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けいおん!でお馴染み京アニ名監督『山田尚子』の映画特集!

ひとっとび編集長

山田尚子監督といえば、世界的にも有名なテレビアニメ「けいおん!」や「たまこまーけーっと」など、“京都アニメーション”の名監督で知られていますよね。京アニ好きにとっては、素晴らしい作品を生み出してくれる神様のような存在です!

今回は、そんな山田監督の手掛けた映画を一挙ご紹介していきます!

山田尚子監督について

映画ご紹介の前に、山田監督のプロフィールを少しご紹介いたします。

1984年11月28日に京都府で生まれました。生まれてすぐに母方の田舎へ引越し3歳までは群馬県に住んでいました。その後は京都府へ戻り現在に至ります。幼少期は、ドラえもんやクレヨンしんちゃん、ジブリ作品などをよく観ていたそうです。小学生になると絵を描くことが好きになり、ドラゴンボールなど自分の好きなアニメを模写して技術を磨いていきました。

京都造形芸術大学に進学し油絵を学びますが、『キャンバスでは自分のやりたい表現ができない』と思い、周りはキャンバスに向かう中、立体造形制作を始め発泡スチロールを切ったりしていたそうです。

そして2004年に京都アニメーションへアニメーターとして入社し、いくつかのアニメ作品に携わり経験を積みます。才能が認められ、2009年に若手ながらテレビアニメ「けいおん!」の監督に抜擢されます。この作品は世界的にも大ヒットを果たし、2011年に初の長編アニメ映画「映画 けいおん!」の監督を務めます。

「けいおん!」で実績を積み、確固とした「山田尚子ワールド」を確立した山田尚子監督はその後も観る人が元気になるような名作を世に送り出し、社会現象を巻き起こすほどの監督になりました。

“繊細な心情描写”を大切にするのが山田尚子監督の作風。キャラクターのセリフだけではなく、細かな表情や仕草によって心情が描かれており、その奥深い表現様式は世界でも高く評価されています。

山田尚子監督の映画みどころ&撮影裏話

それではさっそく、山田監督が世に送り出したこれまでのアニメ映画作品をご紹介していきます‼

みどころと撮影裏話などもあわせてご紹介していきますので、是非楽しんでいってくださいね♪

1.映画 けいおん!

山田尚子監督の映画
出典:Amazon.com

あらすじ

唯(豊崎愛生)、澪(日笠陽子)、律(佐藤聡美)、紬(寿美菜子)の軽音部4人は、もうすぐ卒業を迎える高校3年生だ。いつも通り、部室でお茶を飲んだりお菓子を食べたりとのんびり放課後を過ごしていたある日、教室で同級生たちが“卒業旅行”を計画している話を聞く。唯たちは、『自分たちも卒業旅行へ行こう!』と提案をする。各自親へ確認し、了承を得ると行先をくじ引きすることになった。だが、あみだくじで唯がインチキをしたことがバレ、部室の水槽で飼っていたすっぽんのトンちゃんに託し、行先は『ロンドン』へと決まった。梓(竹達彩奈)も行くことになり、5人はロンドンへと旅立ったのである。

ロンドンでは、観光地や有名バンドの聖地などをめぐる予定だったが、急遽入った“お寿司屋さん”で唯たちは違うバンドと間違われ、演奏することになる。間違われたバンドは、律と澪の友達のバンドだった…‼そこで情報交換をし、旅行最終日の野外イベントへ参加させてもらうことになり、海外で初ライブをすることになる5人。果たして無事に成功するのだろうか…‼

軽音部を託すことになる梓に対し、4人は贈る歌を作成していた。梓に対しての思いは伝わるのだろうか。

山田尚子監督!「映画 けいおん!」撮影裏話

■制作時に特にこだわったことは、「作り手側でキャラクターを動かさないこと」だったそうです。周りの反応がどうとか、こうしたら萌えるとかを意識しないようにしていたのだとか‼

■テレビアニメからのファンの方にはとても感謝していました。でも制作中は、ファンの方の声をすべてシャットアウトして聞かないようにしていたのだとか。ファンが望んだものを作ってしまうとなんの新鮮味もないとおっしゃる監督。完成して初めてファンの声を聴くことを大切にしていたそうです。

山田監督ならでは!映画の見どころ紹介!

今作品で一番感じるのは、「山田監督は日常を通して普遍的なテーマを伝えるのがうまい!」ということ。テレビアニメシリーズからもそうでしたが、女子高校生の部活というとよく言えば共感しやすい、悪く言えばありきたりなテーマを題材にとりながら、「恋愛要素」「方向性の違いでの対立」など、定番の設定をあえて「入れない」ことで背景にあるテーマ性とメッセージを浮かび上がらせる手法はさすがです!

