『プレステージ』のあらすじネタバレ|どんでん返しが秀悦な映画を解説
因果関係にある2人のマジシャン。その恐ろしき争いをクリストファー・ノーランがミステリアスに描いた作品が『プレステージ』です。
マジシャンという珍しい題材であり、「これぞ、ノーランだ!」と思わず唸ってしまうような摩訶不思議な展開。
ストーリーに気を撮られているいるうちに、あなたはきっと“プレステージ(偉業)”の渦に巻き込まれているでしょう……!そしてマジシャンの織りなすテクニックにすっかり騙されてしまうこと間違いなし!
一度観てうまくオチが理解できなかった人でも大丈夫。本記事ではネタバレを含みながらしっかりと解説していきますので、ご安心くださいね。
これを読めば『プレステージ』の更なる面白さに気づくかもしれません。ノーラン節がたっぷりと効いた世界をどうぞお楽しみください!
目次
映画『プレステージ』について
出典:IMDb
2006年にアメリカで公開された『プレステージ』。イギリスの作家・クリストファー・プリーストによる『奇術師』をベースに物語が創られました。なお原作と映画はストーリーや登場キャラクターなども異なっているのだとか。
マジシャン×サスペンスという今までにない題材で、多くの観客が虜に!第79回アカデミー賞では撮影賞と美術賞にノーミネートされ、作品の持つ実力を世に知らしめました。
惜しくも受賞は逃してしまったものの、細やかなストーリーと予想を上回る衝撃のラストは多方面から高い評価を受けています。
監督は『メメント』や『ダンケルク』、『TENET』などでお馴染みクリストファー・ノーラン。独特の世界観とちょっぴり難解な作風でファンのハートをガッチリと掴んでいます。本作も“ノーラン節”が炸裂しており、好きな人にはたまらない内容となっていますよ!
10秒で分かる!映画『プレステージ』の簡単なあらすじ
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マジシャンのアンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)はお互いをいがみ合い、ライバル以上の関係。
因果関係と言い表していいほど、2人の間には深い溝があります。かつては同じ奇術師の元で修業をするほどの仲でしたが、とある事件がきっかけで亀裂が入ってしまったのでした。
技術を磨き競争し合っている頃、ボーデンが遂に瞬間移動のマジックを成功させます。彼に早く追いつこうと焦るアンジャー。2人の溝は更に深まっていき、お互いを邪魔するほどにエスカレートしていくばかり。
どうしてもボーデンの新たなマジックのトリックを見破れないアンジャーは、自分も同じ瞬間移動を試してみるのですが、その真実に辿り着くことができません。勝利の女神は一体、どちらに微笑むのでしょうか?
映画『プレステージ』のネタバレあらすじ
【あらすじ①】亀裂のきっかけ
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舞台は19世紀末ロンドン。アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)は同じ師匠の下、マジックの腕を磨いていた。
アンジャーは観客を惹きつける能力があるものの、発想がイマイチ。ボーデンは反対に奇抜なアイディアを思いつくが、絵面が地味だった。お互いに一長一短ある中、マジシャンとしてはよきライバル関係にあったという。
しかしそんな2人の間に亀裂が走る、衝撃の出来事が起きてしまう。
ある日アンジャーの妻・ジュリア(パイパー・ペラーボ)が師匠の助手としてステージに登壇。水中脱出マジックを行うが、ボーデンが縛った縄を二重にしており、彼女は脱出に失敗して死亡してしまった。
一重結びなら助かったものの、なぜ二重に?それをアンジャーが問い詰めても「覚えていない」という返事のみ……。それ以来アンジャーはボーデンを激しく憎むようになり、関係が徐々に壊れていくのだった。
【あらすじ②】瞬間移動マジック
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溝が深まった理由は更にある。ジュリアを亡くしたアンジャーは、憎悪からボーデンのマジックを邪魔しにやってきたのだ。
観客から人気の「銃弾掴み」のタネを見破ったアンジャーは、彼に指2本を失わせる大けがを負わせる。以来2人はお互いを激しく憎むようになった。
ボーデンには貧困ながら妻子がいた。独り者になり、何もかもをなくしたアンジャーにとってはそれさえも腹が立つ要因だったのである。
そこへ小道具担当のカッター(マイケル・ケイン)が現れ、アンジャーと組む流れに。
これでうまくいく、と思った矢先のこと。せっかく編み出した鳩のマジックは見事ボーデンに邪魔をされ、より関係性が悪化してしまったのだ。
お互いは「いかに素晴らしいマジックを披露し、相手を超えるか」ではなく「どうすれば相手を蹴落とせるのか」に目的がズレていく。
そんなことを繰り返しているうちに、遂にボーデンへ瞬間移動の新作を披露。トリックを見破れない彼は焦り、自分も同じネタで対抗するが……。
