知る人ぞ知るおすすめマイナーアニメ映画5選【厳選】

映画やアニメ、小説に音楽でもいいですが、一般的にあまり知られていないけど凄い作品、といったものはどの世界にもありますよね。マイナーだけど評価が高い、カルト的に人気がある、万人向けではなくても、ごく一部の好きな層にはたまらない作風……とその内容は様々です。

アニメ映画に限定してみても、そういった作品はもちろんあります。「何だか評判いいみたいだけど、よく知らない」なんてタイトル、アニメ好きなら数作品は思い浮かべられるのではないでしょうか。

そこで今回は、「もっとマニアックな作品も観てみたい」「自分の知らない世界を知りたい」といった方々に向けて、あなたの価値観を変えるかもしれないアニメ映画を5本、厳選してお届けします!

マニア必修のマイナーカルトアニメ5選

それでは早速ご紹介いたします!アニメ好きなら既に網羅済みかもしれませんが、まだ見たこと無かったわ!!!!という作品があればぜひぜひ今すぐチェックしてくださいね。

1.哀しみのベラドンナ

アニメ 映画 マイナー
出典:日本コロンビア公式サイト

あらすじ

舞台は中世フランスのとある村。相思相愛であった若い男女、ジャンとジャンヌは結婚式を挙げるが、貧しいジャンは村を支配する領主に貢物を用意することができなかった。その代償として、ジャンヌは領主に襲われ、家来からも凌辱されてしまう。

そんなジャンヌの前に悪魔が現れ、その力を得たジャンヌが紡いだ糸は、高値で取引されるようになっていく。その甲斐あって、ジャンは村の税取り立て役人にまで出世することができたが、戦争のための資金を調達することに失敗し、罰として左手首を切り落とされてしまう。

一方、ジャンヌは悪魔に身も心も捧げ、妖しい金貸しとして村を操る存在となっていくが、領主の奥方や村人たちにより、悪魔つきとして追放されてしまうーー。

『哀しみのベラドンナ』ってどんな映画?

『哀しみのベラドンナ』は、虫プロダクションによって制作され、1973年6月30日に公開されました。1969年公開の『千夜一夜物語』、1970年公開の『クレオパトラ』と合わせて、「アニメラマ三部作」とも呼ばれています

「アニメラマ」とはアニメーションとドラマ、などの意味を持たせた造語で、当時の手塚治虫と虫プロダクションが制作し、日本ヘラルド映画の配給によるアニメ映画に付けられた呼称です。

三部作共に、女性キャラクターのヌード描写などもあり、「大人向けのアニメ」などと銘打たれていました。中でも、『哀しみのベラドンナ』は異色とも言える作風で、「アニメロマネスク」というキャッチフレーズが付けられ、様々な技法を凝らしたアート・フィルムに仕上がっております。残念ながら商業的には成功せず、虫プロ倒産の引き金になってしまいましたが、後に再評価され、2000年代にはDVDリリースもされました。

監督には前2作品も手掛けた山本暎一を迎え、作画監督には『タッチ』や『銀河鉄道の夜』の杉井ギサブローを、著名な画家・イラストレーターの深井国を美術監督として起用しています。尚、手塚治虫は虫プロの社長から退いていましたので、本作の制作にはノータッチです。

強烈なイメージ!『哀しみのベラドンナ』のここが凄い!

いわゆる一般的なアニメしか観たことがない方であれば、物語の始まりから「何だこれは!?」と感じるかもしれません。グル―ヴィなオープニング・テーマが流れる中、深井国による美しい原画を基にした静止画が映し出され、ほとんどアニメーション的な動きがないのです。

そういった手法は、現実的なシーンに静止画を、心象風景では作画に動きを持たせるというコンセプトが背景にあります。全てがそのコンセプトで統一されているわけではないですが、この独特の演出が本作の最大の特徴と言えるでしょう。

