心温まる感動映画『コーヒーが冷めないうちに』あらすじネタバレ

原作は、「泣ける」と口コミで話題になり本屋大賞にもノミネートされた作品です。

物語の舞台は、戻りたい過去に戻ることができるという不思議な喫茶店。過去に戻る人たちは、さまざまな想いや願い、理由があって過去に戻ります。たとえ、過去を変えることができなくても。一杯のコーヒーが冷めるまでの短い間のことでも、どうしても過去に戻って伝えたいことがあったのです。

以下よりあらすじとキャストを紹介していきますが、ストーリーの一番肝の部分はネタバレしていませんので、記事を読んだ後に本作を初めてみるという方にも安心の内容となっています

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

『コーヒーが冷めないうちに』について

原作は川口俊和著『コーヒーが冷めないうちに』『この噓がばれないうちに』(サンマーク出版刊)です。もともとは、著者である川口俊和が脚本家兼演出家として活動していた劇団音速かたつむりのワークショップ用に書かれた戯曲。

舞台を観に来た編集者の勧めにより、2015年に小説として『コーヒーが冷めないうちに』が出版されました。そして2017年に続編となる『この嘘がばれないうちに』が出版されています。舞台公演は2013年に第10回杉並演劇祭大賞を受賞。小説も2017年に本屋大賞にノミネートされるなど、各方面で話題の作品です。

映画は2018年9月21日公開。主演は人気女優の有村架純さんが務めました。監督は、テレビドラマ『Nのために』(2014年)で第83回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞した塚原あゆ子さんです。塚原監督は、本作が映画監督デビュー作品となります。

脚本も『Nのために』で脚本を書いていた奥寺佐渡子さんが務めています。2人は他にも、『夜行観覧車』(2013年)『リバース』(2014年)でもタッグを組んでいます。映画化するにあたり、映画オリジナルのキャラクターが登場したり、キャラクターの設定が少し変わっていたりしているため、原作をすでに読んだという方にも楽しめる作品となっています。

10秒で分かる『コーヒーが冷めないうちに』の簡単なあらすじ

喫茶店「フニクリフニクラ」には、不思議な都市伝説がある。店内のある席に座ると、過去に戻ることができるという。しかし、このタイムトラベルにはいくつかのルールがある。過去に戻れるのは、1杯のコーヒーが冷めるまでの間だけ。コーヒーが冷めきるまでに飲み干さなければ、現代に戻ってこれなくなってしまうのだ。

しかも、過去に戻って何をしたとしても、現在を変えることはできないというのがルールの1つ。それでもなお、過去に戻りたいと喫茶店に訪れる人々には、さまざまな想いや事情があった……。

映画ポスターに「4回泣ける」というコピーが入っていますが、それも頷ける心温まる感動映画です。

『コーヒーが冷めないうちに』のネタバレあらすじ

映画『コーヒーが冷めないうちに』予告編

【あらすじ①】アメリカに行く幼馴染

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

突然、幼馴染にアメリカへの転勤を告げられ、喧嘩別れしてしまったことを後悔している清川二美子(波瑠)。「過去に戻れる」という都市伝説を半ば疑いながらも、どうしても喧嘩別れした日をやり直したくて喫茶店「フニクリフニクラ」を訪れる。

この喫茶店は、本当に過去に戻れる不思議な喫茶店。店内のある席に座ると、戻りたい時間に戻ることができる。しかし、このタイムトラベルにはいくつかのルールがあった。

1.過去に戻って何をしても、現実を変えることはできない
2.過去に戻って行動できるのは、喫茶店の中だけ。
3.過去に戻れるのは、1杯のコーヒーが冷めるまでの時間。コーヒーが冷めきる前に飲み干さなければならない。
4.過去に戻ることができる席にはいつも謎の女が座っている。彼女が席を立った時だけ席に座ることができる。
5.過去に戻っても、喫茶店に訪れたことのない人に会うことはできない。

この全てのルールを知っても、清川二美子は過去に戻る決心をする。過去に戻れる席にずっと座っている謎の女(石田ゆり子)が席を離れるのを閉店間際まで待ち、やっとの思いで席に座る。喧嘩別れをしてしまったあの日に、幼馴染が自分を喫茶店に呼び出した本当に理由を知るため。また、自分が言えなかったことを伝えるために……。

二美子が席に座ると、喫茶店の店員である時田数(有村架純)がコーヒーを淹れてくれる。コーヒーを淹れる際のお湯の蒸気がふわっと天井まで立ち上り、雫となってしとしとと降ってくる。そして気がついたら二美子は戻りたかった過去に戻っていた。

【あらすじ②】認知症の妻の想い

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

喫茶店「フニクリフニクラ」には、認知症を患う女性の常連(薬師ひろこ)がいる。閉店が近くなると毎日彼女を迎えに来るのは、彼女の夫であり看護師の房木康徳(松重豊)。認知症の影響で、房木が夫であることも忘れてしまっている彼女を「看護師」の立場で献身的に介抱していた。

