バットマン史上最悪の宿敵『ジョーカー』徹底解説 | 登場作品やキャストも合わせておさらい!

2019年10月4日に公開が予定されている映画『ジョーカー』。題名の通り、バットマンの宿敵であるジョーカーを中心とした物語です。ヴェネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞を受賞するなど公開前から注目を集めています。そこで、ここで今一度「ジョーカー」を振り返ってみましょう!原作のオリジン(原点)から過去の映画作品まで、作品ごとに「ジョーカー」を解説していきます。一体なぜ最悪の敵である「ジョーカー」がここまで支持されるのでしょう?

絶大に支持される「ジョーカー」について

そもそもジョーカーとは何者なのでしょうか。DCコミックスのヒーロー、バットマンのヴィラン(悪役)として知られています。バットマンはゴッサムシティを守るヒーローです。バットマンの敵にはトゥーフェイスやペンギン、リドラー等数多く登場してきました。その中でも飛びぬけて邪悪で、頭が切れるヴィランがジョーカーです。

バットマンをギリギリまで追い詰め、残酷な選択を迫るジョーカー。その邪悪さは嫌悪感を抱いてしまうほどです。しかし、そんな最悪のヴィランは意外なことに魅力的でもあります!彼の性格、ピエロの皮、風貌、行動、どれをとっても狂気に溢れています。その一方で、根底にある理性的な部分にゾッとするのです。そんな彼の原作での「顔」をのぞいてみましょう。

原作の「ジョーカー」

原作のジョーカー
出典:DCコミックス公式サイト

1939年、『Detective Comics #27』でバットマンが初登場しました。その翌年、『Batman #1』でジョーカーも登場します。それ以来、バットマンの宿敵として現在まで登場し続けているのです。

ジョーカーの肌は白く、ピエロのような化粧をしています。彼自身には特別な力はありません。体力や戦闘能力は一般的な成人男性とそう変わらないのです。では、何が彼をジョーカーたらしめているのでしょうか?それは彼の「異常な精神」です。人格も気分もコロコロ変わるため、次に何をしでかすかわかりません。しかも、その行動も奇想天外で予想も出来ないのです。恐らく本人自身も次何をするのか分からないのでしょう……。自分の顔の皮を剥ぎ、また付け直す、という狂気の行動をとったこともありました。

子供っぽい面がある一方、頭が切れる人物でもあります。綿密に練られた計画と、トラブルが起きてもすぐ別のプランを用意する臨機応変さには誰もついていけません。彼の邪悪さと頭脳はまさに悪魔。それを止められるのはバットマンだけです。

ジョーカーとバットマンは表裏一体、コインの裏表のような関係です。ジョーカーに対抗できるのはバットマンだけ。しかし、バットマンは人を殺さない信条を持っています。どんなに凶悪な犯罪者であっても、殺さずに逮捕するだけ。ジョーカーはそれをよく知っています。だから脱獄する度にバットマンへ「殺してみろ。殺したいほど憎いだろう。」と繰り返すのです。

このジョーカーのバットマンに対する執着は異常です。バットマンを苦しめるためなら何だってします。例えば二代目ロビン(ロビンとはバットマンの相棒のこと)の殺害。バットマンの良き友であるジェームズ・ゴードンの妻を殺し、その娘を下半身不随にするなど、背筋が凍り付くようなことをなんなくやってみせました。すべてはバットマンのため

意外に思われるかもしれませんが、ジョーカーはバットマンを愛しています。演者に観客が必要なように、ジョーカーにはバットマンが必要です。だから、バットマンが引退したストーリーでは、ジョーカーも引きこもってしまいました。また、バットマンが自分じゃない誰かに殺されそうになると、助けようとします。それほどまでに、「自分の」バットマンに固執しているのです。

「レッドフード」としてのジョーカー

レッドフードとしてのジョーカー
出典:DCコミックス公式サイト

「レッドフード」と聞いて、二代目ロビンを思い浮かべる方も多いでしょう。ジョーカーに殺害されてしまった二代目ロビンのジェイソン・ピーター・トッド。

彼は死んだあと、レッドフードとして復活しました。しかし、以前とは違い狂人じみています。赤いマスクをかぶり、街を守るためにギャングを殺し回るようになりました。どんな悪党でも殺すことはしないバットマンとは対照的です。

