タイムリープやタイムトラベル系映画特集 ! 時間SFの魅力に迫る
「もしもあの時に時間を戻せたなら…」、「未来に行って情報を先取りをしたい」このような願望は、誰しもが持っているものではないでしょうか?時間は、生きていく上で多くの人が関心を寄せる、普遍的なテーマであると言えますね。
映画の中の登場人物がタイムリープするような物語は、SF作品の中でも人気のジャンルです。そこでこの記事では、さまざまなタイプのタイムトラベル作品をご紹介します。
「タイムトラベル映画を観たいけど、何が面白いかわからない方」や「時間という観念に興味がある方」は是非、お気に入りの映画を見つけてみてください!
目次
そもそもタイムリープ・タイムトラベル映画とは?
タイムループと言葉は、元々は日本のSF映画『時をかける少女』から生まれた和製英語です。主人公が強く念じる事で時間飛躍する現象のことを指します。
対してタイムトラベルは、タイムマシンなどの乗り物を使用して時間移動する形態のことを指すケースが多いようです。しかし最近では、両者とも広義でタイムトリップする作品を総称して言い表されることが多いとも言えるでしょう。
いずれにしても時間をテーマにしたSF作品は、気分転換に最適なワクワクするジャンルであるかも知れません。その中でも最新のタイムリープ作品は、新しいアイデアがたくさん詰まっていることでしょう。
時間を扱ったSF作品には、いくつかのパターンがあります。例えば過去を変えれば未来に反映されるタイプの作品です。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などが、これにあたります。
これに加えて、「タイムパラドックス」から抜け出せなくなる世界が描かれた作品も、見逃せません。「タイムパラドックスもの」は、タイムトラベルをした際に発生する矛盾などが描かれているのが特徴です。
これ以外には主人公がひたすら同じ1日を繰り返す「ループもの」や、並行世界が描かれた「パラレルワールド」などがあります。これらを詳しく知るためには時間が必要かも知れませんが、このようなジャンル分けを大まかに覚えておくだけでも、作品をより楽しむことが可能です。
ここではさまざまなタイプのタイムリープ作品をご紹介しますので、どのタイプがお好みなのかぜひ探してみてください!
2020年最新!タイムリープ・タイムトラベル映画
まずは、2019年から2020年にかけて公開された最新のタイムリープ作品をご紹介します!
2020年9月に公開されたばかりの新作も紹介してますので、ぜひご覧ください。
1.テネット
「3度観ないと理解できない⁉︎難解映画の最高峰!」
出典:映画『テネット』予告編
あらすじ
ウクライナにあるオペラ会場でテロが勃発し、CIAの特殊部隊である「名も無き男」(ジョン・デヴィット・ワシントン)は観衆を助けるため、潜入しているスパイの元へ。仕掛けられていた爆弾の回収に成功するも、男は敵のロシア人に捕まってしまう。
それを飲めば死ぬことができる自決カプセルを飲んだ男は死んだはずだったが、気がつくと病院のベッドにいた。そこにいた男性から、未来を逆行している者たちから第3次世界大戦を防ぐよう命じられ、そのキーワードは「TENET(テネット)」だという。
主人公はその”未来人”から世界を守ることができるのかーー。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
「時間」や「空間」をテーマに、今までも数々の難解映画を世に繰り出している、クリストファー・ノーラン監督最新作。「時間の逆行」といういかにも難しそうなテーマの通り、「3回観なきゃ理解できない」と言われるほどの難解映画です!
時間の逆行についていくのも難しいのですが、登場人物やストーリーの説明が非常に少ないのも、映画が難しく感じるポイント。『僕は明日、昨日の君とデートする』や、『メメント』と似ている作品でもありますので、一度こちらを観てみるのもいいかもしれません!
こんな人におすすめ
- 1回観ただけじゃ理解できないくらい難解な映画が好きな方
- 物理学や時間の原理など「ザ・理系」の話が好きな方
- クリストファー・ノーランが手がける映画が好きな方
- スパイ映画が好きな方
こんな人には向かないかも
- 考えさせられるような難しい映画は好きじゃない方
- 何も考えずに楽しめる映画を探している方
2.ハッピー・デス・デイ(シリーズ)
あらすじ
女子大生のツリー(ジョシュカ・ローテ)はある朝、同じ大学のカーター(イズラエル・ブルサート)のベッドで起きた。前日はお酒を飲み過ぎ、どうやらカーターの寮に泊まったらしい。
その日はツリーの誕生日だが、彼女は誕生日が大嫌い。自分の寮に戻ってルームメイトからカップケーキをもらっても、その場で捨ててしまうくらいだ。父親とランチの約束も無視し、不倫相手の教授のもとに向かう。
そして、その晩に予定されているパーティーに向かっている途中、奇妙な仮面を被った不審者にいきなり刺され、ツリーは死んでしまう。と思いきやーー死んだ瞬間、気がつくと彼女がいたのはカーターのベッドの上。リアル過ぎるデジャブだと奇妙に感じながら寮に戻る。しかもそこにはルームメイトがケーキを持って待っていた。どうやら彼女は殺されると誕生日の朝に戻るようだったーー。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
起きるたび「またこの場面!?」と、主人公目線で映画を進めていけるのが、映画を面白くしているポイント。どこから現れるかわからない謎の仮面をつけた人物にヒヤヒヤしたり、何回殺されても諦めないツリーに元気をもらえたりと、色々な角度から楽しめる映画デス!
