映画『貞子vs伽椰子』結末ネタバレ | まさかのラストに続編は?
日本のホラーの代名詞ともいえる「貞子」と「伽椰子」が登場する『貞子VS伽椰子』。元々エイプリルフールの偽企画で始まった本作は、ホラーでありながらコメディ要素もふんだんに盛り込まれています。ホラーなのに、笑える。「笑いと怖さは紙一重」という言葉がしっくりくる作品です!
しかし、本作のラストではかなり消化不良なエンディングを迎えた為、続編はあるのか?等の声も挙がっています。
本記事では、そんな『貞子VS伽椰子』のネタバレあらすじと、考察、『リング』シリーズと『呪怨』シリーズの振り返りなど、過去作を見たことが無い人でもわかりやすく盛りだくさんな情報をご紹介していきます!
目次
映画『貞子vs伽椰子』について
『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズの伽椰子という日本のホラーを代表する2大幽霊が共演するクロスオーバー作品です。「呪われた家で呪いのビデオテープを再生し貞子を召喚したら、一体どうなる――!?」そんな夢のIFを描いた本作。コメディ×ホラーが融合したエンターテイメントムービーとなっています。
本作を鑑賞する前に、まずは『貞子』と『伽椰子』の特徴を簡単におさらいしておきましょう。
貞子の呪いの能力
貞子の呪いは「呪いのビデオ」によるものです。この映像をみたものは、リングウイルスに感します。リングウイルスとは感染したものがウイルスの増殖に手を貸さなかった場合、感染から時間が経った後に死亡するというもの。このウイルスは精子の形をしており、女性の場合は、子宮に進入後、卵子に受精し、感染者の子宮を用いて貞子を生み出します。男性の場合は、ウイルスが脳へ進入して感染者を操り、「呪いのビデオ」と同じ効果がある文章を書かせます。つまり、貞子の呪いはウイルスだったんです。
伽椰子の呪いの能力
伽椰子の呪いは、貞子のようなウイルスではなく、この世界に向けた怨念です。この怨念の正体は彼女の生前に隠されています。
彼女は剛雄という男性と結婚し、俊夫を生み、家族三人で平穏に暮らしていました。しかし、俊夫が小学1年生になったころ、剛雄は病院で医師に「精子が薄いため、自然妊娠の確立は0パーセントに近い」と告げられます。この時、剛雄は「伽椰子に裏切られていた」と勘違いします。帰宅した剛雄は伽椰子の持ち物を調べます。そして伽椰子の大学時代に片思いしていた男性(小林)への想いが綴られた日記を見つけるんです。
日記は9年も前のものでしたが、剛雄は「俊夫は小林の子供だったんだ…」と絶望します。
そんなことはつゆ知らず、伽椰子は帰宅します。そして、剛雄によって苦しめられた後に殺されるんです。残酷に殺される数時間の間、伽椰子はこの世を呪い続けます。
自分を殺そうとする剛雄を…自分の想いを受け入れてくれなかった小林を…仕事ばかりでかまってくれなかった両親を…幸せそうな世間の家族たちを…
伽椰子はこの世のすべてを呪いながら死んでしまうんです。
「死ぬ直前に強く思った念はこの世に残る」と言いますが、伽椰子の場合は死ぬまでの時間が長く、なぜ自分が殺されるのかわからないまま死んでしまったため、あんなにも強い呪いになったんでしょう。
『貞子vs伽椰子』ネタバレあらすじ
ここからは、ネタバレ有で本作のあらすじを解説していきます。まだ未鑑賞の方はご注意ください!