その「レッドフード」とは別の「レッドフード」が存在します。それがジョーカーの「レッドフード」です。1951年の『Detective Comics#168』で登場したジョーカーは、まだジョーカーではありませんでした。ただの街の小悪党で、レッドフードを名乗って赤い仮面をかぶっています。1988年に発表された『Batman:The Killing Joke』では、そのエピソードをさらに掘り下げています。悲劇に悲劇が重なり、ただの一般人が「レッドフード」になり最後に「ジョーカー」となりました

ジェイソンもジョーカーも「レッドフード」を名乗りました。そして変化を迎えた訳ですが、ジェイソンは悪党を倒すヒーロージョーカーはヴィランになる、と結果は対照的です。しかし、バットマンから見ると同じと言えます。殺さずの信条を守るバットマンは、ジェイソンをバットマンファミリーと認められません。ジョーカーと同じヴィランです。「レッドフード」の表すところは悪い意味での「変化」と言えます。

ジョーカーの「オリジン」

ジョーカー(オリジン)
出典:DCコミックス公式サイト

「レッドフード」で少し触れたように、ジョーカーは普通の人間でした。彼に何が合ったのか、そのオリジン(起源)をご紹介します。彼のオリジンは作品によってぶれがあります。それは作家やアーティストが違うからという大人の事情もありますが、それとはまた別の理由があります。それはジョーカーの精神状態が影響しているのです。過去の出来事によって、狂人となってしまったジョーカー。人格がころころ変わったり、発言も二転三転したりする彼は、自分でももう何が本当か嘘か分からないのです。

先ほど紹介した『Batman:The Killing Joke』では、ただの一般人でした。コメディアンになるため、会社も辞めましたが鳴かず飛ばず……。妻の妊娠もあり、お金が必要だった「彼」は仕方なく「レッドフード」として強盗の道案内役になります。化学工場の中を案内するのです。しかし実行直前、妻と子どもが事故死してしまいました。失意の中、計画から抜けることも出来ず強盗に入りますが、計画は失敗。警備員に見つかり仲間は射殺されました。逃げようと走る「彼」の前に立ちはだかるのは、バットマン。必死に逃げる「彼」は化学薬品の溶液の中に飛び込みました。結果、彼の肌は白く、髪は緑に、口端は笑っているかのように深くさけたのです。これが「ジョーカー」の誕生です。

他のストーリーでは、実はギャングのリーダーだったり、元々ただの犯罪者だったり、はたまたバットマンの執事だったり……とバラバラ。共通していることは「化学薬品の溶液に浸かったことで、変貌した」ということです。それ以外は何が本当か分かりません。実はどれも本当ではないのかもしれません……。

ジョーカーが登場する映画一覧

ここからは、そんな「ジョーカー」が登場する『バットマン』をはじめとした各映画のあらすじやみどころを振り返っていきましょう。

映画『バットマン』(1989年)


出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

それでは、ここから映画となったジョーカーをご紹介していきます。

映画の初登場は『バットマン』(1989年)です。監督は、『ビックフィッシュ』や『アリス・イン・ワンダーランド』、『ダンボ』などの名作を手がけるティム・バートンです。バットマン役には、『ビートル・ジュース』や『スポットライト 世紀のスクープ』など幅広い役を演じ切るマイケル・キートンが起用されています。そして、ジョーカーにはジャック・ニコルソンです。ジョーカーといえば、彼!という方も多いのではないでしょうか。それほどまで、多くの観客を虜にしたジャック・ニコルソンに注目です!

