映画『ヒミズ』名言集 | 魂の叫びがあなたの心へ突き刺さる!
2012年1月14日に公開された映画『ヒミズ』。『冷たい熱帯魚』や『新宿スワン』などの話題作を生み出した園子温監督の作品です。
当時無名だった染谷将太さんや二階堂ふみさんの迫真の演技が注目された今作。「第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門」では、2人揃って新人俳優賞を受賞しました。世界からも高い評価を受けた作品です!
運命に翻弄される2人の中学生を描いたこの映画は、鑑賞後に考えさせられるような重厚な物語となっております。そんな『ヒミズ』に登場するセリフの中でも、登場人物達の熱い思いが込められた名言をご紹介します!
一度観たら忘れられない、衝撃作から生まれた名言をご堪能ください!
目次
- あらすじ
- 映画『ヒミズ』の胸に響く名言・名セリフ
- 【名言①】「ボート屋、ナメんな。普通、最高!」/住田祐一
- 【名言②】「もう普通じゃないね。親に捨てられて、学校行けなくなって、1日中働いてる中学生なんて、もう普通じゃないよ」/茶沢景子
- 【名言③】「俺の未来は誰にも変えられねえんだ。おめえらみたいなクズにはならねえ!俺はな、立派な大人になるんだ!」/住田祐一
- 【名言④】「おうガキだよ!ガキはガキなりに色々考えてんだよ!」/茶沢景子
- 【名言⑤】「本当にごめん。本当に俺、おまえいらねえんだよ。ごめんな」/住田の父
- 【名言⑥】「俺がこの金で、あの子に未来を託したいんだ!」/夜野正造
- 【名言⑦】「ありがとう茶沢さん。俺はこれでよかったのかもしれない。ごめんね。いつも心配ばかりかけて」/住田祐一
- 【名言⑧】「ある時、ふと幸せを感じて私達に、この世に生んでくれてありがとうって心から思うの」/茶沢景子
- 【名言⑨】「住田君!呪いの石、ポケットいっぱいにたまったら、投げつけるって言ったよね?」/茶沢景子
- 【名言⑩】「住田がんばれ!夢を持て!世界にたった1つの花よ!」/茶沢景子
- まとめ
あらすじ
舞台は東日本大震災で被害を受けた小さな町。ボート屋で暮らす中学生・住田祐一(染谷将太)は、夢を持たず普通に生きたいと切に願う少し変わった少年だった。そんな住田へ強く惹かれている同級生・茶沢景子(二階堂ふみ)は、強引に距離を詰めようとするが一向に相手にされない。
ある日、住田の母親(渡辺真起子)が男(モト冬樹)と逃亡し、突然姿を消してしまう。ショックを受けながらも、学校をやめてボート屋で働くことを決意した住田。茶沢は住田を心配し、無理やりボート屋で働き始めるように。2人は激しくぶつかり合いながらも、不思議な関係を築いていく。
そんな中、借金まみれの父親(光石研)が金をせびりに住田の元へやって来る。「お前いらねんだよ。」と暴言を言われ、精神的に追い詰められていく住田。そして耐えきれなくなった住田は激昂し、父親を殺してしまう。普通ではなくなってしまった住田は絶望し、徐々に危ない道へと足を踏み入れていき……。
映画『ヒミズ』の胸に響く名言・名セリフ
出典:映画『ヒミズ』予告編
『ヒミズ』に出てくる言葉は、ストレートな熱いセリフや詩のような美しさのある名言など多種多様です。また、何気ない会話が最後に生かされていたりするので、伏線の回収にも注目です。
今回は、そんな『ヒミズ』の中でも、印象的な名場面で発される名言を解説と共にご紹介します!
あなたの心を揺さぶる名言が、きっと見つかるはず!
【名言①】「ボート屋、ナメんな。普通、最高!」/住田祐一
「この世に、たった一つの花は……夢を持つ!」と熱く夢を語る教師に、住田が声高々と叫んだのがこのセリフです。住田にとって一番の幸せは普通に暮らすこと。しかし、子供に無関心な母親とアルコール中毒で借金まみれの父親を持つ住田には普通の暮らしさえありませんでした。そんな住田の心の叫びがこの言葉に表れています。
この言葉に感銘を受けたのは、同じ様な境遇の茶沢。普通じゃない2人が普通に生きようともがく今作を象徴した名言となっております!
【名言②】「もう普通じゃないね。親に捨てられて、学校行けなくなって、1日中働いてる中学生なんて、もう普通じゃないよ」/茶沢景子
母親が恋仲の男と出ていったせいで働かなければいけなくなった住田。そんな住田の様子を見にボート屋へ来た茶沢が言った言葉です。誰よりも普通の生活を望んでいるのに普通からかけ離れていく住田を心から心配する、茶沢のまっすぐな優しさが分かるセリフですよね!
