映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が送る人生の支えになる名言集
2008年にアメリカで公開された映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は、80歳の状態で生まれ、年々若返る運命の元に生まれた男の人生を描くファンタジー・ドラマ映画です。主演をブラッド・ピットとケイト・ブランシェットが務め、『セブン』『ファイト・クラブ』のデビッド・フィンチャーが監督を手がけました。
第81回アカデミー賞では13部門にノミネートされ、視覚効果賞をはじめとする3部門を受賞。今なお愛される名作です。
この記事では、そんな映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』に登場する、人生の支えになる名言をご紹介します。人生の素晴らしさにグッとくるものを感じられるはず!!
目次
- 映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のあらすじ
- 映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の名言10選
- 【名言①】「人生、何が起こるかわからない(You never know what’s coming for you.)」
- 【名言②】「みんな“違う”と感じるわ。でも最後は同じ。たどる道が違うだけよ。自分の道を選んで。(Everybody feels different about themselves, one way or another. But we all going the same way. Just taking different roads to get there, that’s all. You’re on your own road, Benjamin.)」
- 【名言③】「いいか。太った奴、痩せた奴、背が高い奴、そして白人も、みんな俺らと同じく孤独だ。(But I’ll teill you a little secret. Fat people, skinny people, tall people, white people, they’re just as alone as we are.)」
- 【名言④】「死を前にして、怒ることも、運命を呪うこともできる。だがお迎えが来たら行くしかないんだ。(You can be as mad as a mad dog at the way things went. You could swear, curse the Fates, but when it comes to end…You have to let go.)」
- 【名言⑤】「人生は機会に左右される。失われた機会にも。(Our lives are defined by opportunities. Even the one we miss.)」
- 【名言⑥】「人生は複雑とは限らない。求めるものを知っていれば。(Life wasn’t all that complicated. If you want, you might say I was looking for something.)」
- 【名言⑦】「時に、人は気付かぬうちに障害へと向かう(Sometimes, we’re on a collision course and we just don’t know it.)」
- 【名言⑧】「自分のことは自分ではわからないよ。(I can’t really say. I’m always looking out my own eyes.)」
- 【名言⑨】「望めば、どんなことでも叶うの。(I suppose…anything’s possible.)」
- 【名言⑩】「道を見失ったら、自分の力でやり直せばいい。(If you find that you’re not, I hope have the strength to start all over again.)」
- まとめ
映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のあらすじ
2005年、病院で死の床にある老女のデイジー(ケイト・ブランシェット)は、とある日記帳を読み聞かせてくれと娘キャロライン(ジュリア・オーモンド)に頼む。その日記は、ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)という男が自らの人生を綴ったものだった。
1918年のアメリカ、ニューオーリンズ。ある日、生まれたばかりの赤ん坊がある老人施設の前に置き去りにされた。赤ん坊に気付いたのは、施設を経営する黒人夫婦。赤ん坊がシワだらけの老人のような姿であることに驚くが、子供を産めない身体であった妻クイニー(タラジ・P・ヘンソン)は、奇跡の子だと信じて育てることを決意する。
ベンジャミンと名付けられた赤ん坊は、医者から「80代の老人のような身体機能ゆえ、長くは生きられないだろう」と言われてしまう。だが無事に生き延び、むしろ年々若返っていくのだった。
映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の名言10選
映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』には、人とは違う人生の歩み方をするベンジャミンが、出会いのひとつひとつを大切に、一瞬一瞬を大切に生きた人生の中で、日記に残した言葉が登場します。その言葉たちは、何気なく生きている私たちにたくさんのことを気付かせてくれるはず。
その中から抜粋した10個の名言を、解説とともに紹介していきます!
