映画『IT(イット)』ネタバレあらすじ | ペニーワイズの正体は?恐怖の世界を徹底解説!
1990年にTVシリーズ化されて以降、世界中を震撼させ、「ピエロ恐怖症」なるものまで生み出してしまったホラー映画の金字塔『IT』。それから長い時経て、2017年にそのリメイク版である初の劇場版映画『IT/“それ”が見えたら、終わり』が公開されました!
本作は世界中で数々の記録を塗り替え、観客のみならず批評家からも高評価を得ました。この記事では、あらすじや人気の秘密、考察、小ネタなどをネタバレ全開で徹底解説していきます!
目次
映画『IT(イット)』はなぜ全世界に注目されているのか!?
出典:Amazon.com
巨匠 スティーブン・キング原作を忠実に映画化
『シャイニング』『スタンド・バイ・ミー』『キャリー』といった名作映画の原作者であり、世界的に人気なモダンホラー小説家スティーブン・キング。本作は、彼の同名小説が原作になっています。
スティーブン・キングの小説には、先程挙げた『スタンド・バイ・ミー』のように、子どもたちが大人になる日を描いた作品が多く見られます。『IT/それが見えたら、終わり』では、子どもたちが、恋愛、友情、葛藤を経て親から離れ、大人になる過程で乗り越えなければならない壁としてペニーワイズというピエロが立ちはだかります。
つまり、青春映画の爽やかな要素が入ったホラー映画という斬新な作品なのです。
さらに、映画『IT』シリーズは二部構成となっており、本作はその第一部です。二部目は大人になった登場人物たちが、再びペニーワイズに立ち向かうという物語になっており、今後どのようにシリーズが展開していくのかが楽しみですね!
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1990年に映像化された『IT』のリメイクということで、本作への期待は凄まじいものでした。予告編が公開されるやいなや、その再生数は24時間で1億9,700万回を超え、当時2位だった『ワイルド・スピード ICE BREAK』の1億3,900万回再生という数字を大幅に更新しました(2022年現在は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に塗り替えられてしまいました)。
世界の『IT』に対する期待度が伺えますよね。
根強いピエロへの恐怖心
みなさんは「ピエロ」に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。愉快な道化師?それとも不気味な存在?どうやら、アメリカではピエロは恐怖の対象のようです。
1990年、『IT』はTVシリーズ化され、小説が初めて映像になりました。その時、ティム・カリーが演じたペニーワイズは当時としては非常に衝撃的なビジュアルだったため、多くの子供たちにトラウマを植え付けました。結果、ペニーワイズという恐ろしいピエロ像が独り歩きし、TVシリーズや原作に触れていない人たちでも、「ピエロ=恐い」というイメージが強くなってしまったのです。
ちなみに、原作者であるスティーブン・キングは、ピエロがそのようなイメージになっていることを嘆いており、ピエロは善良で人々を笑顔にしてくれる存在であると主張しています。(それに対し、世間では「誰のせいだと思っているんだ!」という意見が多く見られました)
ペニーワイズが大人気に
『IT』への期待といえば、やはりペニーワイズのビジュアル。新ペニーワイズのメイクのイメージが、初めてお披露目された時、『スター・ウォーズ』やマーベル作品をしのぐアクセス数となりました。
1990年版のペニーワイズはティム・カリーが演じ、普通のピエロメイクでしたが、そのビジュアルは衝撃的なものでした。リメイク版のペニーワイズは特殊メイクで、よりイメージに近いピエロとなりました。
恐怖の対象であるペニーワイズですが、その人気は相当なもので、その年のハロウィンではペニーワイズのマスクが最も人気となりました。また、コメディ番組でもトランプ大統領の顧問ケリーアン・コンウェイがペニーワイズの仮装をしたりと、世界で最も親しまれる恐怖のピエロなのです。
