過激ではありません。性が自由なら愛もまた自由なのです。
実はこの映画、公開当時は賛否両論がありました。否の主張いわく、筋立てが凡庸で陳腐である、同性愛者の描き方がむしろステレオタイプ的である、と。実際そういう見方もできるし、実話を基にしているのだからしょうがない、と擁護もありました。
しかし同性愛者は常に革新的で魅力的な存在として描かれなければいけないのでしょうか?この映画には主題とは別の問題提起が隠れているような気がしてなりません。
こんな人におすすめ
- ビターエンドが好きな人
- 深読みが好きな人
こんな人には向かないかも…
- どんでん返しが好きな人
- 刺激的な娯楽が好きな人
- 小難しいことを考えたくない人
5.アデル、ブルーは熱い色
人生に偶然はない
出典:Amazon.com
あらすじ
フランス・パスツールに住むアデルはよくいる今時の文学好き高校生。人並みの青春を送っていたが街で見かけた青髪の女性に一目惚れしたことから運命は大きく回り出す――
正統派の青春ものです。若者の悩みと性にまつわる問題が同性愛への偏見と絡めて赤裸々に描き出されます。
百合映画としてのみどころポイント
出典:映画.com
観ていると割とすぐ気付くのですが、ほとんどのシーンで役者さんの顔がノーメイクです。この“生っぽさ”がこだわり抜かれていて美しい。生の女は美しいのです。
この手の映画で激しい“絡み”のシーンは珍しくありませんが、この作品ではそういった表現が特に激しいです。単なる物理的な激しさではなく、精神的に“激しい”のです。感情を叩きつけ合う女と女、もうたまりません。
こんな人におすすめ
- “女同士”の青春が見たい人
- 女が精神的に苦しむのが見たい人
こんな人には向かないかも…
- 濡れ場が苦手な人
- 生々しさが苦手な人
6.アンダー・ハー・マウス
愛は隠せない
出典:Real Sound
出典:BHM Commercial Trailer TXT REV H264 on Vimeo
あらすじ
大工として働きつつ夜毎に違う女性と関係を持つマッチョで自由な“女性”、ダラスはファッション誌編集者のジャスミンと出会う。最初こそ婚約者がいるジャスミンに拒絶されるものの徐々に距離は縮まり、ジャスミンも自分の内にある欲望に気付いてしまう――
ド直球な作品です。難しいことは考えず、ただただ美しい女の肉体、精神の絡みを堪能しましょう!
百合映画としてのみどころポイント!
出典:Real Sound
この映画に小難しい解説は必要ありません!美しい女同士の絡みが好き!?ならこの映画を観ればいいじゃない! 主演のエリカ・シンダーはユニセックスモデルで男性として活躍する“本物”、スタッフも大半が女性とガチそのものです。こんな文字列読んでないでさぁ早く観て!
こんな人におすすめ
- とにかく女同士の絡みが見たい人
- “本物”が見たい人
こんな人にはおすすめできないかも…
- 過程とかストーリー性を重視する人
- 濡れ場が苦手な人(ポルノかと思うほど濡れ場だらけです)
7.テルマ&ルイーズ
これは逃避行じゃない、復活だ!
あらすじ
逃げ場のない退屈な主婦生活を送るテルマと自由だがやはり退屈な独身生活を送るルイーズ。正反対に見える2人は親友で、退屈な日常の気晴らしにドライブへと繰り出した。だが酒に酔ったテルマがレイプされそうになり、激昂したルイーズが男を射殺してしまう。動揺した2人は現場からの逃走を選択、先の見えない逃避行が始まった――
女2人のロードムービーです。文字列だけ見ると悲しい物語のようですが実際全くそんなことはありません。“笑顔”の名作映画です。
百合映画としてのみどころポイント!
主人公の2人は途中までは悲壮感たっぷりです。罪を犯してしまった!どうしよう!という具合に。しかし気付いてしまうのです、罪を犯すということは社会から逸脱したということで、つまり自分達は自由の身であるということに!急にイキイキと豹変した2人は清々しく、これまでにない輝きを見せ始めます。
観ている最中、この2人はそういう関係か?「百合映画」なる並びに入れるものか?と疑問を持たれる方もいるかもしれません。しかし意識しながら見ていると、“そう”であると思われる小ネタが流れを邪魔しない程度にさりげなく配置されていることに気が付くのです。この小ネタに気が付いているとラストの印象が変わってくるので1週目は何も考えず、2週目はその辺りを意識しながら見るのがおすすめです。
こんな人におすすめ
- 気持ちいい映画を観たい人
- パワフルな女が見たい人
- 名作が観たい人
こんな人には向かないかも…
- 下品な描写が嫌いな人
- スカッとするまでの“タメ”が長いとモヤモヤする人
8.恋のミニスカウエポン
愛があればなんとかなる!
