ゲーム好きほどニヤリとさせられる!『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のネタバレ解説!
世界的に知られるゲーム界の人気キャラクター、マリオ。
そんなマリオを題材にした新たなアニメーション映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が満を持して任天堂とイルミネーションという二大製作会社のタッグにより完成しました。
公開まもなく大ヒットとなった本作では、明快で小さな子供でも楽しめるストーリーに加え、往年のファンほど嬉しいゲームネタが随所に挟まれた遊び心満載の映画に仕上がっていました。
改めてそんな映画の内容を振り返っていきましょう。
目次
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』とは
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
2023年4月28日に日本公開された映画が『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』です。
世界的なゲームキャラクターであるスーパーマリオを、マスコットキャラクターのミニオンで知られる『怪盗グルー』シリーズや『SING』シリーズなどを手がけて来たアニメーション制作会社イルミネーションエンターテインメントが3DCGアニメ化させました。
本作には任天堂の開発チームも映画の制作に大きく関わっており、これまでも何度か映画化を果たして来たマリオシリーズですが、その中でも特にゲームの内容を踏襲した作品に仕上がっています。
監督を務めるのは『ティーン・タイタンズGO!トゥ・ザ・ムービー』で監督や脚本を務めたアーロン・ホーバスさんと、同じく同作の脚本に名を連ねたマイケル・ジェレニックさんが務めました。
本作は日本での公開に先駆けてアメリカやヨーロッパにて4月の初週には公開をスタートしており、公開早々に大ヒット。日本での公開が始まる前に全世界興行収入は1,000億円を突破。驚異的な成績を残す映画となりました。
10秒で分かる映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のあらすじ
出典:IlluminationJP公式YouTubeチャンネル
マリオとルイージはニューヨークで配管工を営む双子の兄弟です。これまでお世話になっていたブラッキーの元を離れて独立した二人でしたが、仕事はうまくいかず、父親からも責められる状態でした。
しかし、そんな矢先に町の冠水を解決しようと訪れた地下の下水道で、マリオとルイージは不思議な巨大な土管に迷い込みます。たちまち吸い込まれた二人は、魔法に満ちた新世界へと飛ばされてしまいます。
土管の途中で離ればなれになったマリオとルイージ。マリオは行き着いた先のキノコ王国でキノピオやピーチ姫と出会い、ルイージとの再会とキノコ王国を救うべくクッパに立ち向かうことを決意しました──。
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のネタバレあらすじ
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のあらすじを、結末に至るまで詳細に紹介します。以下、ネタバレになっているのでご注意ください。
【あらすじ①】異世界に迷い込むマリオとルイージ
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
双子の兄弟、マリオとルイージは、ニューヨークのブルックリンに住んでいる。配管工として独立しオリジナルのCMを製作し、意気揚々と新たな顧客獲得を目指していた。
しかし、やっと仕事が入ったかと思いきや依頼人のペットの気分を害してしまったことにより邪魔をされ配管の修理どころか、さらに事態を悪化させてしまう大失敗となってしまう。
仕事がうまくいっていないマリオは、父親にも苦言を呈されてしまい、ルイージを巻き込んでしまった事態を憂いていた。
そんな矢先にテレビのニュースで、水道管のトラブルにより町が冠水してしまうニュースを目撃する。今こそ自分たちの出番だ、とマリオとルイージは町へと飛び出すのだった。
解決のためにマリオとルイージは地下の下水道へと侵入する。しかし、そこで見つけたのは巨大な土管だった。中に消えていくルイージを追いかけたマリオは、たちまち土管に吸い込まれ、見たこともない世界へと迷い込んでしまう。
【あらすじ②】ピーチ姫との遭遇
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
土管に吸い込まれる途中で離ればなれになってしまったマリオとルイージ。
マリオが行き着いたのは無数にキノコが生えているキノコ王国だった。偶然出会った住人のキノピオに案内され、お城へとやってきたマリオはそこでピーチ姫と遭遇する。