『バットマン』あらすじ

映画『バットマン』予告編

ゴッサムシティは大都市でありながら、犯罪のはびこる街でもあった。一歩路地裏に入ると強盗に襲われるような治安の悪さだ。そんな街で人知れず犯罪者を懲らしめる者がいる。それがバットマン(マイケル・キートン)だ。「蝙蝠男」として都市伝説になっているが、誰もその正体を知らず、犯罪者以外誰も姿を見たものはいない。そんな男が本当に存在しているのかも不明。

しかし、実際に存在しているのだ。バットマンはある時、マフィアの関係者が化学工場へ侵入することを知る。着いた頃にはもう犯罪者たちは警察たちに取り囲まれていた、犯罪者たちの1人、ジャック(ジャック・ニコルソン)も絶体絶命。ジャックはそれでも逃げる為に化学工場内を走っていた。だが、そんな彼の前にバットマンが立ちふさがる。バットマンに抵抗しているうちに、ジャックは化学薬品の溶液の中に落ちてしまった。助けられないと悟ったバットマンはそのまま闇夜に姿を消す。

ところが、ジャックは生きていた。肌は白く、口はまるで笑っているかのように裂けている。その自分の姿を見たジャックはあまりのショックに狂気に染まってしまった。ジャックは「ジョーカー」へと変貌する。そして自分を裏切ったマフィアたちへの復讐を誓う。その誓いは、ゴッサムシティを地獄へと誘っていく……。

『バットマン』でのジョーカーのみどころ

『バットマン』に登場するジョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

ティム・バートン監督の作品は、不気味な世界観と独特の色彩・デザインが特徴的です。『マーズ・アタック!』『フランケンウィニー』など、不気味なのに魅力あふれる作品を多く作りだしてきました。その魅力は監督オリジナルの作品だけにはとどまりません『チャーリーとチョコレート工場』や『ダーク・シャドウ』など、原作のある作品の映画化を成功させる監督でもあります。例えば、『アリス・イン・ワンダーランド』では、アリスの不思議な世界を監督独自の解釈で冒険ファンタジーに仕上げました。また、『ジャイアント・ピーチ』は大きな桃の中にいる虫たちをクレイアニメで表現し、大人から子どもまで誰にでも好かれ共感されるようなストーリーにしました。

本作でも、ティム・バートン監督はコミックの『バットマン』を独自の解釈で魅力的な作品にしてみせました。特にジョーカーのデザインが素晴らしいです!ジョーカー自身が色彩豊かなのはもちろんのこと、小物もカラフルです。子どもが遊ぶような可愛らしいデザインで、思わず手に取りたくなります。しかし、その性能は悪党も真っ青なえげつなさ。このギャップがジョーカーらしいです。カラフルで可愛いそのデザインは、ティム・バートン映画好きなら「ティム・バートン作品だ!」と一瞬で分かるほど特徴的です。ですが、ジョーカーが持っていても何も違和感がありません。ティム・バートン監督は、本作でも自分の世界と「バットマン」の世界を上手く調和させているのです。

ジョーカーの色彩や無邪気さ、隠しきれない邪悪な感情、バットマンとは対照的に描いています。バットマンはコスチュームもアイテムも車も全て真っ黒、静かに暗闇から現れます、ムダなおしゃべりもしません。シンプルですが、派手なジョーカーとの対比で映える「黒」になっています。2人で1つとなるようなバランスです。コミックファンを夢中にさせた、バットマンとジョーカーの表裏一体を映画にも見事反映させました! 

『バットマン』でのジョーカー役はジャック・ニコルソン

『バットマン』に登場するジョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

ティム・バートン監督の色彩感覚と解釈で魅力的に表現されたバットマンとジョーカー。監督だけでは完成できなかったでしょう。誰よりもジャック・ニコルソンがジョーカーを理解していたからこそ、この「ジョーカー」は出来上がったのです。

「ジョーカー」と聞いてこのジャック・ニコルソンのジョーカーを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。今に至るまで何人もの俳優がジョーカーを演じてきましたが、それでもジャック・ニコルソンの人気は根強いです。ジャック・ニコルソン自身も「私はジョーカーをどう演じたら良いのか知っている。」と語っています。それほどまで、ジョーカーを理解しているのです。

