実写化映画『アラジン』と原作の違いをネタバレありで解説|歌と豪華キャストが魅力!
2019年6月に公開された実写版映画『アラジン』。1992年のアニメ版はディズニー作品の中でも非常に人気で、遂にその実写リメイクとなり、大きな話題になりました。公開たった2ヶ月で興行収入120億円を達成するほどの人気作品です!!
この記事では、そんな大人気作映画『アラジン』が人気な理由や、アニメ版の違い、実写映画のストーリーをネタバレ解説してきます!
「ホール・ニュー・ワールド」「フレンドライクミー」といった不朽の名曲以外に、新曲や斬新な演出まで、実写版には新たな魅力がたっぷり!アニメ版を観たことがある人やディズニー作品が好きな人が、存分に楽しめる要素が実写映画の中には散りばめられていますので、記事を読んだ後にぜひ映画を観てみましょう。
目次
原作『アラジン』について
まずは原作の『アラジン』について一緒におさらいしていきましょう!
原作アニメ映画『アラジン』あらすじ
アグラバーの大臣ジャファーが狙う洞窟には、魔神が封印されている魔法のランプがあるという。しかし、洞窟に入る資格があるのは心が清らかな「ダイヤモンドの原石」だけ…。
街に住む貧しい青年アラジンは、いつか宮殿で豪華な生活を送ることを夢見ていた。ある日、街で変装した王女のジャスミンと偶然出会い、アラジンは恋に落ちる。王女としての窮屈な生活にうんざりしていたジャスミンも、自由に生きることに憧れていた。次第にアラジンと心を通わせるようになるが、アラジンは王女をさらった罪で投獄される。
ジャファーの策略で牢屋から脱出したアラジンは、洞窟でランプを持ってくるよう命令される。洞窟の奥に眠っていた陽気なランプの魔神ジーニーは3つの願いをなんでも叶えてくれるという――。
原作アニメ映画『アラジン』に登場するキャラクター
映画『アラジン』の魅力の1つは、個性あふれる登場人物たちです。彼らに感情移入して映画を楽しんだ人も多いのではないでしょうか。ここでは、物語の主軸となる3人、「アラジン」「ジャスミン」「ジーニー」を紹介します。
アラジン(声:三木眞一郎)
物語の主人公。アグラバーという街に住む青年。両親を子どもの頃に亡くし、天涯孤独で貧しい生活を送っている。空腹に耐えかねた時は、アブーという猿の相棒と一緒に物を盗んだりしているため、街の人からドブネズミと呼ばれていた。
しかし、困っている人を見過ごすことができない、優しく清らかな心を持っている。いつかは乞食生活から抜け出して、自分の居場所を見つけて自由に暮らすことを夢見ているのだった。
そんなある日、街の中で偶然アグラバーの王女ジャスミンと出会い、恋に落ちるが身分の差に悩む。心の清らかな「ダイヤの原石」しか入ることのできない洞窟の中で、3つの願いを叶えてくれる魔神ジーニーの”魔法のランプ”と空飛ぶ”魔法の絨毯”を手に入れる。
ジャスミン(声:麻生かほ里)
アグラバーの王女。美しく気立ても良く、利発的な性格だが、いざという時に敵に立ち向かう勇気と気の強さを持っている。国王である父親が過保護なため宮殿から出してもらえず、王女としての不自由な生活にうんざりしている。また、自分の身分に見合う「王子」との結婚しか許されておらず、自分で結婚相手を決められないという国のしきたりにも不満を抱いている。
自由に人生を切り拓いて生きることに憧れ、ある日変装して街に出掛け、市場で盗みをはたらいたと疑われていたところをアラジンに助けてもらう。魔法の絨毯で自由な外の世界を見せてくれ、王女ではなくジャスミンとして見てくれたアラジンに徐々に惹かれていく。
ベンガルトラのラジャーは友だち兼ボディーガード。
ジーニー(声:山寺宏一)
魔法のランプに閉じ込められている魔神。ランプを擦った人を「ご主人様」と呼び、3つの願いを叶えるのが役割。「人を殺す」「惚れさせる」「死んだ人をよみがえらせる」「願い事の数を増やす」という願いは叶えることができない。
強い魔力を持っているが、腕輪によって力を制御されており、主人の命令には逆らえない。いつかランプの呪縛から解き放たれ、自由になりたいと願っている。1万年もの間ランプに閉じ込められていた割には明るく陽気で、魔法を使って周りを楽しませるのが得意。
いつしかアラジンとの間に友情が芽生え、アラジンのことを「アル」と呼び、主従関係ではなく友だちとしてアドバイスしたり、ジャスミンとの仲を応援したりする。
実写映画『アラジン』のキャスト紹介!