映画『IT(イット)』の主な登場人物
ぺニーワイズ(ビル・スカルスガルド)
子供たちにしか見えない不気味なピエロ。デリーの町に古くから存在しており、町の子供たちをどこかにさらって行ってしまう。
ビル・デンブロウ(ジェイデン・リーバハー)
吃音症の少年。「ルーザーズ(負け犬)クラブ」のリーダー。幼い弟が行方不明になっているが、弟はまだ生きていると信じて探し続けている。みんなからはビリーと呼ばれている。
ベバリー・マーシュ(ソフィア・リリス)
赤毛の少女。大人びた雰囲気で、クラスメイト達からあらぬ噂を立てられている。トイレでタバコを吸ったりと不良な一面も。父親から性的暴行を受けている事が示唆されている。
リッチー・トージア(フィン・ウルフハード)
ビルの親友。特徴的なビン底眼鏡をかけている。おしゃべりで楽観的な性格。冗談をよく言うムードメーカー的存在。
スタンリー・ユリス(ワイアット・オレフ)
ユダヤ系のひょろひょろした少年。厳格なラビ(ユダヤ教の指導者)の父親を持ち、トーラー(聖典)を覚える日々を過ごす。
エディ・カスプブラク(ジャック・ディラン・グレイザー)
喘息持ちの少年。過保護の母親を持ち、常備薬を持ちながら行動する。
ベン・ハンスコム(ジェレミー・レイ・テイラー)
転校してきたばかりの太った少年。内向的な性格だが、ベバリーに話しかけられたことで彼女に好意を抱くようになる。詩的な才能があり、たまにポエムをしたためる。街の秘密を調べている。
マイク・ハンロン(チョーズン・ジェイコブス)
アフリカ系の黒人の少年。家業である屠殺業を手伝いながら、学校に通う。優しい心の持ち主で、なかなか牛を殺せないでいる。不良達によく絡まれる。
『IT(イット)』のネタバレあらすじ
それでは早速、『IT(イット)』のあらすじをネタバレ有で解説していきます!
【ネタバレあらすじ①】1988年10月 ある雨の日
その日、デリーの町は大雨が降っていた。風邪で寝込んでいた兄のビリーは、弟のジョージに紙でできたボートを作ってプレゼントする。水に濡れても大丈夫なよう、ワックスを塗った「ジョージ号」だ。喜んだジョージは黄色のレインコートを着込み、大雨が降るなか遊びに行ってしまう。ジョージはしばらくボートを道の水たまりに浮かべて遊んでいたが、水の流れでボートが側溝に入ってしまう。
側溝を覗き込むと、そこにいたのはボートを持った不気味なピエロ「ペニーワイズ」だった。しばらく楽しく話していたが、「もう帰らないと」とジョージが言うと、ペニーワイズはボートを返そうとする。ジョージが手を伸ばした瞬間、ペニーワイズはジョージの腕を食いちぎり、側溝に引きずり込んでしまった。その叫び声は雨の音にかき消され、誰にも届くことはなかった。
【ネタバレあらすじ②】“ルーザーズ・クラブ”の恐怖
ジョージが行方不明になって八ヶ月が経とうとしていた。デリーの街では子どもたちが行方不明になる事件が多発し、警察も学校に警戒を呼びかけていた。
ビリーはジョージのことを諦めきれず、一人で探す日々だった。そんな彼にも夏休みがやってくる。ビリー、リッチー、スタンリー、エディの仲良し四人組は夏休みを満喫しようとするが、上級生の不良たちに絡まれてしまう。
転校してきたベンも同じようにいじめられており、図書館で一人過ごす日々だった。そんな彼は、初めて話しかけてくれた赤毛の少女ベバリーに一目惚れしてしまう。しかし、ベバリーもまた、同級生の女子からいじめられているのだった。黒人のマイクも、屠殺場で働いていることによっていじめられていた。
この子どもたちには、それぞれ恐れているものがあった。
マイクは両親を火事でなくしており、火を恐れていた。スタンリーは自宅の教会にある不気味な女性の絵、エディは疫病患者が恐怖の対象だった。
ある日、図書館を出たベンは上級生に目をつけられ、暴行を受ける。崖を滑り落ちてなんとか逃げた先で出会ったのは、ビリー、リッチー、スタンリー、エディの四人だった。四人は怪我をしているベンを見かねて治療することに。しかし薬を買うお金もなく、右往左往していると、生理用品を買いに来たベバリーと偶然出会う。彼女が店主の気を引くことにより、万引きに成功する。かくして6人は仲良くなり、「ルーザーズクラブ」を結成する。