映画序盤では、仕事の出来るギャングという印象です。凶暴そうですが冷静で、暴力的な面を隠しているように見えます。しかし、ジョーカーになってからは印象が変わりました。仲間に裏切られ、自分の見た目も醜くなりまともな精神ではいられなくなりました。今まで隠していた凶暴な面があらわになるのです。今まで抑圧していた感情が噴き出すように、踊り狂う場面は観客を震え上がらせました!特に美術館での一幕は忘れられない光景です、美術品を汚すという無意味な行動、大の大人が踊りまくり奇声をあげる、次に起こす行動が想像できません。席に着いてからのジョーカーの仕草はまるで子どものようで、思わず警戒を解いてしまいます。この不思議な演技が出来る俳優が他にいるでしょうか。

仲間を使い捨てのように使います。それはまるで自分がされたことをそのまま返しているようです。しかし、ジョーカー自身は気に留めるような素振りはみせません。実はジョーカーは裏切られたことを気にしていないのかもしれないのです。裏世界で生きてきたジャックは、裏切られる行為自体は慣れていると考えられます。それよりも「使える自分を捨てるなんて」と思ったことでしょう。使える者は使う、使えない者は捨てる、というように行動が一貫しています。ジョーカーの復讐は「裏切られた」ことよりも「使えないと判断された」ことにあるようです。そのため、ジョーカーが自分の部下を殺しても他の部下たちは動じません。そして、ジョーカーも殺した部下を見向きもせずに次の行動を開始します。この恐ろしいまでの「冷静さ」を演技したジャック・ニコルソン、彼こそがジョーカーです! 

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映画『ダークナイト』(2008年)

『ダークナイト』に登場するョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

『メメント』、『インセプション』、『インターステラー』など複雑で残酷でありながら美しい世界を描く監督、クリストファー・ノーランがメガホンを取りました。クリストファー・ノーラン監督は『バットマン ビギンズ』から始まるバットマンのシリーズ3部作を製作します。その2作目が、ジョーカーの登場する『ダークナイト』です。

この3部作は『ダークナイト トリロジー』と呼ばれています。バットマンのオリジンから最悪の宿敵、そして最後……クリストファー・ノーラン監督によるバットマンの世界が広がっています。その中でも「最悪の宿敵」ジョーカーとの戦いで1作品まるまる尺が割かれています。本作でジョーカーはどのようにゴッサムシティを地獄へと変貌させたのでしょう。

『ダークナイト』あらすじ

映画『ダークナイト』予告編

バットマン(クリスチャン・ベール)は、犯罪が起きれば市民のために現れる。そして犯罪者たちを捕まえる。しかし、警察でも何でもない一市民がやっていることだ。警察は「ヒーロー」だからといって特別扱いはできない。バットマンと協力関係にはなれない。表向きには……。しかし、ゴッサム市警のゴードン(ゲイリー・オールドマン)はバットマンと信頼関係があり、お互いに協力して事件を解決している。

ゴッサムシティの新しい検事のハービー・デント(アーロン・エッカート)もゴードンに、バットマンと協力させてほしいと申し出る。しかし、ゴードンは捜査にハービーを加えることはなった。信用に足る人物か確信が持てなかったのだ。一方でバットマンは、ハービーこそがこの街のヒーローとなる存在だと確信していた。

ゴッサムシティではある犯罪集団による強盗事件が多発している。ピエロの面を被った集団。その犯罪集団のボス、ジョーカー(ヒース・レジャー)はマフィアたちの会合に顔を出していた。そして、彼らにある話を持ちかける、「あんたたちの資金の半分をくれたら、バットマンを殺してやるぞ。」と。

『ダークナイト』でのジョーカーのみどころ

『ダークナイト』に登場するジョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

クリストファー・ノーラン監督ほどジョーカーに近い監督は他にいないのではないでしょうか。観客にそう思わせてしまうほど、クリストファー・ノーラン監督は人を絶望させるのが上手いのです。バットマンやその周りの人物を追い詰め、「もうこれ以上最悪なことはない……」という予想のさらに上をいきます。まさか彼が……まさか市民が……まさか……そんな信じられない出来事の連続です。