ここからは、実写版映画『アラジン』の解説をしていきます。アニメ版との再現率が気になっている人も多いのではないでしょうか。また、ジーニーといえばお馴染みのあの人も含めた、日本語吹き替えを担当した豪華声優陣の紹介もします。
メナ・マスナード(アラジン役)
アラジンを演じるのは、カナダ国籍でエジプト出身の俳優メナ・マスナードさん(28歳)。4歳の時にエジプトのカイロからカナダに移住しました。在学中は科学が得意で、非常に成績優秀だったそうです。
2011年の時に俳優活動を開始していましたが知名度はありませんでした。2017年に『アラジン』の実写リメイクの主役に抜擢され、無名の俳優に注目が集まりました。「テロリストや悪いイメージのあるキャラクターではないものを遂に演じることができることに興奮している。『アラジン』は感動的な映画の感動的な役だ」と語っています。
有名な作品の主役を演じるにあたって、彼は優しく甘い歌声に、鍛え抜かれた筋肉質な身体を披露しました。たくさんの人の思い出の中にある『アラジン』像を崩さずにどう完全再現したのかというインタビューに、彼は自分自身の『アラジン』のイメージがブレないように、他の人が演じるアラジンを観ないようにしたと話しています。
ウィル・スミス(ジーニー役)
陽気なランプの魔神を演じたのはウィル・スミスさん。『メン・イン・ブラック』シリーズや『幸せのチカラ』など、出演した作品はジャンルを問わずヒットし、アカデミー賞にも多くノミネートされるほどの俳優。
アメリカのとある出版社の調べで、2008年の「最も稼いだ俳優ランキング1位」とされ、主演作が8作連続で全米初登場1位・興行収入1億ドル超えを記録したとされています。
ジーニーを演じるにあたって、「誰もが愛しているジーニー像を壊してしまうのではないかと不安になったが、ロビン・ウィリアムズが演じた旧作のジーニーへの敬意を忘れずに、新しさを作り上げることに意識した」「これほどまでにヒップホップ調なキャラクターは他のディズニー作品には珍しいし、おかげで生き生きと表現することができた」と特別な思いを語っています。
全身を青くしたのはもちろんCGで、そういった技術があるからこそアドリブをたくさん入れたり、自由に演じることができたそうです。
ナオミ・スコット(ジャスミン役)
今作のヒロインであるジャスミンを演じたのはナオミ・スコットさん(26歳)。父親がイギリス人で、母親がウガンダ出身のインド系移民だそうです。このエスニックな美貌は母親譲りなのでしょうか、美しく気の強いジャスミンを完璧に再現していました。演技力の他に力強い歌声も高く評価されています。
2008年のディズニーチャンネルUKで放送された『Life Bites』で女優デビューし、2017年に公開された『パワーレンジャー』で知名度が広がりました。「ジャスミンは自分にぴったりで、心から演じたいと思っていた。ジャスミンはディズニープリンセスの中の1人なので、いかに人間的に演じられるかをいろいろと考えた」と語っていました。
実写映画『アラジン』の日本語吹き替えキャスト紹介
アラジン役の日本語吹き替え声優:中村倫也
中村倫也さんはもともと俳優として2005年にデビューし、2018年のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の出演がきっかけで知名度が上がりました。
声優としての活動は今作の実写版映画『アラジン』が初めて。『アラジン』の吹き替えに起用された理由は、「ホール・ニュー・ワールド」を歌う中村さんの甘い声だそうです。
中村さんはアラジンを演じるにあたって、「幼い頃から知っていた作品に自分の声を吹き込むのは鳥肌モノだった」と語りました。
ジーニー役の日本語吹き替え声優:山寺宏一
今作のジーニーの声を演じたのは、アニメ版『アラジン』に引き続いて山寺宏一さん。「七色の声を持つ男」という異名があるほど、広域の声を特徴としています。ディズニー作品では、ジーニーの他にドナルドダックや『美女と野獣』の野獣、『リロ・アンド・スティッチ』のスティッチの声なども担当しています。その他にも数多くのアニメ作品の声優を担当し、日本を代表する名声優の1人とされています。