キノコ王国はクッパによって進撃を受けようとしており、ピーチ姫はそれに対抗しようとしていた。おそらくクッパに捕まっているであろうルイージを救出するべく、マリオはピーチ姫が訓練したコースで修行をする。
なんとか目標を果たしたマリオは、ピーチ姫とキノピオとともにクッパに対抗するべく冒険に旅立つのだった。
【あらすじ③】ドンキーコングとの対決
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
クッパに対抗する援護をお願いするべくジャングル王国へやってきたマリオたち。ピーチ姫のお願いも虚しく、話を聞き入れてくれない王のクランキーコングに対してマリオは援護の約束と引き換えに決闘を取り付けてしまった。
大勢のジャングル王国の住人が見守る中、現れたのは次期国王でありクランキーコングの息子・ドンキーコングだった。
最初は一方的に殴られるばかりだったマリオ。しかしアイテムを使って反撃に出たマリオは、ネコマリオに変身することでついにドンキーコングに勝利する。
ジャングル王国の協力を取り付けたマリオたちは、早速ジャングル王国の設備によりそれぞれの走行用のマシンを開発。王国の群勢を率いたマリオたちはレインボーロードを進んで、クッパに対抗しようとしていた。
しかしクッパはすでにマリオたちの動向を知っていた。レインボーロードで待ち伏せをしていたクッパの手下たちによる襲撃に遭い、ジャングル王国の人々は捕らえられ、マリオとドンキーコングは海底へと落ちていってしまう。
【あらすじ④】クッパ軍団との対決!
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
マリオたちを失ってしまったピーチ姫は再び王国に帰り、一人でもクッパと戦おうとする。しかし圧倒的な兵力によって追い込まれたピーチ姫はなすすべなくクッパに捕らえられ、クッパと結婚することになってしまう。
一方、海底のウツボに飲み込まれていたマリオとドンキーコングは、ドンキーコングの乗っていたマシンについていたロケットバレルに乗り込んで、海底から脱出していた。
今まさにピーチ姫とクッパの結婚式が行われようとする中、ピーチ姫は隙をみてアイテムを使って反撃を行う。しかし、それに屈しないクッパはルイージたち人質を余興として、殺してしまおうとしていた。
そこへ駆けつけたのがマリオとドンキーコングだった。アイテムを駆使してクッパの手下たちを蹴散らした二人。マリオはたぬきマリオに変身してクッパに対抗していた。
クッパの奥の手として繰り出してきたマグナムキラーもうまく誘導し、爆発先をピーチ姫のお城から、自分たちがやってきた土管へと導くことに成功する。
【あらすじ⑤】クッパとの最終決戦!
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
マグナムキラーの爆発によってマリオたちどころかピーチ姫やクッパ達は、マリオがもともと住んでいたブルックリンにクッパのお城ごと吹き飛ばされていた。
激怒するクッパによって追い込まれるマリオ。ピーチ姫やルイージたちが対抗して気を引き付けている中、マリオは自分たちが作ったCMを再び目撃する。勇気を振り絞ったマリオは再びクッパに立ち向かうのだった。
クッパの奪っていたスーパースターの力を借りたマリオとルイージ。圧倒的なパワーを手に入れた二人はたちまちクッパ達を懲らしめてしまう。
ついにクッパを倒したマリオとルイージ。その様子を見ていた町の人々に讃えられ、ついにマリオとルイージはCM通りの立派な存在になることができたのだった。
平穏が戻ったあくる日。家を出ようとするマリオたちは再びキノコ王国に来ていた。マリオの新たな生活がスタートしたのだ。
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の登場人物・キャスト一覧
マリオ / クリス・プラット
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
ブルックリンで配管工を営んでいた双子の兄がマリオです。
大きな夢を抱いて独立したものの仕事はうまくいかず、親からも責められていたのですが、弟を巻き込んでしまっていることに後ろめたさも感じていました。
しかしその矢先にキノコ王国に迷い込み、ピーチ姫とともにキノコ王国を救う役目と弟のルイージの救出に向かうことになります。
運動神経はそれほど良くないようで、ピーチ姫が軽々とクリアしたというアスレチックコースを何度も失敗してしまうほど不器用。一方で何度失敗しても諦めないタフさを見せてくれました。
英語版の吹替を担当したのは俳優のクリス・プラットさんです。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『ジュラシック・ワールド』シリーズでの活躍に加え『LEGO®️ムービー』シリーズではアニメーションの吹替で早くも主演を務めていました。