あらすじ
世界の平和を守る秘密のスパイ養成学校D.E.B.S.。所属する4人の女子高生(実は大学生)エージェントのエイミー、ドミニク、マックス、ジャネットは恋に学校に任務と忙しい毎日を送っていた。ある日悪の組織を率いる女犯罪者ルーシーの”お見合い”と、それを監視していた4人の間で銃撃戦が発生する。
ところが事態は思わぬ展開に、なんとルーシーとエイミーが恋に落ちてしまう――
おバカなガールズお色気アクション映画、だと思った人に不意打ちをくらわせるレズビアン青春ラブコメアクション映画です。公開当時、エロ目的で映画館に詰めかけた男性達を唖然とさせたそうな。そりゃこのポスターなら普通はそう思います、絶対ワザとですね。
百合映画としてのみどころポイント
この映画の”可愛い”は女の子に向けられています。パワフルでキュート、バカバカしくて楽しい、男受け?知らん知らんそんなもん!全てがサラッとしていて見ていて爽快です。
レズビアンに限らず、同性愛というものはだいたい扱いが極端です。物語全体を通した大問題か、さもなくば存在自体ギャグか。ところがこの映画ではレズビアンという問題は友情、任務、のさらに下です。もう存在しないに等しいのです。同性愛は犯罪なんかじゃないんだから当たり前なのですが、そういう当たり前のことを当たり前に思い出させてくれます。
こんな人におすすめ
- エロティックなのが苦手な人
- 楽しい映画を観たい人
こんな人には向かないかも…
- 凝った構成が好きな人
- 真面目な映画が観たい人
ドロドロした百合映画を観たいならこれ!
続いて、女ならではの「ドロドロ」模様を描いた百合映画をご紹介していきます!
9.キャロル
あなたが私を変えた
出典:映画『キャロル』予告編
あらすじ
恋人がいて、仕事があって、ぼんやりとした夢もある、でもどこか満たされないテレーズと離婚寸前の人妻キャロルが出会ってしまう――
百合映画としてのみどころポイント!
この映画の見どころはなんといっても主演2人の暴力的な美しさです!映画の全てはこれを引き立てるためにあると言っても過言ではありません。あと1時間半もあるのに、たった15分でこんな……自分の心と身体が最後まで持つのか?と不安になることでしょう。
美しい2人が愛し合うのだから当然その様は美しい、なのにどうしようもなく醜い。何故なのか、その答えは観客に委ねられているのかもしれません。
こんな人におすすめ
- とにかく美しいものが見たい人
- 役者さんの凄さが見たい人
- まだ“女同士”に目覚めてない人
こんな人には向かないかも…
- 濡れ場が苦手な人
- 子供に感情移入してしまう人
10.バウンド
甘い言葉だけが愛の囁きではない
出典:IMDb
あらすじ
レズビアンで元受刑者の女泥棒コーキーはマフィアの愛人ヴァイオレットと出会い関係を持つ。愛人生活に嫌気がさしていたヴァイオレットはマフィアの金を盗んで逃げようとコーキーに持ちかけ、2人はそれを実行に移す――
百合映画としてのみどころポイント
愛を直球で囁き合うシーンも魅力的ですが、本当に魅力的なのは2人の密談です。密室で決して他人には漏らせない計画を囁き合う女と女、これもまた一種の愛の囁きと言えるのかもしれません。
正しく娯楽というべき軽快なテンポで話が進み、観客を飽きさせない趣向を凝らしたカット割りが連発されます。100分以上ある作品ですがむしろ時間は短いとすら感じられることでしょう。
こんな人におすすめ
- クライム映画内に息づく”女同士”の関係を見たい人
- いかにも娯楽という映画を観たい人
こんな人には向かないかも…
- 痛そうなのが苦手な人
- 張り詰めた緊張感に耐えられない人
11.ブラック・スワン
黒鳥はどこにいた?
