死体に醤油をかける理由は?映画『冷たい熱帯魚』のネタバレ解説

たかなし亜妖
死体に醤油をかける理由は?映画『冷たい熱帯魚』のネタバレ解説

 

「グロい」「トラウマになった」「やばい」と人々が嘆くスリラー映画『冷たい熱帯魚』。実話をベースとして作られた作品ですが邦画では珍しいR18+指定。カルト的人気を誇る園子温監督が贈る毒っ気の高い物語が話題となり、「怖いけれど一度は観てみたい」映画として名を馳せています。

ただの恐ろしい物語ではなく考えさせられる人間模様や親子関係、そしてキャスト陣の激しい演技にも注目していただきたいところ。考察なども含め、ネタバレありであらすじからお届けします!

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映画『冷たい熱帯魚』について

冷たい熱帯魚 実話
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

2011年1月29日に公開された映画『冷たい熱帯魚』。園子温監督による「実話ベースの映画」第1作めであり、日本中に衝撃を与えたこの「ザ・問題作」は、家族愛や人間性を吹き飛ばすような作品です。

本作は実際に起きた「埼玉愛犬家殺人事件」が元になっているのですが、その手口がエグいこと、グロいこと。簡単にいうと、本作の村田こと関根元というペットショップ「アフリカケンネル」の経営者夫婦がビジネスで揉めた相手を殺していくという話なのですが、その殺人方法というか村田の人間性が恐怖でしかないんです。

「ボディを透明にする」という隠語を使い、笑いながら楽しそうに死体を解体して跡形もなく処分する村田夫妻。一見どこにでもいる、口がうまい親父というキャラクターなだけあり、殺人鬼に変貌するその過程に言葉を失うほどの恐怖を覚えます。というよりも、「表の顔と裏の顔」という線引きがそもそもないことが、逆に怖いのかもしれません。私たちの周りにもこんな人がいるのでは…と想像してしまいます。

そんな本作は園子温が監督と脚本を努め、日本国内で高い評価を受けています。ブルーリボン賞や横浜映画祭で作品賞をはじめとし、監督賞や音楽賞を受賞、そして日本アカデミー賞では、村田役を努めたでんでんが最優秀助演男優賞を獲得しました。

R18指定では足りないほど観る人を選ぶ本作ですが、やはり映画としては非常に良作なのも間違いありません。それではここからは、映画『冷たい熱帯魚』がもっと面白くなる解説をしていきます!

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こんな人は観ないで!『冷たい熱帯魚』の恐ろしさ

いきなり驚いてしまうかもしれませんが、本作は観る人を徹底的に選びます。タイトルが芸術的なためにうっかり手に取ってしまえば大やけどする危険性も……(笑)鑑賞に向かないのは以下のタイプです。

  • 終始重々しい雰囲気が苦手な人
  • 映画を観て幸せな気分になりたい人
  • ホラーやスリラーが得意でない人
  • サイコパスという題材に苦手意識を抱く人
  • 過激な描写(グロテスク・性的表現)が耐えられない人

以上5つのタイプを挙げましたが一つでも当てはまる場合は鑑賞をおすすめできません。なぜなら146分中、上記全ての要素が揃ってしまうからなんです!内容は非常に深く素晴らしいものとなっていますが、諸々のインパクトがとても強いので観た後はなかなか忘れられないという意見も。だから「トラウマになった」という声が相次いでいるのですね。

1993年に起きた「埼玉愛犬家連続殺人事件」をベースとして作られた物語であり、『共犯者』という小説が原作となっています。事件についての詳細は後述しますが、この出来事は巷で有名なペットショップ経営兼ブリーダーとして名の知れた夫婦が完全犯罪を行っていたというもの。立て続けに人間を殺し、証拠がつかめないほど完璧に死体を消し去っていたのです。

本作ではペットショップではなく熱帯魚店の経営に変更していますが、完全犯罪の手口は忠実に再現されているのだとか……。想像するだけでもゾッときてしまいますね。その描写が包み隠さずに移されているのも、本作が恐ろしいと言われる理由の一つです。

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【ネタバレ注意】『冷たい熱帯魚』のあらすじ

それでは、『冷たい熱帯魚』のネタバレを紹介していきます。

本作の特徴はこのインパクトしかないストーリーだけでなく、役者の演技や映像にもあります。気になった方はチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。

