21世紀で最も怖い映画『ヘレディタリー/継承』をネタバレ解説&伏線回収

 

「2018年で最も怖いホラー」と評判になり、一気に注目を集めた『ヘレディタリー/継承』。一般客だけではなく批評家などの業界人からも大絶賛され、「21世紀最高のホラー」とも言われているのだとか。

観る人の背筋を凍らすストーリー展開に、終始不気味で冷ややかな空気が流れるこの作品。2時間ほどの映画ですが、初めから終わりまで一秒たりとも気が抜けません。ここまで息が詰まるほどのホラー映画は、なかなか見つからないことでしょう。

心霊が脅かしてくるタイプのホラーではなく、じわじわと精神を蝕んでいくのが本作の注目ポイント。好き・嫌いがしっかりと分かれるとは思いますが、ホラー好きなら一度は観るべきです。こちらの記事はネタバレ・解説を含みますので、未鑑賞の方はご注意下さいね。

家族を狂わせるジワジワ系ホラー『ヘレディタリー/継承』


映画『ヘレディタリー/継承』公式Facebook

監督はあの『ミッドサマー』でお馴染み、アリ・アスター監督。彼は2011年ごろから映画監督として活躍していますが、長編映画の制作にチャレンジしたのは本作が初なのです。長編とは言え、約2時間でしっかりとまとめあげた深みのあるストーリーにハマる人も続出しているのだそう!

アリ・アスター監督の作るホラーは、心霊やゾンビは登場しません。全て事の発端は人間であり、それに振り回されていくのも生身の人間。決して浮世離れした世界観ではないため「どこかでこんなことが起こっているかも……」と想像させてしまう、妙なリアルさを持っていますね。

心霊が出ないとなれば「ホラーが苦手な人でも観られるか?」と疑問に思う人もいるでしょう。しかしこれは「人による」と言っても過言ではありません。『ミッドサマー』にしろ『ヘレディタリー/継承』にしろ、最も怖いのは人間なのです。スリラーやサスペンスが苦手な場合は、鑑賞するのが少々厳しいかも?

けれどもこういったジャンルが好きな人にはたまらない、完成度の高い作品となっています。

【ネタバレ解説】映画『ミッドサマー』はトラウマレベルの怖さ!監督&キャストも紹介

10秒で分かる『ヘレディタリー/継承』の簡単なあらすじ

ある日グラハム家の祖母・エレンが死亡。葬儀が開かれ多数の人が押し寄せるも、娘であり二人の子供の母であるアニーはエレンと仲が良くなかったために、不思議と涙は流れません。

葬儀が終わり、彼女の遺品が入った段ボールを見ていると、誰かに監視されているような気持ちを覚えるアニー。しかしその時はあまり気に留めず、部屋を後にしただけでした。

一方で祖母に懐いていたアニーの娘であるチャーリーは、エレンの死を寂しく思っています。そのせいか、ある時から祖母の気配を感じ取り、奇妙な行動の数々を繰り返してしまいます。けれども彼女の奇妙さに、ハッキリと気づく者はいません。

次第に家族全体の歯車が狂い始めていきます。祖母の死によって、グラハム家はどうなってしまうのでしょうか……?

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『ヘレディタリー/継承』のネタバレあらすじ

以下、ネタバレとなりますのでご注意ください!

ヘレディタリー
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【あらすじ①】エレンの死と複雑なアニー

主人公のアニー(トニ・コレット)はミニチュアの模型を製作する芸術家。自身の作品を創り上げている途中だった。しかしこの日は祖母でありアニーの母親である、エレンの葬儀がある。夫のスティーブ(ガブリエル・バーン)、息子のピーター(アレックス・ウルフ)も葬儀へ向かおうとするが、娘のチャーリー(ミリー・シャピロ)の姿が見当たらない。

彼女は家の外にある小屋で眠っており、おばあちゃん子だったために、エレンの死にショックを受けていた。葬儀には一緒に行くものの、どこか元気のない様子をしている。

アニーはエレンに対して複雑な感情を抱いており、不思議と涙は出ない。それはピーターも同じことで、何とも言えぬ気持ちのまま参列していたのだ。

葬儀が終わり家へ帰ると、エレンの遺品が入った段ボールがある。そこを漁っていると、アニーは妙な視線を感じてしまった。まるで誰かが見ているような、奇妙な感覚……。その時はさほど気に留めず、彼女は部屋を後にした。