殺されても殺されても、気がつくとカーターのベッドの上…というまさに悪夢な体験を繰り返さなければならないツリーは非常に気の毒なのですが、タイムループを繰り返す過程で彼女の心が徐々に変わっていくところが本作の魅力とも言えるでしょう。
本作は2017年に公開されましたが、続編にあたる『ハッピー・デス・デイ・2U』は2019年に公開されたので、最新作と続けてみるのをおすすめします!
こんな人におすすめ
- 気軽な気分で観られるループ映画を探している方
- 新感覚のホラー映画が観たいという方
- 勇敢な主人公を応援したくなる方
こんな人には向かないかも
- 少しでもハラハラする映画は苦手だという方
- 血を見るのが苦手な方
3.デッドプール2
「いろいろスゴいアイツが帰ってきた!」
出典:Amazon.com
あらすじ
デッドプールことウェイド(ライアン・レイノルズ)は、恋人のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と幸せな暮らしをしていた。彼はヒーロー活動を続け、さまざまな悪党を倒し世の中に貢献していたのだ。
しかし記念日を祝っている最中に、ある麻薬カルテルからの反撃を食らいヴァネッサが殺されてしまう。失意のあまりウェイドは自殺を図るが、X-MENのメンバーであるコロッサス( 声:ステファン・カピチッチ)に救助された。
本来デッドプールはX-MENのメンバーになることを特に望んでいなかったが、コロッサスに薦められX-MENの見習いになることにする。そんな折ミュータント児童養護施設では、ラッセル(ジュリアン・デニソン)という14歳の少年が暴れ警察に取り囲まれていた。
コロッサスやデッドプールらも、急いで現場へ駆けつける。デッドプールはラッセルのようすを見て、虐待を受けているのだと悟った。
そこでデッドプールは、ラッセルを虐めた施設の職員をあっさり殺した。そのせいでラッセルとデッドプールは共に、ミュータント用の刑務所である「アイスボックス」に収容されることとなる。その頃未来からやって来たケーブル(ジョシュ・ブローリン)が、ある計画を実行しようと企んでいた。彼はある人物に恨みを持っているのだ――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
本作品は2016年公開の人気作品『デッドプール』の続編です。また『デッドプール2』は、X-MENシリーズとして11作品目にあたります。この映画の中にX-MENの他のメンバーが出演しないことに対してデッドプールが愚痴を言うシーンなど、前作同様のブラックジョークも見逃せません。
物語はケーブルがなぜ未来からやって来たのか?など前半の不可解なことが、後半になると明らかになりスッキリ感が味わえます。主人公デッドプールの発言などから、ふざけた印象を受ける作品ですが、垢抜けたアクションや秀逸なシナリオなどみどころは満載。
またストーリー前半でのミュータント専用刑務所「アイスボックス」での、アクションシーンなど迫力のある映像が楽しめる作品です。
こんな人におすすめ
- タイムリープが思わぬタイミングで使われる映画を観たい方
- マット・デイモンら豪華な俳優のカメオ出演シーンを観たい方
- 主人公が観客に語りかけるスタイルの異色のアメコミ映画を堪能したい方
こんな人には向かないかも…
- 残酷またはグロテスクな映像描写が苦手な方
- 前作『デッドプール』の独特な世界観が好きになれなかった方
4.アベンジャーズ/エンドゲーム
「最強の、逆襲(アベンジ)へ――。」
あらすじ
サノス(ジョシュ・ブローリン)がインフィニティ・ストーンのパワーを使い大量殺戮を行ったせいで、人類の半分は消し去られてしまった。これによりアベンジャーズのメンバーは、絶望的な危機に追いやられる。
アベンジャーズの生存者であるスタークことアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)、雷神ソー(クリス・ヘムズワース)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)、超人ハルク(マーク・ラファロ)、ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)らは、失った人々を復活させるべく作戦会議を開き、ついにはサノスの居所を突き止めた。
引退したサノスに奇襲をかけるアベンジャーズだが、肝心なインフィニティ・ストーンは既に破壊されており、これにより失われた仲間や大衆を復活させることは不可能となる。その後5年の年月が過ぎ、2023年になった。アントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)は、量子力学を使用したタイムトラベルを可能にすべく、スタークらとタイムマシンの開発に励む。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、マーベル・コミック『アベンジャーズ』を原作にした大人気実写映画『アベンジャーズシリーズ』の集大成であり、今回で完結編となります。タイムトラベルをして、インフィニティ・ストーンがサノスの手元に渡る前に回収するという計画を立てたアベンジャーズのメンバーは、3つのチームに分かれ「時間泥棒作戦」を実行しました。
この映画のタイムトラベルは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの作品と若干異なり、「過去に戻って歴史を変えても、自分たちが生きた歴史は変わらない」というルールで成り立っています。そのような部分も観察しながら鑑賞すると、本作品がより楽しめるかも知れません。
こんな人におすすめ
- アメコミ&タイムトラベル作品に興味が湧いてくる方