山寺さん自身ジーニー役に相当の思い入れがあるようで、「実写版ジーニーの吹き替えに選ばれなかったら声優をやめる」とまで言っていたそう。アニメ版との違いをインタビューされた時に「テンポが良くて吹き込むセリフが多くて大変だったが、ウィル・スミスが演じるジーニーと変わらないように、セリフが上手くハマるように意識した」と言っています。
ジャスミン役の日本語吹き替え声優:木下晴香
木下晴香さんは佐賀県出身の女優で、主にミュージカル舞台で活躍されています。2017年に舞台『ロミオとジュリエット』のジュリエット、2018年に舞台『モーツァルト!』でモーツァルトの妻コンスタンツェに選ばれるほど、抜群の歌唱力を持っていると言われています。
アラジンの声優を担当した中村倫也さんと同じく、声優としてのデビューは今作が初めて。「ジャスミンの一つ一つの表情の変化を声で表現できるように意識した」とインタビューで述べています。
実写映画『アラジン』のネタバレあらすじ
アグラバーの大国にて、アラジンはアブーというサルと2人で行動している。とても貧しい生活で、盗んだ品を売ってどうにか食べ物へ在りつく始末だった。
アラジンは金持ちになる夢を抱いた青年で、ようやく手に入れた食べ物を子供に譲ってしまうほどの優しさも兼ね揃えている。
ある日市場で一般市民に扮したジャスミンを見かけ、ひょんなことから2人は近づく。ただし王女であることを言えない彼女は偽の名前を告げ、侍女のふりを貫いた。
お互いが良い感じにはなったものの、ジャスミンのブレスレットが見当たらない。実はアブーが所持していたのだが、アラジンが盗んだと勘違いされ、結局誤解は解けぬまま……。わだかまりが残る中、ここでお別れとなってしまったのだ。
悔しさを覚えたアラジンは、王宮へブレスレットを返却しにいくことに。見事王宮へ忍び込み、誤解を解くことに成功した。だが侵入したことがジャファーにバレ、アラジンは砂漠へ連れていかれてしまう。そしてうまいこと言いくるめられ、洞窟の奥にある魔法のランプを取ってくるよう命じられるのだった。
ランプを手にし、ジャファーへ渡すと洞窟内でマグマが発生!アブーがうっかり財宝を触ってしまったのだ。ジャファーに見捨てられたアラジンは生き埋め状態となるも、運よく魔神のジーニーに助けられる。「願いを3つ叶える」という彼を騙しつつ、脱出することができたのだ。
アラジンとジャスミンの距離は近づいていくものの、ジャファーに目を付けられ捕まってしまう。命を失いそうになるも、ジーニーのはからいで間一髪、危機を逃れた。それに国王はアラジンを気に入り、物事が良い方向へ転がり始める。
だがアラジンはジャスミンへ大きな嘘をついていた。それは“自分の真の姿は王子で、同房は偽の姿”だということ。そのことを知ったジーニーはガッカリし、ランプの中へ再び戻ってしまう。
一方でアラジンはジャファーの悪事を暴き、投獄をしたものの、彼はひっそりと脱獄していた。ランプを盗み出し、ジーニーを味方に付けながら3つの願いを乞う。国王になる、そして国一番の魔術師となる夢を叶え、邪魔なアラジンを雪国まで飛ばしてしまった!
ずっとランプの中に閉じ込められて自由の無かったジーニー。彼を早く解放しなかったことを悔やむアラジンは、魔法の絨毯でアグラバーまで戻る。ちょうどジャスミンとジャファーの結婚式真っ只中の時に戻り、気付いた彼女はランプを強奪。時間稼ぎに協力するのだった。
ジャファーはまだ3つ目の願いを叶えていない。アラジンはうまく騙しながら「自分を宇宙でイチバン最強の魔人にしろ」を最後の願いにさせた。
こうすることでジャファーはジーニーのような魔人となったが、結局魔人=ランプの精……閉じ込められた生活を送るというわけだ。ランプは遠くへ投げ飛ばされ、アラジンはジーニーの解放を願う。すると魔人の姿から、ごく普通の男性の姿へと変化を遂げた。元から好意を寄せていた女性と結婚することになったのだ。
街へ戻ろうとしていたアラジンだが、ジャスミンが呼び止めてキス。2人は幸せに暮らすのだった。
実写映画『アラジン』アニメ版との3つの違い
実写版の『アラジン』では、アニメ版と異なる点がいくつかあることも話題になりました。ほとんどはアニメ版をなぞっていますが、アレンジを加えた要素もファンを賑わせる理由の1つです。ここでは、2つの作品の違いについて解説していきます。
【アニメ&実写比較①】実写版では新キャラ登場!