【あらすじ①】「冷え切った家庭」

冷たい熱帯魚 レトルト
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

3人家族の社本家は無言のままレトルト食品が並んだ食事を口に運んでいた。娘の美津子(梶原ひかり)は食事中にも関わらず彼氏からの呼び出しに応じ、家を飛び出てしまう。夫婦間の関係も決して良好ではなく、夫の信行(吹越満)が妻の妙子(神楽坂恵)に触れようとすると、やんわりと断られてしまうのだった。家庭が冷え切っていることを分かり切っている信行は精神的に追い詰められ、食事を全て吐いてしまう。

家庭内の空気が悪くなったのは、美津子と妙子の関係にあった。美津子自身は連れ子であり、本当の母親は3年前に死別している。後からやってきた妙子はロクに家事もできず、喫煙者。美津子は母親と比べては不満を抱き、以前に感情を大爆発させていたのだ。信行はそのことで悩んでおり、妙子も美津子に対して負い目を抱いていた。

そんな中、夜に美津子が万引きを行ったとして一本の電話がかかってくる。かんかんに怒るスーパーの店長だが、突如現れた人物・村田(でんでん)の仲裁により事は丸く収まることに。彼も社本家と同じく熱帯魚屋を経営していることから、両家庭は交友を持ち始める。そして美津子を更生させるべく、村田の提案で『アマゾンゴールド』で彼女を働かせることが決定した。

 

【あらすじ②】「村田の本性」(21:40~)

冷たい熱帯魚 1000万
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

村田の妻・愛子(黒沢あすか)も店の手伝いをしており、美津子は『アマゾンゴールド』に住み込みで働くことに。彼女だけでなくワケありの女の子達がスタッフとして働く店はとても活気があったのだ。

美津子の件で呼び出された妙子は村田と別室へ向かう。彼は美津子が連れ子なこと、自身が負い目を感じていることに同情し、言葉巧みに妙子を丸め込んだ。そして2人は体の関係を持ってしまう。

何事もないように装って帰宅した妙子の口から「村田さんが一緒にビジネスをしようと話をしている。」と一言。信行が戸惑っていると彼女は後押しするよな言葉を吐き、結局『アマゾンゴールド』へ話を聞きに行ってしまうのだった。店には村田の他に顧問弁護士の筒井(渡辺哲)、同じくビジネスパートナーの吉田(諏訪太朗)が顔を揃えており話を聞くことに。

ビジネスとは海外で仕入れた魚を繁殖させ、1000万で売りさばくことだが吉田は「この魚は100万くらいだ」と反論。何が何だか分からないまま信行は流されるが、別室で村田と話し合っている最中に吉田の態度はコロリと変わっていた。机に置かれた札束、あれよあれよという間に信行もビジネスパートナーに任命される運びとなる。そして村田はいよいよ本当の顔を見せ始めるのだ。

金を出し、反論をした吉田は毒入りドリンクを飲まされ死亡。「お前もこうなりたいか!」と脅された信行は、村田夫婦の犯した犯罪に加担してしまうのだ……。 


【あらすじ③】「死体(ボディ)を透明に」(47:47~)

冷たい熱帯魚 廃墟
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

車を運転させられた信行は、愛子と村田と遺体を山奥の廃墟まで運んだ。風呂場では死体の解体作業が始まり、信行はそのシーンを見て思わず嘔吐してしまう。二人は慣れた手つきで解体を行い、美津子を脅しのタネにして彼を逃げられないようにした。肉片は川に捨て、骨は焼き尽くし完璧に証拠隠滅をはかる。これを村田は「死体(ボディ)を透明にする」と語っている――。

後日熱帯魚屋には筒井、筒井の部下、そして吉田の弟分だと名乗る男性が押し掛ける。吉田が姿を消したことに疑問を持っているのだ。村田の行動はエスカレートし、信行にうまく口裏を合わせるように洗脳する。どうにかして逃げたい信行だが、美津子もすっかり村田のことを信用しきっているため、自宅には帰らないとさえ言い放つのだった。