水彩を用いたサイケデリックな色使いや音楽など、70年代らしい雰囲気も濃厚で、劇場公開されたとは思えないほどに実験的、まさにアートフィルムといった趣なのです。

物語自体は、とくに難解というわけではありませんし、観る人によっては「これってアニメと言えるの?」と感じる方々も恐らくいるでしょう。しかし、『少女革命ウテナ』や『輪るピングドラム』などで有名な幾原邦彦監督は、この『哀しみのベラドンナ』に大きな影響を受けたと公言しております

本作が持つ強烈なイメージは、とくに何かしらの表現を志している方であれば、一度は観ておくべき世界と言えましょう。

2.迷宮物語

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出典:角川映画公式サイト

あらすじ

ラビリンス*ラビリントス

日本家屋風の家で、母親と暮らしている少女さち。母親が食事の準備をしている中、さちは自分の頬にヒゲを描いて舞い踊ったり、愛猫のチェチェローネと一緒にかくれんぼをして遊んでいる。時計の中に隠れたチェチェローネを見付けたさちは、突然現れた謎の道化師に導かれて、夢とも現実ともつかない不思議な世界へと紛れ込んでいく。

走る男

雑誌記者ボブ・ストーンは、雑誌社の依頼でレース場へと足を運んでいた。記事の対象は、何人ものレーサーの命を葬ってきた過酷なレースで、10年近くチャンピオンで在り続けるザック・ヒュー。「死神ザック」「不死身の男」などと呼ばれたザック・ヒューであったが、極度の緊張感の中で、彼の肉体も精神もすでに限界が近付いていた。

工事中止命令

会社員の杉岡勉は、自社が担当しているジャングル奥地での工事が、政権のクーデターによって契約が破棄されたことを受けて、工事の中止を言い渡すために単身現場へと出張する。工事はロボットによる全自動で行われているが、杉村が何を言っても、ロボットたちは工事を止めようとしない。制御が効かなくなった現場で、悪夢のような災難が杉村に降りかかる。

3人の巨匠が描く、オムニバス映画『迷宮物語』

『迷宮物語』(『Manie-Manie 迷宮物語』とも)は、SF作家・眉村卓の短編集を原作とし、りんたろう・川尻善昭・大友克洋という3人の巨匠がそれぞれ一話ずつ監督を務めた、オムニバスのアニメ映画です。

1984~85年の間に制作され、本来であれば『時空の旅人』(1986年)と同時上映の予定でした。しかし、内容があまりにもマニアック過ぎるということで、一時はお蔵入り状態となったいわくつきの作品なのです。

結果的に、本作は1987年9月の東京国際ファンタスティック映画祭にて、初めて一般公開されました。元々は、押井守が参加予定だったそうですが、それは実現せず、プロデューサーの丸山正雄の推薦で、川尻善昭が監督に抜擢されたという経緯があるのも興味深いですね。

制作は『エースをねらえ!』や『宝島』、『ユニコ』に『幻魔大戦』といった数々の有名作品を送り出したマッドハウス。今となっては、二度と実現しないのではないかというくらいに豪華な組み合わせで生まれた作品だと言えましょう。

ちなみに、「Manie」とはフランス語で「偏執」や「マニアック」といった意味の言葉です。その言葉通りの作品であることは、本作を観た方であれば、誰もが納得するのではないでしょうか。

難解すぎる!?『迷宮物語』の奥深い魅力とは

原作があると書きましたが、りんたろう監督が手掛けた『ラビリンス*ラビリントス』は完全にオリジナルです。物語の筋はあってないようなもので、少女サチが迷い込む、大正~昭和モダニズム的な幻惑の世界のイメージが、次々と映し出されていきます。ホラータッチな面もありますし、シュールレアリスム的でもあります。

続く『走る男』は、川尻監督が脚本・キャラデザ・作画監督も兼任しています。極限状態でレースに挑む男が描かれておりますが、やはり明確なストーリーがあるわけではなく、破滅へと向かう男の姿を、濃密に描き込まれた作画とハードな世界観で描き出しています。よく分からない、でも何だか凄い――アニメーションの可能性を感じる一本です。

3本目は、『AKIRA』の大友克洋による『工事中止命令』。大友監督によっては、初めてのアニメ監督作品ということもポイントですね。3本の中では一番ストーリーが分かりやすく、ある意味取っ付きやすいといえるかもしれません。