【名言①】「人生、何が起こるかわからない(You never know what’s coming for you.)」
ベンジャミンを育てることに反対する夫ティジー(マハーシャラ・アリ)に対して、妻クイニーが言ったセリフです。これはクイニーの信条のようで、彼女はベンジャミンにもこの言葉を言い聞かせていました。
この言葉の通り、長くは生きられないかと思われたベンジャミンは長生きし、そのうえ、子供を産めない身体だったクイニーも、やがて子供を授かります。本当に人生は何が起こるかわからないもの。現状や常識にとらわれて物事を判断するのはやめるべきだと考えさせられます。
【名言②】「みんな“違う”と感じるわ。でも最後は同じ。たどる道が違うだけよ。自分の道を選んで。(Everybody feels different about themselves, one way or another. But we all going the same way. Just taking different roads to get there, that’s all. You’re on your own road, Benjamin.)」
「何だか自分が変わったような感じ」だと、自分の成長に戸惑うベンジャミンに対して、育ての母クイニーが言うセリフです。この時ベンジャミンは、他の子どもと自分が違うことにも気付き始めていました。
老人の姿で生まれたベンジャミンほどではなくとも、誰もが他の人と違う部分を持ち、そして以前の自分とも違うものですよね。そのことに孤独や不安を感じることもあります。そんな気持ちを払拭してくれるような、優しく力強い母の言葉。心にじんわりと沁みます。
【名言③】「いいか。太った奴、痩せた奴、背が高い奴、そして白人も、みんな俺らと同じく孤独だ。(But I’ll teill you a little secret. Fat people, skinny people, tall people, white people, they’re just as alone as we are.)」
老人施設の外にほとんど出たことがなかったベンジャミンを連れ出したのが、施設を訪れていたピグミー族のオティ(ランパイ・モハディ)でした。
これまであちこちを渡り歩いてきたと言うオティに、ベンジャミンは「1人で?」と聞きます。「それが俺たちのような変わり者の人生さ」と答えるオティ。そして、「だが……」と続けて言ったのがこのセリフです。
広い世界を見てきたオティだって、普通に見える人々だって、みんな孤独。そう気付かせてくれたこの言葉は、ベンジャミンの、そして私たちの孤独を紛らわせてくれたような気がします。
【名言④】「死を前にして、怒ることも、運命を呪うこともできる。だがお迎えが来たら行くしかないんだ。(You can be as mad as a mad dog at the way things went. You could swear, curse the Fates, but when it comes to end…You have to let go.)」
船乗りの仕事を続けていたベンジャミン。その船は、太平洋戦争で後方支援を担当することになります。
このセリフは、その戦争の中でマイク船長(ジャレッド・ハリス)が死ぬ間際に残したものです。老人施設でいくつもの死を目にしてきたベンジャミンですが、この時初めて理不尽で不自然な死を知ります。
のちにベンジャミンは、自分を捨てた実の父の最期を見届け、その際の日記にもこの言葉を残しました。死は抗えないもので、受け入れなければならないもの。人とは違う方法で死へ向かうベンジャミンですが、死という存在は平等に存在します。人生において、彼を支えた言葉のひとつだったのではないでしょうか。
【名言⑤】「人生は機会に左右される。失われた機会にも。(Our lives are defined by opportunities. Even the one we miss.)」
老人施設で少女デイジーと仲良くなっていたベンジャミン。大人になったデイジーと再会し、ベッドに誘われます。しかし、若く美しい彼女を前にして、初老男性のような見た目をしたベンジャミンは引け目を感じ、断ってしまうのでした。このセリフは、そんなベンジャミンが日記に残したものです。
チャンスは失敗するか成功するかだけでなく、逃しても人生を左右してしまうもの。実際に、ベンジャミンはこの後NYへデイジーに会いに行きますが、デイジーには恋人がいました。たとえうまくいきそうになかったとしても、機会を逃さないことが大切だと気付かせてくれる名言です。
【名言⑥】「人生は複雑とは限らない。求めるものを知っていれば。(Life wasn’t all that complicated. If you want, you might say I was looking for something.)」
歳を重ね、若返ったベンジャミンが日記に残していた言葉です。この時ベンジャミンはデイジーと結ばれていないものの、彼は決して自分を見失っていませんでした。