ある日、喫茶店で働く時田数は、認知症の彼女が「夫に渡しそびれた」という手紙らしき封筒を持っていることを知る。そして数は房木に、奥さんが認知症になる前、その手紙を渡しそびれた日に戻って、彼女から手紙を受け取ったらどうかと提案するのだった。そんな話をしている時、まるでそれまでの話を聞いていたかのようにいつも幽霊のように座っているあの謎の女が席を立つ。意を決して、房木は手紙を受け取りに過去へ戻ることにした。

過去に戻ると、かつてのしっかり者の妻の姿があった。なんてことない夫婦の会話が特別なものに映る。そして、過去知ることが出来なかった彼女の思いを知ることになるのだった。

【あらすじ③】新谷と数の距離

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

清川二美子が過去に戻った瞬間に立ち会ってから、喫茶店の常連となっていた大学生の新谷亮介(伊藤健太郎)。亮介は喫茶店に通うにつれ、時田数のことを意識し始める。小さい頃からお店の手伝いをしていた数には友達がいない。数が亮介の大学の学祭に来たことをキッカケに2人の距離は縮まり、友達になる。

亮介や亮介のサークル仲間たちとともにカラオケをしたり遊びに行ったりして、数も普通の女の子のように青春の日々を過ごす。次第に、控えめで喫茶店以外の人とあまり関わりを持ってこなかった数も亮介に心を開いていく。

【あらすじ④】避けてきた妹との対面

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

喫茶店の常連客で近くでスナックを経営している平井八絵子(吉田羊)は、明るくて気の強い性格。自由気ままに過ごしている平井だったが、彼女は一つ問題を抱えていた。たまに自分を探しに来る妹をずっと避け続けていたのだ。

喫茶店の常連だということも妹にはバレていたが、なんとか身を隠してしのいでいた。なぜこんなに必死になって身を隠していたのかというと、実家の旅館を飛び出して自由に過ごしてきた自分に、残された妹は裏切られた気分で自分を恨んでいるだろうと思ったからだ。しかしある日、平井は自分が妹から逃げた過去に向き合い、妹の声を真正面から聞こうと決意する。

妹と過去に交わせなかった会話をし、見るのを避けてきた妹の表情を見、平井は現在へ戻り難くなるのだった。コーヒーが冷めるアラームが響く中、平井は葛藤する。

【あらすじ⑤】数の抱える過去

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

過去に戻ることができるのは、数が淹れるコーヒーが冷めるまでの間だけ。この不思議なコーヒーは、時田家の女にしか淹れられないという。数は幼い頃に母からコーヒーの淹れ方を教わり、小さい頃からずっとコーヒーを淹れてきた。

多くの人を過去にタイムトラベルさせてきた数だが、実はそんな彼女自身も変えたい過去、戻りたい過去を持っている。けれども、過去に戻るため自分のために自分でコーヒーを淹れてみても過去へ戻ることは叶わなかった。数はどうにもならない過去への葛藤を背負って生きていたのだった。ある日新谷は、そんな数の過去を知る。そして、どうにか過去に戻ることができないか考えをめぐらせる。そして、ある1つの方法を思いつく。

過去に戻ることができる席には、いつも先客がいる。何時間でも同じ席に座り本を読んでいる謎の女だ。一体、謎の女の正体は誰なのか?なぜ彼女は、「幽霊」や「呪い」といわれるほど毎日同じ席に座っているのか?数の過去に隠された真実とともに、全ての謎が明かされる。

たった1杯のコーヒーが冷めるまでの間だけ、ほんの束の間のタイムトラベル。しかし、そこでの再会が過去、現在、未来へと続く再会になる。

今生きていること、誰とどう過ごすのか、何が大切なのかを考えさせられる感動のストーリー。

『コーヒーが冷めないうちに』のキャスト

時田数/有村架純

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

主人公であり喫茶店「フニクリフニクラ」で働く女の子、時田数を演じたのは、有村架純さん。1993年2月13日生まれ、兵庫県出身の女優です。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)で小泉今日子演じる主人公の母親の高校生時代を演じて人気に。また、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(2017年)や映画『ビリギャル』(2015年)などで主演を演じたことでも有名です。

新谷亮介/伊藤健太郎

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

喫茶店「フニクリフニクラ」の常連で時田数と親しくなる男の子。新谷は原作には登場しない映画オリジナルのキャラクターです。演じたのは、1997年6月30日生まれの俳優、伊藤健太郎さん。昨年ヒットしたテレビドラマ『今日から俺は‼︎』に出演し、一躍有名になりました。学生時代はバスケットボールに夢中で、漫画『SLUM DUNK』の人気キャラクター、流川楓から名前を取って「流川健太郎」と改名することも検討していたそうです。

清川二美子/波瑠

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

過去に戻れるという都市伝説を聞いて喫茶店にやってきた女性を演じたのは、1991年6月17日生まれの女優、波瑠さん。NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年)では、主演を務めました。他にも、テレビドラマ『あなたのことはそれほど』(2017年)などにも出演。TBSの番組『A-Studio』では一時期、笑福亭鶴瓶のアシスタントも務めていました。