だが村田は警察にマークされており、信行は川尻刑事に声をかけられる。ここ最近、30名ほどこの近辺で行方不明者が出ているそうだ。かつて彼の助手を務めていた人間も妻子共に消え去っており、川尻は「共犯じゃないだろうな」と信行へ言い残していく。

その後村田が現れ、強引に信行の車へ。川尻が後ろからつけてきたものの、なんとか撒いて筒井の家へと向かった。

【あらすじ④】信行の狂気(1:35:33~)

冷たい熱帯魚 共犯者
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

筒井は吉田と同じ手口で死亡していた。彼の部下が救急車を呼ぼうとするところを村田は阻止、彼を絞殺する。またも廃墟へ向かい、二人の死体を解体する作業が始まった。すっかり洗脳状態に陥っている信行は村田から「死体を透明にする方法」を呆然と聞いているだけ。筒井が殺されたのは、どんどん金の要求が激しくなっていったからだそうだ。

村田は信行を挑発するために妙子と関係を持ったことを暴露する。怒り狂う彼を見て更に挑発を繰り返すが「共犯者だろ」と奮い立たせ、愛子を自分の目の前で抱くよう命令する。これもまた洗脳方法の一種である。だが狂った信行は行為中、愛子の首元に鉛筆を刺し、そのまま村田のことも刺していった。

何度も何度も刺したため、もう村田は息も絶え絶え。恐ろしくなった愛子は信行の「ラクにしてやれ」の言葉に応じ、村田を殺すのだった。

【あらすじ⑤】(2:01:58~)

冷たい熱帯魚 オチ
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

愛子を「今日からオレの女」と言い放つ信行はすでに狂っていた。愛子も彼に従い、村田の死体の解体を始める。その間に彼は山を下り、美津子を殴りつけて無理矢理言うことを聞かせる。二人で自宅に帰宅すると妙子に食事の用意をさせ、信行のいつもと違う態度に二人は動揺していた。またも彼氏の呼び出しに応じようとする美津子をまた殴り、遂に彼女を気絶させてしまった。

そして妙子には村田の関係を吐かせ、無理矢理犯す。目が覚めた美津子はこの様子を発見して激怒するが、狂った信行は誰にも止められず――。美津子を再度気絶させ、行為を続けるのであった。

家族を乗せて山奥へ向かった信行は、解体途中の愛子を殴ってダメージを負わせる。二人は揉み合いになるものの、最終的に彼女は死亡した。その間川尻らが廃墟へと駆けつけ、浴室の解体を見て絶句している……。

信行は終ぞ妙子まで刺殺し、残すは美津子一人。だが彼女へは「お前は一人で生きていけるか?」と問いかけ、娘の腕を刺す。痛がる美津子を前に「人生はなぁ、痛いんだよ!」の言葉を残して、信行は自殺した。呆気にとられる美津子だが、父親の死を見て大笑い。「やっと死にやがったな、ジジイ!」と歓喜の声を上げ、遺体を蹴りつけるのであった……。

『冷たい熱帯魚』のキャスト

村田役のでんでんさんを始め、本作のキャスト陣は本当に「ザ・演技派」の方々が揃っています。リアルすぎてもはや恐怖を感じる彼らの演技に注目ですよ!

社本信行役:吹越満

冷たい熱帯魚 社本
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

ちょっぴり気弱で頼りがいのない父親の信行。美津子に強く出ることも、妙子と娘の関係をカバーすることもできず、ストレスに苛まれています。気の弱さを村田に漬け込まれてしまい、完全犯罪の共犯者となってしまうのでした。冒頭で村田が「旦那さんが悪いよ」と妙子に言うシーンがあるのですが、正にそうかも……。彼がもっと意思表示をはっきりさせられる人物だったら、この悲劇は生まれなかったのかもしません。

信行を演じるのは俳優の吹越満さん。実はかつてWAHAHA本舗に在籍していたようで、ものまねやコントを披露していた時代も。現在は役者として地上波ドラマや有名な映画に次々と出演しています。基本的には脇役が多い印象です。

村田幸雄役:でんでん

冷たい熱帯魚 村田
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

軽快なトークとフットワークの軽さで社本家を巻き込むサイコパス。二面性が激しく、殺人を行うことに関しては何のためらいもない恐ろしき人物です。あまりに口がうまいので最初から怪しさ満点ですが、騙されてしまう人がいるのも無理はないかもしれませんね。