- 過去の『MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズ』を数作は観ているが、今更もう遅い…と思っている方
- 話題になった人気作は押さえておきたいという方
こんな人には向かないかも…
- 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観ていない方
- 過去の『アベンジャーズシリーズ』や『MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズ』を1作品も観ていない方
5.ニンジャバットマン
「日本が世界に放つ、タイムスリップ・アクション・エンターテイメント!」
出典:映画『ニンジャバットマン』公式サイト
あらすじ
犯罪都市ゴッサムシティでゴリラ・グロッド(声:子安武人)が開発したタイムマシンが起動し、日本の戦国時代へ辿り着いてしまったバットマン(声:山寺宏一)。ジョーカー(声:高木渉)は親方様と呼ばれており、侍たちにバットマンを殺すように命じていたのだ。その後バットマンの前にキャットウーマン(声:加隈亜衣)が現れ、彼女から詳しい事情を聞く。
キャットウーマンの話では、悪党らは日本各地に散らばり好き放題しているのだと言った。驚くべきことにジョーカーらは既に2年前にここに来ており、尾張の国を支配していたのだ。バットマンはほんのわずかな時間差が、2年ほどの差を生み出してしまったのだと睨む。更にバットマンは現代に戻るタイムマシンが、城の中にあると知るが――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『ニンジャバットマン』は、DCコミックスの人気シリーズ『バットマン』を原作に製作された、日本のアニメーションです。細部にもさまざまなこだわりが感じられるこの異色のアニメは、『バットマンシリーズ』に若干、昭和のSFギャグアニメ『タイムボカンシリーズ』のテイストが加わっているイメージと言えるかも知れません。
物語の終盤の巨大ロボ対決が本作のみどころですが、随所に笑えるポイントが用意されているのも好感度が高い理由かも知れません。更にジョーカーが乗る気球のデザインや、巨大な仏像ロボなどクオリティの高いアニメ描写を楽しむことができます。バットマンやジョーカーがタイムスリップした先が随分昔の日本であり、そのミスマッチな世界観を楽しみたい人におすすめの作品と言えるでしょう。
こんな人におすすめ
- 一見相性の合わなさそうなバッドマンとニンジャを、上手く融合させた作品世界を楽しみたい方
- 予想以上にハチャメチャで、良い意味でとんでもないアニメ映画を鑑賞したい方
- アクションシーンが楽しめるアニメーション映画をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- これまで『バッドマンシリーズ』1度もを観たことがない方
- タイムリープするシーンが何度もあるような、複雑な時間SF作品をお探しの方
6.オール・ユー・ニード・イズ・キル
「何回死んでも、彼女を守って、世界を救え!」
出典:映画『Edge of Tomorrow』公式Facebook
あらすじ
近未来の地球は、謎の地球外生命体から攻撃を受けるようになっていた。この生命体はギタイと呼ばれており、ヨーロッパを中心に5年ほど侵略され続けている。そこで各国が一致団結した組織、統合防衛軍が兵士用にパワードスーツを開発した。この甲冑のような機動スーツを着る事で、兵士の戦闘能力を強化拡張することができるのだ。
ヴェルダン戦ではリタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)というタフな女性軍人の活躍もあり、ギタイに反撃するチャンスを得た。主人公ケイジ(トム・クルーズ)は、パワードスーツの広報担当者であった。彼はこのスーツを着てCMに出演したりもしているが、実際にこれを着用して戦闘したことはない。
そんなケイジはロンドンの統合防衛軍本部を訪ねた際、ブリガム将軍(ブレンダン・グリーソン)からフランスの危険な戦地に送られそうになる。これに反論したケイジは将軍の怒りを買い、2等兵としてヒースロー基地に送られてしまうが――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
本作品は、日本の桜坂洋のライトノベル『All You Need Is Kill』を元に製作されました。ちょっと血を見ただけで気絶しそうになるほど軟弱なケイジが、いきなり最前線の危険区域に配属される筋書きは好奇心をそそられる展開です。
ケイジは戦地に降り立ってもシドロモドロで、安全装置の解除方法も分かりません。またパワードスーツを宣伝していた男がこのようなことになるとは、ある意味滑稽でもあります。
見た目がタコのようなギタイは、突如地面から現れて兵士らを襲う脅威の存在です。ケイジは死に際にたまたまこのギタイの返り血を浴びてしまい、殺されるたびに何度も同じ場所で目覚め生き返るようになってしまいました。このループの中でリタと出会い、彼女に対して特別な感情を抱くようになったケイジは、リタを救うべくあの手この手と尽くします。
本作が人気なのは、ひ弱であったケイジがだんだん強くなっていくストーリーだからかも知れません。失敗しながらも何度も試行錯誤を繰り返し、前へ突き進んでいくケイジの姿は私達人間の毎日と似ているとも言えるでしょう。
こんな人におすすめ
- SF映画の中でも特に主人公の時間がループする作品をお探しの方
- ラブコメのようなラブストーリーでなく、少しクールな恋愛映画をお探しの方
- タイムリープ映画の中でもアクションシーンがより充実した作品をお探しの方
- 主人公の成長が描かれる作品を観たい方
こんな人には向かないかも…
- 戦闘シーンやアクションシーンが長く続くSF映画に疲れを感じる方
- ループする主人公の苦悩に対しての共感性が高く、このような描写が続くと疲れる方