【あらすじ①】貞子の呪い発現
大学生・倉橋有里(山本美月)は友人の上野夏美(佐津川愛美)にビデオのダビングを頼まれ、リサイクルショップで中古のビデオデッキを購入する。
そのビデオデッキにはビデオテープが入っており、有里と、夏美はふざけ心でそのビデオを再生する。しかし、有里は興味をもたずスマートフォンを触っていたため、夏美だけがビデオを観てしまう。そのビデオとは、観たものは二日後に死んでしまう「呪いのビデオ」であった。有里と夏美は都市伝説に詳しい大学教授・森繁新一(甲本雅裕)に頼り、そのツテで有名な霊媒師・法柳(堂免一るこ)を紹介してもらう。
しかし、呪いのビデオの元凶である貞子の怨念はとても強く、森繁と法柳を呪い殺す。
法柳は死ぬ直後に、常盤経蔵(安藤政信)にしか解決できないことと、経蔵はすでにこちらに向かっているということを言い残す。
やってきた経蔵とその相棒の盲目の少女・珠緒(菊地麻衣)は夏美の呪いを解こうとするが、霊媒師の死を目の当たりにした夏美は放心状態になる。
責任を感じた有里はビデオをダビングして自分に呪いを移すことを提案するが、自暴自棄になった夏美はすでに呪いのビデオをネット上に拡散していた…
直後、夏美は有里の前で首を吊って自殺しようとするが、呪いを邪魔するものは即座に殺すという貞子の呪いが、夏美を即座に呪い殺す。
【あらすじ②】伽椰子の呪い発現
一方、女子高生・高木鈴花(玉城ティナ)は引越し先の隣の空き家から異様な雰囲気を感じていた。その空き家は、かつて一家心中が起きた佐伯家の持ち家であり、一歩でも足を踏み入れれば死んでしまうという、いわくつき物件であった。
そんなある日、鈴花がその家の前で知り合った小学生の男の子と、彼をいじめていた小学生のグループが不可解な失踪を遂げる。この事件からより一層、空き家への興味を抱く鈴花。もともと霊感をもつせいか、鈴花は夢で失踪した男の子が空き家の中へ入っていくのを見るほどであった。
鈴花はついに空き家の中に入ることに…
そこには佐伯家の息子・俊夫(芝本麟太郎)と、その母親の伽椰子(遠藤留奈)がいた。
鈴花の両親が助けに来るが、伽椰子によって殺される。絶対絶命の状態になった鈴花を間一髪のところで経蔵と有里が助ける。経蔵は、有里と鈴花の呪いを解くため「化けもんには化けもんをぶつけんだよ」と、ある秘策を告げる。
経蔵の秘策とは、佐伯家の空き家で呪いのビデオを再生し、貞子と伽椰子に呪いの獲物である有里と、鈴花の奪い合いをさせ、互いに消滅させるというもの。
【あらすじ③】貞子VS伽椰子
経蔵の作戦通り、有里と鈴花は佐伯家でビデオを再生させる。二人の背後に俊夫が現れるが、俊夫はビデオから現れた貞子にテレビへと取り込まれる。
すると、伽椰子が現れて、貞子と対峙する。その隙に有里と鈴花は逃げ出す。貞子と伽椰子が消滅し合うことなく、争っていることを知った経蔵は、最終手段として一人の身体に貞子と伽椰子を取り憑かせて、井戸に封印することにする。
有里は貞子と伽椰子おびき寄せるために一人で井戸の底に入る。佐伯家から有里と鈴花を追ってきた貞子と伽椰子は、井戸を挟んで全面対決。両者の戦いによる衝撃波によって経蔵の身体は真っ二つになる。その後、井戸に落ちた両者であったが…
井戸の中で融合し、さらに凶悪な怪物になって地上へと降り立つ。
その後、誰かによって再生された呪いのビデオには、貞子と伽椰子が融合した怨霊が迫り来る映像が映っていたーー。
『貞子vs伽椰子』の登場人物
貞子
「呪いのビデオ」を通じて、世界に怨念が籠もったウィルスを撒き散らします。ビデオの映像を見たものは直後に無言の電話がかかってきて2日後に死に至ります。顔を覆い隠すほど長い前髪と、白いワンピースが特徴。精神的に人を追い詰める心理戦を得意とします。
伽椰子
直接家に関わった者でなく、無関係の人物に被害を及ぼすこともあります。その執着の強さは生前のストーカー気質からきたもののようです。『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…』という不気味な声で知られています。
有里(山本美月)
本作の主人公です。好奇心旺盛な性格から夏美に「呪いのビデオ」を見せてしまいます。
夏美の呪いを祓うために奔走しますが、霊媒師による御祓いが失敗したことから「他人にビデオを見せれば呪いが解かれる」という都市伝説を信じ、「呪いのビデオ」を見ることになります。
夏美(佐津川愛美)
呪いのビデオの被害者。人を巻き添えにする考えをもっていて、呪いのビデオをインターネット上にアップしたり、有里に「一緒に死のうよ」という程です。結局、自殺しようとした時に貞子に殺され、自殺しようとしたら2日間たっていなくても殺されるという設定を教えてくれました。
森繁教授(甲本雅裕)
呪いのビデオに異常なまでの興味を抱く大学教授。呪いのビデオを目の前にして「貞子を見れるなら死んでもいい、僕はこれを観る」といいます。しかし、除霊に失敗した霊能力者に殺されました。命を捨ててもいいくらい見たがっていた貞子を見ることなく死んでしまいます。
経蔵(安藤政信)
強力な霊媒師です。呪印を用いて幽霊たちと戦うことができ、俊夫ならば追い払えます。しかし、貞子や伽椰子の呪いは強すぎたため、二人をぶつけることを考案します。
珠緒(菊地麻衣)
経蔵と共に行動する盲目の少女。霊感が強く様々なものを見通せます。霊媒の能力はありませんが、霊感の弱い経蔵と助け合う関係です。
鈴花(玉城ティナ)
本作もう一人の主人公で、たまたま佐伯家の隣に引っ越してしまう運がない女子高生。引越し初日から呪いに引き寄せられ、精神がおかしくなります。興味が押さえきれず、とうとう家のなかに入ってしまうことで呪われてしまいます。
『貞子vs伽椰子』の評価は賛否両論!
