ポケモンがハリウッド実写化!映画『名探偵ピカチュウ』を徹底ネタバレ解説!
今や世界的なキャラクターブランド、ポケモンが満を持して、ハリウッドデビュー。あのピカチュウがついに実写化ということで、話題になった『名探偵ピカチュウ』。
そのふわふわした見た目の可愛さをはじめ、そのほかのリアルなポケモンたちの造形も高い評価を獲得していました。果たして本作がどんな作品だったのかを、本作をまだ観ていないという人にもわかるようにざっと解説していきます!
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映画『名探偵ピカチュウ』について
『名探偵ピカチュウ』は2019年に劇場公開を果たしたアメリカの映画です。
ピカチュウと言えば、言わずとしれた世界的な人気キャラクター。元々の原作はゲーム「ポケットモンスター」シリーズで、本来はポケモンと呼ばれる不思議な生き物を捕まえて、戦わせ合うという育成RPGでした。
近年はそのキャラクター性が増し、対戦だけでなくパズルゲームやアクションゲームなど、ポケモン自体が一つのジャンルとなっています。
ポケモンの映画と言えばTVアニメシリーズの劇場版が、長年に渡って公開されてきましたが、今回の『名探偵ピカチュウ』は初のハリウッドメイドの映画。しかも初の実写化作品ということで、いったいどんな作品になるのか注目を浴びていました。
監督は『シャーク・テイル』や『モンスターVSエイリアン』などのアニメーション映画の監督や脚本を務め、2010年以降は『グースバンプスモンスターと秘密の書』など実写作品も手がけるようになったロブ・レターマンです。
リアルなポケモンの造形化については、株式会社ポケモンやゲームフリークといった日本のゲームを手がけているスタッフが監修を行い、1年かけてその造形を追求していったそうです!
ネタバレなし!『名探偵ピカチュウ』の簡単なあらすじ
ポケモンが存在する世界。
主人公ティムは幼い頃はポケモンのことが大好きでしたが、父親ハリーがポケモンに関わる事件の捜査へ出たきり家に戻らなかったことをきっかけに、父親とポケモンから距離を取るようになってしまいます。
そんなある日、ティムのもとにハリーと同僚だったというヨシダ警部補から、父が事故で亡くなったという電話がかかってきます。父の荷物を整理するため、人間とポケモンが共存する街・ライムシティを訪れるのでした。
父親の部屋を訪れると、そこで何かが動く物音に気づきます。そこには一匹の言葉を喋るピカチュウがいるのでした。事故の衝撃で記憶を失っているというピカチュウは、父ハリーが生きているということをただ確信していました。
事故の真相を知るために、ティムはピカチュウと共に、事件の秘密を探るために冒険に出るのでしたー。
『名探偵ピカチュウ』のネタバレあらすじ
【あらすじ①】ピカチュウとの出会い
主人公ティムは幼い頃はポケモンのことが大好きだった。しかし父親のハリーがポケモンに関する事件の捜査へ出て行ったきり家に戻らなかったことをきっかけに、ティムは父親とポケモンに対して心を閉ざしてしまっている。
大人になったティムは、父親のことも忘れて生きていた頃、父親のハリーの同僚だったというヨシダ警部補から電話を受ける。なんとハリーが交通事故で亡くなったという知らせであった。
ティムは父の遺品整理のため、人間とポケモンが共存する街・ライムシティを訪れる。父親の部屋を訪れ、部屋を探索するティム。謎の青い容器を見つけると、そこに入っていた薬品から煙が湧き上がる。
そこで何かが動く物音に気づく。そこには一匹の言葉を喋るピカチュウが居た。困惑するティムだったが、話し合いをしている最中に外から、大量のエイパムたちが侵入してくる。
先ほどの煙によって、エイパムたちは凶暴化したのだった。慌てて逃げるピカチュウとティムは、なんとか追ってくるエイパムから逃れることに成功する。
【あらすじ②】手がかりを探すティムとピカチュウ
ティムとピカチュウはカフェで話あうことに。
ピカチュウは記憶を無くしており、かろうじて父ハリーの住所を覚えていて家にやってきたというのだ。ハリーはまだ亡くなって居ないというピカチュウの言葉を信じ、ティムはピカチュウと共に父を探すことにする。
翌朝、父の居場所の手がかりは、エイパムが狂暴化したガスだというピカチュウ。ピカチュウとティムはガスの入っていた容器を持って、ハリーの事件を調査しているというテレビ局CNMの新人記者ルーシーに会う事にする。ルーシーに話を聞くと、ガスの容器を港で見つけたことを知る。
手がかりを探しに港に訪れたティムとピカチュウ。父親の情報提供者であるバリヤードの情報を手がかりにラウンドハウスへ行く事にする。