唯たちの素でいられる友達関係、軽音部という部活を通してのキャラの成長など、観ている側としてものんびり観ていられるようなシーンばかりです。また、笑えるシーンも含まれており、観客を退屈させない作りも、山田監督ならではの物語の運びになっています‼

 

2.たまこラブストーリー

たまごラブストーリー
出典:Amazon.com

あらすじ

出典:映画『たまこラブストーリー』予告編

北白川たまこ(洲崎綾)はとある商店街のお餅屋の娘で小さい頃に母親を亡くしていた。そんなたまこを小さい頃から支えてきた、向かいに住んでいるお餅屋の息子で幼馴染の大路もち蔵(田丸篤志)は、彼女に恋心を抱いていた

たまこは、とにかくお餅とバトンが大好きな高校3年生。親友の常盤みどり(金子有希)、牧野かんな(長妻樹里)、朝霧史織(山下百合恵)といつも一緒にいた。みどりは小学生の頃から一緒で、男女ともに人気のあるサバサバした女の子。たまこが抜けているところがある為、放っておけずいつも世話を焼いていた。保護者のようなたまこへの気持ちはいつしか幼馴染以上の淡い感情に変わり、そのせいからか、もち蔵がたまこに対して抱いていた恋心を応援できずにいるのだった。

一方たまこは、クラスメイトがしっかり将来を考えていることに焦りを感じていた。もち蔵は、映像の勉強をするために東京の大学へ行くことにし、たまこに想いを伝えることを決意する。恋など意識したことがなかったたまこは、もち蔵に想いを伝えられ戸惑いを見せるのだった…。

山田尚子監督!「たまこラブストーリー」撮影裏話

■今作品で「文化庁メディア芸術祭」のアニメーション部門を受賞されていますが、制作中にスタッフと冗談交じりで「受賞したい」と話していたそうです。口に出すと本当に受賞できる気がしてと山田監督は仰っていました。また、“日常のきらめき”を見つけられるように意識していたそうです。

■テレビアニメで主要キャラとしてでていた南国の島からやってきた鳥・デラは今回は脇役程度。山田監督は、「デラがいるとたまこたちの悩みを解決させてしまうから。たまこたちが自分の力で解決しないといけない」と、今回デラの出番は激減したそうです。デラファンの方は少し残念かもしれませんが、その分たまこともち蔵の恋模様をお楽しみください‼

山田監督ならでは!映画の見どころ紹介!

テレビアニメでは、“恋愛模様”よりもたまこたちの成長を描く事のほうに重きが置かれていましたが、劇場版では“たまこともち蔵の恋”を見事に描かれていますよね‼高校生ならではの恋愛模様や悩み、将来への漠然とした不安など、細かなところまで繊細に描かれています。

もち蔵が小さい頃から抱き続けてきた想いを伝えるシーンは、まさに青春を感じさせるような胸キュン場面!それを受け止めきれずたまこが挙動不審になるところも、微笑ましく観られるところの一つです‼

また山田監督は、主人公だけではなく他の主要キャラも一緒に成長させるような描き方をしています。スポットライトを当てるキャラはほかにもいて、観客が「あの子はどうなったのだろう」と感じるところを、しっかりと画面に映し出してくれる繊細な監督です‼

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3.映画 聲の形

山田尚子監督の映画
出典:映画『聲の形』公式 Twitter

あらすじ

高校3年生の石田将也(入野自由)は、これまで続けてきたアルバイトを辞め、自分のものを全て売り、全財産を母親の枕元へ置き自殺を決意する。だが、そう簡単には死ねず涙を流すのだった。

将也が小学6年生の頃、クラスに西宮硝子(早見沙織)が転校してきた。彼女は、先天性の聴覚障害を持っていて、クラスメイトとは“筆談ノート”で会話するようにと先生から話があった。だが、将也たちは硝子をいじめるようになる。ある日、硝子の補聴器が何度も盗まれたり壊されたりしたことで学級会が開かれ、そこで将也は犯人にされてしまう。そして将也の母は、硝子と両親にお詫びと補聴器の弁償代として170万円を渡すことになった。それがきっかけとなり、いじめっこ側だった将也は学校でいじめられるようになる。それから将也の心は閉ざされていくのであった…。「自分のしたことは必ず返ってくる」という思いで、高校生になっても孤独と自己嫌悪感に悩まされていた。

自殺に失敗した将也は、手話クラブに通う硝子と再会し、『友達になってほしい』とお願いをする。手話を覚え、懸命に硝子と会話をしようと試みるのだった。だが、硝子の妹・結絃(悠木碧)は姉をずっと苦しめてきた将也を許せず、将也へきつく当たっていた。その後、小学校からの関係を知る友人に再会し、将也は少しずつ心を開いていく…。

山田尚子監督!「映画 聲の形」撮影裏話

山田尚子監督の映画
出典:映画『聲の形』公式 Twitter

■初めて映画制作という話がきた時、山田監督は「音楽は絶対agraphで決まり!牛尾さんにお願いしたい」と思ったそうです。映画を作成する中で、自分からこの音楽がいいと思うことは少なく、今回はピンときたそうです‼

■いじめっこという将也の役は、普通に考えたら嫌われてしまうキャラですが、監督は「いじめやシリアスなシーンも多いですがそれがこの作品の本質ではなく、将也がなぜその行動をしたのか、硝子に興味がありちょっかいを出したなど、わかるように描いていきたいと思ったんです。」とコメントしています。

山田監督ならでは!映画の見どころ紹介!