出典:Amazon.com
あらすじ
名門バレエ団に所属するニナは母親の期待を一身に受けながらバレリーナとしてのキャリアを積み重ねていた。バレエ団の次の公演が”白鳥の湖”に決定し、ニナはプリマに選ばれ白鳥と黒鳥の二役を演じることになる。純真無垢な白鳥と妖しく舞う黒鳥、困難な主役の重圧と周囲からの雑音に疲れ果てたニナは次第に精神の均衡を崩していく――
百合映画としてのみどころポイント
若干ネタバレになりますが、この特集に入っているということは”そういう”シーンがあります。単に美しいシーンとして鑑賞しても良いものですが、意味を理解するとこれは単なるレズビアンの表現ではないことが分かります。消去法レズビアンとでも言いましょうか、意味が分かるとある意味一番怖いシーンであるかもしれません。
こんな人におすすめ
- 映像が見たい人
- ホラー好きな人
- 深読みが好きな人
こんな人には向かないかも…
- ホラーが苦手な人
- 痛そうなのが苦手な人
- 濡れ場が苦手な人
12.累‐かさね‐
出典:Amazon.com
あらすじ
超有名女優を母に持つ淵累(芳根京子)は、その容姿に強いコンプレックスを抱いていた。対して丹沢ニナ(土屋太鳳)は、女優を目指す1人の女性ですがその才能は乏しく芽が出ないままだった。ある日、キスすると容姿が入れ替わる魔法の口紅を手に入れ、累を取り巻く全ての人間関係が目まぐるしく変化してゆく。
百合映画としてのみどころポイント
この2名の登場人物以外にも、累の母親に起こったある過去が原因で復讐を企む者等が現れ、映画の展開は次々と変化していきます。様々な思いを抱え累が下した最後の決断にも要注目です!
こんな人におすすめ
- ドロドロの人間ドラマが好き
- 土屋太鳳ちゃんのシリアスな一面を知らない
こんな人には向かないかも…
- レズビアン要素が濃い作品が見たい
- 濡れ場が見たい
13.ジア 裸のスーパーモデル GIA
生まれてきてよかった
出典:Gia – Watch the HBO Original Movie | HBO
あらすじ
伝説のスーパーモデル、ジア。奔放で魅惑的、そして天才だった彼女はファッション界に登場するや瞬く間にトップへと上り詰める。レズビアンでもあった彼女は多くの女性と関係を持ちながらたった1人、メイク担当だったリンダを心から愛していた。
それは幼い頃に家を出た母親の愛を求めるが故の代償行動であったが、しかし当のリンダからは期待したような反応が得られない。再会した母親も激しい気性に嫌気がさしてジアの元を去る。そして母親代わりだった事務所の社長が病死したことが止めとなり、ジアは寂しさを埋めるようにドラッグへ溺れ破滅へと転がり落ちていく――
実在のスーパーモデル、ジア・キャランジの人生を題材にしたヒューマンドラマです。映画に詳しくなくても名前ぐらいは知っているであろうハリウッドの大女優、アンジェリーナ・ジョリーの出世作でもあります。さすがスターを一人生み出すだけはあると唸らされる傑作で、作品のパワーに応えるアンジェリーナ・ジョリー捨て身の演技が神懸っています。
百合映画としてのみどころポイント
月並みですが、本当にすごいとしか言いようがありません。まずスタイルがすごい、エロいとか美しいとかじゃなくてもう、すごいです。撮影当時は20代前半だと思いますがこんな人間存在していいの?っていうパーフェクトボディーです、飛び道具です、画面制圧兵器です。演技もすごい、台詞がなくても表情だけで状況が分かるしなんなら顔すら見なくても動きだけで流れが分かります。表現力の塊です。
アンジェリーナ・ジョリーの全力の演技を以て描き出されるのが無償の愛です。ひたすらに求める様を描くことで、実際には存在していない無償の愛の形”だけ”が醜く観客に伝えられます。愛の表現は本当になんでもありですね。
こんな人におすすめ
- アンジェリーナ・ジョリーのすごさを堪能したい人
- 醜い愛が好きな人
こんな人には向かないかも…
- ハッピーエンドじゃないと嫌な人
- 悲惨な話を観たくない人
濡れ場がスゴい百合映画を観たいならこれ!
続いて濡れ場が凄い百合映画をご紹介していきます!
14.それでも恋するバルセロナ
恋で人生は変わる!?