チャーリーはまだエレンの死をショックに思っているも、母親の心境を知っているからこそ、声を大にして泣くことはできない。このあたりから、彼女は死んだ鳩の首をハサミでちょん切ったり、怪しげな絵を描くなどの奇怪な行動を取り始める。

一方でアニーは自分の複雑な心と向き合うべく、グループで行われるカウンセリングへ参加した。そしてエレンは精神疾患、父親は精神病で餓死、兄は不可思議な遺書を残して自殺していることを口にし始める。つまりアニーの身内は全て死亡しており、エレンの存在も家族を悩ませるタネだったのだ。

【あらすじ②ついに起こる悲劇】

エレンの死から日付も立たずして、今度は彼女の墓が荒らされたという報告を受けるアニー。彼女は個展を控えていたため作品制作に取り掛かっている最中だが、チャーリーの落ち着かない行動も気がかりである。本来なら寄り添うべきなのだが、精神的に疲労が溜まっていく一方だった。

そこでピーターより「同級生の家でパーティがある。車を使って行ってもいいか」との相談を持ち掛けられる。お酒は出ないか、危ないイベントではないかをアニーは確認すると、チャーリーも一緒に連れて行って欲しいと彼にお願いする。あまり良い顔をしないピーターだが、仕方なく受け入れることに。

会場へ着くと知り合いもおらずつまらなそうにするチャーリー。ピーターは彼女を残して、別の部屋へ友人とマリファナを吸いに行ってしまう。彼女はすることもなく、兄に言われるがままに会場で配っていたチョコケーキを口にした。

するとチャーリーの体に異変が起こる。元々ピーナッツアレルギーを持っており、食べたケーキの中にはナッツが入っていたのだ!息がしづらいと嘆き、ピーターに助けを求めると彼はすぐさま会場を飛び出し、妹を車に乗せて走らせる。

体調はますます悪化していき、呼吸も止まりそうなくらい苦しむチャーリー。あまりに苦しいため、窓の外へ顔を出してしまう。しかしその時、ピーターは急いでいるあまり車の速度をぐんぐんと上げてしまっていたのだ。

速度を上げた途端に、運悪く道路に動物が飛び出してくる。それを勢いよく避けると、後部座席に座っていたチャーリーは電柱に頭部をぶつけ、そのまま持っていかれ……。首を切って命を落としてしまった。

自分の引き起こした事実が信じられないピーターは、何も言わずに帰宅。そのまま部屋から出てくることはなく、ただひたすら目の前の現実を受け入れられなかった。

チャーリーの死を両親が知ったのは翌朝。これをきっかけにアニーの精神は更に不安定に、ヒステリックな一面が出始める。そしてピーター自身も、妹の件を思い出すだけで吐き気をもよおすほどになっていた。

あらすじ③「救いの手を差し伸べるのは……」

ヘレディタリー/継承 降霊
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悲しみから立ち直れないアニーだったが、ある一人の女性と出会う。それはジョーン(アン・ダウド)という、グループカウンセリングにいた中年女性だ。彼女も孫を亡くしており、の気持ちは痛いほど分かると言う。アニーの精神的な拠り所はなかったが、彼女の存在により心が救われていくようだった。

ある日のスーパーの帰り、突然ジョーンに出くわした。そこでアニーは「降霊術」を知ってしまう。話によればこれによって、死者と対話することに成功したと言うのだ。半信半疑だが、言われるがままにジョーン宅へ行ってしまう。

そして儀式を始める彼女。死者との会話には確かに成功した。「いるならグラスを動かして」と言えば、本当にグラスは動く……。それを目の当たりにしたアニーは衝撃で逃げ出しそうになりますが、必死でジョーンは怖くないと説明を重ねる。

そして「霊を呼び寄せるには家族全員が一緒でないとダメ」と忠告。悩むアニーだが、帰宅後は降霊術を行うことを決意。半ば強引にピーターとスティーブを巻き込み、儀式を始めることとなる。