ルイージ / チャーリー・デイ
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
ブルックリンで配管工を営んでいる双子の弟がルイージです。
優しい心の持ち主ではあるものの、勇猛なマリオと比較して心配性で気弱な性格をしており、窮地に陥ると思わずマリオに助けを求めてしまいます。クッパに捕らえられた際には、うっかりマリオのことを話してしまう一幕もありました。
一方で兄のマリオと一緒であれば自信を取り戻すようで、二人が揃った時にはしっかりと活躍を見せようと奔走します。
英語版の吹替を担当したのは俳優のチャーリー・デイさんです。映画『パシフィック・リム』シリーズに出演した他、クリス・プラット同様に『LEGO®️ムービー』シリーズや、更には『モンスターズ・ユニバーシティ』などこちらもアニメーションの吹替でも活躍していました。
ピーチ姫 / アニャ・テイラー=ジョイ
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
キノコ王国の有能なリーダーであり、王女がピーチ姫です。
温厚で可愛いばかりのキノコ王国の住人たちを守る勇ましさを持っており、王国を脅かそうとするクッパに対しても対抗しようと自ら立ち上がります。
運動神経も良いようでマリオが苦戦したアスレチックも早々にクリアしていたようです。
実はピーチ姫は元はキノコ王国の住人ではなかったようで、幼い頃にマリオたち同様にキノコ王国に迷い込んでしまった過去を持ちます。そのため、突如現れたマリオが自分と似た姿をしていたことに喜んでいました。
英語版の吹替を担当したのは俳優のアニャ・テイラー=ジョイさんです。Netflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』でブレイクし、映画『スプリット』、『ラストナイト・イン・ソーホー』、『ザ・メニュー』と話題作に続々と出演しています。
クッパ / ジャック・ブラック
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
全ての国を支配しようとキノコ王国に迫り来るカメ族の王がクッパです。
元々はダークランドを支配しており、スーパースターを盗んだことで、思いを寄せていたピーチ姫の住むキノコ王国の支配を企みました。クリボーやノコノコを始め多くの部下を持っており、勢力の規模は随一です。
権力欲が強く、巨大でどう猛な性格をしている一方で、ピーチ姫にラブソングを歌うなど憎めない一面も持っていました。
英語版の吹替を担当したのは俳優のジャック・ブラックさんです。『スクール・オブ・ロック』や『ジュマンジ・ネクストレベル』などコミカルな演技で知られ、アニメーションの吹替では『カンフーパンダ』シリーズですでに主演を務めているほどでした。
キノピオ / キーガン・マイケル=キー
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
マリオがキノコ王国で初めて遭遇した住人がキノピオです。
可愛くて温厚かつ保守的なキノコ王国の住人たちの中で、同様に楽観的な性格でありながらも、大事な人たちを守るべく唯一マリオやピーチたちとともに冒険に出ることを決める勇気の持ち主。
あまり戦闘能力はなさそうですが、知恵を働かせたサポートを得意としているようで、マリオをピーチ姫に巡り会わせたのも実は彼でした。
英語版の吹替を担当したのは俳優のキーガン=マイケル・キーさんです。『ウェンデルとワイルド』や『ピノキオ』、『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』など直近でもアニメーションの吹替で活躍している方です。
ドンキーコング / セス・ローゲン
出典:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式Twitter
ジャングル王国に住むコング軍を率いるクランキーコングの息子であり、後継者がドンキーコングです。
クッパと戦うための条件として決闘に駆り出されたことをきっかけに、マリオたちと知り合うことになり、行動を共にするうちに意気投合していくようになります。力自慢のパワフルな戦士ではある一方、少し子供っぽい性格をしています。
元のゲームシリーズにおいてもマリオファミリーに数えられる一方で、『スーパードンキーコング』シリーズとして個別のシリーズで主人公を務めている唯一のキャラクターでもあります。
英語版の吹替を担当したのは俳優のセス・ローゲンさんです。『グリーン・ホーネット』や『40歳の童貞男』などに出演する他、『ライオン・キング』や『カンフー・パンダ』などアニメーションの吹替でも多数活躍の経験があります。
気になる元ネタ!原作ゲームはあのタイトル!
