映画『マスカレード・ホテル』のあらすじネタバレ|犯人の動機を徹底解説!
木村拓哉と長澤まさみのダブル主演で話題になった、映画『マスカレード・ホテル』。興行収入は46億円以上と大ヒット作品となりました。
東野圭吾さんの同名小説を原作としており、謎が謎を呼ぶ展開が見る者をどんどんストーリーに引き込んでいきます。あっと驚くシーンも多く、一度見終わった後に、思わず見返したくなる映画となっています。
ここでは映画『マスカレード・ホテル』のあらすじと、真犯人の動機や目的、暗号の謎などについて詳しく解説しています。1回見ただけではなかなか気づけない要素もあるため、読んでみるときっと新しい発見がありますよ!!
目次
映画『マスカレード・ホテル』について
映画『マスカレード・ホテル』は人気作家・東野圭吾さんのミステリー小説が原作。木村拓哉さんと長澤まさみさんがダブル主演ということで、公開前から大きな話題になっていました。
監督は映画『HERO』『本能寺ホテル』などを手がけた鈴木雅之監督。そのため、木村さんとは『HERO』に続き再びタッグを組むことになります。
ダブル主演の木村拓哉さんと長澤まさみさんを初め、小日向文世さん、濱田岳さん、前田敦子さん、笹野高志さん、高嶋政宏さん、生瀬勝久さん、菜々緒さん、松たか子さん、渡部篤郎さんと、日本を代表する豪華キャストが集結しています。
一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」で犯行を起こすことが予告され、それを防ぐために警察が潜入捜査に当たります。エリート刑事の新田(木村拓哉)は、ホテルマンの山岸(長澤まさみ)とぶつかり合いながらも協力して、事件の真相に迫っていきます。
10秒で分かる!映画『マスカレード・ホテル』の簡単なあらすじ
東京都内で3件の連続殺人事件が発生。すべての事件現場に謎の数字の羅列が書かれていたことから、警察は予告連続殺人と考え、捜査を開始します。警視庁捜査一課のエリート刑事の新田浩介(木村拓哉)は、4番目の犯行現場と考えられる「ホテル・コルテシア東京」や捜査にやってきました。
しかし、犯人の手がかりがないため、新田たちはホテルのスタッフに変装して、潜入捜査を開始します。新田はホテルのフロントマンに任命され、その教育係として山岸尚美(長澤まさみ)がつくことになったのです。
新田は警察の習性が抜けず、宿泊客に対して無礼な振る舞いをしてしまいます。それに対して、お客様第一と考えいる山岸は猛反発します。
最初はぶつかりあう新田と山岸でしたが、お互いのプロ意識を理解することで、だんだんと打ち解け始めます。そんな2人に対して事件は急展開を見せます。
映画『マスカレード・ホテル』のネタバレあらすじ
映画『マスカレード・ホテル』の細かいストーリーをネタバレありで詳しく解説していきます。伏線なども張り巡らされているため、一度見ただけだと気づかないような要素もあるかもしれません。
【あらすじ①】高級ホテルへの潜入捜査
連続殺人事件の次の犯行現場が高級ホテル「ホテルコルテシア東京」だと判断した警察は、対策本部を設置して、潜入捜査を行う。捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)はホテルマンを装ってホテルで捜査を始める。
そんな新田に対して優秀なホテル従業員の山岸尚美(長澤まさみ)が教育・指導につくことになった。まず山岸は新田の無愛想な態度や短気な性格を注意し、ボサボサだった髪を切らせ、ヒゲも剃らせることにした。
最初はさまざまなことで反発し合う2人であったが、お互いのプロ意識を目の当たりにして、だんだんと距離を縮めていくーー。
【あらすじ②】ホテルにやってきた1人の老婆
ホテルに片桐遥子(松たか子)という視覚に障害がある老婆がやってくる。新田は彼女の言動を観察しており、本当は目が見えるのではないかと考えた。しかし、山岸はたとえそうだとしても丁寧に接客すべきだと主張する。
片桐はホテルで用意された部屋に幽霊のようなものが見えるとクレームをつけ、部屋を替えてもらう。そうしてチェックアウトの際に実は目が見えるのだということを山岸に打ち明ける。彼女が目の見えない振りをしていたのは、近々やってくる予定の視覚障害者である夫の下見のためだった。片桐は山岸の丁寧な接客対応を絶賛する。
一方、新田は元相棒の刑事・能勢(小日向文世)と事件についての話をしていた。
新田は屋上に山岸を呼び出し、捜査関係者しか知らない極秘情報を話し始める。そして、宿泊客だけでなく、従業員も標的にされる可能性があることを伝えた。
【あらすじ③】厄介な客
新田は栗原健治(生瀬勝久)という中年男性の応対をすることになる。栗原は何かと新田に突っかかり、部屋を変えるように要求したり、パソコンのデータを打ち直させたりとたびたび理不尽な仕打ちをしてくる。新田は何とか怒りを押し殺し、栗原の要求に応えていく。
