不朽の名作『オペラ座の怪人』あらすじ紹介 | 映画のみどころや楽曲を徹底解説

映画を観たことはなくても、『オペラ座の怪人』というタイトルを知っている人や曲を聴いたことがある人は多いのではないでしょうか。バラエティーといったテレビ番組のBGMなどで使われるほど、メジャーな楽曲になっています。

『オペラ座の怪人』という物語は非常に人気で、これまで9回も映画化されてきました。ブロードウェイや劇団四季でのミュージカルでも、看板を張るほどの人気ナンバーです。この記事では、イギリスの作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーが作り出したミュージカルを完全再現した、2004年版の映画『オペラ座の怪人』のあらすじや魅力、見どころについて徹底的に解説していきます。ストーリーを知らない人や、観るか迷っている人は記事を参考にしてみてください。

多くの名曲を生み出した『オペラ座の怪人』について

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:ギャガ株式会社公式Twitter

『オペラ座の怪人』の原作は、フランスの作家ガストン・ルルーによって1909年に書かれた小説です。新聞記者でもあったルルーが実際にパリのオペラ座について詳しく研究・取材し、当時噂になっていた幽霊話や実際の事件などを織り交ぜた疑似ノンフィクションのミステリーロマンスになっています。

アンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲を手がけたミュージカルを1988年にブロードウェイで行い、多くの賞を受賞しました。また、ブロードウェイ史上最長のロングラン公演作品となっており、2012年には、史上初のブロードウェイ公演1万回を達成しました。日本版のミュージカルはすべて劇団四季による公演です。日本各地の劇場で期間限定で公演しているので、ミュージカル版が気になった人はぜひ劇団四季の公式サイトで確認してみてください。

世界中での総合興行収入は史上最高の56億ドルで、ブロードウェイにとっては『オペラ座の怪人』が最も経済的に成功したエンタテイメント・イベントとされています。

10秒で分かる『オペラ座の怪人』の簡単なあらすじ

映画『オペラ座の怪人』予告編

舞台は19世紀後半のパリ・オペラ座。そこには「オペラ座の怪人」という幽霊が出ると劇団員の間で囁かれていた。音楽の天使の存在を夢見る、若く美しいコーラスガールのクリスティーヌは、プリマ・ドンナの代役として舞台に立ち、そこで幼馴染のラウルと再会。しかし、クリスティーヌはラウルが目を離した隙に失踪。白い仮面をかぶった男に、オペラ座の地下へと連れ去られてしまった。

彼こそ、クリスティーヌが夢に見ていた音楽の天使の正体で「オペラ座の怪人」だったのだ。怪人は、クリスティーヌこそが自分の崇高な音楽を理解し、再現できると信じて彼女をプリマ・ドンナにしようとする。その裏で、クリスティーヌを我が物にしようと異常に執着しているのだった……。

『オペラ座の怪人』ネタバレあらすじ

ここからは『オペラ座の怪人』の細かいあらすじを、ネタバレありで紹介していきます。怖くも哀しい三角関係のストーリーが好きな人や、心震えるような音楽が聴きたい人にはおすすめの作品です。

【あらすじ①】クリスティーヌと音楽の天使

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

1870年、オペラ座にフィルマンとアンドレが新たな支配人として就任したが、そこは「オペラ座の怪人」と呼ばれる幽霊が支配している芸術の舞台だった。プリマ・ドンナのカルロッタが歌おうとするとなぜかセットが崩れ、怒ったカルロッタは舞台を降りる。その代役として指名されたのは、コーラスガールの若く美しいクリスティーヌだった。

クリスティーヌの初舞台は大成功だった。公演を観に来ていたラウル子爵は、クリスティーヌの幼馴染で、再会した2人は当時の幼い恋心を再燃させる。ラウルがクリスティーヌを夕食に誘うと、「音楽の天使は厳しいの」と断ろうとする。「音楽の天使」とは、クリスティーヌだけに聞こえる謎の声で、彼女は死んだ父親がつかわせてくれたと信じてやまなかった。

クリスティーヌの忠告を無視し、ラウルが馬車を呼びに行った間に、クリスティーヌは怒りに満ちた天使の声を聴く。許しを乞うと、自室の鏡に白い仮面をかぶった男が映り込んでいた。クリスティーヌはその魅力的な声に誘われるように、オペラ座の怪人(ファントム)の手を取ってしまう。