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』には作中に隠された実在するゲームのネタが登場しました。そのタイトルは一つではなく、あらゆるマリオシリーズから引用されています。
その中から代表的な例を紹介していきます。
レッキングクルー
マリオ達の前職の上司として登場したスパイク。彼はもともと1984年にリリースされた『レッキングクルー』に登場する敵キャラクターでした。
『レッキングクルー』ではビルの解体屋となったマリオとルイージを操作してビルを破壊していくアクションパズルゲームで、現在のようなスターになる前の職業の一つとしてスパイクのもとで働いていた経歴そのものが映画の中に落とし込まれています。
ちなみに日本ではスパイクはもともとブラッキーという名前のキャラクターとして知られていましたが、今回の映画の出演を機に海外版での名前である“スパイク”に統一されることになりました。
マリオカート
さまざまな性能のマシンに乗ってマリオ達が滑走する様子や、レインボーロードといった独特の舞台は、マリオ達を用いたレースゲーム『マリオカート』シリーズを踏まえた演出となっていました。
最新作の『マリオカート』でもマリオやクッパ、ピーチ姫からキノピオに至るまで好きなキャラクターと好きなマシンを選んで操作して、重力に反する性能を持ったマシンで競争します。
バナナの皮やノコノコの甲羅といったアイテムを使って敵を妨害する演出も、元のゲームに存在するアクションの一つ。クッパの手下が切り札として使ってきた青い空飛ぶトゲ甲羅も、元のゲームでは1位を走行するプレイヤーを狙って爆撃する逆転のアイテムとして登場しています。
マリオ達がスロットを回すように自分たちのマシンを作り出そうとする演出も、近年のマリオカートシリーズに登場したカート選択場面に似せた演出となっていました。
スーパーマリオブラザーズ3
マリオがたぬきマリオに変身して戦うのは、1988年にファミリーコンピュータ向けに発売された『スーパーマリオブラザーズ3』を意識した演出となっています。
本作ではこれまでになかったマリオの変身要素が多数登場し、木の葉を手に入れるとたぬきマリオに変身し、尻尾を回転させることで空中を浮遊するアクションや、尻尾で敵を倒すアクションが繰り出せるようになりました。
たぬきマリオになって活躍する場面に登場したBGMも『スーパーマリオブラザーズ3』を代表するBGMをアレンジしたものとなっており、当時ゲームを遊んでいた人には懐かしい体験となりました。
スーパーマリオギャラクシー
クッパに捕らえられた住人の中で「死は救済である」という一際異彩を放つ発言で驚かされた、星の子・ルマリー。そんな彼が初登場したのは2007年に発売された『スーパーマリオギャラクシー』でした。
本作は3Dアクションゲームとなっており、宇宙空間を冒険しながらさまざまな星に隠されたステージをマリオがクリアしていくという内容でした。
ルマリーという名前のキャラクターとしてゲームには登場していませんでしたが、似たような姿のキャラクターがマリオのためにアイテムに生まれ変わるキャラクターとして登場しています。
ゲーム内では発言こそルマリーのような偏った思想ではないのですが、ルマリーのような星の形をした住人達“チコ”は星の子供という設定があり、「いつか成長して新たな星に生まれ変わる」という設定があることからか、今回の映画では星になる(=死ぬ)ことを夢見る独特の倫理観を持ったキャラクターとして登場しました。
まとめ
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は世界的な大ヒットになるのも納得なほど、ストーリーも明快でビジュアルも綺麗だし、所狭しとファンなら気づかされる仕掛けが盛りだくさんの渾身の企画になっていました。
これだけの大成功を収めたからには次回作が製作されることは必至。映画の最後に登場したおまけの映像から分かるようにまだまだ網羅できていないマリオのネタはたくさんあります。
新たなマリオの活躍の記念すべき1ページ目として、ぜひその歴史的瞬間を体験しましょう。