信行が共犯者となった時点ですでに数十名殺害を繰り返していた事実も、観客が戦慄してしまうポイント。彼を見ていると人間が信じられなくなりそうな……。

村田を演じるのは超実力派俳優のでんでんさん。力強い演技は観る者を圧倒させ、本作で報知映画賞の最優秀男優賞や東京スポーツ映画大賞・助演男優賞など、計6賞を受賞!ガラリと変わる顔つきや口調はもう鳥肌モノです。でんでんさんの演技にもしっかりと注目して下さいね。

 

村田愛子役:黒沢あすか

冷たい熱帯魚 黒沢あすか
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

セクシーな村田の妻・愛子。穏やかで面倒見が良いふりをしていながら、実際は幸雄の犯罪に手を貸す極悪人。村田の変わりようもスゴイですが、愛子の豹変っぷりも見どころの一つですね。終盤の本性むき出しな姿には「コエエ……」と思わず言ってしまうはず。

愛子を演じるのは黒沢あすかさん。色っぽい声質がとても心地よく、安定した演技をする女優さんですね。『あすなろ白書』のトキエ役で注目を浴び、現在も子育てをしながら女優業を継続しているようです。

 

社本妙子役:神楽坂恵

冷たい熱帯魚 神楽坂恵
出典:インターネットムービーデータベース公式サイト

社本家の後妻である妙子。冒頭のシーンで全く料理をしないのには衝撃を覚えてしまいましたね。ラストシーンでも結局インスタント食品のオンパレードだったため、家事全般は苦手そうなご様子。けれども熱帯魚の世話はきちんとしており、彼女なりに「お母さん」「妻」として頑張っていたつもりなのかもしれませんね。

体当たりの演技がキラリと光る神楽坂恵さんは、なんと園子温監督の奥さんなんだそう!現在の活動は落ち着いていますが、時折ドラマや映画に出演しているとのことです。

 

社本美津子役:梶原ひかり

冷たい熱帯魚 梶原ひかり
出典;インターネットムービーデータベース公式サイト

典型的なグレ方をしている美津子ですが、何も元から素行が悪かったのではありません。きっと3年前に母親と死別したことがよほどショックだったのでしょう。村田や愛子の言うことは素直に従うものの、信行や妙子の存在はまるで無視。最後まで信行の声は届かず、父親の死体を蹴飛ばすほどでした……。

美津子を演じるのは梶原ひかりさん。『女王の教室』や『仮面ライダー』シリーズに出演しており、本作の出演当時は18歳。非常に複雑な役どころではありますが、等身大の10代を演じていたのですね。

 

元になった実話「埼玉愛犬家連続殺人事件」について

1993年、埼玉県の熊谷付近で起きた事件が本作のベースとなっています。容疑者である関根と風間は元夫婦でありながらペットショップを経営しており、この二人はブリーダーとして名の通る人物でした。しかしその裏側で悪質な商売を繰り返していたため、客とのトラブルは常に絶えなかったと言います。そしてお店自体はお金に困っており、経営がかなり傾いていたそう。

ペットショップではとある会社役員に法外な値段で犬を売りつけ、ついに揉め事へ発展。売り上げが厳しくなっていたため返金には応じず、関根と風間は彼に毒入りのカプセルを飲ませて殺害してしまったのです。遺体は完璧なまでに消し去り、二人はこれをきっかけに様々な人間へ手を出し始めるのでした……。

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「埼玉愛犬家連続殺人事件」の犯人・関根元の人物像

関根はペットショップ「アフリカケンネル」の創業者であり、ブリーダーとしての腕は非常に長けていました。以前よりペットショップの経営などを行っていたものの、当時から悪質な商法はほぼ変わっていなかったのだとか。彼の強みは軽快なトークとユーモアたっぷりの人間性。この性格を懸念して避ける人間が多くいたものの、その分惹きつけられる人も多かったそうです。

動物には優しい顔をしながら、邪魔な人間は容赦なく殺す二面性の激しい人物。顧客間とのトラブルも冷静に対応し、笑顔で毒を飲ませることもありました。殺人に関しては強いこだわりを持っており、「殺しのオリンピックがあればオレは金メダルだ」と強気な発言まで残しています。

 

「ボディを透明にする」とは?残酷ずぎる事件の手口

作中でも飛び出した「ボディを透明にする」とは一体どういったことなのでしょうか?手口を解説していくので、苦手な方は閲覧注意ですよ……!