【あらすじ③】キーワードは“テスラ”
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アンジャーもボーデンを真似て瞬間移動を披露するが、彼のトリックはとてもアナログ。自分が消えたと見せかけ、代打(そっくりの偽物)を用意するだけというものだった。それをボーデンにあっさりと見破られ、舞台上でアンジャーは恥をかかされる大失態を冒す。
考えてもネタが分からないアンジャーは助手のオリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)に、ボーデンへ潜入捜査をするように依頼。寝返ったように見せかけてトリックを盗むのが目的だが、いざ持ち出したネタ帳(日誌)は見事に暗号だらけ。解読は不可能だった。
更にオリヴィアは恋心までもをボーデンに奪われ、アンジャーの元を去ってしまう。
日誌に書かれた暗号は「テスラ」。これはニコラ・テスラ(ディヴィッド・ボウイ)という科学者の名前を指しており、それに気づいた彼はテスラ本人を訪ねる。
「マジックのための装置を作ってほしい」、アンジャーの熱意に負けてテスラは装置を開発。瞬間移動マジックに使える機械を手にするのだった。
【あらすじ④】瞬間移動マジックは成功?
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テスラから受け取った機械は「コピーを作る」装置。危険性も高く、テスラ本人から警告されるのだが、復讐に燃えるアンジャーは聞く耳などもたない。
装置を使って瞬間移動は見事に成功。観客からは大ウケし、ボーデンはそのトリックを見破ることができなかった。気持ちが抑えられず、遂にボーデンはその舞台裏をのぞきに行くことに。
するとそこでは巨大な水槽が置かれ、落下したアンジャーが公演中に死亡。たまたま居合わせた彼は今までのいがみ合いから、彼は容疑者と勘違いされてしまう。そして1人のマジシャンを殺したとされ、死刑を言い渡された。
ボーデンには妻子もおり、オリヴィアと不倫関係にあった。だが妻は悲しみから自殺をして、オリヴィアにも去られた。アンジャーと同じく、彼もまた何もかもを失ったのだ。
【あらすじ⑤】2人のマジシャンの結末
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ライバルに勝った!そう思うアンジャーの前に、死刑で死んだはずのボーデンが現れる。なんとボーデンはもう1人存在し、瞬間移動のマジックも似た顔が2人いたからこそできたことだったのだ。
2人いたから妻を愛し、オリヴィアをも愛せた。(人格は別々だから)けれども双子であることを彼は誰にも言わず黙っていたのである。
そしてアンジャーが手にした機械は、利用することでコピー人間を作り出せるもの。つまり1回披露するたびもう1人のアンジャーが生まれ……ということだ。
毎回コピーを生み出しては水槽で死に、ステージを繰り返す。そんな恐ろしいことをしてまで、アンジャーはボーデンへ復讐をしたかった。だがそんな想いも、ボーデンの手によって終わりを迎える。
憎くて仕方がなかった相手を殺しても空しいだけ。そんな醜き争いを傍観していた師匠は装置を燃やし、物思いにふけるのだった。
映画『プレステージ』のキャスト
アンジャー/ヒュー・ジャックマン
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ボーデンの不手際によって妻を亡くしたアンジャー。強い憎悪が復讐心へと変わり、彼の持つ全てを羨むようになってしまいます。ステージを重ねても気持ちは満たされず、いつしかボーデンの妨害が目的に。そして最大の危険“コピー人間の製造”へと手を染めるのでした。
アンジャーの生み出した悲劇はたいへん傷ましいものですが、実際に自分が彼の立場だったら?と考えると……。このような行動に出てしまうかもしれません。悲しき奇術師は見事に悲惨な結末を迎えたのです。
アンジャーを演じるのはヒュー・ジャックマン。『X-MAN』シリーズや『グレイテスト・ショーマン』などでお馴染みの有名俳優さんですね!賞レースの常連で日本でも知名度が高く、前線を走り続けるトップスターと言えるでしょう。
【最もセクシーな男】ヒュー・ジャックマンが出演するオススメ映画7選!ボーデン/クリスチャン・ベール
出典:IMDb
奇抜な発想でアンジャーを追い詰めるボーデン。THE・マジシャンといった存在で、妻や助手にまで素性を明かさないプロ根性は流石としかいいようがありません。それが周りにいる女性を悲しませる結果となるのですが、ボーデンには言葉に現わせない魅力が秘められているのでしょう。
けれどもあまりに職人気質が強すぎるのが玉にキズ。アンジャーを殺しても気持ちが晴れることはなく、残されたもう1人の片割れは今後も悲しき運命を辿るのかもしれません。
ボーデンを演じるのはクリスチャン・ベール。役作りではとてもストイックなことで知られる俳優さん。『アメリカン・サイコ』や『ダークナイト・ライジング』に出演しており、ジャンル問わず様々な作品で活躍中です。
映画『プレステージ』で使われていた3つのマジック用語をおさらい!