実は栗原は新田が高校生の時に学校にやってきた教育実習生だった。彼は帰国子女の新田から英語の発音を指摘されて、先生になることを諦めた過去があった。そのため、彼に対して無理難題をふっかけたのだった。
新田はこのやり取りをきっかけに以前の事件のアリバイを崩せることに気づく。そうして、事態は一気に展開を早める。
【あらすじ④】山岸の危機と事件の解決
能勢が再びやってきて、新田と事件の真相について話し合う。そうして、犯人の本当の目的が何なのかが分かる。それを聞いた山岸はお客様に危険が及ばないようにすぐに公開すべきだと主張するが、犯人を逃したくない新田は少し待ってくれと頼む。
そうして事件の当日、山岸は犯人によって部屋に閉じ込められてしまう。犯人は以前ホテルにやってきた老婆で、その正体は長倉麻貴という女性だった。彼女は昔、山岸にフロントで追い返された過去があり、その復讐として山岸を殺そうとしていたのだった。
新田は異変に気づき、山岸を探し始める。山岸は長倉によって注射器を押し当てられたが、そのとき新田がやってきて、無事山岸を救出。一度はその部屋を出た新田だったが、机にある文鎮がずれていることに気づき、ここに山岸がいると察したのだった。
犯人が逮捕されたことで、無事に事件が解決し、ホテルに設置されていた捜査本部も解散となった。捜査の間、ホテルマンとして働いていた新田は一礼して、元の生活に戻っていった。
後日、ホテルの総支配人が新田と能勢をホテル最上階のレストランに招待する。しかし、能勢は新田と山岸を二人きりにさせるため食事には急用が出来たといって帰ってしまう。こうして新田と山岸は2人で楽しいひとときを過ごすのだった。
映画『マスカレード・ホテル』のキャスト
『マスカレード・ホテル』には国内の豪華俳優が勢揃いしています。その中でもメインとなるキャストを紹介します。
新田浩介/木村拓哉
帰国子女で英語が堪能な捜査一課のエリート刑事です。優れた推理力を持ち、事件解決に大いに貢献します。ただし、身だしなみに関しては無関心のため、ホテルの指導役となった山岸から何度も叱られます。
短気で粗暴な行動も起こしますが、強い正義感を抱いています。山岸とは何度も衝突を繰り返しますが、だんだんとお互いのことを認め始めます。
主人公の新田浩介を演じるのは、元SMAPの木村拓哉さんです。さまざまな映画やテレビで今も大活躍している木村さんですが、意外にも刑事役を演じるのはこの『マスカレード・ホテル』が初めてでした。
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潜入捜査でやってきた新田の教育係となる山岸尚美はとても優秀なホテルマンです。総支配人からも一目置かれており、仕事中はお客様第一の丁寧な仕事ぶりを見せます。学生時代、ホテルに忘れてしまった受験のためのお守りを、ホテルの人に届けてもらったことに感銘を受けてホテルマンになりました。
粗暴な振る舞いを見せる新田とは何度も衝突しますが、彼の考え方を理解していき、信頼するようになっていきます。
山岸尚美を演じるのは、長澤まさみさんです。映画やドラマ、舞台と幅広く活躍している女優さんでテレビCMなどでもお馴染みです。
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新田の元相棒でとても頭が切れる刑事です。今回の捜査には直接関わることができなかったため、新田から情報収集しながら独自に調査を行います。上層部からの信頼も厚く、彼の推理は事件解決の鍵となりました。
能勢を演じるのは名バイプレイヤーとしても人気がある小日向文世さんです。ドラマ『HERO』では木村拓哉さんと共演経験があり、ドラマ『コンフィデンスマンJP』では長澤まさみさんと共演経験があります。そのため、本作でも息の合った演技を見せます。
栗原健治/生瀬勝久
やたらと新田に対して突っかかってくるホテルの客です。新田に対して無理難題をふっかけ、捜査の邪魔をしてきます。事件とはまったく関わりがなく、教育実習生として新田に会ったことがあるという過去がありました。そのときの復讐として、ホテルマンの新田に対して数々の嫌がらせをしてきます。
栗原健治を演じるのは、生瀬勝久さんです。俳優、タレント、司会者と、テレビや映画で大活躍しています。
片桐遥子/松たか子
ホテルにやってきた視覚障害がある老婆です。山岸のことを気に入り、何度も彼女のことを呼び出します。実は片桐遥子というのは偽名で、その正体は長倉麻貴という劇団に所属していた女性です。山岸に対して恨みがあり、今回の事件を引き起こしました。
片桐遥子を演じるのは、松たか子さんです。女優、歌手、声優とマルチに活躍している人気タレントです。ディズニー映画の『アナと雪の女王』では見事な歌声を披露しました。
『マスカレード・ホテル』の原作でのイメージもキムタク
『マスカレード・ホテル』の原作は、大人気作家・東野圭吾さんの長編ミステリー小説です。マスカレードシリーズの1作目で、続編として『マスカレード・イブ』『マスカレード・ナイト』がすでに刊行されています。『マスカレード・ナイト』は2021年9月に映画化されました。主演は前作と同じ、木村拓哉さんと長澤まさみさんです。
