『LOGAN/ローガン』ネタバレ | 死の間際に手に入れた本当の親子愛とは

マーベル・コミックのスーパーヒーロー映画である、アベンジャーズシリーズと肩を並べて人気を二分する『X-MEN』シリーズ。

同シリーズでメインヒーローの通称ウルヴァリンこと『ローガン』を主人公としたスピンオフの第3作品目であり、ローガンを演じるヒュー・ジャックマンと、チームのリーダーだったプロフェッサーXを演じるパトリック・スチュワートがそれぞれ同役を演じた最後の作品となります。

過去作品とは違う路線で表現された内容は絶賛され、R指定になるなど非常に気になる作品。”ネタバレあり”でその魅力を解説していきます。

17年間に終止符をうつ特別な作品『ローガン』について

主演ヒュー・ジャックマンが引退を表明

ローガン ネタバレ
出典:映画『LOGAN/ローガン』オフィシャルサイト

2000年に公開された映画『X-MEN』から始まったヒュー演じるウルヴァリンですが、今作で同役を引退する事が明らかにされました。

実は前作の『ウルヴァリン-SAMURAI-』直後からマンゴールド監督と引退作に向けて話し合っていたそうです。2人は「完璧な幕の降ろし方」を模索し、ヒューは将来、孫から「X-MENの映画ならどれを見たらいいの?」と聞かれたとき、埃まみれのDVDを渡して「これだよ」と言える作品になったと答えています。

プロフェッサーXことパトリック・スチュワートも引退を決意

ローガン ネタバレ
出典:Logan | Fox Digital HD – 20th Century Fox

ウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマンと同じく、映画『X-MEN』でプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアの老年期を演じ続けてきた、パトリック・スチュワートも本作での同役引退を発表しています。

彼は「第67回ベルリン国際映画祭」の一週間前に、マンゴールド監督、ヒュー・ジャックマンと共に本作を鑑賞し、作品の出来の素晴らしさに引退を示唆するヒューの言葉に、自身も同じタイミングで同役を引退する事を決意しました。

『LOGAN/ローガン』をR15指定映画にした意図

本作でローガンは、全盛期のような「スーパーヒーロー」能力が見受けられません。今では仲間も激減し、衰えから弱体化していくので非常に人間臭くなっています。
そんな彼が必死になって、今ある僅かな能力をフル活用し、生き残ったミュータントの仲間を守っていくーー。

自身も血まみれになり、彼の武器である爪(クロー)を敵に突き刺し、なぎ切って行くシーンが残酷に表現されることで、必死さを泥臭く演出する為だったのではないでしょうか。

『LOGANローガン』ネタバレあらすじ

出典:映画『LOGAN/ローガン』予告編

【ネタバレあらすじ①】前編

2029年 ミュータントの生まれなくなった世界

西暦2029年ーー。世界ではミュータントが絶滅に瀕しており、ローガンヒュー・ジャックマン)自身も年齢による衰えと、体に組み込まれたアダマンチウム合金が毒素化し、徐々に体が蝕まれる事が原因で弱体化していた。

完全治癒能力も失い、その結果から酒に酔えるようになったことで、無気力に生きる日々を過ごしていた。

今ではアルツハイマー病を患い、力の制御が利かなくなったプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)を、ミュータントの生き残りであるキャリバン(スティーヴン・マーチャント)と介護しながら3人で廃工場に暮らしていた。

ガブリエラとローラ

雇われ運転手として生計を立てていたローガンは、ある日待機中の墓地でガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)という女性から「ウルヴァリン。助けられるのはあなただけ!」と突然声を掛けられる。

ウルヴァリンの名を捨てたローガンにとって、その名を呼ぶガブリエラを疎ましく思い、その場は蹴散らすように追い返す。だが後日、運転手の依頼を装い呼び出された際に、自分の娘だと語ったローラ(ダフネ・キーン)という謎の少女を、カナダにあるノースダコタまで送り届けてほしいと依頼する。