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作中ではタイトルにある『プレステージ』の意味について解説していましたね。挙げられた3つの専門用語は物語のキーとなる言葉なので、ここでおさらいしてみましょう。
用語その①確認(プレッジ)
まず手品を披露するにあたって「タネも仕掛けもありません」というお決まりのセリフがあるように(笑)、観客に確認をさせます。
例えばカードや縄を使ったマジックなら実際に触らせてみるなど。「怪しいアイテムじゃありませんよ」ということを知ってもらうための確認作業ですね。
用語その②展開(ターン)
実際に確認をしてもらったのなら、いよいよワザの披露!これは「ターン」と呼ばれ、実際のパフォーマンスを経て、マジシャンとしての技量を見せつける工程です。
手の中のコインが消える、人が消える、など観客が「アッ」と驚く“展開”を紡いでいきます。
用語その③偉業(プレステージ)
けれどもターンだけでは不十分。物語には起承転結があるように、マジックにもオチを持ってこなければなりません。最大の盛り上がりとなる部分、それが偉業=プレステージです。
消えたはずのコインや人が再度現れる、などまるでイリュージョンのような奇跡!ここまで出来てこそ真のマジシャンなのですね。
映画『プレステージ』ボーデンにまつわる解説!
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終盤にかけてのどんでん返しが凄まじい『プレステージ』ですが、伏線があちこちに張られていたことにお気づきでしょうか?
そう、マジックは魔法ではなく、マジシャンは魔法使いじゃありません。“全てが真実”ですから、ファンタジーのような奇跡は起きていない。今目の前にあることがリアルそのものなんですね。
とは言え一度観ただけではなかなか気付きづらいのが、クリストファー・ノーラン監督のニクき部分(笑)本作の重要なキャラクター・ボーデンについて解説していきますので、理解できなかった人はこの章を確認するとGoodです!
そもそもボーデンは双子?それともコピー?
教授と呼ばれたマジシャンのボーデン、最後にもう1人瓜二つの彼がいる真実が明かされます。これは果たして双子?それともアンジャーと同様のコピー人間?この部分については一切言及されず、視聴者の判断に委ねられていますね。
けれどもストーリーを一度思い返してみてください。ボーデンは瞬間移動マジックのキーワードに「テスラ」と一言だけ残していたのです。テスラは科学者であり、アンジャーの瞬間移動装置を作り上げた人物。
わざわざ彼の名前を書くということは、つまり……?恐らくもう1人のボーデンもテスラの技術によって生み出された説が考えられます。
けれども別の発想で考えれば、アンジャーを陥れるために「テスラ」のキーワードを書いた可能性も。
ボーデンは双子でテスラ自身にも会ったことがない、ただ存在は知っている状態なら、彼がこの行動に出ることも推測できますからね。
筆者は「ボーデンはテスラに頼ってコピーを作り上げた説」を押したいですが(笑)こればかりは謎に包まれている部分です。
それにしても妻や助手にさえ本当のことを言わない徹底ぶり。これには思わず脱帽してしまいますね。
ボーテンの伏線!作中で“2人いる”ヒントは多数見られた!?
「ボーデンがまさか2人いたなんて……」と驚く人もいたかと思いますが、アンジャーとタッグを組んだカッターの一言を覚えているでしょうか?
「あれには替え玉がいる」
もうここでハッキリと言っていたものの、「いやいや、ただの憶測に過ぎないでしょ」「そんな振りを信じるわけない」とつい疑ってしまうのが私たち(笑)けれどもこの推測は本当だったんですよね……!