小説『マスカレード・ホテル』は出版されたときに、映像化の話が多く出ていたそう。しかし、すでに小説をシリーズ化することを考えていた作者の東野圭吾さんは、映像化によって小説のイメージが固定されてしまうのを懸念して、話を断っていたのだとか。
しかし主人公の新田は木村拓哉さんのことをイメージして書いていたことから、主演が木村さんならということで『マスカレード・ホテル』が映画化されたそうです。
また、舞台となる「ホテル・コルテシア東京」のモデルは、東京の日本橋にあるロイヤルパークホテルがモデルになっています。舞台セットは、エントランス、フロント、エレベーター、階段など、すべてが左右対称に作られており、シャンデリアなどの内装は海外から取り寄せた特注品になっています。『マスカレード・ホテル』のスタッフは、日本各地にある一流ホテルを研究して、この舞台セットを手がけたそうです。
『マスカレード・ホテル』真犯人の動機と狙い
事件の犯人は、目の不自由な老婆を演じていた長倉麻貴という女性でした。彼女は以前、劇団に所属しており、老婆役を得意としていました。
彼女は自分を捨てた元恋人である松岡高志とホテルに入ることを断った山岸のことを恨んでおり、復讐のため、殺害しようと考えていました。
長倉は、松岡の子供を妊娠していました。しかし、松岡は長倉と結婚する気などなく、彼女の元を去ってしまいます。松岡がホテルコルシア東京にいることを知った長倉は、彼の元を訪れようとしますが、ホテル側は宿泊客を守ることを優先し、彼女を部屋に案内しません。
仕方なく長倉はホテルの前で、松岡が出てくるのを待つことにします。しかし、激しい雨が降ってきて、身体を冷やしてしまった長倉は流産してしまいます。
自分を捨てた松岡と自分を追い返したホテルマンの山岸を恨んだ長倉は今回の計画を立てたのでした。
長倉の計画は山岸の殺害は連続殺人事件に、松岡の殺害は原因不明の事件として、警察の目を欺くことを目的としていました。そのため、殺したい人がいる共犯者を闇サイトで集めます。4人目の犯行の際に、披露宴会場に現れた女装男も警察の目をそちらに向けさせるための長倉の作戦でした。
長倉は自分が容疑者とならないように、他のダミー事件を誘発させ、警察を撹乱しつつ、完全犯罪を目論みます。しかし、暗号を新田に解かれてしまい、さらには最後の目的も彼に阻止されてしまうのでした。
事件の鍵となる暗号の意味
『マスカレード・ホテル』には、事件を解決する鍵として暗号が登場します。物語序盤で新田がその謎を解明しますが、あまり詳しく描写されなかったため、内容がイマイチ理解できなかった人も多いのではないでしょうか。
まず、それぞれの事件にどのような暗号があったのかまとめてみましょう。
X1:品川事件 暗号:45.761871 143.803944
X2:足立区事件 暗号:45.648055 149.850829
X3:江戸川区事件 暗号:45.678738 157.788585
X4:ホテル・コルテシア東京事件 暗号:46.609755 144.745043
この暗号を解く鍵は「経度と緯度」。暗号の数字から、日付を引くと、次に起こる事件の場所を表しています。このことに気づいた新田が、次の事件がホテル・コルテシア東京で起こると予測したのでした。
最初の品川事件は10月4日に起きています。
そこで、45.761871から10を、143.803944から4を引くと、「35.761871 139.803944」となり、次の足立区事件の経度と緯度が現れるようになっています。
さらにこれを進めていくと「X1⇒X2⇒X3⇒X4⇒X1」とループするようになっており、犯人の完全犯罪が完成する予定でした。
明石家さんまは『マスカレード・ホテル』のどこに出演している?
映画のエンドロールに「明石家さんま」と出てきて、驚いた人も多いのではないでしょうか。さんまさんと木村拓哉さんはプライベートでも仲が良いこともあり、友情出演で映画に登場しています。しかも、役名が「大竹」というのもさんまさんらしいですね。
エキストラ扱いでセリフなどもないため、気づかなかった人がほとんどだと思います。
さんまさんが登場するのは、ストーリー終盤のフロントです。グレーのスーツに黒のハットを被った男性がチェックアウトをしているのですが、これがさんまさんです。ちなみにこのとき「明石家さんま(友情出演)」とクレジットが出るので、それを目印にすると見つけやすいです。
さんまさんは長澤まさみに会いたかったため、木村拓哉さん経由で、映画に出してくれるように監督にお願いしたそうです。それで実際に出演してしまうのがすごいですね。
まとめ
豪華俳優陣が一堂に会した映画『マスカレード・ホテル』の紹介記事でした。たくさんの人物が登場し、伏線が張り巡らされているため、繰り返し見ることで新たな発見がありそうですね!