- 劇中で起こっている不可解なことを瞬時に把握するのが億劫な方
7.プリデスティネーション
「時空へ逃げても追い詰める――」
出典元:映画『プリデスティネーション』公式サイト
あらすじ
時は1970年の3月、ビルの地下である男(イーサン・ホーク)が爆弾を解除しようとして失敗する。男はこのせいで顔にやけどを負うが、バイオリン型タイムマシンを持った人物に助けられ、未来へタイムスリップした。また男は手術によって別の顔を得る。
その後別の顔を得た男は1970年11月のニューヨークへ飛び、あるバーのバーテンダーを装いながら、ジョン(サラ・スヌーク)という男を待つ。
ジョンはバーテンダーに、自分の不幸な過去の話をする。ジョンは孤児院で育ち、元々はジェーンという名の女であったことや、ある男に出会い恋をしたがその男はある日姿を消してしまったことをバーテンダーに話した。
また彼が性転換をするようになったいきさつなども説明したのだ。バーテンダーはジョンに復讐する機会を与えるべく、バイオリン型タイムマシンでジョンを1963年へ連れて行く――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『プリデスティネーション』は、ロバート・A・ハインラインの短編小説である『輪廻の蛇』を映画化したものです。
本作は卵が先か?鶏が先か?というパラドックスを映画でしか表現できないスタイルで仕立て上げた、良質なエンターテイメント作品に仕上がっています。1度の鑑賞だけでは理解しにくい難解な作品であるにもかかわらず、話題性があるのはシナリオの秀逸さからくるものなのかも知れません。
ジェーンとその恋人、ジョン、バーテンダー、爆弾魔のフィズル・ボマー、これらの登場人物が時空を超えて関わり合いますが、次第にある共通点が見えてきます。それは一体何であるのか?この答えを探ることが、本作品の楽しみと言えるでしょう。
また劇中では、運命の連鎖から抜け出せない人の姿が描かれているのでした。よってラストの結末は賛否ある様ですが、おおむね評判の良いタイムトラベル作品として知られているようです。
こんな人におすすめ
- タイムパラドックスが描かれている作品を観たい方
- 全ての点がラストで見事に繋がり、辻褄が合う作品を観てスッキリしたい方
- 男役と女役を上手く両立させた、サラ・スヌークの素晴らしい演技を観たい方
- 映画の鑑賞後、良い意味でさまざまな疑問が湧いてくる作品が好きな方
- 小道具の使い方が秀逸な映画作品をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- ただただループしている世界を描くのではなく、タイムループからいかに抜け出すか?という着地を重視した作品がお好みの方
- 1度の鑑賞で把握しきれない部分が出てくる映画は観ないという方
8.プライマー
「見た目は地味、内容は濃いタイムリープ作品」
出典:Amazon.com
あらすじ
アーロン(シェーン・カルース)、エイブ(デヴィッド・サリヴァン)、ロバート(ケイシー・グッデン)、フィリップ(アナンダ・アダヤヤ)の4人はアーロン宅のガレージで研究に時間を費やす日々である。
科学者の卵である彼らは、サイドビジネスとして自らが開発した商品を個人の顧客などに売っていたのだ。しかし何とか大きな研究を成し遂げたいアーロンとエイブは、他の2人から次第に距離を置くようになっていた。
エイブは超電導を使った研究を進めていたが、ある時これがタイムマシンになり得る可能性を見出す。そこでエイブはその装置を人が入れるほどの大きさに拡大し、貸倉庫の中に保管した。更にはこのマシーンの存在をアーロンにも教え、2人でタイムリープをするようになる。アーロンとエイブは6時間前の過去に戻り、株を買い占め大儲けするが――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『プライマー』は、超難解なタイムトラベル映画として有名です。その理由の1つは、この作品の監督のシェーン・カルースが、数学畑の人だからと言えるでしょう。劇中で最新型の乗り物や、ピカピカのタイムマシンを見かけることはありません。ただアーロンらが狭い貸倉庫の中にある手作りの箱型装置の中に、ぽそっと入るタイムリープ方法には驚かされます。
これは映画の表現としては、かなり変わったアプローチだと言えるでしょう。またこのタイムマシンの特徴は過去に戻ることしかできず、その上6時間前など身近な過去にしか戻ることができません。劇中で交わされる登場人物らの会話は専門用語の連発であり、まるでドキュメンタリー映画を観ているような気分にすらさせられます。
この映画では、タイムリープした際にダブルといわれるもう1人の自分が現れるのです。アーロンとエイブはそのもう1人の自分が何をやらかすか分からない点に、不安を覚えるのでした。また劇中ではこの2人が何度もタイムリープをする為、今出ているアーロンとエイブが冒頭に出てきた彼らと同一人物であるか?などの疑問点が多い作品となっています。
こんな人におすすめ
- 難解映画を何度も鑑賞して考察するのが好きな方
- 数学や科学など理系分野の理解に優れている方
こんな人には向かないかも…
- 説明不足の作品に怒りや不満を感じる方
- タイムトラベル作品のプロットや筋書きよりも、役者の演技や演出を重要視される方
9.12モンキーズ
「人類最大の危機を救うため、何度もタイムトラベルする男」
出典:Amazon.com
あらすじ
20世紀の終わりに謎のウィルスが繁殖し、そのため人類の99%は死滅してしまう。2035年の地球では、生き残りの人類は暗く陰鬱な地下で生活を強いられることとなった。科学者たちは、謎のウィルスのワクチンを作ることに必死である。
そこでタフな囚人であるジェームズ(ブルース・ウィリス)を、タイムマシンで過去に送ることを思い付いた。予定では、ジェームズは1996年ウィルスが繁殖し始めた頃に戻るはずであった。