実写版で新しく作られた登場人物がいます。ジャスミンの侍女兼親友であるダリアと、宮殿の衛兵の1人であるハキーム、ジャスミンの花婿候補のアンダース王子。主要キャラクターと会話させることで、ストーリーの展開を円滑にしたり、メリハリをつけたりするために作られたキャラクターたちです。
ダリアは侍女としてジャスミンに仕える傍らで、親友として彼女に寄り添う重要な新キャラです。アラジン扮するアリ王子との結婚に迷うジャスミンに、恋のアドバイスをしていました。アニメ版ではトラのラジャーがジャスミンの親友でしたが、映画では代わりに人間の女性同士の友情が描かれました。
ハキームはアグラバーの衛兵で、法律を守るあまりジャファーの悪巧みに加担してしまいました。しかし、君主の危機に際して仁義を発揮したアツいキャラクターです。
アンダース王子はジャスミンの花婿として名乗りをあげた北欧の国の王子です。北欧人らしく色白でモコモコとした衣装を着ていました。
【アニメ&実写比較②】映画版の”女性が活躍する時代”を思わせるジャスミンの性格!
実写版『アラジン』のジャスミンは、国王(サルタン)として王座を継ぐことを目指しています。「女性の国王は今までいなかった」と父親には相手にされません。父親は娘の結婚相手の男性に王位を譲りたいと思っていますが、ジャスミンはアグラバーの国民たちを心から想い、自分で国を治めたいと願っています。
結婚相手にもただ富や権力、美しい妻を求める人ではなく、「国民のため」を考えられる人を求めています。だからこそ、王女の自分よりも街や民のことを知っていたアラジンに対して、ジャスミンは惹かれたのでしょう。
ディズニーでは「制作物に影響力がある」という責任感から、作品をつくる際にその時代に合わせたものを制作しています。『アラジン』も社会の影響を受けて制作されたため、女性の社会進出や男女の権利平等という現代的なテーマが込められていました。また、民のことを第一に考える理想的な君主イメージを表現しています。今の時代にぴったりな内容ですね。「女性は王にはなれない」という古い伝統を力強く刷新する姿に、感情移入したファンも多くいることでしょう。
自立した女性像として描かれたジャスミンの性格も、アニメ版との大きな違いであり、今作の魅力の1つになっています。
【アニメ&実写比較③】映画に登場する気候や文化を意識した衣装!
2つの作品の違いとして最後に紹介するのは、アラジンとジャスミンの衣装の変更です。
アニメ版のアラジンは、上裸にベストを羽織っただけの涼しげなデザインです。しかし実写版では、砂漠のアグラバーの気候では日焼けを起こしたり、夜間に低体温症になったりするという可能性も加味して、アラジンはベストの下に1枚シャツを着用しています。
ジャスミンはアニメ版では、デコルテとお腹周りを広く露出した、ブルー一色の派手すぎないデザインでした。実写版ではウエストを隠し、王女としての高貴さを表すために、多くのアクセサリーを身に着けています。
デザインを手掛けたスタッフは、『アラジン』の舞台のモデルになった中東や南部インドの服飾を意識しながら衣装を制作したとインタビューで語っています。
実写版『アラジン』が大ヒットした5つの理由
冒頭でもお伝えしましたが、実写版『アラジン』は歴史的な大ヒットを記録しました。もちろんそのヒットの裏には数々の理由が隠されています!今回は、そのうちの5つを解説していきます。
①ジーニーがウィル・スミスによって完全再現
アニメ版のジーニーは全員真っ青のデザインです。これを実写で表現するとなると、顔に青塗りするのか…?という心配がファンの間でよぎりましたが、「青いウィル・スミス」と言われるくらい、CG技術によって全身の青が綺麗に再現されていました。
アリ王子がアグラバーに入る時は、王子のお付きとして人間の姿に変身していましたが、青の衣装を着てジーニーらしさを表現しています。
また、ジーニーは非常に陽気で明るいキャラクターです。周りの人を楽しませることに長けていて、時には場の空気を読まずに魔法を使って好き勝手おちゃらけています。「ジーニーが友だちだったらいいのに!」と思った人も多いのではないでしょうか。
そのジーニーの魅力もウィル・スミスは完全に再現しています。アラジンが戸惑っている間に、魔法でたくさんサービスしたり、笑えるようなギャグをかましたり。
しかしウィル・スミスは当初、ジーニー役のオファーを断っていたそう。ロビン・ウィリアムズが演じたアニメ版のジーニー像が確立されていたため、それを壊してしまうかもしれないことに躊躇したそうです。しかし新たなジーニーとして大成功してしまうのが、ウィル・スミスのスゴイところですね!