実際に行ってみるとジョーン宅で行われた時と同様に、グラスが動いた。チャーリーとの対話に成功してしまったのである。あまりの怖さに泣き出すピーター、スティーブはアニーの行動を必死にやめさせようとするものの、彼女は異常なまでに興奮していたのだ。

降霊術によってますますバラバラになっていく家族たち。アニーは更にヒステリックになり、チャーリーが亡くなったことをピーターに責めるほど攻撃的になっていた。実はアニー自身も夢遊病を患っており、過去に子供へ怖い思いをさせてしまっている。そんな彼女のふがいなさが仇となり、より攻撃性を高めるようになってしまう。

あらすじ④「降霊術の真実」

ヘレディタリー/継承 ペイモン
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エレンの遺品整理を行っていると、とあるアルバムが発見される。中を見てみるとエレンと、あのジョーンが共に写っている写真が複数枚貼ってあったのだ。そして「召喚」と書かれた分厚い本……。「地獄の王 ペイモン」と中には書かれ、重要なポイントマーカーが引かれていた。

要するに彼女達はペイモンという悪魔をカルト的に崇拝する者の集まりで、エレンはそのトップにあたるということ。急いでジョーンの家に駆けつけるアニーだが、彼女は留守で会うことは出来なかった。

ペイモンを復活させるには、肉体が男でないとダメなのだと言う。ジョーンが向かった先はピーターの学校。外でランチをしていた彼をじっと見つめ、「ダグダニー」「パラゴン」「ピーター!肉体から出ていけ!」という謎の言葉を投げかける。するとピーターは次の授業で、自ら机に顔をぶつけるなど奇怪な行動に走り始めた……。

ピーターがピンチに陥る中、アニーは自宅の屋根裏部屋にエレンの首なし死体があることを知ってしまう。ピーターの一件により学校から連絡があり、早急に帰宅したスティーブにそれを説明するも、彼は半信半疑。ペイモンの件もなかなか受け入れてもらえない。妻が精神的に不安定になっているとしか思っていないのだ。

降霊術には死者の持ち物を使うことが鉄則で、チャーリーが絵を書いていたノートを使用した。なのでこれを処分すればペイモンの降臨は抑えられると考えたアニーは、暖炉の中にノートを投げ込むよう夫へ指示。以前自分で行った時は自身に火が燃え移ったため、彼がやれば成功すると考えていたためだ。

しかしながら信じず実行しない夫にしびれをきらし、自分で投げ入れるアニー。すると自分ではなく、スティーブの体が炎に包まれ、焼死してしまうのだった……。そしてピーターは目を覚ましてリビングへ向かうも、亡くなった父を見かけて発狂する。そこへエレンの遺体が襲い掛かってくるも、屋根裏部屋へ急いで隠れ、大騒ぎに。屋根裏部屋ではアニーが自分の首を切っており、更に驚いたピーターはガラスを破って外へ出た。

助かったかと思えば、彼の体にはある光が宿る。そして庭の小屋に向かうと、ペイモンの崇拝者たちが集まっており、復活の時を待っていたのだ。ピーターの頭に王冠を被せ、見事にペイモンは復活を遂げてしまった――。

 

『ヘレディタリー/継承』のキャスト

アニー/トニ・コレット

ヘレディタリー/継承 アニー
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序盤は母親との関係を複雑に思っているアニー。エレンの死から不可解なことが次々と起こり、精神を不安定にさせていきます。彼女が中盤以降、人が変わったように叫ぶ、興奮する姿はまるで多重人格者。人間が追い詰められていく様子がとてもリアルで、エレンよりアニーが怖いなんて声もありました(笑)

そんな難しい役どころであるアニー役を演じるのは、トニ・コレット。絶叫した時や怒りに満ちた時の表情は、一度見たら忘れられませんよね。エレンに振り回され、悲惨な最期を終えるキャラクターですが、力強い彼女の演技には脱帽です。1991年から活動しているベテラン女優で、実はミュージシャンとしての一面も持っているのですよ!