現在住んでいるメキシコ国境付近からカナダへと、アメリカ大陸を縦断する事に始めは躊躇するも、5万ドルという大金を提示された事で依頼を受けることにーー。

ローラとともに逃亡する身に

ローガン ネタバレ
出典:映画『LOGAN/ローガン』オフィシャルサイト

一旦隠れ家に帰ったローガンは、チャールズに仕事で2,3日空ける事を伝えたあと、ガブリエラ達が待つモーテルに戻る。するとガブリエラが何者かの手によって殺害されており、ローラも行方不明になっていた。こうなる事を察知していたローガンは隠れ家へ戻ったが、ガブリエラとローラを追っていた謎の男、ドナルド・ピアース(ボイド・ホルブルック)に後を付けられていた。

ピアースはローガンの素性も知っており、現在では政府に「脳が大量破壊兵器」と位置づけられているチャールズを政府へ通報しない代わりに、「娘(ローラ)を渡せ」と脅迫してきたのである。

しかし、車中に忍び込んでいたローラがピアースを気絶させ、安全でなくなった隠れ家から逃げようとローガンは計画するも、目覚めたピアースが引き連れていた多数の兵隊と共に隠れ家へ再度襲撃に来る。

ピアースと対峙したローガンは危機に陥るも、ローラとチャールズを連れて逃亡をする身になるのであった。

ローガン ネタバレ
出典:映画『ローガン』公式Facebook

【ネタバレあらすじ②】中編

3人の逃亡劇

逃亡の道中でローラが持っていたスマートフォンに残る動画を観るローガンとチャールズ。そこにはメキシコの研究施設で看護師として働くガブリエラが、子供たちが違法な実験をされていることを告発する内容の動画だった。

その施設で産まれ、育った子供達は世間の常識を教えてもらえておらず、お店で欲しいと思ったサングラスやお菓子を当たり前のように勝手に盗ったり食べたりするローラーー。

それを注意する店員を敵とみなし殺そうとするなど、ハチャメチャな行動を起こすローラに対してローガンは「いけない事だ!」と一喝する。

そんな逃亡中に立ち寄ったホテルをピアースに嗅ぎ付けられ、ローガン不在の中、敵兵がチャールズとローラに襲い掛かる。間一髪チャールズの能力の暴走で敵が動けなくなっているうちに、駆け付けたローガンが次々と敵兵を倒して難を逃れるのであった。

束の間の穏やかなひととき

ホテルから脱出した3人はエデンに向かう途中、土地の地上げ問題で飲料会社から嫌がらせを受けているマンソン一家と出会う。ハイウェイ上で馬を輸送していたトラックを妨害され、逃げ惑う馬たちをチャールズはテレパシー能力で誘導し、マンソン一家を助けた事でマンソン家に招かれる。

そこで囲んだ食卓は、チャールズにとって息子のように大事なローガンと、あらたに現れた孫のようなローラーー。そんな家族での幸せな空間を夢見ていたチャールズにとって、束の間の穏やかなひとときを過ごせたのであった。

そんな束の間の時を過ごすマンソン家に、またもや地上げ屋が嫌がらせをして来る。家への水を供給している送水施設を故障させられ、ローガンとマンソン家の主人であるウィル・マンソン(エリク・ラ・サル)は修理に向かう事に。

そこへ待ち伏せしていた地上げ屋に挑発されるも、ローガンが軽く蹴散らしてしまうが、地上げ屋連中も本気で襲撃に来る準備を始める。そこへ運悪く3人を追っていたピアースたちも追いついてしまう。

チャールズの死 X-24の正体は・・・

ローガンが地上げ屋連中を追い払っている頃、マンソン家で眠っていたチャールズたちの下に、若かりし頃のローガンにそっくりな「X-24」(ヒュー・ジャックマン)が現れる。