監督はジョーカーをよく理解しています。「バットマンが別の敵に気を取られている間に、戦闘から抜け出し一般市民を人質に取る」という戦闘時のジョーカーの行動に全てが表されていました。ジョーカーは戦う力は強くありません。ジョーカーの部下の方がよっぽど腕がたちます。だから、ジョーカーは戦闘時に「人質をとる」「命のかかった賭けをする」といった行動をとります。腕力では勝負にないので、心理戦を持ちかけてバットマンを自分の得意な土俵に上がらせるのです。

悪党相手に、警察も検事も手段は選びません。敵の先を行くために、仲間や家族すらも欺きます。しかし、それはただの悪党だから上手くいくことです。ジョーカーはただの悪党ではありません。バットマンたちがどんな策を用意していようとも、彼らが思いつかない邪悪な作戦で翻弄します。しかも「お金がほしい」「権力がほしい」というありきたりな目的がありません。ただ苦しめたい、人間は悪だと証明したい、それだけなので手に負えません。

原作コミックでジョーカーは「誰でも自分のようになる可能性がある」と語っています。本作のジョーカーもそうです。人間の善を信じているバットマンに対して、ジョーカーは人間の悪を信じていますそれをバットマンたちに示したいがために、究極の2択を迫るのです。

クリストファー・ノーラン監督は、希望すらも絶望に変える「ある演出」をしました。キーパーソンのあだ名をヴィランにしたのです。光が強ければ強いほど暗闇が濃くなるように、ヒーローと正反対にヴィランの醜悪さは増します。それを言葉なしに表現するクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』は素晴らしいです。

『ダークナイト』でのジョーカー役はヒース・レジャー

『ダークナイト』に登場するジョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

ヒース・レジャーがジョーカーを演じると発表された時、バットマンファンの多くは難色を示しました。それもそのはず。ヒース・レジャーと言えば『恋のから騒ぎ』や『チョコレート』などでの繊細な演技と甘いルックスが特徴的です。ジョーカーのようなヴィランとはイメージがまったく違います。しかし、そんな心配はいりませんでした。公開するやいなや、ヒース・レジャーこそがジョーカーだと絶賛されることとなります。なぜそこまでファンに受け入れられたのでしょう。

まずは、ヒース・レジャーの入念な準備があったためです。ジョーカーという役のために、6週間ホテルにこもりました。役作りのためです。そして誰とも口をききませんでした。ジョーカーのような精神病質者には話し相手がいないと知ったからです。また、精神病質者と面会するなど、ジョーカーへの理解を深めていきます。ジョーカーについて、コミックや映画だけでなく心理学などの専門書も使い研究しました。間違いなく、ヒース・レジャーはジョーカーに近い人物だったでしょう。

撮影時は、ジョーカーならこうする、と監督に提案し映画に反映されています。例えば、メイクです。ヒース・レジャーは自分でジョーカーのメイクをしました。まだらで雑な白いベース、表情の読みにくい黒い目、目の横まで長く伸びた唇。丁寧に色を塗りつぶしている訳ではありませんが、だからこそ子どものように気まぐれな性格が表れています。クリストファー・ノーラン監督は、このメイクを見て、メイク担当にこのままのメイクを再現するよう注文しました。ヒース・レジャーのジョーカーのはまりっぷりは、監督も認めるほどだったのです。

ジョーカーがジョーカーとして登場する最初のシーン、ただ笑いながら入って来る場面です。その笑い声は完璧です、本物のジョーカーの笑い声でした!顔が見えなくても、観客に「奴がきた」と思わせます。たかが笑い声ひとつですが、たかが笑い声だけで恐怖をかきたてられるのは、ヒース・レジャーのほかにはいないでしょう。

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映画『スーサイド・スクワッド』


出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

スーパーマンが主人公の映画『マン・オブ・スティール』から始まるDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)。シリーズ2作目『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でバットマンが登場しました。そして、3作目にあたる本作『スーサイド・スクワッド』でジョーカーも登場したのです。本作でのメインキャラではないものの、歴代ジョーカーに劣らぬビジュアルは公開前から話題となりました!