スティーブ役/ガブリエル・バーン

ヘレディタリー/継承 スティーブ
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どんなことが起きても終始冷静さを見失わなかったスティーブ。この手の作品って旦那が分からず屋でイライラ……なんてケースもよくありますが、彼は最後まで落ち着いた雰囲気を見せていましたね。インパクトは強くありませんが、一家の大黒柱であることがよく感じられるキャラクターでしょう。

知性的であるスティーブを演じるのはガブリエル・バーン。元教師といった珍しい肩書きを持ち、役者を目指したのは29歳からと遅咲きの俳優です。70歳になった現在も活動を行っており、ブロードウェイの舞台にも登場。何歳になっても元気に活躍していて欲しいですね!

ピーター役/アレックス・ウルフ

ヘレディタリー/継承 ピーター
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グラハム家の長男、ピーター。彼に悪気は全くなかったのですが、妹を亡くしてしまった悲しみからどんどん様子がおかしくなっていきます。アニーにチャーリーの死を責められるシーンは、いたたまれないものがありましたね……。最終的にはペイモンを受け入れる「器」となってしまい、彼も悲惨なエンディングを迎えてしまいました。

重要なピーター役は『ジュマンジ』シリーズでお馴染みのアレックス・ウルフ。まだ22歳という若さながら芸歴は16年とベテラン!6歳の頃からこの世界に入り、様々な役を演じてきました。吹き替えにも挑戦しているため、今後が楽しみな俳優さんですね。

チャーリー役/ミリー・シャピロ

祖母・エレンと仲が良かった唯一の存在、チャーリー。死を誰よりも悲しんでいるのですが、母親の心情を察しているがために、なかなか本心を明かせません。発作から事故で亡くなるというすさまじい終わりを迎えますが、実は彼女の存在はとても大きかったのです……。

陰鬱な雰囲気に狂気じみた目が印象的なチャーリーを演じるのはミリー・シャピロ。観ているだけで心がザワついてくるような演技をする、天才的少女です。10代にしてこの演技力、将来が楽しみですよね。インスタグラムも開設しており、本作とは180度変わった彼女の一面を覗くことができますよ!

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『ヘレディタリー/継承』の解説・伏線回収

ヘレディタリー/継承 鳩
映画『ヘレディタリー/継承』公式インスタグラム

序盤から数々の伏線が散りばめられている本作ですが、ラストに向かうにつれて分からなくなってしまった!という声も多いのでは?そういった方のために、『ヘレディタリー/継承』の詳しい解説をしていきますよ~!

その①「コッ」という音の意味

冒頭部分からチャーリーが「コッ」と舌を鳴らす音を気にしていた人はきっと多いはず。はっきりと作中で解明されていないために、「ただのクセ」だと思ってしまったのでは?

チャーリーはアニーに「あなたは生まれた時でさえ泣かなかったわ」と言われています。普通に考えても、泣かずに生まれてくる子供っておかしいですよね……。この時点で彼女の普通ではない“何か”を現わしているのが分かります。他にもハトの首をちょん切ったり、グロテスクなイラストを描くなど狂気性を秘めた行動が多数見受けられました。

それに加えて舌を鳴らす異常なクセ。最後にピーターがペイモンに身体を乗っ取られたラストシーンで「コッ」という音を出していました。つまり、チャーリーの体内には生まれた時からペイモンが宿っていたのです!

復活するには男性の肉体が必要不可欠でしたからね。長い間チャーリーの体にはペイモンが潜んでいたのですが、女性だったために正式な復活が遂げられなかったということでしょう。

その②葬儀に参加する人々

エレンが家族を操作しようとするため、アニーは子供にエレンを近づけさせまいとしていました。後にチャーリーが生まれて彼女を差し出すのですが、それでも互いの確執は消えません。だからアニーは葬儀に多くの人が参列する理由さえ分かっていなかったのです。

ラストシーンまで観ると分かるかと思いますが、葬儀の参列者=ペイモンの崇拝者。エレンはカルト信仰の長であったために、彼女を崇拝する人物も多かったのでしょうね。序盤の序盤から伏線が散りばめられているヘレディタリー、恐ろしい……!

その③チャーリーは不慮の事故で亡くなったのか?