『AKIRA』が好きな人であれば、はまる作品ではないでしょうか。ブラック・ユーモアがあり、異様に描き込まれた背景、ロボットの仕草、何ともドライな展開も含めて、いかにも大友的なのです。

全編通して、それぞれの作家性が存分に発揮された作品ばかりですし、まさに「マニアック」な逸品と言えましょう。起伏のある物語を求める方には不向きかもしれませんが、前述したように、アニメーションが持つ可能性を知りたい方は、ぜひ鑑賞してみることをおすすめします。

3.老人Z

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出典:ソニーミュージック公式サイト

あらすじ

看護学校に通う三橋晴子は、ボランティアで高沢喜十郎という寝たきりの老人の介護を行っていた。ある日、厚生省が高齢化社会に向けて打ち出した「Zプロジェクト」のモニター第一号として、晴子が世話をしていた高沢老人が選ばれてしまう。

最新型の介護ロボット「Z-001号機」は、食事や排泄、入浴介助のみならず、様々な娯楽まで提供する画期的なマシーンである。だが、チューブだらけでがんじがらめになっている高沢老人の姿を見て、晴子は大きなショックを受ける。思わず助け出そうとするも、一度は失敗に終わってしまうが、諦めずに奮闘する晴子。

そんな中、「Z-001号機」は次第に高沢老人の精神と融合し、街中の無機物を自身に取り込みながら、制御不能の暴走を始めてしまう。

大友克洋と江口寿史がタッグを組んだ『老人Z』!

『老人Z』は、劇場映画版『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(2000年)などでも知られる北久保弘之監督による作品で、1991年9月14日に公開されました。『AKIRA』の大友克洋が原作・脚本・メカニックデザインを手掛け、『ストップ!! ひばりくん!』や『すすめ!!パイレーツ』などの江口寿史がキャラクター原案を担当しています。大友克洋と江口寿史という大御所2人によるコンビ、ということでも注目されましたね。

高齢化社会、介護といった社会問題をテーマにしたSFアニメ作品であり、本作は1991年度の毎日映画コンクールアニメーション映画賞も受賞しております。そういった情報だけ聞くと、「何だか難しくて高尚な作品なの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。シリアスな問題に切り込みつつも、楽しく観ることのできるエンターテイメント作品として成立しているあたりが、一流のスタッフによる手腕の賜物と言えるでしょう。

豆知識として、本稿でも後述する『PERFECT BLUE』(1997年)などで知られる今敏が、本作の美術設定を担当しています。また、音楽を担当した板倉文と、主題歌を歌う小川美潮は、チャクラという80年代に活躍したバンドのメンバーです。日本の音楽シーンに詳しい方であれば、思わずニヤリとしてしまうのでは?

『AKIRA』とは違った大友テイストが楽しめる『老人Z』の面白さ!

『老人Z』は、大友克洋が『AKIRA』の次に関わったアニメ映画です。ご存知の通り、『AKIRA』はアニメ史に残る大傑作であり、非常に硬派な作品ですよね。

その点、『老人Z』はシリアスな面もありつつ、ブラックジョーク満載で思わず笑ってしまうシーンもたくさんあります。そして何より、主人公の三橋晴子が物凄く魅力的で可愛いということ。もちろん、他のキャラクターもそれぞれ魅力的ですが、江口寿史による女の子の可愛らしさは、もうさすがの一言です。とはいえ、今風の萌えとは違う可愛らしさなんですね。

更に言えば、晴子のキャストを担当したのは『サクラ大戦』の真宮寺さくら役などで有名な横山智佐。その辺りも、アニメファンには注目してもらいたいポイントです。

80分というコンパクトな上映時間の中に、色々な要素が目一杯詰めこまれているのが本作の見所です。高齢者の介護という重いテーマを扱いながらも、マニアを唸らせる大友テイスト炸裂のメカニック描写があり、個性豊かなキャラクターが動き回る様を、楽しく観ることができます。