あらすじ
アメリカ人のヴィッキーとクリスティーナは女友達で親友、それぞれの目的を持ちスペイン・バルセロナを2人で訪れる。クリスティーナは滞在先で出合った情熱的なアントニオに惹かれ、婚約者がいるヴィッキーも引きずられた形でアントニオと関係を持ってしまう。そんな状況とは露知らずクリスティーナはアントニオと同棲を始めるが、そこへさらにアントニオの元妻、マリアが現れる――
あらすじだけ読むと一般的?な三角関係、四角関係っぽい滑り出しですが、この特集に入っている時点でもう、ネタバレですね。
百合映画としてのみどころポイント
メインの4人ですが、とにかく一筋縄ではいきません。関係が“生えてくる”とでも言うべきか、どことなくシュールでテンポよく進むため置いてきぼりにされないよう観客も必死です。登場人物は基本的に感情剥き出しなので、こっちも感情剥き出しで“感じる”ものでしょう。
この作品では情熱と芸術が大きなテーマとなっていますが、それを根底の部分で下支えし演出するのがバルセロナの風景です。常にムードが最高という感じで、そりゃ至るところに関係が発生してしまうわな、と納得の雰囲気を持っています。もちろん観客もその仲間に入れてくれますので存分にバルセロナを堪能しましょう。
こんな人におすすめ
- 最近恋してないなと感じる人
- 旅行に行って異国感を味わいたい人
- 多重関係を見たい人
こんな人には向かないかも…
- 女“だけ”の関係を見たい人
- 濡れ場が苦手な人
- 感情の流れが早いとお腹いっぱいになってしまう人
15.モンスター
出典:Amazon.com
あらすじ
アメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯のアイリーン・ウォーノスの実話に基づいて展開されるサスペンスストーリー。主人公のアイリーン(シャーリーズ・セロン)はヒッチハイクをしながら体を売り生活していたが、やがてその生活に疲れて自殺を決める。有り金を使い果たそうと入ったバーで、彼女はセルビー(クリスティナ・リッチ)という女性と出会い、運命が変化してゆく。
百合映画としてのみどころ
本作では、愛情を受けず育ち愛を知らない女性の悲劇を描いています。初めて他人に心を開くという体験、初めて知りかけた愛は再び悲しく崩れ落ちる。愛を知らず愛を求めた女性を悲劇的に描き、愛情の重要性を訴えかけた作品です。
こんな人におすすめ
- 実話ベースの話が好き
- 悲劇が見たい
こんな人には向かないかも…
- 自殺や薬物などの話題は避けたい
- 過去に家庭環境のトラウマがある
16.キッズ・オールライト
レズビアンは人間です
出典:Amazon.com
出典:映画『The Kids Are All Right 』予告編
あらすじ
レズカップルと精子提供によって生まれた2人の子供、多少の問題を含みながらも4人は幸せに暮らしてきた。しかし子供たちが自身の精子提供者、つまり実の父親に無断で会いに行ったことから少しずつ歯車が狂い始める――
百合映画としてのみどころポイント!
ネタバレになる関係上本当にまわりくどい言い方しかできなくて無念なのですが、“ママ”の1人であるニックのあるシーンが本当に、本当に悔しくて悲しくて脳が爆発しそうです。ある意味一般的な家庭でも起こりうる事態なのですが、レズビアンであるというフィルターを通すことでここまで意味合いが違ってくるのか!と唸らざるを得ません。
こんな人におすすめ
- 無力感を味わいたい人
- 感情が見たい人
こんな人には向かないかも
- 美しい“女同士”が見たい人
- 恋が見たい人
- 濡れ場が苦手な人
17.ダニエラ 17歳の本能
青春はポップと悩みでできている
出典:Amazon.com
あらすじ
ダニエラはチリの首都サンディエゴで暮らす性に奔放な高校生。敬虔な福音主義の家と地域に生まれて窮屈な生活を送っていた。ある日婚前交渉のばれたダニエラは高校を退学となり、罰として福音主義の啓蒙を行うテレビ局で雑用をすることになる。しかし転んでもタダでは起きないダニエラ、テレビ局で彼氏そして彼女を作り自分自身と性についての認識を深めていく――
百合映画としてのみどころポイント
この映画は正しくダニエラという少女の成長物語です。少女が宗教やら親やら恋人やらに横槍を入れられながら自己を確立するまでの物語です。そしてそれを演じるアリシア・ロドリゲスの表現力が素晴らしく、そしてキュートなのです。下品なシーンも思い悩むシーンも少女らしさに溢れていて、映す側もそれを取りこぼすことなく丁寧に長尺を使ってくれます。堪能しましょう。
こんな人におすすめ
- 青春ものが好きな人
- キュートな女の子が見たい人
こんな人には向かないかも…
- 下品な描写が嫌いな人
- ハッピーエンドじゃないとモヤモヤする人
- 濡れ場が苦手な人
18.翼をください
あるがままの愛とは?