賀田多五郎/林遣都

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

清川二美子の幼馴染を演じたのは、1990年12月6日生まれの俳優、林遣都さん。2005年、中学校の修学旅行中にスカウトされ芸能界に入り、その2年後には映画『バッテリー』(2007年)で主演を務めています。その他にも、様々な映画やテレビドラマに出演していますが、昨年大ヒットを記録し、今年映画化もしたテレビドラマ『おっさんずラブ』(2018年)に出演していることでも有名です。

房木康徳/松重豊

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

認知症の妻をもつ喫茶店「フニクリフニクラ」の常連。演じたのは、1963年生まれの俳優、松重豊さん。映画やドラマだけでなく、舞台にも出演する大ベテランですが、主演作品はあまり多くありません。「名脇役」といわれることが多く、『バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』というテレビドラマにも出演しました。

房木の妻/薬師丸ひろ子

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

喫茶店「フニクリフニクラ」の常連であり、認知症を患う女性。演じたのは、1964年6月9日生まれの女優、薬師丸ひろ子さん。1981年、17歳の時に主演を務めた映画『セーラー服と機関銃』で一躍有名になりました。歌手としても活動しており、2014年には第65回NHK紅白歌合戦に出場しています。

平井八絵子/吉田羊

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

喫茶店「フニクリフニクラ」の常連客。演じたのは、女優の吉田羊さん。NHK連続テレビ小説の出演が多く、『瞳』(2008年)や『ゲゲゲの女房』(2010年)、『純と愛』(2012年)に出演しています。有村架純さんとは、映画『ビリギャル』(2015年)でも共演していました。

謎の女/石田ゆり子

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

毎日ずっと同じ席に座り続け、「幽霊」とまでいわれる謎の女。演じたのは、1969年10月3日生まれの女優、石田ゆり子さん。映画『北の零年』(2005年)や『解夏』(2004年)に出演。最近では、大ヒットしたテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)で新垣結衣さん演じるヒロインの叔母を演じていました。

『コーヒーが冷めないうちに』のみどころ

【その1】レトロな喫茶店「フニクリフニクラ」

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

映画の撮影の8割が東宝スタジオに作られた喫茶店「フニクリフニクラ」のセットで行われたそうです。この喫茶店のレトロな雰囲気がまた映画の温かい空気感にぴったりで、セットだと思いつつも実際に行ってみたくなるような内装です。

壁に飾られているたくさんの写真や絵は、なんとタイムスリップした先の季節感に合わせて春ならピンク、夏なら緑など、変化をつけていたそうです!

映画の構成上、喫茶店でのシーンが多くなるため、喫茶店の内装には特にこだわったと映画公式サイトにも記載されています。コースターや回数券、入り口のマットもオリジナルで制作していたというのだから驚きです。

【その2】映画にぴったりの音楽

映画の主題歌は、YUKIさんの書き下ろし楽曲『トロイメライ』。

「何度でも笑うのよ 何度でも許されていいから」というような歌詞の表現など、映画の内容に寄り添った曲となっています。YUKIさんはこの曲を書き下ろすにあたり、実際に原作を読み、映画を観た後に完成させたそうです。

コーヒーが冷めないうちに あらすじ
出典:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式Twitter

そして劇中で流れる楽曲の作曲は、脚本の奥寺さん同様、塚原監督と何度もタッグを組んだ経験のある作曲家、横山克さんがされたそうです。(横山さんも『夜行観覧車』『Nのために』『リバース』を手がけています。)

横山さんが作曲された音楽も本作の作風にぴったりな優しくファンタジックな雰囲気で、本作の世界観や魅力をより濃くしていました。

【その3】共演経験のあるキャストたちの掛け合い

清川二美子を演じた波瑠さんと二美子の幼馴染、五郎を演じた林遣都さんは、2016年に『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』というテレビドラマで共演しています。二人の息のあった掛け合いは、この共演経験からきているのかもしれません。

また、時田数を演じた有村架純さんと平井八絵子を演じた吉田羊さんも映画『ビリギャル』で親子を演じていました。平井の数を可愛がる仕草や眼差しも、『ビリギャル』で母親役をしていたことが少なからず影響していた可能性もあります。

共演の経験があるのかはわかりませんが、夫婦を演じていた松重豊さんと薬師丸ひろ子さんも息のあった演技をされていました。コーヒーにミルクを注ぐちょっとした演技も、言葉の掛け合いや間も絶妙で、長年連れ添った本物の夫婦のようでした。

まとめ

タイムトラベルものは時系列が複雑になるため頭を使う作品が多いように思いますが、本作はタイムトラベルのルールや時系列の説明が丁寧に入るので、非常にわかりやすく、スッと頭に入ってくる作品です。子どもから大人まで楽しめる作品となっています。

人との繋がりを大事に描いた作品なので、家族や恋人など、大切な人と観るのがおすすめです。観た後は心がほっこりすること間違いなし!

有村架純出演の映画一覧と代表作&おすすめ映画まとめ