【あらすじ②】恐怖に立ち向かうために愛を誓い合う2人

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

ファントムに連れてこられた地下で、クリスティーヌは彼の崇高の音楽に心震わせていた。そしてウェディングドレスを着た自分の蝋人形を目にして、気を失う。そんなクリスティーヌを、ファントムは灼けるような熱い視線で見つめていた。

目を覚ました後、クリスティーヌは好奇心に負けて彼の仮面を剥いでしまう。激昂したファントムは「一生ここに閉じ込めてやる」と怒鳴ったと思いきや、泣きながら美への憧れを告白する。クリスティーヌは、醜い見た目を隠すために生きてきた哀れなファントムに同情しようとした。

クリスティーヌがいないオペラ座には、ファントムからの脅迫の手紙が届いていた。「カルロッタを辞めさせ、クリスティーヌをプリマ・ドンナに」「月12万フランの給料をファントムに支払え」という狂気じみた手紙に、ラウルや支配人たちは困惑した。

支配人はファントムの脅迫を無視して、カルロッタをプリマ・ドンナとした。しかし『イル・ムート』の公演中、カルロッタの声が潰され、大道具係のブケーの死体がオペラ座に吊るされた。手段を選ばないファントムへの恐怖で震えるクリスティーヌを、ラウルが優しく抱きしめた。そして2人は確かめ合うように愛を誓う。物陰でファントムが聞いていることも知らずに……。

【あらすじ③】愛を誓った2人を引き裂こうとする怪人

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

3ヶ月後、オペラ座で仮面舞踏会が開かれた。ファントムの噂話もなくなり、人々はすっかり恐怖を忘れてパーティーを楽しんでいた。しかし、ドクロの仮面をつけた赤いマントのファントムが現れ、会場が騒然とする。「歌がうまくなりたいなら、音楽の天使のもとに戻れ」という問いかけに、クリスティーヌは魂が抜かれたように彼に近づいた。

その時、ファントムは首から下げていたクリスティーヌの婚約指輪を奪い去ってしまう。ラウルはマダム・ジリーが怪人の正体を知っていると踏んで、彼女に詰め寄った。

マダム・ジリーが幼い頃、パリに見世物小屋が来た。そこには「悪魔の子ども」と呼ばれる顔が奇形の少年が鎖に繋がれていた。その少年が虐待に耐えかね、見世物小屋の主人を絞殺している瞬間をジリーは目撃し、思わずオペラ座に匿ってしまった。その時から、このオペラ座は彼の住処で遊び場だった……。

ラウルはファントムを捕らえようとする。ファントムが作曲した『ドン・ファンの勝利』をクリスティーヌが主役で公演すれば、奴は必ず現れると判断したラウルは、オペラ座に警察を配置した。しかし、確かにファントムは現れたが、クリスティーヌの相手役として舞台に上がっていた……。

【あらすじ④】オペラ座を襲った悲劇とクリスティーヌの愛

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

射殺するタイミングを失っている間に、クリスティーヌは彼の仮面を剥いで観客に見せる。まるで悪魔のように恐ろしい顔。悲鳴があがったと同時に、ファントムは仕掛けていたロープを切ってクリスティーヌとともに舞台から姿を消した。そしてシャンデリアが観客の頭上に一気に落ちてきて、オペラ座は混乱に包まれた。

地下に連れ去られたクリスティーヌを助けるために、ラウルは決死の覚悟でファントムの住処へとたどり着く。しかしファントムの縄に首を取られてしまう。ファントムは「ここで私と暮らせばラウルは助けるが、私を拒めば彼を殺す」とクリスティーヌを脅す。

クリスティーヌは、人から愛を受けたこともなく、また人を愛することも知らないファントムをただただ哀れに思う。自分の愛で彼が救われるならばと、クリスティーヌは母親でありながら恋人のような慈愛に満ちたキスを贈る。その聖母のような愛に触れたファントムは、クリスティーヌとラウルを解放する。そしてまた孤独になったファントムは、誰にも見つからない影の世界に姿を消すのであった……。