ラウンドハウスへ訪れた二人。そこではライムシティでは違法とされる、ポケモンバトルが秘密裏に行われていた。そこでポケモンバトルをしているセバスチャンによってガスが撒き散らされ、ポケモンたちは大暴れ。場内はパニックとなる中、セバスチャンを問い詰めたティムは、博士に聞けと言われる。
なんとか手がかりを見つけたティムだったが、混乱に乗じて集まった警察に捕まってしまうのだった。
【あらすじ③】研究所の探索へ
ヨシダによって事情聴取を受け終えたティム。落胆するティムとピカチュウの前に、テレビ局CNMの会長ハワードの秘書が現れる。
ハワードの元へ連れてこられた二人は、そこでハワードがハリーに頼んで薬品の調査を頼んだ事、そしてCNWの社長ロジャーがガスを作ったと教えられる。さらにハワードは、父の事故のホログラム映像を見せて、ピカチュウの記憶を消したのはミュウツーであることまで教えてくれるのだった。
ルーシーがロジャーのパソコンから盗んだ資料を元に、ティムとピカチュウ、そしてルーシーと相棒のコダックは、ミュウツーの研究をしていたという研究所PCLを訪れることに。
ミュウツーの研究当時の記録や、薬品の生成をこの研究所で行なっていたことがわかったティムたちだったが、侵入を察知したロジャーは薬品によってゲッコウガを狂暴化させ、ティムたちを追い詰める。なんとか逃げるティムたちは巨大なドダイトスの動きに飲み込まれ、ピカチュウは瀕死の状態になってしまう。
そんなピカチュウを導こうとするフシギダネの群れに遭遇するティム。瀕死のピカチュウを抱え、フシギダネの後をついていくと、そこにはミュウツーが居た。ミュウツーによってピカチュウは助けられ、ミュウツーは事故の映像を見せてくれるのだった。
しかしその時、突如ロジャーが現れ、ミュウツーを連れ去ってしまう。そしてピカチュウは、自分がハリーを裏切って殺してしまったと思い、ティムを振り払って去ってしまうのだった。
【あらすじ④】事件の真相
ピカチュウを置いて、ティムやルーシーはハワードに会いに、ライムシティへ戻る。
その頃、ピカチュウは事故現場で、ゲッコウガの手裏剣を発見する。父の事故はミュウツーではなく、ゲッコウガの仕業であり、ミュウツーは父を助けようとしたのではないかと推測する。ハワードこそ黒幕だと気づいたピカチュウは、慌ててティムのところへ戻る。
ティムがハワードの元を訪れると、そこには捕らわれたミュウツーが居た。機械によって、ハワードの精神が、ミュウツーと一体化していく。実はハワードは、ライムシティに住むポケモンと人間を一体化させようと企んでいたのだ。
たちまち街中で開催される予定だったパレードのアドバルーンから、薬品が大量に噴出される。狂暴化するポケモンたち。ミュウツーとなったハワードは、その能力で、人々をポケモンたちと一体化させていくのだった。しかしそこへ、ピカチュウが現れ、果敢にミュウツーに立ち向かう。
一方、ティムはハワードの部屋で捕らわれるロジャーを発見する。実は今までロジャーだと思っていた相手は、メタモンが変身した姿だったのだ。ティムはハワードにつけられた機械を外し、無事ミュウツーとハワードの一体化の解除に成功する。
【あらすじ⑤】名探偵ピカチュウの正体
助けてくれたことに感謝を述べるミュウツー。ミュウツーはポケモンと一体化した人間を元に戻し、事態は収束する。
ティムはミュウツーに父の居場所を問いかける。ミュウツーは「ずっと近くにいた」と答える。実は、ティムと一緒に冒険をしていた名探偵ピカチュウこそ、ピカチュウと一体化した父親・ハリーだったのだ。ミュウツーは事故の映像を見せ、ティムは真相を知る。
あくる日。元の姿になった父親ハリーは、ティムにライムシティから帰るための切符を渡す。また会おうと告げ、抱き合うティムとハリー。一度は駅へ歩き出したティムだったが、彼は、ハリーとピカチュウと共に暮らすことを提案する。
それを聞いてハリーとピカチュウは喜ぶのだった。
『名探偵ピカチュウ』のキャスト
名探偵ピカチュウ / ライアン・レイノルズ / 西島秀俊
タイトルにもなっている、『名探偵ピカチュウ』の主人公ティムとバディを組むポケモンが、名探偵ピカチュウです。ポケモンは普通人間の言葉は喋らないはずなのですが、ティムだけは、名探偵ピカチュウの言う言葉が理解できます。
ピカチュウといえば電撃攻撃を得意とするポケモンですが、この名探偵ピカチュウだけは人前では緊張して使えません。記憶も失っていたりと、普通のピカチュウにはない特徴を持っているようですが、それには実は大きな秘密が隠されています。
そんな名探偵ピカチュウの吹き替えを担当したのは、『デッドプール』などでおなじみのライアン・レイノルズ。吹き替えだけでなく、フェイシャルキャプチャも担当しており、ピカチュウの顔の表情筋なども、ライアン・レイノルズの顔の動きを再現して作られていると言うのだから驚き!