窓の外から顔を出し、そのまま電柱に巻き込まれて亡くなってしまう、悲惨な死を遂げたチャーリー。一見スピードの出し過ぎでは?と思ってしまいますが、これも全てはペイモンによって運命を狂わされたため。ピーターの不注意ではなかったのだとか。

画面が暗くてとても分かりづらいのですが、頭を巻き込まれた電柱にはペイモンの紋章が……。チャーリーは女性であるため体内に悪魔が宿っていても、しょせんは「箱」でしかなかったのです。ピーターに宿すことが最終的な目的ですから、用のなくなった彼女は奴らの手により死亡してしまったのです。

その④アニーの兄が残した言葉

アニーの父・兄もすでに亡くなっていますが、兄が残した言葉が気になります。「母さんは僕の中に何かを招き入れようとした」と遺書に残し、首つり自殺。ここまで読めばもうお分かりかと思いますが、エレンは兄にペイモンの魂を宿そうとしていたのだとか……。兄で失敗してもまだ懲りず、次はピーターに狙いを定めた執着心は非常に恐ろしいですよね。

ちなみにアニーの夫であるスティーブも男性ですが、同じ「箱」でありながら彼に目をつけることはありませんでした。なぜなら彼は別の家計の人間、エレンが狙うのは自分の血筋です。いくら性別が該当していても、外部の血である以上対象にはならなかったのでしょう。

その⑤時折飛び出す謎の言葉

チャーリーの部屋に浮かび上がり、ジョーンも口にしていた「サトニー」「ザザス」等の言葉。これは簡単に言えば「ペイモンの復活呪文」のようなものです。ランチ中のピーターに向かってこれらの言葉を吐いて「出ていけ!」と叫んだジョーンを見れば、なんだか意味も分かってきますよね。

このように一見無意味に思われがちな言葉が奇妙に映画と関わっているのが本作の怖さを倍増させています。一つ一つの伏線を丁寧に拾い、考えていくのも面白いですね。

その⑥女性ばかりが首を斬られる?

作品をよ~く思い出してほしいのですが、チャーリー、アニー、エレン……全員共通して言えることが「死体には首がない」ことでした。チャーリーは事故によって首を跳ね飛ばされたようなものですし、アニーは自らの首を糸ノコギリで斬り落としました。そしてエレンの掘り起こされた死体も、見事に首がありませんでしたね。

この家系の女性たちはペイモンに首を捧げ「生贄」となることが必須なのでしょう。序盤でチャーリーがハトの首を斬ってポケットに入れたのも、十分な伏線だったのです。

その⑦時折見える光の正体は?

チラチラと青っぽい光が家の中、学校など様々な場所で登場しますが、これはペイモンを指しています。アニーがジョーンに教えてもらった降霊術を試してから、やたらと頻繁に現れるようになりましたよね。

ラストシーンで窓ガラスを破って出ていったピーターの体に、光が宿ります。これはペイモンが彼の体に入ったことを示しているのですね……!悪魔の存在を光で表現するのは分かりづらいのかもしれませんが、細やかな演出に脱帽です。

その⑧家族が助かるためには……


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エレンの持つ異常な執着性により、まんまと悲惨な状態に陥ってしまったグラハム家。どうしたら助かることができたのでしょうか…?正直なところ序盤から怪しげな雰囲気たっぷりだったのですが、最もネックとなった出来事はやはり降霊術でしょう。これによりペイモンが召喚され、一気に家族は崩壊していきます。

元々チャーリーの体内にずっと宿っていたのですから、ペイモンは十数年もの間外に出るタイミングを伺っていたはず。降霊術という絶好の機会が訪れましたから、召喚後はあっという間に生贄をゲット、そして復活をしてしまったのです。

ただ「降霊術を避けたら家族全員が助かったのか?」と言われると、それは難しいかもしれません。なぜならエレンが亡くなっても、カルト的信仰をする崇拝者は多数いたのです。復活のための執着心が異常ですから、何らかの形であれ家族は崩壊させられていた可能性もありますね……。

『ヘレディタリー/継承』のネタバレまとめ

伏線が多数散りばめられ、観れば観るほど恐怖心が増す『ヘレディタリー/継承』。鑑賞後に思い出してゾクゾクくるタイプのホラーですね。瞬間的にビックリするのではなく、ぞわりと近づいてくる感覚がたまりません。こんな骨太であるホラー映画は観たことがないでしょう!

解説を読めばそれを知るべく、また観たくなってしまうのも中毒性が高いポイント。アリ・アスター氏の世界に触れたい方、ぜひ勇気をもってご鑑賞ください!

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