物語の終盤には少しホロリとさせられるのですが、ちゃんとオチがつく結末になっている、というバランス間隔が良いですね。娯楽映画の見本、と言っても過言ではないでしょう。

4.地下幻燈劇画 少女椿

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出典:カナザワ映画祭主宰者のメモ帳

あらすじ

昭和13年。3年前に父に逃げられ、花売りをしながら家計を支える美少女みどりは、病気の母と二人暮らしの極貧生活を過ごしていた。

ある日、帰宅したみどりが見たものは、鼠に内蔵まで喰いちぎられて死亡していた母親の姿だった。孤児になってしまったみどりは、花売りをしているときに優しく声をかけてくれた、山高帽を被った紳士の元を訪ねる。

しかし、紳士は見世物小屋『赤猫座』の座長であり、みどりは見世物小屋の下働きとして使われることになった。小屋の芸人たちはみどりを苛め抜くが、ある日見世物小屋にやってきた芸人、ワンダー正光の出現によって、みどりの立場も少しずつ好転していく。みどりは正光に気に入られ、お互いに好意を抱くようになるが――。

カルト中のカルト!『地下幻燈劇画 少女椿』とは?

2016年5月、『少女椿』の名前がにわかに話題となりました。中村里砂を主演に迎え、実写映画として公開されたからなのですが、「あの『少女椿』を実写映画化!?」と驚いた方も多くいたことでしょう。何といっても、日本を代表するエログロ作家、丸尾末広の代表作の1本であり、カルト的な人気を誇る漫画『少女椿』の実写化なのですから。

実写映画化を経て、原作漫画に興味を持った人も増えたようですが、実はこの作品は27年前の1992年に、『地下幻燈劇画 少女椿』のタイトルでアニメ映画化しています。映像作家の原田浩が、絵津久秋名義で演出・台本・作画・監督を兼任し、実に5年という歳月をかけて作り上げた、狂気的な執念すら感じさせる自主制作作品なのです。

何故それだけの制作期間を費やしたのかというと、その過激な内容にスポンサーなどがつかずに、監督自身が必死に資金繰りをしたという経緯がありました。更に、ようやく完成にこぎつけたと思ったら、本作は通常の映画館ではなく、神社やマンションの地下室などで、桜吹雪やスモークなどの演出と共にゲリラ的に公開され、まさに見世物小屋の演目として世に出たのです。

通常のアニメ映画の文脈とは全く違う位置に存在するのが、『地下幻燈劇画 少女椿』だと言えましょう。

日本では視聴不可!?『地下幻燈劇画 少女椿』の過激な内容

本作は、どの場面でもしっかりと動くアニメーションではなく、止め絵を多用したアニメ作品になっています。元々、原作の『少女椿』の元ネタが街頭紙芝居の作品ということもあり、外連味たっぷりのナレーションや効果音も含めて、実に効果的であったと言えましょう。

とはいえ丸尾版『少女椿』をほぼ忠実に再現している以上、現代では制作不可能と思われる描写も徹底的に表現されおります。エログロナンセンスや猟奇趣味といった嗜好に興味のない層には、見向きもされない内容であることもまた、事実です。

ストーリー自体は、薄幸の美少女が様々な不幸な目に合うという単純なものですが、普通の物語であれば、最終的に少女には幸せが訪れるものです。もちろん、『地下幻燈劇画 少女椿』に限ってそのような幸せな結末は有り得ません

幻のようなラスト・シーンは、色々な解釈ができるものではありますが、誰も救われない結末の後味の悪さといったら、観る人によってはトラウマになりかねない代物なのです。

そんな本作に興味を持たれた方には残念なお話ですが、本作は日本国内で手軽に観ることはできません。マスターフィルムの没収や国内上映禁止といった処置を受け、唯一フランスで『MIDORI』のタイトルでDVD化されましたが、2019年現在において、今も日本ではほぼ封印状態にある作品なのです。