『呪怨ーザ・ファイナルー』の製作中にスタッフが「呪怨シリーズが終わりなのは寂しい。次回作を作るとしたらどうするか」と言い出したことから企画が始まり、「リングシリーズ」を配給するKADOKAWAの承諾により製作が決まりました。
企画段階でKADOKAWAが2015年のエイプリルフールに嘘告知として『貞子VS伽椰子』の画像を公開しました。すると、そのインパクトから話題になり、本格的に製作が始まっていくことになります。
ファンの中ではエイプリルフールネタだと認知されていましたが『呪怨ーザ・ファイナルー』の最後に『貞子VS伽椰子』の告知がされ、本当に公開されることを知ります。
大人の本気の悪ふざけと言えるような経緯で製作された本作ですが、評価は賛否両論に分かれています。
本作の良さはホラー要素だけでなく、色々な要素が含まれているところです!
序盤ホラー、中盤コメディ、終盤アクションという展開で物語は進んでいきます。口コミをみると「笑えた」という声を多く見かけます。経蔵の霊をなめている様子や、貞子と伽椰子のプロレスのような勝負、あまりにあっけなく人が死んでしまうシーンなど、面白い場面がたくさんある抱腹絶倒の作品です。
一方で、原作からの改変が多いという批判が多く見られました。例えば、「呪いのビデオ」を見てから1週間で死ぬという設定が2日間になったり、「呪いの家」に関わった者が殺されるという設定が、入った者だけが殺されるという設定に代わっている点など。これらは時間に限りがあったため仕方が無いことですが、過去作のファンでじっくりホラーを味わいたいという方からしたら満足できないかもしれません。
『貞子vs伽椰子』続編はあるの?
最後の貞子と伽椰子の封印に失敗するシーン、あっけないと思いませんでしたか?この封印失敗の理由には2つの説があるんです。1つは、経蔵が貞子と伽椰子の力を見誤っていた説です。両者の力が封印の限界を超えてしまったという考え方。わかりやすいですよね。
そして、もう1つは有里も怨霊となり合体したという説です。この説には根拠があり、有里は夏美に「わたしたちどうしてこんな目に遭わなければいけないの。有里もみんな死んじゃえばいいのにって思わない?」と言われた時、否定しませんでした。「経蔵が助けてくれるから」とだけ答えます。
貞子と伽椰子も理不尽な死に方をして生まれた化け物。有里も同じ心境になって死んでいったのではないでしょうか。また、貞子と伽椰子のために作られた封印が壊されたのは有里の力も含まれたからという説明もできます。
また、白石監督は大ヒットしたら続編を作ると話していますが、本作の興行収入は10億円でした。邦画の場合、興行収入が10億円いけば成功と言われていますので、大ヒットは叶わなかったものの、ヒットはしたと言えるでしょう。
また、監督は「合体させるなど遊び心のあることをやらせてくれるなら、続編の監督をしたい」とも語っています。続編があるかどうかは微妙なラインですが、もし叶ったらファンとしては嬉しいですね!
まとめ
以上、『貞子VS伽椰子』のネタバレあらすじと感想でした。いままでのジャパニーズホラーの常識を覆す映画。製作のきっかけがふざけていたことや、白石監督がエンターテイメント性を加えること意識したことから誕生した作品です。まだまだ人気が根強い『リング』シリーズ、『呪怨』シリーズなので、続編があることを期待しましょう。