山田尚子監督の映画
出典:映画『聲の形』公式 Twitter

いじめ”というテーマは、どの時代にも無くならないものです。現在でもニュースや新聞に取り上げられるほど深刻な問題ですよね。『聲の形』では、小さい頃にいじめっ子が感じていた感情と、いじめられている子が感じていた感情を見事に描かれています。“どんないじめでも何かしらの理由がある”ことがこの映画を観ることで理解でき、また、いじめていた将也は自分が同じ立場になることで硝子の痛みを痛感します。

当然、理由があればいじめていいわけではありません。ただ、人は間違いを起こすもの。それを悔いて自分から行動を起こすことも勇気が必要なことです。内容はとってもシリアスな部分があり、いじめられた経験がある人なら当時のことを思い出して嫌な気持ちになってしまうかもしれませんが、こういう解決もあるのだなと感じさせる、そんな作品になっています。

山田監督の“キャラを成長させる”技術がとてもよく出ている作品かと思います。

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4.リズと青い鳥

リズと青い鳥
出典:映画『リズと青い鳥』公式サイト

あらすじ


出典:映画『リズと青い鳥』予告編

とある高校の吹奏楽部に所属している、みぞれ(種崎敦美)と希美(東山奈央)。二人は中学の頃から親友で、みぞれは希美に誘われ吹奏楽部に入部した。みぞれは、学校推薦が貰えるほど才能があり、希美に感謝していた。希美は活発で誰とでも仲良くでき好かれていた。みぞれにとって希美は全てだった。

高校3年生の二人の最後のコンクール。フルート担当の希美とオーボエ担当のみぞれは、「リズと青い鳥」の曲で二人のソロで掛け合うパートがあった。その曲は、森に住んでいた少女・リズ(本田望結)は、ある日不思議な青い髪をした少女を助けた。二人は仲良くなり一緒に暮らし始めるが、青い髪の少女の正体は“青い鳥”だった。しばらくすると青い髪の少女は旅立とうとするが、リズは『ずっと一緒にいて』とお願いするのだった…。この物語を知り希美は「私たちみたいだね!」と嬉しそうに練習を重ねていた。だが、みぞれは素直に喜べないでいた…『最後のコンクールが終われば希美との時間が終わってしまう。ずっと一緒に居られると思っていたのに…』という気持ちが隠せず、みぞれは希美に素っ気ない態度を取ってしまう

山田尚子監督!「リズと青い鳥」撮影裏話

■原作の武田さんから内容を預かった山田監督は、テレビシリーズの主人公・黄前久美子より、どうしても『みぞれと希美』にときめくものを感じたと仰っていて、これは別の物語として映画化したほうが良いかもと思ったそうです。こうして「リズと青い鳥」は、「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ作品として登場しました‼

■山田監督と原作の武田さんは、テレビシリーズの時から交流がある仲です。キャラを作成して原作者へOKをもらうなど、細かいやりとりはまるで“交換日記”をしているかのようだったとお話ししています。なんでも言い合える仲になったからこそ、今作も良い映画になったのですね‼

山田監督ならでは!映画の見どころ紹介!

山田尚子監督といえば、登場人物のセリフだけではなく表情や細かい仕草から、感情を表現することを得意としていて、この「リズと青い鳥」も高校3年生の少女たちの細かな感情をとても綺麗に繊細に表現していました‼

みぞれは希美の全てが大好き。希美はみぞれが吹くオーボエが大好き。』この言葉は、お互いが相手を思い合って出た言葉だなと改めて感じました。ずっと一緒だと思っていた親友とも進路が別々の道になってしまう不安や寂しさなどを隠し切れないみぞれと、そんなみぞれに対して距離を感じてしまった希美は、お互いが大切だからこそどうしていいのかわからない、そんな複雑な感情場面がこの映画の見どころです。

山田監督の細やかなこだわりをぜひチェックしてみてください。

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まとめ

以上、山田尚子監督が手掛けた4作品のご紹介でした。

どの作品も、それぞれのキャラクターが本当に生きているかのような感情や仕草、動きが魅力的ですよね!細かなものを得意としている山田監督ならではの表現力ではないでしょうか。

今後も素晴らしい作品を生み出してくれることを期待しましょう。

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