但し、カナザワ映画祭でギミックも含めた上映が過去に数回行われていますので、本来の形で体感したい方は、定期的にチェックしてみることをおすすめします。

5.パーフェクトブルー

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出典:マッドハウス公式サイト

あらすじ

アイドル・グループ『CHAM』の一員として活動していた霧越未麻は、女優へと転身するために脱退宣言を行う。女優として転身後は、仕事に恵まれない日々が続いていたが、事務所の方針に流されるまま、過激なシーンのあるドラマ出演やヌード写真集などの撮影をこなしていく内に、女優として徐々にその名が知られ始めていく。

しかし、不本意な仕事に対する不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻覚を見る未麻。一方、インターネットでは何者かが未麻になりすました「未麻の部屋」というサイトが立ち上がり、未麻の周辺には脅迫や殺人事件が次々と発生する。事件の背後に見え隠れする、未麻のストーカーの存在。現実と虚構の区別がつかなくなり、未麻は精神的に追い詰められていく。

『パーフェクトブルー』は今敏監督の出世作!

2010年8月24日、46歳という若さで亡くなった今敏は、『千年女優』(2002年)や『パプリカ』(2006年)といったアニメーション映画で世界的に人気の高いアニメ監督です。そんな今監督にとって監督デビュー作となった『パーフェクトブルー』は、1998年の2月に公開されました(1997年にカナダで先行公開されています)。

今監督にとってはその名を世に知らしめた出世作でもあり、マイナーな作品というと語弊がありますが、海外での評価の高さと比べると、日本国内の知名度はやや低いといったところが現状です。名前くらいは知っていても、実際には観ていないというアニメ・ファンの方々も、意外といるかもしれませんね。

尚、竹内義和による小説『パーフェクト・ブルー 完全変態』を原作としていますが、作者の許可を得て、大幅に内容に改変を加えています。脚本家には、数々のアニメ作品を手掛け、近年は大人気シリーズ『夏目友人帳』のシリーズ構成でも知られる村井さだゆきを起用。

現実と虚構が同一線上に扱われ、実写映画の『セブン』や『羊たちの沈黙』といったサイコホラー的な世界観を、アニメーションという形で見事に表現した傑作が、この『パーフェクトブルー』なのです

映画『パーフェクトブルー』予告編

今観ても怖い!『パーフェクトブルー』が描いた先鋭的なテーマとは

本作は、当時はまだあまり知られていなかったインターネットやストーカーといった要素をいち早く取り入れ、夢と現実との境界性が曖昧になるという、現代のネット社会における様々な問題を予見したような、先鋭的なテーマが描かれています視聴者は、本作を鑑賞していく内に、あたかも主人公の未麻のように、何が現実で何が虚構なのか分からなくなっていくのです。

日本ではR-15指定、海外ではほとんどが18禁というレーティングとなっていますから、本作は過激なシーンや暴力的な描写も臆することなく表現されています。とはいえ、本当に怖いのはそういった直接的な描写ではなく、自分という存在が曖昧になって、現実社会の足元がぐらつき始めるといったことです。本当の自分とは何なのか、それはSNS社会となった現代だからこそ、改めて考えるべきテーマと言えるでしょう

劇中、未麻は出演するTVドラマの台詞を練習しています。「あなた、誰なの?」――この台詞は、本作のラスト・シーンにも繋がる重要な言葉ですが、観客としての私たちに対する問いかけにもなっています。自分が自分でなくなってしまうような感覚を味わいたい方は、ぜひ『パーフェクトブルー』の描く世界に触れてみてください。

まとめ

今回紹介した5本のアニメ映画は、どの作品もそれぞれ方向性は違えど、基本的に一般向けと言える内容ではありません。好き嫌いがはっきりと分かれる作風ですし、ある程度アニメを観ている方であっても、「何だこれ」「よく分からない」となってしまう作品も恐らくあるでしょう。そもそも『地下幻燈劇画 少女椿』のように、観ること自体が難しくなっている作品もあります。

だからといって、「マニア向け」とか「古いアニメだし」といった理由で敬遠してしまうには勿体ない作品たちであることも事実です。5作品の内1本でも興味を持たれた方は、その作品を観る機会に恵まれたなら、チャンスを逃すことなく、ぜひ一度は観てほしいと願います。今まで知らなかった、新しい価値観が生まれるかもしれませんよ。

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