原作でもジョーカーに付きまとう女性ヴィラン、ハーレイ・クインにも注目が集まりました。ジョーカーに影響されジョーカーのように行動する不思議な女性です。本作は、彼女なしでジョーカーは語れません。

『スーサイド・スクワッド』あらすじ

出典:映画『スーサイド・スクワッド』予告編

アメリカ政府には秘密がある。その一つが魔女の心臓「エンチャトレス」の管理だ。この危険な「エンチャントレス」がある時、研究者の体を乗っ取ってしまった。このままでは人類は滅亡してしまう。しかし、止めることは容易ではない。史上最悪の事態に犠牲は避けられないだろう、しかも今はスーパーマンもいない……。そこでアメリカ政府高官のアマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)は「スーサイド・スクワッド」の結成を決める。悪党には悪党をぶつけるのだ。

刑務所に入っている最悪のヴィラン達で部隊を作った。ヴィランなので、当然全員言うことなど聞かない。首に爆弾を着け、言う事を聞かなければいつでも殺せるようにしている。しかし、彼らはそんなことでは動じない、チームワークなどあってないようなものだ。だが、そんな彼らに人類の命運がかかっている。

『スーサイド・スクワッド』でのジョーカーのみどころ

スーサイド・スクワットのジョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

本作でのみどころはハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)とジョーカー(ジャレット・レト)との組み合わせです。これまでの映画化では登場しなかったヴィランです。それもそのはず。ハーレイ・クインの初登場は1992年のテレビアニメシリーズ。コミックでの初登場は1999年と比較的最近なのです。しかし、ジョーカーといえばハーレイ・クイン!と言いきれてしまうほど人気のヴィランの仲間入りをしています。

ハーレイ・クインは実はもともとはただの精神科医でした。ところが、研究の一環でジョーカーと関わるうちにジョーカーに恋をしてしまいます。ついにはジョーカーを脱獄させてしまいました。そして、ジョーカーに化学薬品の溶液に落とされジョーカー同様に白い肌となります。原作では、ハーレイ・クインはジョーカーから鬱陶しがられており片想いの関係です。しかし本作では、ジョーカーとハーレイ・クインは相思相愛。ジョーカーと同じように考え、ジョーカーのように自分の命を惜しまず恐ろしい行動をとります。まさに彼女は、本作での第二のジョーカーといえるのです。

『スーサイド・スクワッド』でのジョーカー役はレット・レト

『スーサイド・スクワット』のジョーカー
出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

ジョーカーの登場シーンは多くありません。それにもかかわらず、観客に強烈な印象を与えました。全身刺青だらけ、ぎらつく歯、笑っただけでゾッとするその姿は全く新しいジョーカーです。ジャック・ニコルソンの無邪気な邪悪さや、ヒース・レジャーの静かな狂気、そのどれとも違います。しかし、腕の「HAHAHA」という笑う文字は原作のジョーカーを連想させるものです。今までとは違ってもやはりあのジョーカーだと分かります。

ジョーカーを演じるジャレット・レトの役作りもまた徹底的です。撮影期間中は例え休憩時間であってもジョーカーを演じ続けました!共演したウィル・スミスは「いまだに本当のレトとは会っていない」と言っていました。また、ほかの共演者も監督ですらも彼を怖がっていたと言います。共演者にネズミや銃弾などクレイジーな贈り物もしていたとか……。それほどジャレット・レトはジョーカーだったのです。

少ない出演であっても「ジョーカーの威厳」を見せつけたジャレット・レト。これからのシリーズの出演に期待が集まっています!