チャールズは近づくX-24をローガン本人だと思い込んだまま、プロフェッサーXとして今までの出来事を振り返り後悔の言葉を口にする。チャールズが見間違っても仕方がなかった「X-24」の正体は、ローガン(ウルヴァリン)の遺伝子から作られたクローンであった。ウルヴァリンと同じアダマンチウム合金で出来た爪でチャールズの胸を突き刺す。

異変に気付いたローラはX-24に襲い掛かるが吹き飛ばされてしまう。同じく異変に気付いたウィル・マンソンの妻、キャスリン(エリゼ・ニール)と息子のネイト(クインシー・ファウス)は惨殺され、妻の悲鳴に気付いたウィルもX-24に刺され瀕死状態に…。

ローガン自身も駆け付け、自身に瓜二つのX-24に驚きながらも瀕死のウィルの助けもあり何とか勝利する。取り戻したローラと、助けることが出来なかったチャールズの死体を車に乗せ、その場から逃亡するローガンであった。

【ネタバレあらすじ③】後編

ローガンの手にそっと触れるローラ

追っ手を逃れたローガン達は、水辺の近くにチャールズを埋葬する。傷心に浸るローガンのそばにローラは近付き、ローガンの手にそっと触れる。だがローガンはローラの手を振り払い車へ乗り込むが、車は既に動かなくなっており車へ八つ当たりをする。

心身の疲労がピークに達したローガンは意識を失うが、別の車を手に入れたローラが病院に連れて行き、ローガンは意識を取り戻す。

病院から飛び出したローガンは執拗に「エデン」へ連れて行けとせがむローラに「あれ(エデンの存在)はコミックで書かれた空想で、実在しないから連れて行けない!」と断る。しかし諦めないローラは何度も「リクター、レベッカ、ボビー、シャーロット、デリア!」と研究所で一緒だった仲間の名前を連呼します。

その鬼気迫るローラに根負けし、ローガンは「そんなに言うなら自分の目で(エデンは存在しないと)確かめてみろ!」と連れて行くことにーー。

エデンへ到着 ローガンを残し子どもたちは旅立つ

目的地へ到着寸前に疲労の限界だったローガンはまたも気を失い、ローラの運転で仲間と約束した地、「エデン」へ到着する。

先に到着していた仲間の力を借りてローガンをエデンへ運び、ローラはまだ目覚めないローガンからアダマンチウムの弾丸を抜き取っていく。その弾丸はアマダンチウム合金を埋め込まれたミュータントを殺せる弾丸であり、いつか自分が死にたい時に使うつもりだとローガンから聞いていた物だった。

チャールズから「ローガンを死なすな」と頼まれていたローラは、彼との約束を守るための行為におよぶ。
施設の仲間でリーダーのリクターは、エデンよりも安全と思われるカナダへ移動する事を提案し、ローガンも一緒に行こうと誘われたが断る。

追手が迫る 子どもたちの危機

ローラたち研究所の子供たちは、エデンより北にある森林を超えカナダ国境へと向かう。ローラをエデンに無事送り届けて安堵するローガンだったが、カナダ国境へ向かう情報を得ていたピアース率いる軍隊が、ローラたちに迫っているところを目撃してしまう。

以前のような超人的能力が無くなっているローガンだが、リクターがローガンに残して行っていた血清(研究所で使用されていた一時的に興奮状態にして能力を引き出す薬)を使い、ローラたちを追いかける。

子供たちに追いついたピアース達だが、子供たちも様々な能力者であり「冷気を口から吐き敵を凍結させる者」「念動力で物体を操り攻撃する者」などで迎撃していく。しかし多勢に無勢ーー。一人、また一人と捕まって行き、あとはローラを残すのみ…。

そこへ敵を倒しながら追いついたローガンと合流し、ウルヴァリン親子が初の共同作戦を試みて、無事に子供たちを救出するのであった。解き放たれた子供たちはピアースを追い詰め、今までの恨みを晴らすべく操った草で締め付けられ、冷気や電撃などを駆使され殺してしまう。