事件の手口

「遺体なき殺人」とまで呼ばれた手口は実に巧妙。完璧なまでに遺体を消し去るには、以下の手順を徹底していたのです。

  1. 「硝酸ストリキニーネ」をカプセルに閉じ込め、栄養剤と偽り服用させる
  2. 遺体を犬のブリーディング場へ運び、浴槽にて解体作業
  3. 骨から切り離した肉は川へ放流、骨はドラム缶で時間をかけて焼く(灰は林の中へ遺棄)

硝酸ストリキニーネとは動物の殺処分用に使われる劇薬で、痙攣を起こした後に死亡します。息絶える際に騒がず、喚かず、ひっそりと死んでいくため殺害には都合が良かったのでしょう。ブリーダーやペットショップ経営という職業柄、獣医師から手に入れることができたのです。

解体の際も「肉は数センチに切る」「遺体をパーツ分け解体する」など手際の良さを見せ、服や所持品もドラム缶で灰になるまで焼いていたので、徹底的に証拠が残りません。

肉は川へ放流すれば魚のエサになりますからね。これで完全証拠隠滅となるわけですが……常人の発想とは思えません。

 

「ボディを透明にする」とは?

関根にとっての美学「ボディを透明にする」は作中でも登場する重要なシーン。“透明”ですから見えなくなるまでにしなくてはなりません。そのためには肉片や臓器だけでなく骨まで消し去らねばならない。残留するものが一つでもあればそれば透明でなくなってしまう。だから骨を埋めるでもなく、どこかに放置するでもなく、灰になるまで焼いたのです。

ただし骨を焼くと異臭騒ぎになるので、上から醤油をかけて殺人がバレることを防ぎました。

 

事件現場になった「アフリカケンネル」の今は?

凶悪な殺人鬼が潜んでいた「アフリカケンネル」ですが、現在は廃墟となっています。取り壊されておらず、存在し続けていることがちょっぴり怖いですね……。残留物もいくつか確認され、関根がブリーダーをしていた「アラスカンマラミュート」のステッカーが今でも貼られたまま。当時では珍しい「ウルフ・ドッグ」など、外国犬種の価格が書かれたボードも残されています。

建物自体はそのままですが、この土地は別の会社の駐車場として使われているそうですよ。

最近では、この「アフリカケンネル」の廃墟に実際に行ってみたという動画がYoutube上にアップされています。個人的には「クロシロチャンネル」の動画がわかりやすかったので、是非みてみてください。

息子が語る衝撃の事実

関根夫婦にも子供がいたのですが、息子の和春さんは妻・風間の連れ子。とても自分の母親が殺人をするなんて思えなかったのだとか。常に優しく、時折暴力を振るう関根から息子を守ってくれていたそうです。そんな彼が逮捕を聞きつけたのは、自身がアメリカ留学をする矢先のことでした。

「犯人の息子」というレッテルから自宅にはいられなくなり、住処を転々とします。進学も満足にできませんでしたが、20歳の時に出会った女性と結婚。妻の家族には全てを話し、受け入れてもらえたのです。現在でも母親に会いたい、そんな気持ちはいつまでも変わらないと語っています。

これらを含めたインタビューは、下記のYahooニュースを参考にしました。

参考 「愛犬家連続殺害事件」死刑囚息子が語る壮絶な人生Yahooニュース

【閲覧注意】『冷たい熱帯魚』に似ている実話を元にした映画3選

すでに『冷たい熱帯魚』をご覧になった方や、似たような映画を探している方におすすめの映画を3本厳選しました。3作全てがスプラッター系、サイコパス系の映画になります。

常人では考えられない残酷な描写も含まれていますので、ご視聴の際にはくれぐれも、くれぐれもお気をつけ下さい。

【R15】『アングスト/不安』(2020)

出典:映画『アングイスト/不安』予告編

1983年に制作されたが上演中止が続いた映画『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』のタイトルを変えて上映されている『アングスト/不安』。