②ガイ・リッチーによる華麗なミュージカル演出
今作の中で最も時間と労力をかけて作られたシーンの1つが「プリンス・アリ」の凱旋パレードです。このシーンは250人のダンサーと200人以上のエキストラが集められ、その人数よりも多い数の衣装が作られて撮影されるという力の入れようでした。盛大なミュージカルとして仕上がっており、その迫力とクオリティーの高さに注目が集まりました。スケールの大きいミュージカル演出に心躍ったファンも多くいるはずでしょう。
実写版『アラジン』の監督であるガイ・リッチーは、『シャーロック・ホームズ』や『コードネーム U.N.C.L.E.』といった名作アクションを多く手がけており、ミュージカルを撮影した経験がありませんでした。初めてのミュージカル作品が『アラジン』となり、常にプレッシャーを感じていたそうです。
ミュージカルとしての構造を壊さないまま、オリジナルの雰囲気を残しつつ、観客に斬新だと思わせることができる作品を目指したと語っています。他にもガイ・リッチーの作品らしく、アクションが取り入れられているシーンもあります。
しかし、彼の大胆かつ洗練された画作りと演出は『アラジン』と上手くマッチし、大成功をおさめました。『アラジン』はガイ・リッチー監督の可能性を広げた作品でもあるということになります。
③実写版で蘇り、進化した名曲たち
『アラジン』のストーリーを彩る要素として外せないのは、やはり数多くの「名曲」ではないでしょうか。しかも本作の楽曲制作には、『グレイティスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』の劇中歌も手がけたベンジ・パセクとジャスティン・ポールが参加しているんです!
実写版だけの新しい楽曲や現代風なアレンジについて、解説していきます。
映画史に残る名曲 “ホール・ニュー・ワールド”
『アラジン』と聞いて誰しもが最初に思い浮かぶ曲といったらやはり、「ホール・ニュー・ワールド」ですよね。アラジンが魔法の絨毯に乗って、ジャスミンを宮殿の外に連れ出し、広い世界を見せてあげるというラブロマンスのシーンです。このデートをきっかけにして、アラジンとジャスミンの距離は急激に縮まります。
「A Whole New World」は1993年の第65回アカデミー賞で歌曲賞に輝き、ディズニーの楽曲を担当している巨匠アラン・メンケンとティム・ライスに賞が贈られました。今作の実写版でもアラン・メンケンが楽曲を担当しました。
大人気歌手による”ホール・ニュー・ワールド”
しかも本作のエンドクレジットでは、元ワンディレクションのゼイン・マリク(ZAYN, Zayn Malik)と当時わずか17歳の歌姫ジャヴァイア・ワード(Zhavia Ward)の2人が歌っている「ホール・ニュー・ワールド」もお聴きいただけます。メナ・マスナードとナオミ・スコットのデュエットとはまた違って、切なくロマンチックな印象。
歌唱力とビジュアル共に華麗な2人の歌声で、最後までうっとりな気持ちにさせてくれます!