日本語吹き替え版では、そんな名探偵ピカチュウの声を、ドラマや映画、CMに活躍中の西島秀俊さんが担当。映画公開当時は、公開の直前までその声の正体が誰なのか明かされていませんでした。
ティム / ジャスティス・スミス / 竹内涼真
『名探偵ピカチュウ』の主人公であり、名探偵ピカチュウと共に父親失踪の謎を追う青年がティムです。幼い頃はポケモンが好きだったものの、父親が仕事につきっきりなことをきっかけに、父ともポケモンとも疎遠になってしまいます。最初こそ、ピカチュウに対して疎ましい態度を取るのですが、次第に仲を深めていき、コンビネーションが合うようになっていく様は気持ちがいいです!
そんなティムを演じるのは、アメリカ出身の俳優ジャスティン・スミス。本作の他にも、『エブリデイ』や『ジュラシック・ワールド/炎の王国』などに出演しています。
そして、日本語吹き替え版でティムを演じたのは竹内涼真。吹き替えのお仕事は今作が初めてとなりました。竹内涼真さんは実は映画、本編にもカメオ出演!ポケモントレーナーとして戦う姿が、少しですが映りますのでお見逃しなく。
ルーシー / キャスリン・ニュートン/ 飯豊まりえ
ライムシティで起こる事件を追うテレビ局CNMの新人記者がルーシ・スティーヴンス。ライムシティで発生する事件を調査する最中にティムと出会い、行動を共にすることになります。パートナーのポケモンとしてコダックを連れています。
そんなルーシーを演じるのは、アメリカ出身の女優キャスリン・ニュートン。今作の他にも『レディ・バード』や『スリー・ビルボード』などの話題作に出演しています。
日本語吹き替えを務めるのは、モデルや女優として活躍する飯豊まりえ。ドラマ『好きな人がいること』や映画『暗黒女子』などに出演し、テレビアニメ『ポケットモンスター』の公式サポーターを務めたこともありました。
ヒデ ヨシダ / 渡辺謙
かつてハリーと同僚だったことをきっかけに、ティムをライムシティに呼び出す役目を担うのが、ヒデ ヨシダことヨシダ警部補です。ライムシティの刑事として働いており、ティムにハリーが亡くなったことを告げる辛い役目を担います。ティムを優しく見守ってくれる人物です。相棒のポケモンとしてブルーを連れています。
名前の通り、日本にルーツのあるキャラクターということで、日本人の渡辺謙がヨシダ警部補を演じています。渡辺謙といえば『インセプション』や『GODZILLAゴジラ』など多くのハリウッド映画に出演している日本人。ある意味、日本人キャストとしては大本命の起用だったと言えるでしょう。
ちなみに本編では英語を喋っていますが、日本語吹き替えでは本人が吹き替えをしてくれています。
あのポケモンまで!?映画で活躍するポケモンたち
映画ではピカチュウの他にも多くのポケモンが活躍を見せてくれます。今回はそんなピカチュウ以外にも本編で出番が豊富なポケモンたちを紹介していきます。
コダック
ルーシーの相棒として登場するのが、あひるポケモンのコダックです。いつも頭痛に悩まされていて、頭を抱えているのが特徴です。時折その頭痛を爆発させて、強力な念力を発生させるという習性があります。
おかげで、本編でも名探偵ピカチュウがコダックに近づくときは恐る恐る。コダックの念力を恐れての行動だったわけですね。本人は恐れられていることもつゆ知らず、のん気に過ごしている姿がまたキュートです。
バリヤード
事件の鍵を握るポケモンとして登場するのが、バリアーポケモンのバリヤードです。パントマイムが得意なポケモンで、映画でも必死のパントマイムで、ティムや名探偵ピカチュウと交流を図ります。
ただパントマイムをするだけでなく、実際にバリアーを張って、本当に見えない壁を作り出すこともできるという特技を持っています。コミカルなキャラクターとして描かれていますが、バリヤードもまた思わぬ能力を持った実力者なんですね。
ミュウツー