『オペラ座の怪人』のキャスト

ここでは、世界中で大人気の『オペラ座の怪人』の栄えある主役キャラクターの座を射止めた3人の俳優を紹介します。実はあの作品にも出ていた!?という新たな発見もあるかもしれませんので、ぜひ気になった人は他の出演作品もチェックしてみてください。

ファントム/ジェラルド・バトラー

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

ジェラルド・バトラーはスコットランド出身の俳優です。

グラスゴー大学で法律を学び、最優秀の成績で卒業した後は、エリザベス女王のマネジメントを取り扱う弁護士事務所に就職しました。しかし、同僚に「もっとやりたいことがあるんだろう」と諭され、俳優の世界に入ったそうです。

1年5ヶ月にも及ぶボイストレーニングを経て、『オペラ座の怪人』の怪人役を見事に演じました。
他には、『300〈スリーハンドレッド〉』『キング・オブ・エジプト』『ジオストーム』といった作品などに出演しています。

クリスティーヌ・ダーエ/エミー・ロッサム

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

エミー・ロッサムはアメリカ・ニューヨーク出身の女優・歌手です。

小さい頃からオペラを習っていて、7歳の時にはメトロポリタン歌劇場の舞台に上がったこともありました。『オペラ座の怪人』では、ゴールデングローブ賞主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされ、サターン若手俳優賞などの数々の賞を受賞しています。

他には、『ミスティック・リバー』『デイ・アフター・トゥモロー』といった作品に出演しています。

ラウル・ド・シャニュイ/パトリック・ウィルソン

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

パトリック・ウィルソンはアメリカ・バージニア州出身の俳優です。

大学を卒業した後、最初は舞台俳優としてスタートしました。ブロードウェイの舞台に立ち、トニー賞といった名誉ある賞を受賞しています。ジェームズ・ワン監督の作品に数多く出演し、「彼は演じる役の中に自分を消して入り込むところが素晴らしい」という評価を受けています。

他には、『プロメテウス』『アクアマン』『死霊館』シリーズといった作品などに出演しています。

『オペラ座の怪人』の見どころ3選!

詳しいあらすじを解説したところで、映画『オペラ座の怪人』の見どころについて説明します。あらすじを読んで、映画を観てみようかなと思った人は、紹介する3つの見どころに注目してみてください。

哀しくも美しい愛の物語

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

『オペラ座の怪人』の主軸となるストーリーはラブロマンスです。クリスティーヌをめぐって、ファントムとラウルが敵対し合うのは、少女漫画が好きな人などにとっては興奮できる展開なのではないでしょうか!

ラウルは幼馴染で、自分を優しく包み込んでくれる太陽。ファントムは尊敬できる音楽の師で、月のように影で寄り添っていてくれました。クリスティーヌにとって、どちらも欠かせない存在なのです。ジェラルド・バトラーが演じているからか、本当は恐ろしい顔を持っているはずのファントムもセクシーで紳士的な大人の男性に見えるし、ラウルは整った顔と恐怖を断ち切るために剣をとって戦う男気があります。どちらも魅力的なキャラクターと言えるでしょう。

醜い容姿のせいで母親からも愛情を受けられず、孤独に過ごしていたファントムによる狂気的な愛は、これ以上なく切ない想いなのです…

豪華な社交界!マスカレード

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

ストーリーの中盤で登場する仮面舞踏会(マスカレード)のシーンは圧巻です!仮装した大人数の人たちが、ファントムの脅威を忘れて歌って踊ります。仮面で素顔を隠しているため、美醜や身分の格差も関係ありません。誰が誰なのかわからないといった、まるで無法地帯のような楽しげなパーティーです。

エキストラの人たちが階段に並んで、揃ったダンスを披露するクライマックスは、まるで自分も当時の仮面舞踏会に迷い込んだような感覚になります。19世紀のパリや社交界の雰囲気を余すことなく感じられるシーンなので、マスカレードがお気に入りというファンも多いのだとか!