【ネタバレあらすじ③】デリーの歴史
一同はベンの話に興味を持つ。ベンは一人でいることが多かったため、図書館に入り浸っていた。彼はデリーの歴史について調べるうちに不可解な事件が多発していることに気づく。彼いわく、デリーの街では昔から殺人や火災が多く、その数字は他の州の平均の6倍にもなるという。しかし、この数値は大人の事件に限った話で、子どもに関する事件については、その比ではないほど事件が起きていた。特に行方不明者が数多く出ていると聞き、ビルたちはジョージの事を思い出す。
その日、ベバリーはバックの中にポストカードを見つける。父に見つからないようバスルームでそれを読むベバリー。彼女の瞳と髪の美しさを表現した詩が書いてあり、ベバリーは嬉しい気持ちになる。すると、洗面台から彼女を呼ぶ声が聞こえる。ベバリーが排水溝を覗くと、いきなり髪の毛が噴き出し、首や手に巻きつく。次の瞬間、洗面台から血が噴き出し、バスルームは血の海に。叫び声を聞いて父親が駆けつけるが、彼には血が見えてないようだ。
同じ夜、ビリーは家の地下室でジョージの幻影を見る。それはペニーワイズに姿を変え、不気味な笑いを残して消えていった。
次の日、ベバリーは父のいない間、ルーザーズクラブを家に招く。バスルームの血は残っており、ビリーたちにも見えたため、子どもにしか見えないものだと判明する。
ベバリーの家を後にし、それぞれがペニーワイズを見たことを告白する中、マイクが不良たちに暴行を受けているのを見かける。正義心の強いベバリーは助けるべきだと駆け出し、それに続いたルーザーズは応戦、不良たちは数の不利から逃げ出す。助けてもらったマイクは礼をいい、ビリーの誘いによってルーザーズクラブの一員となる。
【ネタバレあらすじ④】「井戸の家」にふみこむも…
街の歴史を調べていたベンは、今まで調べた資料を元にある仮説を立てる。1908年の復活祭での爆発事故、1935年の町人の大量失踪、1962年の居酒屋での事件。「それ」は27年おきに目覚め、事件を起こしているのではないかということだ。
ビリーの家のガレージに集まった一同は、過去に事件が起きた場所と街の地図を映写機で重ねる。すると、その中心にある「井戸の家」の存在に気づく。その場所は、以前エディが疫病患者を見た場所だった。すると映写機が勝手に回りだし、母親の写真がペニーワイズの顔になっていく。
急いで映写機を蹴倒し、電源を切るが止まらない。次の瞬間、ペニーワイズが画面から飛び出し、ベバリーに襲いかかる。間一髪でブラインドを開けるとそこには何もいなかった。一同はペニーワイズが自分たちのことを狙っていると確信し、ペニーワイズと戦うために「井戸の家」に向かうのだった。
「井戸の家」にたどり着いたルーザーズは、くじで入る人を決め、ビリー、リッチー、エディの3人が入ることに。奥に入ると、3人はそれぞれ離れ離れになってしまう。エディは足を踏み外して落下、骨折してしまう。ビリーとリッチーはペニーワイズに襲われるが、ベバリーの応戦により、撃退する。
迎えにきたエディの母は激怒し、ルーザーズと絶交宣言をする。他のメンバーも意見の相違で仲違いしたまま解散してしまう。
一方、ペニーワイズは、ルーザーズをいじめていたヘンリーに狙いを定める。強権的な父を持つヘンリーは、父親の存在を疎ましく思っていた。彼はペニーワイズにそそのかされるままナイフを取り出すと、父親を殺してしまう。
ペニーワイズの次の標的はベバリーだった。ベバリーはラブレターを見つけた父に問い詰められる。耐えきれなくなった彼女は、トイレの蓋で父を殴り殺してしまう。そしてその直後に現れたペニーワイズにさらわれてしまうのだった。
【ネタバレあらすじ⑤】下水道での戦い
ベバリーが連れ去られたと知ったビリーはルーザーズに再結成を呼びかける。再び「井戸の家」に集まった一同。井戸に降りようとするが、そこにヘンリーが乱入。マイクと取っ組み合いになるが、混戦の末、ヘンリーは井戸の底に落下してしまう。