しかしタイムマシンのトラブルにより、彼は1990年に辿り着いてしまう。全裸で現れ必死に人類滅亡の話をするジェームズは、その時代の人から見れば明らかに不審者であり、精神科医キャサリン(マデリーン・ストウ)の立ち合いのもと精神病院に送られてしまった。そこでジェームズは、個性的な患者ジェフリー(ブラッド・ピット)と出会う。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『12モンキーズ』は、時間と記憶をテーマとして扱ったSF作品として有名かも知れません。しかし実はこの作品のシナリオは、フランスの短編SF映画『ラ・ジュテ』から影響を受けて書かれたものです。また本作の脚本家デヴィッド・ピープルズは、『ブレードランナー』の「レプリカント」という言葉を造った人としても知られています。
本作品の印象的なシーンは何と言っても、たびたびさし込まれる空港の回想シーンではないでしょうか?「このシーンは一体何なのか?」などの不明点も、ラストまで鑑賞すれば明確になりスッキリとさせられます。また何パターンかあるこの回想シーンも、ストーリーが変化するごとに微妙に改変されるところが素晴らしいです。
こんな人におすすめ
- 主人公が何度も過去と未来の間をタイムトラベルする作品をお探しの方
- 精神病患者役であるブラッド・ピットの怪演を楽しみたい方
- エンディングが切ないSF作品をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- 映画を何度も観返したくない方
- 個性派監督テリー・ギリアムの他の作品が好きになれない方
10.バック・トゥ・ザ・フューチャー
「無事未来の世界に戻れるのか?」
出典:映画『Back to the Future™』公式Twitter
あらすじ
時は1985年、カリフォルニア州ヒルバレーに住むマーティ(マイケル・J・フォックス)は、スケボーとロックが大好きな高校生である。父親(クリスピン・グローヴァー)が気弱であることに多少悩みを抱えるマーティだが、意中の彼女ジェニファー(クローディア・ウェルズ)との関係も良好であった。
ある晩マーティは仲の良いエメット博士(クリストファー・ロイド)、通称ドクに呼び出される。マーティが深夜1時にショッピングモールの駐車場へ向かうと、そこにはドムが改造した車デロリアンがあった。ドムは興奮しながらこの車を指して、タイムマシンを開発したのだと言う。デロリアンは時速140km以上のスピードになると、タイムトラベルが可能なのだ。
試しにドムの愛犬であるアインシュタインを車に乗せ1分後の未来へ送ると、デロリアンは消えきっかり1分後に姿を現わしたのだ。人類初のタイムトラベルを、我が愛犬が経験したのだと喜ぶドム。しかしこの車の燃料には、リビアの過激派からドムがだまし取ったプルトニウムが使用されていたのだった。そこへ過激派の連中が現れ、襲撃をはじめてしまう――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
本作は、タイムトラベル映画の入門編と言っても過言ではないでしょう。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、その映画のタイトル通り、主人公マーティが「未来に戻る」目的で進行する物語です。
デロリアンの開発者はドクですが、たまたま乗り込んでしまったマーティが1950年代のヒルバレーにタイムトラベルしてしまうところが、この物語の面白さではないでしょうか。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、過去が変われば未来が変わるというシンプルなルールに徹した物語なので、「タイムパラドックス」や「パラレルワールド」などのややこしい言葉を知らずとも、時間SFを手軽に楽しむことができます。これが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が、老若男女から幅広く愛されている理由なのかも知れません。
しかし、本作品はより深く鑑賞すれば細部までこだわりが感じられる作品であり、コアなSF映画ファンから高い評価を得ている作品でもあります。続編の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』もおすすめです。
こんな人におすすめ
- タイムトラベル映画を鑑賞してみたいけど、何から観れば良いか分からないという方
- 過去を変えれば未来が変わるタイプのシンプルなSF作品をお探しの方
- スピードを上げた車がタイムトラベルする場面を観てみたい方
- 随分昔に鑑賞したが、内容を忘れてしまっている方
- SF、アクション、コメディ、青春など様々な要素がバランスよく入った娯楽作品をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- 1980年代のSF映画がどうも好きになれない方
- 誰も観ていないようなマイナーなタイムリープ映画をお探しの方
11.デジャヴ
「1人を救うことは大勢を救うことに繋がる!?」
出典:映画『デジャヴ』公式サイト
あらすじ
ニューオリンズで、海軍兵やその家族を乗せたフェリーが大爆破した。死傷者は543名も出ており、ATF(アルコール・タバコ・火器局)捜査官であるダグ(デンゼル・ワシントン)が呼び出される。ダグはこの事件を調査した結果テロであると睨み、FBIは世間にこのことを世間に公表した。
更にテロが起こった現場付近の川岸から、クレア(ポーラ・パットン)という女性の水死体が発見された。しかしクレアの死体が目撃された時間から推測すると、彼女はテロの被害者ではないと考えられる。