研究所で秘密裏に生み出された人工ポケモンがミュウツーです。幻のポケモン・ミュウの遺伝子を元に造られたポケモンで絶大な力を持っています。『名探偵ピカチュウ』でも重要なポケモンとして登場し、大活躍を見せてくれます。
ちなみにゲーム本編でも伝説のポケモンとして登場。研究所で開発され、暴走したのちに、研究所を逃げ出してしまうという設定は、映画にも取り入れられています。
ゲッコウガ
研究所の場面で、複数匹で一斉にティムたちに襲いかかるのが、しのびポケモンのゲッコウガです。水を圧縮させて手裏剣のように飛ばす「みずしゅりけん」が使えるのですが、作中でもその技を披露してくれています。
一見不気味なビジュアルのポケモンですが、ポケモンの人気投票企画「ポケモン総選挙720」や「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」などではピカチュウやリザードンといった人気ポケモンを抑えて、1位に君臨するポケモンだったりします。
『名探偵ピカチュウ』のトリビア
画面端にもありとあらゆるポケモンが登場する!?
『名探偵ピカチュウ』に上記で紹介したポケモンだけでなく、無数のポケモンたちが登場します。その数、なんと50体以上。出番はポケモンによって波はあるのですが、ポケモンバトルの違法闘技場では、カメックスとゲンガーの対決が見られたり、研究所にはゲッコウガの他にもドダイトスが独自の研究の対象になっている描写が用意されています。
街中の群衆にも紛れて、小さくではありますがその他にも多くのポケモンたちが登場しています。ポケモンといえば、年々新しいポケモンが登場し、その数を増やしていますが、最初期に登場しているポケモンから、当時最新シリーズだった『ポケットモンスターサン/ムーン』シリーズで初登場のポケモンまで幅広い世代のポケモンが出演してくれているのも嬉しいですよね!
残念ながら2020年現在最新シリーズの『ポケットモンスターソード/シールド』シリーズは当時はまだ未発売。こちらのシリーズから登場したポケモンは出演していません。
『名探偵ピカチュウ』には原作のゲームが存在する?
出典:Amazon.com
ゲームシリーズが複数種類存在することは、前述していますが、実は今回の映画のタイトルにもなっている『名探偵ピカチュウ』のゲームも存在することはご存知でしたか?
2016年にニンテンドー3DS向け配信ゲーム『名探偵ピカチュウ〜新コンビ誕生〜』がリリースされ、のちに単体のパッケージ版が発売されました。
本作では、主人公のティムが、行方不明になった父・ハリーを探すためライムシティを訪れ、ハリーの元相棒のピカチュウに出会うというシミュレーションゲーム。本筋こそ映画と同じ内容となっていますが、映画に登場しないエピソードやポケモンたちが多数登場するゲームとなっています。
またゲームと連動したフィギュアシリーズamiiboの名探偵ピカチュウも商品化されています。探偵帽を被った姿が可愛いピカチュウです。
しわしわ顔のピカチュウが人気になりグッズ化していた!
『名探偵ピカチュウ』を語る上で忘れちゃいけないのが、しわしわ顔のピカチュウです。
映画公開前の予告編に顔にしわを寄せたピカチュウの姿が話題となり、Twitterなどでしわしわ顔のピカチュウをテーマにした二次創作が多数制作されました。
その反響もあってか、映画公開時にはしわしわ顔のピカチュウがアイテム化!全国のポケモンセンター・ポケモンストアに映画の半券を持っていくと、しわしわ顔のピカチュウのステッカー全4種の中から1枚がもらえるというキャンペーンが行われました。
しかもそれだけではありません。ディスクリリース時には、先着予約購入特典にしわしわ顔ピカチュウの生写真4枚セットが用意されるという、謎の快挙を果たしました。
まとめ
以上、『名探偵ピカチュウ』の内容からトリビアまで一挙に紹介しました。
原作のゲームシリーズファンも納得の再現具合や、小ネタに溢れたポケモン愛に溢れた映画となっていました。ポケモンが好きなのにまだ観ていないは必見!忘れられない体験が詰まっているはずです!