ストーリーを振り返ると片方がオリヴィアを愛し、片方がサラを愛しているという意味深な発言など、明らかに別人格が存在しているようなヒントが多数隠されていました。
特に更とオリヴィア間の関わりではこの伏線がよく目立っています。
真実を知ればハッとさせられるのですが、オチに辿り着かないと気付きづらいポイントでもあるでしょう。筆者も替え玉がいるなど思わず、ボーデンが二重、あるいは多重人格説や魔法使い説を考えてしまったほどです(笑)
アンジャー妻を殺した時のボーデンと、葬式に来たボーデンは同じ?
ボーデンは2人いる、そのことを知ればアンジャーの妻・ジュリアを計画的に殺していないことは明らかです。
ですからこのことを考慮すると、ステージ上でジュリアの腕を縛ったボーデンと、葬式に参列したボーデンは全く別ということがわかるでしょう。
縄を二重にして縛ったボーデンAは特にマジックへのこだわりが強く、ちょっぴり勝気な雰囲気がしています。それに対し葬儀へやってきたボーデンBはどうでしょう。悲しい表情を浮かべ、まるで同一人物とは思えないほどでしたね。
2人いるからこそ「どう縛ったか分からない」発言が出るのも無理はありません。もう序盤からボーデンA・Bはすでに私たちの前に登場していたのです……!(294」
あのシーンはどっちがどっちのボーテンだったのか
ボーテンにはAとBがいることを前提とした上で、シーンごとにあれはどっちの彼だったのか?を振り返ってみましょう。
ボーテンAはマジックへのこだわりが強い人物、ということを先ほど説明しました。ですから「銃弾掴み」で指を失ったのはボーデンAです。
ことごとくアンジャーのステージを邪魔し、闘志を燃やしていた彼。Bに比べると負けん気も強く、マジックのためなら犠牲を伴う強靭さも持ち合わせています。
そしてオリヴィアと恋に落ちたのもボーデンA。あれほど妻子を愛していた人物が、そうあっさりと不倫へ走るのも不思議な話ですからね。
そしてボーデンBですが、彼は銃弾掴みをした方ではないので、サラに手当てしてもらった時は自らの手で指を傷つけたのでしょう。マジックに対する姿勢は変わりませんが、BはAに比べるとやや人間的かもしれません。
さて、ではラスト死刑になってしまったボーデンは一体どちらだったのでしょうか?
……その答えはA。妻子に対して謝罪を述べるようなセリフからBではないことが読み取れます。なのでラストシーンに娘を迎えに来たボーテンはB。本当の親子が最後には再会を果たせた点は非常に感動的ですね。
映画『プレステージ』のギモン3選
出典:IMDb
無数の謎が散りばめられた映画『プレステージ』は一種の“難解映画”に該当すると思います。
クリストファー・ノーラン監督の手掛ける作品はそう呼ばれることも多く、『メメント』『TENET』などで難解さを痛感している人もたくさんいるでしょう(苦笑)
けれどもそれがノーランの魅力でもあり、作品の味わいをより一層深めるエッセンスであることに間違いはありません。
あなたは本作を観てどのようなギモンを抱きましたか?一つずつ分かりやすく解説していきますよ!
アンジャーはなぜ瞬間移動マジックの回数を限定したのか?
テスラの機械装置によって見事な瞬間移動マジックを披露したアンジャーですが、「100回限定」と制限付きで公演を行います。
この“100回”という数字がより観客の興味を惹きつけることから、ボーデンは宣伝目的だと思い込むものの……。実際は別の理由が潜んでいるようですね。
作中でハッキリと明言されていませんが、確かにボーデンが思う宣伝も一つの方法でしょう。復讐を遂げたかったアンジャーからすれば、「この100回で全てを終わらせる」覚悟を持っていたのかもしれません。
そして何より装置はコピー人間を作り出します。マジックを成功させるには常に死人を出さなくてはならない過酷なトリック。死体処理や装置の大きさなど、舞台の裏側を覗けばそう長く続けられないイリュージョンではないでしょうか……?
万が一、このトリックが公に出てしまえば大変なことなりますからね。このような理由があるからこそ、アンジャーは回数制限を定めたことが考えられます。
コールドロウ卿として現れたアンジャーは本体?