また、この言葉に住田が返す「俺はぎり、普通だと思ってるけどね。」というセリフも、2人の絶妙な距離感を表しています。
【名言③】「俺の未来は誰にも変えられねえんだ。おめえらみたいなクズにはならねえ!俺はな、立派な大人になるんだ!」/住田祐一
父親の借金の取り立てに来たヤクザへ住田が言うセリフです。住田は、両親のような大人にならないと反面教師で生きていました。「普通の暮らしができるまともな大人になりたい。」そんな住田の強い願望がこの言葉に込められています。心からの思いを叫ぶ住田の姿は、観ていて心が揺さぶれること間違いなし!恵まれない境遇に真っ向から逆らおうとする住田の力強い名言です。
【名言④】「おうガキだよ!ガキはガキなりに色々考えてんだよ!」/茶沢景子
住田のためのお金を母親に盗られそうになった茶沢が言うセリフです。いつも明るく接していた茶沢でしたが、実は住田と同じ様に親から暴力を振るわれていました。そんな似た境遇だったからこそ、茶沢は住田に惹かれていたのです。子供ながらに自分ができることを考え、必死に住田を助けようとする茶沢の覚悟が伝わってくる名言となっております!
【名言⑤】「本当にごめん。本当に俺、おまえいらねえんだよ。ごめんな」/住田の父
金をせびりに来た住田の父親が言ったセリフです。住田の父親は息子を自殺に追い込み、保険金を手に入れようとしてました。そんな父親の気持ちを、残酷なほどストレートに表現した言葉となっております。
また、住田が父親への殺意が爆発させる引き金となったのがこのセリフです。今作を語る上で欠かせない、印象的な名言ではないでしょうか!
【名言⑥】「俺がこの金で、あの子に未来を託したいんだ!」/夜野正造
震災で何もかも失い、住田のボート屋の近くで暮らさせてもらっているホームレスの夜野正造(渡辺哲)は、犯罪に手を染めてお金を手に入れ、住田の父親が残した借金を肩代わりしました。「なぜそこまでして住田を助けるのか。」と聞かれた夜野が口にするセリフです。夜野は、老いてしまった自分にはもう未来がないと気づいていました。それなら、親切にしてくれた住田へ未来を託したいと思い、犯罪を犯したのです。夜野の抱く切実な思いをひしひしと感じる名言となっております!
【名言⑦】「ありがとう茶沢さん。俺はこれでよかったのかもしれない。ごめんね。いつも心配ばかりかけて」/住田祐一
住田から「父親を殺した。」と告白された茶沢は警察に話をつけ、「明日2人で自首しに行こう。」と諭しました。そこまでして自分を想ってくれる茶沢に住田が感謝の気持ちを伝える名言です。ずっと弱さを見せなかった住田の気持ちを、飾らない言葉で表現しているこのセリフ。ずっと大人びた言動が多かった住田が、初めて素直になる感動の名場面です。
【名言⑧】「ある時、ふと幸せを感じて私達に、この世に生んでくれてありがとうって心から思うの」/茶沢景子
茶沢が住田に将来の夢を語りながら言ったセリフです。茶沢は、住田と結婚して子供を生み幸せな家庭を築きたいと話しました。自分が親から愛されなかった分、子供ができたら心から愛してあげたい。そんな茶沢の優しい思いが、この言葉に表れています。ただ一途に住田を愛し続ける茶沢の魅力的な人柄を感じますね!
【名言⑨】「住田君!呪いの石、ポケットいっぱいにたまったら、投げつけるって言ったよね?」/茶沢景子
銃声を聞き、ボート屋の池で住田が自殺をしたと勘違いした茶沢が言うセリフです。茶沢は住田にむかついた度に石を拾って、「ポケットいっぱいに溜まったら全部投げつけてやる!」と言っていました。茶沢はその石を、自分を置いて自殺した住田への悲しみや怒りをぶつけるように池へ投げるのです。住田を心から想っていたからこそ生まれた、茶沢らしい名言ではないでしょうか!
【名言⑩】「住田がんばれ!夢を持て!世界にたった1つの花よ!」/茶沢景子
自殺を踏みとどまり、警察へ自首しに行くことを決意した住田。そんな住田の隣を走りながら、茶沢が精一杯叫ぶのがこのセリフ。何度も何度も「頑張れ!」と繰り返す、とても印象的なシーンです。最初のシーンでは全く心に響かなかった教師の言葉を茶沢は叫びます。様々な経験を通して、初めて夢を持つ大切さを知った2人。そんな2人が小さな希望に向かって走っていく姿と力強い名言が融合する今作屈指の名場面となっております!
まとめ
『ヒミズ』に登場する名言をご紹介しました。大人に翻弄されながらも必死にもがく、生命力に溢れた住田と茶沢のセリフはどれも心に残る名言でしたね!
虐待や殺人など難しい題材を真っ向から描きながら、最後は希望の残る終わりを迎える今作。何度見ても新たな発見や解釈が生まれる名作です。
魅力的な登場人物達の熱い言葉に注目して鑑賞すると、また違った楽しみ方ができるかもしれません!