実話を忠実に再現した映画であり、殺人犯のヴェルナー(アーウィン・レダー)が主人公。彼は見知らぬ高齢女性を殺害するも、精神障害を訴えてわずか9年で仮出所に成功。3日間の仮出所の間、ある一家に目を付け殺戮を行っていくのです。

世界で上映禁止となったいわくつきの作品ではありますが、実は殺戮描写や人体破壊などはそこまで凄まじくないのが特徴的。「やばい」と言われるのは主人公のヴェルナーの人物像や行動であり、ある意味その部分が見どころと言えるでしょう。この事件を経て、オーストラリアの司法制度が大きく変わりました。

目を塞ぎたくなるポイント

  • 殺人鬼視点で延々と拷問・殺害を観させられる
  • 殺害方法が子供であれ、老人であれ容赦ない

逸脱したモラルのなさや狂気に耐えられない人が続出したそうです。本作の殺人シーンはPOV手法を用いており、観客はヴェルナーの目線で悲惨な現場を目の当たりにするのも恐ろしいポイントです。

アングスト/不安 気持ち悪い なぜ犬は無事だった?映画『アングスト/ 不安』をネタバレ解説&考察!

 

【R18】『恋の罪』(2011)

恋の罪 ポスター
出典:映画『恋の罪』公式Facebook

本作と同じく園子温氏が監督を務め、1997年に発生した「東電OL殺害事件」をベースに作られた作品。

主人公の和子(水野美紀)は優秀な刑事でありながら、夫の後輩と愛人関係を続けていました。ある日ラブホテル街にあるさびれたアパートで、女性の死体を発見。捜査を進めていくうちに、和子は夜の世界へどんどん溺れていってしまうのです……。

レズビアンという刺激的な題材に、激しくエロシーン。観る人を選ぶものの、一部ではカルト的人気を誇っていますよ。

目を塞ぎたくなるポイント

  • 一切美しくない濡れ場
  • 死体が非常にグロテスク

振り切ったセックスシーンが話題となりましたが、嫌悪感を覚えるほどの気持ち悪さ。そして死体は『冷たい熱帯魚』同様グロテスクです。エロ×グロに息が詰まったような思いをするかもしれません。

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『凶悪』(2013)

出典:映画『凶悪』予告編

1999年に起きた「上申書殺人事件」をベースに作られたサスペンス映画。

スクープ雑誌の編集部に死刑囚の須藤(ピエール瀧)より一通の手紙が届きます。記者である藤井(山田孝之)は記事にするため彼と面会してくるよう命じられるのですが、そこには警察らも聞かされていない様々な情報が転がっていた。須藤の告発に惑わされ、藤井は取材にどんどんのめっていってしまうのです。

ピエール瀧さんが演じる須藤は『冷たい熱帯魚』の村田同様巧みなトークが得意。そしてキャラクターの内面までも実はそっくりなんですよ……!

目を塞ぎたくなるポイント

  • 拷問・殺人シーンが生々しい
  • 須藤と木村のサイコパス具合

冒頭からエグすぎるシーンが続き、度重なる殺人はもう観ているのがうんざりしてくるほど。ピエール瀧さんもそうですが、木村役のリリー・フランキーさんの演技もかなり怖いです。演技とは分かっていながら、妙にリアルに感じてしまうのも嫌なポイントですね。

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まとめ

賛否両論ある『冷たい熱帯魚』ですが、人間の嫌な部分をここまで露呈している作品もそうないことでしょう。観る人を選ぶものの、鑑賞後は「人間」の在り方についてきっと考えさせられるはず。濃厚な人間ドラマを楽しみたい人には、ぜひ触れて欲しいと思います。

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この記事を書いた人
たかなし亜妖
たかなし亜妖

フリーライター&シナリオライターの映画好きサブカル女子。ライター歴は一年半くらいでまだまだひよっこ。 「感動よりも恐怖を、お涙よりもスリルを!」を基準に映画を選ぶ人。ホラー、スリラーサスペンス、鬱になりそうな作品が特に好き。でもハッピーな気分になれる海外ドラマも好き。キャラクターものもアニメも好き。要するにかなりの雑食です。