しかし、追い詰められたピアースは最後にX-24を解放するのであった。

ローガン ネタバレ
出典:映画『LOGAN/ローガン』オフィシャルサイト

X-24との死闘の末・・・ 2人がこぼした涙

解放されたX-24と対峙するウルヴァリン親子。子供たちの能力でも手助けされながら戦うも、何度傷つけても超回復するX-24。それに対して超回復が出来なくなったローガンは、みるみる内にボロボロになっていく。ローガンは子供たちに逃げる事を伝え、自身はX-24に大木の枝に背中から突き刺され、何度も爪で胸を刺され瀕死状態に追い込まれる。

ローガンの窮地にローラは、以前ローガンから抜き取ったアマダンチウム弾丸を落ちていた拳銃を使って発砲する。
アマダンチウム弾丸で頭を吹き飛ばしX-24を倒したローラはローガンに駆け寄る。

しかし血清の効果も切れ、死を悟った2人は最後に心が通じ合い、ローラはついに「パパ、パパ死なないで。一人は嫌…。」と涙する。
ローガンも「そうか、こんな気分なのか…。」と、自分の子供(家族)が出来た気持ちを理解しながら涙し、最後は娘のローラに看取られながら死んでいくのであった。

チャールズを埋葬した時と同じように、ローラはローガンを水辺のそばに埋葬する。そしてその場を去る際に、ローラは十字架を倒し、Xの形にしてその場を後にする。

映画『ローガン』のみどころ

【みどころ①】とても“人間的”なウルヴァリン

今回の作品では無敵のスーパーヒーロー「ウルヴァリン」が悪者を爽快に倒す『X-MEN』シリーズとは違い、人間らしさが出ている作品になっています。傷への超回復能力だけでなく、何事にも耐性があった超人時代と違い、能力の衰えからお酒にも酔えるようになっていたり、そんな状況を心なしか楽しんだりしています。

また、『X-MEN』チームの絶対的リーダーだったプロフェッサーXの介護に追われ、薬代を稼ぐ為に一般人に交じって運転手で生計を立てるなどーー。長年、戦士として孤独に生きてきたウルヴァリンが家族のかけがえなさに触れ、残りの人生を静かに暮らしていこうとするヒューマンロードムービーになっています。

父親のように慕っていたチャールズも死に、自身も息絶えようとしていた時に自分の遺伝子を持つローラから出た「パパ」との呼びかけ。ラストに2人で涙しながら親子愛に目覚めるシーンは涙なしでは観られません。

【みどころ②】あの「西部劇」がモチーフに

ローガン ネタバレ
出典:Amazon.co.jp 

『シェーン』は1953年にアメリカで作られた西部劇の一つです。逃亡中のホテルで『シェーン』の映画を観ていたチャールズは、ローラに作品について説明をします。そして、

——人の生き方は決まっている。変えることはできない。

——一度でも人を殺してしまうと人殺しの烙印を押されてしまう。

——もう谷から銃は無くなった。ママのところへ帰って伝えろ、もう大丈夫だって。

このセリフを引用し、ローラはローガンを埋葬した墓標に向かって追悼します。

「ローガンの長く苦しかった人生をここで終着点とし、驚異も無くなりもう大丈夫だから、あとは安らかに眠って欲しい」というローラの願いが伝わってきます。

まとめ

今までのシリーズ作品とは全く違った路線で表現された『ローガン』。

15歳以下は観覧禁止のR-15指定となりましたが、それに見合うだけの迫力とメッセージが表現出来たのではないかと思います。今後のシリーズではヒュー・ジャックマンのローガン(ウルヴァリン)とパトリック・スチュワートのチャールズ(プロッフェッサーX)が観られないのは残念ですが、2人にとっての今作は、有終の美を飾れた作品に出来上がったのではないでしょうか!

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