死んだと見せかけ、コールドロウ卿の名を名乗りながら姿を現したアンジャー。
テスラの装置の件を知れば、彼は何度も死んでいることが分かりますが……。果たして最後に現れたのは本体?それともコピー?一体どれなのでしょうか。
実はアンジャー本体は一番最初に行った瞬間移動により命を落としています。その後はずっとコピーが次々と死に……といった流れなので、本当の彼はかなり早い段階でいなくなっているんですね。
あちこちに置かれたシルクハットが映し出された画、あれこそが最大のヒントです。
自分の命を落としてでもボーデンに復讐がしたかった、その執念が何よりも恐ろしいもの。そうでなければこのマジックを披露し、継続する発想には至らないでしょうから。
テスラって結局何者だったの?
アンジャーより多額の出資を受けたニコラ・テスラ。コピー装置を作った不思議な人物という印象ですが、彼は実在していた発明家です。電気を使った発明がメインで、19世紀半ばから20世紀の半ばまで活躍しました。
実際にコピー人間を作り出すことはしていませんが、交流式の発電に着手していたことは事実。『プレステージ』ではそこへフィクションを織り交ぜて、瞬間移動マジックの装置へと繋げたのですね。
出資を受けたからこそ装置を作成しましたが、アンジャーへ警告をするほどだったテスラ。もし彼がボーデンのコピーを作っていたとしたら、2人のマジシャンが泥沼街道まっしぐらなことが容易に想像できたでしょう。
もしかするとそんな想いを込めて警告をしたのかもしれませんね。
映画『プレステージ』の見どころ!
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見どころ①2人のマジシャンの恐ろしさに要注目
アンジャーとボーデン。お互いを憎む気持ちは海の底より深いもので、時間の経過とともに妨害がエスカレートしていきます。
2人は同じ師匠の下で育ったものの、ふとしたトラブルがきっかけで激しい憎悪が芽生えてしまいました。
暴走する気持ちが止められず、最終的には悲劇を生み出した始末。お互いがお互いを憎み、誰も幸せになれなかったというストーリーですよね。
憎悪の理由は違えど、2人が根本に抱いているものはほぼ同じ。「相手を消したい」「復讐したい」、ただそれだけなのです。ただしその考えが加速し、歯止めの効かない事態を招いてしまうのですが。
マジシャンとしてスキルを磨くというよりかは「相手をどうギャフンと言わせるか」にベクトルが向きっぱなしです。もう序盤からエンターテイナーとしての輝きは2人とも薄れてしまっているでしょう。
復讐心だけを頼りに前へ進むマジシャンたち、その恐ろしさはホラー映画の心霊よりもゾッとするはず。彼らの醜き争いは必見ですよ。
見どころ②現実×非現実のバランスが◎!物語として楽しめる要素満載
マジシャンという題材に加えて、お互いを陥れる2人の男……というたいへん生々しいストーリー。
人間味がとても溢れる作品ですが、ボーデンが身内にも本性を見せなかったり、コピー人間の装置が出てきたりと非現実的な要素も含まれています。
完全なるファンタジーでもなく、かといってリアルすぎもしない。このバランスがとてもちょうどいいんですよね。ジャンルはサスペンスですが一つの人間ドラマとしても見られますし、ちょっぴりSFチックなところもたまりません。
見どころ③実力派ぞろいの豪華キャスト陣
本作はとにかくキャスト陣が豪華です!主演の2人はヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベール。映画好きなら誰しもが知っているトップスターが共演をしているなんて、それだけでも豪華ですよね。
更にニコラ・テスラにはディヴィッド・ボウイを起用。そこまで登場シーンが多くないにも関わらず、有名アーティストを出演させるのは流石としか言いようがありません(笑)
また女性キャストもスカーレット・ヨハンソンやレベッカ・ホールなど豪華な顔ぶれ。美しさについつい目を奪われてしまいますね。
メインキャスト以外も実力派のキャストを揃え、作品の完成度がより高いものとなっています。彼らの演技にもぜひ注目してみてください。
まとめ
復讐心からの破滅、そんな言葉が相応しいアンジャーとボーデン。悲しき男たちの争いを描いた『プレステージ』は、アッと驚くどんでん返しで我々のハートをガッチリ掴みにきます!
ノーラン節がたっぷり効いた過去⇔現在の描き方も良く、最後まで飽きさせない斬新な作りとなっていますよ。こだわった映像たちにも注目しながらご鑑賞くださいね。
復讐やいがみ合いの果てに待っているものは、絶望と悲劇。そんなことを理解させてくれる映画でもあるでしょう。マジシャンたちの活躍、心理戦、そして生き様を見届けてみませんか?