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実写映画以外に登場する「ジョーカー」たち

ここまで実写映画での「ジョーカー」をご紹介してきました。実写映画にするために、ジョーカーの邪悪さを見た目・演技・悪行で表現されています。しかし、「ジョーカー」の活躍はこんなものではありません。テレビドラマシリーズにアニメ映画にCG映画に……まだまだご紹介したい「ジョーカー」がいます!場所が変われば「ジョーカー」も変わります。邪悪さを抑えてお茶目さをアップさせていたり、バットマンへの気持ちが強調されていたり、武将になっていたり!どの「ジョーカー」もコミックの人格を引き継いでいながらも、新しい解釈で表現されています。

その中でも印象的な「ジョーカー」たちをご紹介します。

TVシリーズ『バットマン』に登場するジョーカー


出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

日本では当時『怪鳥人間バットマン』という邦題で放送されていました。他の映画のバットマンシリーズのような重さはなく、明るいコメディのようなストーリーです。当時は子ども向けコミックへの規制がありました。有害なコミックを規制しようとする動きです。その動きはコミック業界に大きな影響を与え、このドラマ化も例外ではなかったようです。原作とは全く違うジョーカーが登場します。

本作はコミカルな作品であったため、ジョーカーの性格も少し違ったものになったのです。ジョーカーを演じたのはシーザー・ロメロ、彼がジョーカーを初めて演じた人物です!本当のピエロのようなコミカルさがありますそして、他の作品と違うのは、誰かを傷つけるような行為をしない、ということです。ただの小悪党という印象で、邪悪さもありません、むしろ親切なくらい!一般市民から情報を聞き出すために脅すなんてしません、楽しく会話してうっかりしゃべらせてしまうのです。こんなお茶目なジョーカーは他にはいません。そのポップな見た目と一致する可愛い行動をするジョーカーは新たなファンを獲得し、愛されるようになりました。

緑色の髪や白い肌、笑っているような赤い口紅は他の作品のジョーカーと同様です。しかし、白い肌の下に口ひげが見えています。これはシーザー・ロメロの他の作品の撮影の為、剃れなかったからだそうです。服装はピンクに近い紫色、古さを感じないデザインは必見です!

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映画『レゴバットマン ザ・ムービー』に登場するジョーカー


出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

本作では登場人物は皆レゴのキャラクターです。キャラクター以外の建物もアイテムもみんなレゴのブロックで出来ています。そんなゴッサムシティが舞台のバットマンの物語が本作です。ポップな見た目と同様にストーリーも登場人物の性格もシンプルで分かりやすくなっています。例えば、バットマン(ウィル・アーネット)は寂しがり屋で嫉妬もするし仲間が欲しい。でも、仲間を失いたくないから仲間は欲しくない……。と全部説明してくれちゃいます。今までバットマン作品は観た事がない、という人にオススメできる内容です。

ジョーカー(ザック・ガリフィアナキス)だって例外ではありません。他の作品のように邪悪……とまではいきませんが、悪だくみをしています。しかし、その動機が可愛いです!理由は「バットマンが自分をライバルだと言ってくれなかったから」。他の作品でもジョーカーはバットマンの気を引くために、またはバットマンに見せつけるため、はたまたバットマンに止めてもらうために邪悪な犯罪をします。ジョーカーの心の中にはいつでもバットマンがいますが、その邪悪さで忘れてしまいがちです。本作ではその邪悪さが少ない分、ジョーカーの「バットマン愛」が分かりやすくなっています。自分はバットマンの最悪の宿敵で、無視できない存在なんだと思っていたのに……。そう言ってジョーカーはバットマンに認めてもらう為に頑張ります。頑張る方向性の悪さにジョーカーらしさも出ています。

孤独なバットマンと孤独なジョーカーという2人の似ている部分も分かりやすいです。孤独でありながら、実はつながりを求めているところもそっくり。しかし、最終的にはバットマンは変わります。人間関係を恐れず、仲間に出会います、そして頼ることも出来るようになります。本作はバットマンの成長物語なのです。それに対してジョーカーは成長しません。最初から最後までただバットマンとのつながりだけを求めます。本作ではバットマンとジョーカーの似ているところをピックアップしていながらも、それでもバットマンとジョーカーは決定的に違うと締めくくります。それこそが長年の2人の関係です。

映画『ニンジャバットマン』に登場するジョーカー


出典:ワーナーブラザーズ公式サイト

今度のバットマンたちの舞台は日本の戦国時代!ヴィランのゴリラ・グロッド(子安武人)のタイムリープ装置が暴走したことで、バットマン(山寺宏一)は日本の江戸時代にタイムスリップしてしまいました。バットマン以外のロビン(梶裕貴)、キャットウーマン(加隈亜衣)といった仲間も一緒です。そして、ジョーカー(高木歩)を始めとする最悪のヴィランたちも……。バットマンとヴィランとの合戦が始まります。