出典:Amazon.com
あらすじ
母親が病死し、寄宿学校に入ることになったメアリー。ふさぎ込んでいた彼女だったが相部屋のポーリーとトリー、大らかな学校の環境に次第に打ち解けていった。そしてポーリーとトリーが愛し合う関係であることを知ったがメアリーはそれを受け入れる。だが一方でトリーは自身のセクシャリティが周囲に広まることを恐れ、ポーリーと距離を置き別の男と付き合い始める――
青春ものです。同性愛の悩みが主軸ですが語り手であり関係者でありそして当事者ではないメアリーの視点が作品に厚みを与えています。
百合映画としてのみどころポイント
この作品の特徴は視点をあえて同性愛の当事者の”外”に置いたことだと思います。同性愛を扱ったほとんどの作品で視点は当事者に置かれるのですが、視点が外に置かれることで盲目的に描写されがちな愛の姿を立体的に表現することを可能にしています。
また、登場する女の子がとにかく絶妙にダサくてかわいい。ブレザーのはだけ方、スカートの上げ方、楽な髪型、とてもキュートです。最後にドレスアップしたシーンもあるのですがそのギャップもまたたまらない!
こんな人におすすめ
- 報われない話が好きな人
- 青春ものが観たい人
こんな人には向かないかも…
- バッドエンドが嫌いな人
- 若気の至りがこっぱずかしくて見てられない人
19.モス・ダイアリー
私はあなたを永遠に離さない
あらすじ
全寮制の女子校という閉鎖的な空間でいかにもな青春を送るレベッカと親友のルーシー。しかし神秘的な転校生、エネッサが現れたことによって状況が徐々に変化していく。巻き起こる怪事件、親友ルーシーのエネッサに対する異常な傾倒、レベッカは奇妙な転校生への疑念を深めていく――
百合映画としてのみどころポイント
私服や髪型や制服の着こなしなどが、いかにも女子校っぽくてダサい!しかしそういうところも可愛く見えてくるから不思議です。
主人公レベッカはエネッサを警戒するのですが、単なる警戒でなく親友(どう見ても親友以上の関係)ルーシーを取られた嫉妬が多分に混じります。この感情の境目が曖昧な感じがたまりません!
この作品はホラーということで死人が出たりするのですが、死の存在を間近に感じる女というのはなぜか美しいものです。死への距離に比例して主人公レベッカがキレイになっていく様を見逃してはいけません。“女同士”ホラーの醍醐味と言えます。
こんな人におすすめ
- ホラー好きな人
- 学生・青春ものが好きな人(序盤はほんとに青春っぽいです。そう序盤は……)
- 美人の嫉妬が好きな人
こんな人には向かないかも…
- ホラーが苦手な人(といってもそこまで怖くはない)
- 虫が苦手な人(タイトルのモスはmothで蛾のことです)
- 血・痛そうなのが苦手な人
20.ローマ、愛の部屋
あらすじ
同性愛者のアルバ(エレナ・アナヤ)は、ナターシャ(ナターシャ・ヤロヴェンコ)を気に入り自宅に招き入れた。知り合ったばかりの女性は肉体関係を持ったことでお互い少しずつ気を許してゆく。そして自分のことを少しづつさらけ出すたびに混ぜられる小さな嘘の数々。この女性が自分を完全にさらけ出すまでの一晩の物語。
百合映画としてのみどころポイント
映画の最大の特徴は、百合の恋愛を清潔感とロマンたっぷりに描いていることです。映画の雰囲気に統一感を与えているビジュアル的要素や使用されているBGMから、2人の友人でもなく恋人でもない、説明不可能な関係性の危うさと自由さが優雅に表現されている点に注目です!
こんな人におすすめ
- 美しい映画がみたい
- レズビアンの葛藤や感情に焦点を当ててみたい
こんな人には向かないかも…
- 間延びする映画が苦手
- 衝撃的展開を期待したい
まとめ
以上、百合映画特集でした!
この記事が映画との素敵な出会いになれば幸いです。
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