何かがおかしいと思ったダグは、クレアがこの大規模なテロを捜査する上で重要なカギになると判断する。そこでFBI特別捜査班は、ATFからダグを引き抜き捜査協力を依頼するが――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『デジャヴ』はポスターやチラシなどのデザインからして、ミステリーかヒューマンドラマのような作品を連想しがちです。なので本作品がタイムリープ映画だと認識されず、見逃している方も多いかも知れません。
冒頭からしばらくはアクション映画のようなノリでストーリーが展開しますが、ダグがFBI特別捜査班の施設へ案内されたあたりから一気にSF映画のムードが出てきます。
何とこのFBIの施設にはスノウホワイト(白雪姫)と呼ばれる、超ハイテク監視システムが用意されていたのでした。スノウホワイトは、指定した場所のおよそ4日前の映像を見ることができるグーグルマップのようなシステムです。この映像で生活しているクレアを見たダグは、次第に彼女に心を奪われていきます。
その後科学者らの発言により新たな事実が判明し、タイムトラベルする映画へと展開していきます。2転も3転もするストーリーと、キレの良いアクションの融合で見応えのある作品と言えるでしょう。
タイムリープの中でも並行世界であるパラレルワールドが描かれた作品ですから、鑑賞後ダグは実際何回テロを阻止しようと試みたのか?などさまざまな疑問が湧いてくるかも知れません。
こんな人におすすめ
- パラレルワールドをテーマとした時間SF作品をお探しの方
- ド派手なアクションもタイムリープも両方楽しみたい方
- 考察しがいのある、やや難解なタイムリープものをお探しの方
- 4日前の映像を見ながらリアルタイムの道路を運転するという、前代未聞のメチャメチャなカーチェイスシーンを多能したい方
- タイムリープもので恋愛映画としても楽しめる作品をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- 「ストーリー展開の速さ」、「科学者らのややこしい説明」これらがスクリーン内で同時に起こると苛立ちやストレスを感じる方
- 落ち着いた気持ちで鑑賞出来るタイムリープ作品をお探しの方
12.タイムマシン(2002年)
「何度戻っても、彼女を救うことができない!」
出典:映画『タイムマシン』公式サイト
あらすじ
1890年代のニューヨークに住む主人公アレクサンダー(ガイ・ピアース)は、恋人エマ(シエンナ・ギロリー)とのデートの約束も忘れてしまう程、研究熱心な大学教授である。しかし実際はかなりエマに惚れ込んでおり、デート中に高価な指輪を渡しプロポーズする。感激したエマであるが、その直後に強盗が現れエマは射殺されてしまったのだ。
失意の中アレクサンダーが決意したのは、彼女の死を無かった事にするためタイムトラベルで過去に行くことだった。タイムマシンは4年で完成し、アレクサンダーは過去に戻りエマと再会する。しかしアレクサンダーがどんなに選択を変えようとも、エマを救うことはできないのであった――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
1960年に公開された『タイム・マシン 80万年後の世界へ』のリメイク作品です。本作品では「エマを救うために主人公アレクサンダーがタイムマシンを作ったのだから、タイムマシンが存在する以上、結果エマを救うことはできない」というタイムパラドックス、即ち時間の矛盾が生じた世界が描かれています。これにより主人公は、過去を変えることは不可能だと悟るのでした。
このような状況下、エマの死を受け入れることができなかったアレクサンダーが、どのように心理的に成長するかがこの映画のもう1つのみどころでもあります。また2030年のニューヨーク公共図書館のナビゲータープログラムである、ボックスのキャラクターも個性的で新鮮です。
こんな人におすすめ
- 主人公がタイムパラドックスから抜け出せなくなる映画をお探しの方
- 主人公がより多くの時代にタイムトラベルする映画をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- 80万年後などスケールが大き過ぎるタイムトラベルに疑問を感じる方
- 作品全体のビジュアル的な統一感を重要視される方
- 冒頭の目的とは違う方向にストーリーが進行することに納得できない方
13.アバウト・タイム~愛おしい時間について〜
「今日という日を生きる、それが人生を素敵にする―」
出典:映画『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』予告編
あらすじ
主人公ティム(ドーナル・グリーソン)は、イギリスのコーンウォールで家族と共に暮らしていた。父親(ビル・ナイ)は、ティムが21歳の誕生日を迎えた時、ある重要な事実を彼に伝える。
父親はこの一家に生まれた男たちは遺伝で皆、タイムリープする能力を持っているのだと言う。タイムリープする方法はいたって簡単で、クローゼットなどに入り、戻りたい時間を思い浮かべひたすら念じるというものだった。
ティムはさっそく、この能力を使ってみることにした。彼は密かに恋心を抱いていた妹キットカットの友達シャーロット(マーゴット・ロビー)と、儚く終わった恋の行く末を変えようとしたのだ。
しかしいくら過去に戻ることができても、シャーロットにティムと付き合う気はないと悟る。その後ロンドンへ就職したティムは、メアリー(レイチェル・マクアダムス)という女性に出会った。ティムは、メアリーに一目ぼれしてしまうのだが――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
この映画の中のタイムリープ方法はとても簡単で、いつでも好きな過去に戻ることができます。よってティムは、ストーリー序盤からこの能力をフルに使いメアリーとの恋愛に活かしていくのでした。