全編3DCGで描かれた本作、日本とアメリカの合作でもあります。アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』でも有名な水﨑順平監督を始めとする、実力のあるスタッフにより製作されました。日本的なデザインとアメリカのコミックのような絵柄が上手く融合しています。キャラクターたちが、それぞれ忍者の格好だったり兜を被ったりしているのです。

ジョーカーは緑の髪をまげのように結っています、服装は殿様のような襟が付いている和服をイメージした洋服です。日本刀でバットマンと戦う一幕もあります、本作のジョーカーは戦闘もするのです。他では見られないバットマンとジョーカーの切り合いは必見!今回のジョーカーは邪悪さよりも純粋な「強さ」が特徴的です。さらに痺れるのは、城を改造して作った巨大なロボットでの戦闘です。操縦かんは将棋盤とヴィランたちの名前が書かれた駒。文章で読むだけだと稚拙なように感じてしまいますが、実際に映像でみるとそんなことは感じられません、とにかく格好良いの一言です!

そんな戦うジョーカーとは別に、農民として生きるジョーカーも観ることができます。過去を忘れ、ただ一人の人間として穏やかに生きています。その姿は狂気に飲み込まれる前のジョーカーのようです。もし彼に悲劇が起きなければ……。同じように記憶を失ったハーレイ・クインと、植物がちゃんと芽を出した喜びを分かち合うシーンは胸に来るものがあります。バットマンはジョーカーのそんな姿を見て何を考えたのでしょうか。

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DCの新作映画『ジョーカー』とは?

映画『ジョーカー』予告編

新作映画『ジョーカー』が2019年10月4日に公開され、世間を震撼させました。

予告編でメインに描かれているのは普通の人間のジョーカーです。大都市の隅っこで貧しいながらも誇りを持って仕事をしている男性。コメディアンとして生きています。人を笑顔にする仕事。しかし、彼自身に笑顔はありません。周りからの冷たい目、悪い環境、治安、身近にある悲劇が次々に襲い掛かります。彼の運のなさに胸が痛くなる予告です。

最初、バスで子どもを笑わせていた優しい男性がどんどん闇に飲み込まれていきます。その過程にゾッとしませんか?これは原作のコミックのジョーカーが言っていた「誰でもジョーカーになる」物語なのです。彼が特殊だったからジョーカーになったのではありません。悲劇に見舞われ、気が狂えばどんなに良い人だってジョーカーになる可能性がある。そう考えるジョーカー”オリジン”のストーリー。

今回、ジョーカーを演じているのはホアキン・フェニックスです。映画『her/世界でひとつの彼女』でゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネート。映画『ビューティフル・デイ』ではカンヌ国際映画祭男優賞を受賞している実力者です。また映画『スタンド・バイ・ミー』などで知られるリヴァー・フェニックスを兄に持っています。ホアキン・フェニックスは『her/世界でひとつの彼女』での内向的な男性の演技が印象的でした。いまいち人の中に溶け込めなかった男性が、AIと話していくうちに恋心を抱きます。その繊細な感情を豊かに演じていました。そんなホアキン・フェニックスは本作では悲しい負の感情を演じています。どんどん顔色が悪く、目つきはするどくなっていきます。最後にはどんな表情をみせてくれるのか……注目です!

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2020年1月8日配信スタート!

まとめ

原作コミック、過去作の映画、テレビドラマ、そして新作から「ジョーカー」についてご紹介してきました。奇抜な服装、行動の裏に隠しきれない邪悪さを持っている人物です。普通の人間には理解できないようなことを考えるヴィランですが、その過去には悲しい記憶があります。複雑な人間でもあるジョーカーは、多くの監督や俳優が新たな解釈で表現してきました。

次の新作を含めて、これからも最悪のヴィラン「ジョーカー」に期待が集まります。

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