ジャスミンのソロ曲 “スピーチレス~心の声”
今作で追加された新しい楽曲「スピーチレス~心の声」。「女性だから国王になる権利はない」、「女性は政治に首を突っ込まず黙っていろ」と父親のサルタンやジャファーに言われたことを受けて、女性として虐げられたジャスミンの決意や覚悟を表現したソロ曲です。
「虐げようとしても声をあげて反抗してやる」という、今作の自立したジャスミンにはうってつけの曲です。
聞く人に勇気を与えるような力強い歌声と歌詞に注目が集まり、ジャスミン役のナオミ・スコットが「スピーチレス~心の声」を歌うミュージックビデオはYoutubeで1億再生を突破するほどの大反響を呼びました。
作曲はディズニー音楽ではお馴染みのアラン・メンケン、作詞はデュオ、ベンジ・パセックとジャスティン・ポールが手がけ、ミュージカル界の“ドリームチーム”が新曲を作り上げたことでも話題になりました。
ヒップホップバージョンの “フレンドライクミー”
魔法のランプから登場したジーニーの、陽気で楽しい人柄を表現した人気ナンバー「フレンドライクミー」。魔神の力を疑うアラジンに対して、ジーニーが「魔法を使って願いを叶えてくれる、こんな頼もしくてサイコーな友だちが他にいるわけない!」と、自分を紹介するシーンです。
エンドクレジットで流れた、ラップ風にリテイクされた「フレンドライクミー」はアメリカの有名なDJキャレドが手掛けたものでした。
アニメ版とは違い、「フレンドライクミー」はジーニーを演じるウィル・スミスに合わせてヒップホップ調に変化しました。歌詞もラップテイストにして、更にまくし立てるようなテンポで観客を楽しませます。ウィル・スミスは、ジーニーの役作りにおいてこの曲が最も重要な役割を果たしていたと語っています。歌いながら、遊びながら、ヒップホップでジーニーを理解したそうです。
吹き替えを担当した山寺宏一は、「アニメ版とは違ってラップなので言葉数が多く大変だったが、セリフと口の動きが上手くマッチした瞬間が楽しくやりがいがある」と語っていました。
④日本語吹き替えキャストも大絶賛のクオリティ
さらに絶賛なのは、日本語版吹き替えのキャストが実際演じているキャストとマッチしていること。実際に吹き替え版を観ると、ジーニー役の山寺宏一さんはアニメ版でも聞き慣れている安定した声で楽しみながらジーニーを演じていることが伝わってきますし、ジャスミンの声を担当した木下晴香さんは芯の強さとしなやかさを兼ね揃えた感じがハマっています。
さらに、ジャファーの声を担当した北村一輝さんは、悪者ならではの人間臭さと図太さを再現していてたまりません!メインの吹き替えキャスト全員が舞台俳優ということもあり、芯の強さと安定した歌声に聴き入ってしまいます。
「普段は字幕版しか観ない」という方にもぜひ1度は観ていただきたいくらいにオススメです!
⑤ディズニーランドが劇中に登場!?
なんと今作の実写版『アラジン』では、ディズニーファンが「おっ!」と驚くシーンが用意されていました!
アラジンはジャスミンとの距離を縮めるために、ジーニーに頼んで「アバブワ国のアリ王子」にしてもらいます。しかしジーニーの魔法によって生み出されたため、アバブワ国など存在しません。聞いたこともない国の名前にジャスミンやジャファーは首を傾げます。
ジャスミンにアバブワ国の場所を地図で示してと迫られ、アラジンは焦りながらも地図を広げますが、ジーニーの魔法で地図が書き換えられ、間一髪で助かるシーンがあります。その地図にシンデレラ城らしき建物とファンタジーランドという字が一瞬だけ映ります。全体図には、アメリカ・フロリダ州にあるディズニーワールドのマジック・キングダムの構造が描かれてありました。
こうした隠れ要素に気付くと、映画をより楽しく鑑賞することができます。気付かなかった人は、ぜひもう一度『アラジン』を見て確認してみてくださいね!
まとめ
出演俳優や監督もインタビューで語っていた通り、元々アニメ版『アラジン』が「不朽の名作」と言われるほど超人気作品であるため、その期待のハードルを越えなければいけないプレッシャーは計り知れないものだったでしょう。
しかし、見事な歌唱力や最新のCG技術などを用いて、『アラジン』の実写は大成功をおさめたと言っても過言ではありません。オリジナルに対するオマージュもありつつ、斬新で豪華な演出に感動すること間違いなしの作品ですよ!
20年以上愛される超名作ディズニー映画『アラジン』の名言紹介! ディズニープラス(Disney+)の月額料金プランについて|口コミ・評判を徹底調査! 【2023最新】大人にこそ観て欲しい!ディズニーの感動映画ランキング!