一同が井戸の最深部に着くと、そこには宙に浮かんだおびただしい数の子どもたちがいた。その中にベバリーの姿を見つけ、急いで下ろすが、放心状態で意識がない。ベンが抱きしめてキスすると、ベバリーは目を覚ました。目覚めたベバリーは詩を送ったのがベンだとようやく気づく。
ビリーは行方不明になった弟ジョージの姿を見つける。家に帰りたいと言って泣く弟に対し、ビリーは屠殺用の銃を彼の眉間に撃ち込む。するとジョージの姿がみるみるうちにペニーワイズになり、ルーザーズに立ちはだかる。ペニーワイズはそれぞれの恐怖の対象を繰り出し、子どもたちを恐怖に陥れようとするが、結束したルーザーズにもはや恐怖はない。
自分の攻撃が全く通じない子どもたちにペニーワイズはたじろぎ、井戸の中に隠れる。するとその頭部が砕け、同時に井戸の底に落ちていったのだった。ペニーワイズが去ったことにより、浮かんでいた子どもたちが降りてくる。ジョージの黄色いレインコートを手に取り、彼の死を受け入れたビリー。ルーザーズたちは泣き崩れる彼を優しく抱きしめるのだった。
【ネタバレあらすじ⑥】誓いと別れ
ペニーワイズとの死闘を繰り広げた夏休みが終わり、新学期が始まった。ビリーたちはひとつ上の学年になる。再び集合したルーザーズはあの日のことを話し出す。ペニーワイズが本当に消滅したかどうかが分かるのは27年後、つまり彼らが40歳になる時だ。
ビリーは「もしも、それが生きていたら、僕らも戻ろう」と誓う。そして7人はガラス片で自らの手のひらに傷をつけ、輪になって手をつなぎ、誓いを立てる。一人また一人と去っていく仲間たち。最後に残ったのは、ビリーとベバリーだった。
ベバリーは親族にひきとられ、デリーとは遠く離れたオレゴン州のポートランドに行くと打ち明ける。別れを告げ、立ち去ろうとするベバリー。ビリーは彼女を走って追いかけ、キスをする。少し恥ずかしそうにキスを返すベバリー。子どもたちの少年時代が終わりを告げた。
『IT(イット)』のストーリー解説と考察【ネタバレ有!】
【『IT(イット)』考察①】“IT”と表現される意味とは!?
本作では、「ペニーワイズ」という固有名詞は登場せず、子供たちはそのピエロを「IT(それ)」と呼びます。アメリカでは、鬼ごっこにおける鬼を”IT”と呼称するため、このタイトルが付けられたとの意見もあります。ペニーワイズが下水道でベバリーを怖がらせる時に、人差し指を額の上に立てて踊るシーンがありましたが、あれは鬼(デーモン)の角を意味しています。
また、ペニーワイズは子どもたちに合わせ、その人自身が最も恐怖を感じる対象に化けるため、それは人間にもなり、怪物にもなります。姿の定まらない不気味なものを指す「それ」という意味もあります。
【考『IT(イット)』察②】なぜ子どもだけが…ピエロとの関係は!?
本作の原作者であるスティーブン・キングの作品で『スタンド・バイ・ミー』という作品があります。少年たちが通過儀礼を経て大人になるという趣旨は『IT』と非常に似通っています。
ルーザーズクラブの親たちのように、『IT』に出てくる大人たちは、子どもたちに無関心です。それに対し、子どもは想像力豊かな存在として描かれ、それ故に怪物という恐怖の対象を作り出してしまいますが、それを倒せるのもまた、怪物を見ることができる子ども自身なのです。
【『IT(イット)』考察③】べバリーはなぜ助かったのか!?
作中で、ペニーワイズに唯一屈しなかった子どもがいます。それはルーザーズクラブの紅一点であるベバリーでした。不良たちに暴行を受けるマイクを助けようといち早く駆け出したのも彼女でした。
しかし、彼女にも恐れているものがありました。それは父親です。直接的な描写はありませんが、性的暴行を受けていることを示唆する場面があり、美しい赤毛も父親に触られたという理由で切ってしまいました。彼女は父親の強権的な態度と行動が許せず、殴り殺してしまいます。
下水道でペニーワイズが彼女だけは殺せなかったのも、既に父親という恐怖を克服した彼女には幻影が全く効かなかったからです。
【『IT(イット)』考察④】ペニーワイズの正体は?
結局、ペニーワイズの正体とはなんなのでしょう?