しかし過去に戻ることはできても、意中の相手の気持ちを掴むことができるかどうかは別問題であることが、冒頭からさりげなく描かれているのが面白いところです。
さらにストーリー後半では思わぬ事実が発覚し、タイムリープをすれば重要な何かを失ってしまうという選択肢を突き付けられます。この新たに現れた厳しい規制によって、物語はグッと引き締まった内容のものになっていくのでした。
タイムリープできる人々を通じて、人生の中で大切なものは何か?を考えさせてくれる哲学的な作品であることがこの映画の魅力です。
こんな人におすすめ
- 主人公がタイムリープを恋愛に上手く生かす作品をお探しの方
- タイムスリップのルールが簡単で人間ドラマ重視の作品をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- SF色の濃いハードなタイムリープ作品をお探しの方
- ラブコメタッチな作風の映画が苦手な方
14.サウンド・オブ・サンダー
「過去を変えた人類に未来はあるのか?」
出典:映画『A Sound of Thunder』公式サイト
あらすじ
時は2055年、人類は夢の技術を開発する。遂にタイムトラベルが可能となったのだ。タイム・サファリ社はこの技術を使用し、タイムトラベルを旅行ツアーのように売り物にした。タイムマシンの名は「TAMI」、主人公トラヴィス博士(エドワード・バーンズ)はこのツアーの添乗員のような役目を果たしている。
そんな中、女性博士ソニア(キャサリン・マコーマック)は、「過去に干渉すれば未来が変わるから危険だ」と訴える。ソニアは「TAMI」の開発者であったのだが、特許の取得に失敗しタイムマシンをだまし取られてしまったのだ。
タイムトラベル社の、ツアー内容はいつも同じであった。ある日お客を連れたタイムトラベル中に、ちょっとしたトラブルが発生する――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
タイム・サファリ社のタイムトラベルには、添乗員もお客も守らなければならないルールが存在します。「規則1:過去にどんな些細な変化も起こしてはならない」、「規則2:現代のものを過去に残さない」「規則3:過去のものを現代に持ち帰らない」、この3つを徹底して守らなければ過去が変化し、未来が大きく変わってくるのです。お客の安全を重視したこのトラベルは、毎回同じパターンのショーを見せているようなものでした。
またタイムトラベルが可能になったといっても行動できる範囲は限られていて、人類は横幅が1m程度の通路しか歩くことができません。しかしある日のちょっとしたトラブルを境に、地球上の気温は異常に上昇し、植物の成長はやたらと速くなっていきます。ほんの少し過去が変わるだけで、こんなにも世界が変わるのかと驚かされる作品です。
こんな人におすすめ
- 過去が変化すれば未来に反映されるタイプの作品に、タイムウェーブという要素をプラスした映画を味わいたい方
- 変わった設定のタイムトラベル作品を1作品でも多く鑑賞したいという方
- タイムトラベル+ディザスターパニックムービーという変わった組み合わせのSF映画を観てみたい方
こんな人には向かないかも…
- SF映画のルール設定に少しでも矛盾があると許せない方
- CG映像のクオリティが一定基準以上でないと、鑑賞する気持ちが萎える方
15.タイム・アフター・タイム
「切り裂きジャックがタイムマシンで未来へ逃亡!」
出典:映画『タイム・アフター・タイム』公式サイト
あらすじ
時は1893年のロンドン、切り裂きジャックによる凶悪な殺人事件が発生する。その頃主人公ウェルズ(マルコム・マクダウェル)は友人を自宅に招いて、酒を酌み交わしていた。遅れてきた医者のジョン(デビッド・ワーナー)が到着すると、ウェルズは自作のタイムマシンを披露した。その後ウェルズ宅には、切り裂きジャックによる殺人事件の取り調べのため、警察が訪ねてくる。
警察の調べによると、医者のジョンのカバンから血まみれの手袋が発見された。しかし警察がそれに気付いた時、ジョンは既にウェルズのタイムマシンを勝手に使い姿を消していた。行先は1979年11月5日になっている。タイムトラベルに恐れを抱き、タイムマシンを使う勇気が出なかったウェルズであるが、違う時代に切り裂きジャックを送ってしまったことに責任を感じた彼は、ジョンを追うため旅支度を始める。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
本作品は、SFの父とも呼ばれる小説家「H.G.ウェルズ」を主人公にした、大胆な発想のタイムトラベルSF映画です。ウェルズが1979年の世界に初めて触れ、テレビやファーストフードなどに興味を示すシーンは特に印象的と言えるでしょう。またウェルズはジョンを探している内に、エイミーという女性と知り合い恋に落ちます。
タイムトラベル+恋愛+切り裂きジャックという予想外の組み合わせが、この映画の面白さかも知れません。また1800年代から1900年代へタイムトラベルするのは、ウェルズと切り裂きジャック犯ジョンの2名のみです。無駄な要素が少なく登場人物の構成もシンプルなので、劇中の人間ドラマにも集中できるところも魅力と言えるでしょう。
ラストでは人類にタイムマシンを使わせるのはまだまだ危険だと感じたウェルズが、タイムマシンを壊す決意を固めました。ウェルズがエイミーを連れて自分の愛している時代1979年に戻るエンディングは、感動ものです。尚、この作品は2017年に『タイム・アフター・タイム ~H・G・ウェルズの冒険』として海外ドラマ化されています。
こんな人におすすめ
- タイムトラベルするSF作品の中でも、ハートウォーミングな作品をお探しの方
- レトロなタイムマシンの造形や、タイムトラベル時の映像表現を観てみたい方
- 『時計じかけのオレンジ』で主人公アレックスを演じたマルコム・マクダウェルが、全く違ったタイプの役を演じる作品に興味がある方