人は何かと人生を複雑に考えがちです。「こうすべきか、もしくはこうすべきか……」とさまざまな選択肢から何かを選び、同時に何かを捨てなければいけないような気もします。しかし、それは本当に自分が求めていることがわかっていないだけなのかもしれません。
人生はシンプルに考えることもできます。そのためには「自分にとって本当に大切なものは何か」を知ることが大切なのだと教えてくれる名言です。
【名言⑦】「時に、人は気付かぬうちに障害へと向かう(Sometimes, we’re on a collision course and we just don’t know it.)」
出典:Amazon.com
デイジーは大きな怪我を負い、ダンサーの夢を諦めざるを得なくなってしまいます。このセリフは、そんなデイジーを思いながらベンジャミンが日記に残したものです。
悪いことをしていなくても、ちょっとした偶然の重なりで、人は壁にぶつかってしまうものですね。そして、ぶつかるまでは気付けないものです。
この後、デイジーは深く落ち込みますが、やがて「もう2度と自分を憐れんだりしない」ときっぱりと告げました。その様子を見たベンジャミンは、「永遠に完璧なものなどないと彼女は気付いた」と日記に残しています。
大切なものはいつ失うかわかりません。わかっているのは、いつかは必ず失うということ。そんなことを思い出させてくれる名言です。
【名言⑧】「自分のことは自分ではわからないよ。(I can’t really say. I’m always looking out my own eyes.)」
長い年月を経て、ついに結ばれたベンジャミンとデイジー。デイジーは徐々に増えるシワに嫌気がさしており、「若返るってどう?」とベンジャミンに尋ねます。このセリフは、その問いに対するベンジャミンの答えです。
ベンジャミンは心からデイジーを愛し、デイジーのシワすら愛しています。反対にデイジーも、かつての老いていたベンジャミンを当時愛していました。
自分のことは自分にはわからないがゆえ、表面的なものにとらわれてしまうことがあります。「自分は醜いから愛されているはずがない」「自分は不器用だから成功するはずがない」などと、思ったことがある方も多いのではないでしょうか?
この2人を客観的に見ることで、自分のことは自分にはわからないからこそ、自分のことをわかってくれる人がどれだけ大切かと考えさせられます。
【名言⑨】「望めば、どんなことでも叶うの。(I suppose…anything’s possible.)」
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ベンジャミンがレストランで偶然目にしたテレビに映っていた、史上最年長で海峡横断泳を達成した女性の言葉です。
その女性の名は、エリザベス・アボット(ティルダ・スウィントン)。かつて、マイク船長の元で働いていた頃にベンジャミンが愛した女性です。当時、彼女はベンジャミンに、「19歳の時に海峡横断泳に挑戦して失敗して以来、何も達成できていない」と話していました。
しかし彼女は再び挑戦し、成功させたのです。ありきたりな言葉ではありますが、彼女の言葉だからこそ説得力があり、背中を押されます。
この時、デイジーのお腹にいる子どもの父親になれるだろうかと悩んでいたベンジャミンも、この言葉に背中を押されていました。
【名言⑩】「道を見失ったら、自分の力でやり直せばいい。(If you find that you’re not, I hope have the strength to start all over again.)」
出典:Amazon
どんどん若返る自分に耐えられなくなったベンジャミンは、姿を消して旅へ出ます。そんな彼が旅先から娘キャロラインに宛てた葉書に書いた言葉です。
「いつ始めてもいいんだ。変わるのも変わらないのも自由だ。最高でも最悪でも。ーーもちろん最高の方がいいが。驚きを目にし、感じたことのないことを感じて、さまざまな価値観に触れてほしい。誇りを持って生きろ。道を見失ったら、自分の力でやり直せばいい。」
この言葉をキャロラインに宛てた後、彼は10代の姿でデイジーの前に戻ってきました。娘とほとんど変わらない年齢で戻ることに、一体どれだけの勇気が必要だったか……。考えると目頭が熱くなります。
人生に遅すぎることなんか何もないーー。そんな、頭ではわかっているつもりの言葉が、人と同じ歳月を生きられないベンジャミンの言葉だからこそ心に刺さります。
まとめ
映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』に登場する名言を紹介しました。普通とは違う角度から人生を見ざるを得ないベンジャミンを通した言葉の中には、思わずハッとさせられるものもあったのではないでしょうか?迷いや不安が溢れてきたら、ぜひ映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』やこの名言集を思い出してみてくださいね!
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