明確な正体は不明ですが、原作では、数十億年前に宇宙または別次元から地球にやってきたオレンジ色の光を放つ生命体として描かれています。下水道でベバリーを宙を浮かせた時に、口からオレンジ色の光を放っています。
ピエロの姿は仮の姿であり、本作にも描かれているように、色々な姿に擬態します。海外の伝説における悪魔の特性と同じく、銀や聖水が弱点という描写もあります。
『IT(イット)』の撮影秘話
【撮影秘話その①】原作とは違った設定
原作者も絶賛の年代設定
原作では、ルーザーズクラブのこども時代は1950年代という設定です。これは原作者のスティーブン・キングが幼少期を過ごした時期です。
リメイクするにあたり、本作では1980年代が舞台となりました。その理由の一つとして、続編を作るにあたり、1980年代から27年後がちょうど現代となり、リアルタイムを舞台にすることができるからでしょう。
これに対し、スティーブン・キングはインタビューで、「監督は80年代の子供達の世界をリアルに描いている。私は80年代に自分の子供を育てているので、その時代をもう一度生きているかのような感覚に陥った。」と絶賛しました。
“亀”の存在
本作では、子どもたちが自分たちでペニーワイズを攻略しますが、原作では少し異なる点があります。「それ」と対決するにあたり、子どもたちにアドバイスをくれるのは、「それ」の天敵である「亀」です。この亀は同じくスティーブン・キング作の『ダークタワー』にも登場し、200億年生きる神のような存在であり、混沌と秩序を保っています。
原作では、子どもたちはこの亀の力を借りて「それ」と対決します。
本作ではそのような亀は登場しなかったものの、弟ジョージの幻影が亀のおもちゃを持っていたり、川遊びしている最中に亀を見つけたりしていましたよね。
“大人になる”儀式の描写
本作で重要となる描写は、「大人になる」ということです。この通過儀礼の描写はスティーブン・キング作品でも最も重要な要素の一つであり、彼の作品で多く見られます。ルーザーズクラブの面々はそれぞれコンプレックスやトラウマを抱えており、それを乗り越えることで子どもは大人になります。ペニーワイズとの対決のときにそれが化けていたのが各々の恐怖の対象でした。
しかし、原作ではもう少し過激な通過儀礼の描写があります。ペニーワイズを倒したあと、下水道に閉じ込められたルーザーズクラブ。その危機を脱するためにベバリーがとった行動はなんと、他の6人全員と性行為をすることでした。
処女のベバリーにとって性行為は未知のものであり、恐怖の対象だったわけです。流石に映像にするには過激すぎるため、ドラマ版でも劇場版でも映像化されることはありませんでした。
【撮影秘話その②】ペニーワイズの目に注目!
予告編が公開されたときから、ペニーワイズのビジュアルは話題となりました。演じたのはビル・スカルスガルドというスウェーデン出身の俳優です。192cmとモデル顔負けの高身長に小顔、端正な顔立ちに美しいグリーンの眼、と恐ろしいピエロ姿からは想像できないほどのイケメンです。
ペニーワイズの特徴的なパーツといえば、違う方向を向いた目ですよね。実はこの左右別方向を見る目、特殊メイクではなくビル本人の特技なのです。監督から目の特殊メイクを申し出たところ、「それならできるよ」とやってみせたそうです。特徴的な口の形も彼の特技です。まさに、彼以上のペニーワイズ役はいないと思えるエピソードですよね。
【撮影秘話その③】撮影現場で本物の恐怖を…!
アンディ・ムスキエティ監督の「子役たちがリアルに怖がっているところを撮りたい」という要望で、ペニーワイズ役のビル・スカルスガルドは、特殊メイクをする間、ルーザーズクラブの子役たちとは一切接触しなかったそうです。
撮影本番当日、エディにペニーワイズが襲いかかるシーンで、ビルは「やべぇ、今この子にめちゃめちゃトラウマ与えてるわ」と思いながら演じたそうです。カットがかかった後、エディ役のジャックに「大丈夫だった?」と聞くと、「とても良かったよ!君の役作りはサイコーだ!」と絶賛してくれたそうですよ。
『IT(イット)』続編の公開が決定!
『IT』シリーズは二部編成となっており、2019年には続編である『IT/THE END “それ”が見えたら、終わり。』が公開されました。ルーザーズクラブの子どもたちを演じる俳優は全員続投、ペニーワイズ役もビル・スカルスガルドが演じています!
さらに、大人になったルーザーズクラブはジェームズ・マカヴォイやジェシカ・チャステインといった実力派有名俳優たちが演じるという豪華っぷりです。
あれから27年後、ルーザーズたちはどのようにして集まるのか?ペニーワイズは再び現れるのか?もう『IT』から目が離せませんね!
出典:映画『IT/THE END “それ”が見えたら、終わり。』予告編
まとめ
映画『IT』シリーズのあらすじや裏話、原作との違いをご紹介しました。原作を読んだり、ドラマ版を見て比較するもよし、リメイク版を徹底的に考察して続編にのぞむもよし、とにかく甘酸っぱくて怖~い名作です!続編に備えて是非復習してみてくださいね!