- 古典的でも良質なタイムトラベル作品を鑑賞したい方
こんな人には向かないかも…
- 今から40年近く昔のSF映画に興味が持てない方
- ラブストーリーが軸となっているSF作品が好きになれない方
16.メン・イン・ブラック3
「この惑星は、過去を変えなければ救えない。」
あらすじ
月面刑務所に入っていた極悪エイリアンのボリス(ジェマイン・クレメント)が、脱獄した。ボリスは1969年に自分を片腕にして獄中へ放り込んだ、人類のヒーローであるMIB(メン・イン・ブラック)のエージェントK(トミー・リー・ジョーンズ)を憎んでおり、その復讐のために地球へ降り立つ。MIBとは政府の機関で、実は地球上にたくさん存在するエイリアン達を監視し、世間に知られないように隠蔽しているのであった。
その後ボリスは、タイムマシンを持つ電気店のジェフリー(マイケル・チャーナス)を訪ねた。理由は1969年7月16日にタイムリープし、逮捕された過去を変えるためである。
その頃、MIBのKとエージェントJ(ウィル・スミス)は、中華料理店にエイリアンが現れたとの通報を受けた。2人がそこへ向かうと案の定ボリスが待ち受けおり、Kに「お前は過去で死ぬのだ」と言う。
翌朝Jが職場に出勤するとKは存在しておらず、別の相棒が現れる。エージェントO(エマ・トンプソン)の話では、何とKは40年前に死亡したことになっていたのだ。一晩の間に異変が起こり過去が書き換えられたのだと悟ったJは、ジェフリーを訪ねタイムジャンプマシンというレアなアイテムをゲットするが――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
MIB(メン・イン・ブラック)は、地球上に住むエイリアンを監視するエージェントKとエージェントJのコンビが活躍するスラップスティック(ドタバタ劇)SFとして大人気のシリーズです。3作品目にあたる本作は、過去2作品にはないタイムリープという要素も加わり、エンターテイメント作品として更に楽しめるものとなっています。
JはKを救うためボリスよりも1日早い1969年7月15日にタイムリープします。何と翌日はアポロ11号が打ち上げられた日、という凝ったプロットからも目が離せません。また劇中では陽気な1969年のニューヨークのようすがありありと描かれており、コミカルな物語と妙にマッチしています。
SF作品の中でも個性的なエイリアンや派手なアクションが特徴のMIBシリーズですが、本作品はタイムトラベルものとしても、優れたものに仕上がっています。ラストに用意された感動のオチは必見です。
こんな人におすすめ
- タイムジャンプという変わった方法でのタイムリープシーンを観たい方
- タイムパラドックスが描かれたSF作品をお探しの方
- レディ・ガガやティム・バートンなどのカメオ出演を楽しみたい方
こんな人には向かないかも…
- ドタバタ劇ではなくシリアスなムードのSF映画を鑑賞したい方
- 『メン・イン・ブラックシリーズ』の前2作が好きになれなかった方
17.LOOPER/ルーパー
「任務:未来から来る犯罪者を消せ、標的:30年後の自分」
あらすじ
2044年のアメリカのカンザス州では貧富の差が激しくなり、治安はより一層悪くなっていた。また突然変異の影響で、TKと呼ばれる念動力を持った人々が人口の1割ほど存在している。彼らは手のひらの上でコインを浮かせることなどができたが、自らの能力を隠すTKも少なくはなかった。
そのような環境下、2044年には2074年の未来の犯罪組織から、暗殺対象者がタイムワープで送られてくるようになっていた。その標的を殺すことを生業とした人々は、通称ルーパーと呼ばれている。
主人公ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)も、そんなルーパーの1人であった。ある日ジョーは、30年後の未来から送られてきた人物を見て驚く。それは30年後の自分自身(ブルース・ウィリス)であったのだ――。
劇中でのタイムリープ表現!おすすめのポイント
『LOOPER/ルーパー』は、冒頭からショックなシーンの連続で、抵抗を感じる方も多いかも知れません。またその後はユートピア(理想郷)と真反対の意味をもつ暗黒世界、すなわちディストピアの独特な描写に、目を奪われることでしょう。
本作は、タイムループ+ディストピアという設定が特徴のSF作品でもあり、公開当時は大変話題になりました。なぜ未来から、標的や殺人事件の死体が送られてくるのでしょうか?このような疑問も、この作品を鑑賞すれば全て解消します。
この物語の主人公ヤング・ジョーはこの物騒な世界で、ルーパーをしています。しかしジョーはルーパーの宿命である「ループを閉じる行為」、即ち30年後から送られてきた自分自身を射殺する行為を行わなければなりません。
しかし未来から送られてきた自分オールド・ジョーは、かなりの切れ者であり上手く逃亡するのでした。ヤング・ジョーがラストにするある決断は必見です!
こんな人におすすめ
- 主人公が未来の自分と対立する物語を観てみたい方
- サイバーパンクな近未来のディストピア描写を楽しみたい方
- 暗い世界の中で、希望が見いだせるエンディングのSF作品をお探しの方
こんな人には向かないかも…
- 時間SFやタイムトラベル映画の中で、少しでも辻褄が合わないと納得がいかない方
- 「ループを閉じる」即ち、ルーパーが30年後の自分を射殺しなければならないような悲しいシーンをなるべく観たくない方
まとめ
以上、おすすめのタイムリープ作品をご紹介しました。この中で気になる作品があれば、ぜひご鑑賞ください。またここでご紹介した作品以外にも、魅力的なタイムリープ作品は多数存在します。ぜひ自分好みのスタイルの時間SF作品を、見つけてみてはいかがでしょうか。もしかすれば、観たい映画を選ぶ時の作品の幅も広がるかも知れません!