スワロフスキー社提供のシャンデリア

オペラ座の怪人 あらすじ
出典:映画『オペラ座の怪人』公式サイト

劇中に登場するシャンデリアも、物語には欠かせない要素の1つです。原作小説を書いたガストン・ルルーは、オペラ座で死者や負傷者を出した実際のシャンデリア落下事件からインスピレーションを受けて、『オペラ座の怪人』を書きました。

ガルニエ宮とも呼ばれるパリ・オペラ座の豪華さを表現するために、シャンデリアは1億2,000万円をかけて制作。クリスタル・ガラス製造会社であるスワロフスキー社によって作られたもので、その組み立てには4ヶ月かかったといわれています。

シャンデリアが落下するシーンは、緊迫感をより強く表現するために一発撮りで行われました。混乱した観客が慌てて逃げ出そうとして、押し合いへし合いしているシーンは、確かに緊張感に満ちています。

『オペラ座の怪人』で聴くべき楽曲まとめ

映画『オペラ座の怪人』は、切なく哀しいストーリーだけではなく感情を揺さぶる素晴らしい音楽も魅力の1つです。キャラクターのセリフが歌詞になっているミュージカル仕様ですが、感情の機微を表現できている歌声に思わず感情移入してしまうこと間違いなしです。

【おすすめ楽曲①】ファントム・オブ・ジ・オペラ

「ファントム・オブ・ジ・オペラ」映画『オペラ座の怪人』より

映画『オペラ座の怪人』のメインテーマです。『オペラ座の怪人』と聞いたら、多くの人の頭の中でこのメロディーが流れるでしょう。

白い仮面をつけた黒マントの怪しげな男性――”オペラ座の怪人”が姿を現し、クリスティーヌをオペラ座の地下へと誘うシーン。困惑するクリスティーヌの前で、ファントムは恐ろしいまでの美声を披露します。その圧倒的な美声に、クリスティーヌはまるで魔法をかけられたかのようにうっとりとしてしまいます。ファントムの力強い歌声とクリスティーヌの澄んだ歌声が綺麗に混ざっている、メインにふさわしい曲です。

【おすすめ楽曲②】エンジェル・オブ・ミュージック

「エンジェル・オブ・ミュージック」映画『オペラ座の怪人』より

クリスティーヌがカルロッタの代役として初舞台を大成功におさめた後、親友メグ・ジリーが、「どうしてそんなに歌が上手くなったの?」とクリスティーヌに質問するシーン。

クリスティーヌは幼い頃バイオリン奏者だった父親を亡くした後、パリ・オペラ座の寄宿舎に入りました。寂しくて毎晩祈っていると、父親のバイオリンの音色と謎の優しい声がするようになったと告白します。彼こそ父親がつかわした「音楽の天使」で、見えないところから自分を教え導き、守っていてくださると語ります。

クリスティーヌの純粋な想いやメグの不安を表現したような、綺麗なのに不穏なメロディーで、『オペラ座の怪人』にぴったりな曲です。

【おすすめ楽曲③】ミュージック・オブ・ザ・ナイト

「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」映画『オペラ座の怪人』より

ファントムがクリスティーヌを自分の住処であるオペラ座の地下に連れ去り、そこで2人が織りなすことのできる崇高な音楽の素晴らしさを熱弁するシーンです。

ファントムは音楽の天才。住処にあるパイプオルガンで作曲し、歌声の良し悪しを聞き分けることができます。クリスティーヌは彼にとって、自分の音楽を完全なものにできる歌声なのです。だからこそ、クリスティーヌをプリマ・ドンナにさせたがっています。

しかしファントムは顔の醜悪さから人目を忍んで生きていました。夜の暗闇こそ、彼の生きる世界なのです。その闇の中へクリスティーヌを連れて行こうとしていることがわかります。

【おすすめ楽曲④】ポイント・オブ・ノーリターン

「ポイント・オブ・ノーリターン」映画『オペラ座の怪人』より

ファントムが作った『ドン・ファンの勝利』というオペラでのシーンです。

クリスティーヌを執拗に付け狙うファントムを捕らえるために、ラウルや支配人はわざと彼の曲を公演しておびき出そうとしますが、ファントムはクリスティーヌの相手役として舞台に上がってしまいました。

この曲は、結ばれる直前の男女を描いたものです。歌詞も非常にエロティックで、ファントムがクリスティーヌと結ばれたがっていることが歌詞に熱く表れています。2人は、音楽という芸術で精神的につながっているということを表現しています。

まとめ

世界中の多くの人々を魅了してきた映画『オペラ座の怪人』のあらすじや見どころが分かりました。
映画を観てハマった人は、ぜひブロードウェイ版や劇団四季版の歌詞や歌声をサウンドトラックで聴き比べてみてください。