ダークファンタジーの金字塔ティム・バートン監督のおすすめ映画特集!
ティム・バートンといえば、名前だけでも聞いたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。映画タイトルだけでも有名な作品があり、ディズニー映画をも手掛け、個性溢れるキャラクターが登場する作品を作り上げることが得意な監督です!
今回は、そんなティム・バートン監督の手掛ける映画の中から厳選して7作品をご紹介いたします!
目次
ダークファンタジー界の巨匠・ティム・バートン監督の来歴
ティム・バートン監督(Timothy William Burton)は1958年8月25日、カリフォルニア州のバーバンクで生まれました。カリフォルニア芸術大学卒業後、ディズニースタジオでアニメーターとして働き、初の監督作品は短編映画で、「ヴィンセント」という映画。
その後は監督としての才能を開花させ、「フランケンウィニー」を製作。その後はディズニーを離れ、ヒット映画となった「ピーウィーの大冒険」の監督を担当します。
彼はもともと化け物や怪物を好んだ青年でした。彼の好きな作品は日本の映画の代表といえる「ゴジラ」で、昔はゴジラ作品に出演する俳優になりたいと考えていたようです。日本人としては、なんだか嬉しい話ですよね!
そんな彼の生み出す数々の映画には、常人には想像できないような「ティム・バートン」特有の世界観を持ちあわせた作品が数多く存在します。
彼の作品は、SF、ホラー、ファンタジーが多く、皆さんご存知の方も多い「ジョニー・デップ」とのコラボ作品が多くあります。最早ティム・バートン×ジョニー・デップの組み合わせは定番となりましたね!彼の作品は、少し異質ながら不思議な世界観に引き込まれてしまうようなものばかり。
選びきれない程の良作を数多く輩出するティム・バートンですが、ここでは絞りに絞り込んで厳選したおすすめ映画を7作品ご紹介していきます。撮影の裏話なども併せてご紹介していきますので、ぜひ楽しんでくださいね♪
1. BATMAN(バットマン)
出典:Amazon.com
あらすじ
犯罪都市ゴッサム・シティ。犯罪と暴力が横行するこの街は黒いボディースーツを着る男「バットマン」が犯罪者を倒していた。彼は犯罪者を倒し、正体を明かすことなく、闇に消えていくのだった。そしていつしか彼の存在は都市伝説となっていた。
そんなバットマンに興味を持っていたカメラマンである「ヴィッキー」という女性がいた。彼女は街のお金持ちであるブルース・ウェインという男と知り合う。ミステリアスなブルースに彼女は心を惹かれ、二人は次第に互いに心を開いていく。しかし、ブルース・ウェインの正体はバットマンだったのだ――。
一方、バットマンと戦闘していたマフィアの一人である「ジャック・ネーピア」は、戦闘の末バットマンに敗北してしまう。ジャックはバットマンが防御した弾に被弾し、化学薬品の液に転落してしまう。ジャックは命までは落とさなかったが、化学薬品の影響で肌は真っ白になり、顔面の神経が麻痺され、ひきつった顔のままとなる。その様子はまるでトランプの「ジョーカー」のようだった。彼は狂気にさいなまれ、明晰な頭脳と残虐性で街の大物たちを次々に殺していく。そしてついには都市伝説となったヒーローであるバットマンにもちょっかいを出すようになり、ジョーカーはヴィッキーを誘拐したのだった――。
ティム・バートン監督の作品「バットマン」の裏話
- 主演がマイケル・キートンに決まった際は、コミックのキャラクターと似ても似つかなかった事が原因でファンから批判が起こり、物議を醸しました。
- 本作の制作費は、当時のハリウッド作品としては比較的低予算で製作されていました。しかし、興行的に成功を収め、そのうちの一部の報酬を得られる契約によって大きく利益を得たそうですよ♪
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「バットマン」注目ポイント!
バットマンシリーズとしての第一作目となります。バットマンは華やかなスーパーヒーローというより、心に闇を抱えたヒーローとして、「内なる狂気を秘めたバットマンと狂気を表に出すジョーカーとの対決」という視点で作られています。
ティム・バートン監督は誰もが考え付かない思考回路の持ち主だからこそ、二人の狂気の表現の出し方に注目してみていただきたい作品です。
他の作品と違い、ストレートな明るいヒーローではなく暗い背景描写がメインとなっていますが、ブラックジョークも多数盛り込まれているため、観る者を飽きさせない作品となっています。ぜひ、そのあたりにも注目してみてください!
2. シザーハンズ
あらすじ
田舎の山の上にある屋敷に孤独な発明家の老人が住んでいた。屋敷には様々な発明品が作り出されていたが、ついに彼は人造人間の作製に取り組み、生み出すことに成功した。その人造人間の名前を「エドワード」と名付けた。老人はひとまず彼の仮の手として両手にハサミを取り付け、かたわらで本物の人間と同じような両手を作っていたが、完成した矢先に、急な発作で亡くなってしまう。エドワードは手を取り付けてもらうことができず、両手がハサミのまま一人屋敷に取り残されてしまった。
そんな屋敷に一人の女性が訪ねてくる。彼女の名前は「ペグ」、心優しい彼女は一人ぼっちのエドワードを街に連れて帰ることにした。街に連れて帰ってきたはいいものの、彼は食事を取ることさえままならなかった。しかし、彼にもできることがあり、植木を整えたり、女性の髪を整えてあげたりと、街の住人から慕われるようになった。そんな中エドワードはペグの娘「キム」に恋をした。キムにはボーイフレンドがいたが、キムは住人から慕われる心優しいエドワードに惹かれていく。ある日、エドワードは誤ってハサミの手でキムを傷つけてしまう。ボーイフレンドに罵られ、エドワードは家を追い出されてしまう――。
ティム・バートン監督の作品「シザーハンズ」の裏話
- 当初、エドワードの配役はジョニーデップではなく、トム・クルーズが候補に挙がっていましたが、彼はハッピーエンドを望んでおり、ティム・バートンと意見が一致しなかったため不採用となったそう。
- 実はティム・バートン監督、この作品の撮影で初対面だったジョニー・デップを「下手な役者」と評しています。ここから二人のコラボが始まっていったと思うと、感慨深いものがありますね。
- この作品はフロリダの実際の住宅街にある家をパステルカラーに塗って撮影が行われたんだそう!スケールがスゴイ!!
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「シザー・ハンズ」注目ポイント!
「バットマン」で少し変わったテイストの作品に手を出せるようになったティムバートン監督が携わった「ティムバートンらしい映画」作品のひとつです。この作品からジョニー・デップとの数々のコラボレーションがはじまっていきます。
街に出たエドワードは、始めこそ見世物のように扱われますが、心優しい彼の姿に心を開いていく住人たち。しかし、たった一つのミスから彼の完全ではない姿に恐怖を覚え、街から追い出されてしまうその光景は、彼の純粋な優しさに心打たれながらも、痛々しく、ひどく切なさを覚えます。この作品は「両手がハサミ」という「完全ではない人間」に対しての周りの反応や、彼自身の切ない心情が表現されている作品です。
3.チャーリーとチョコレート工場
出典:映画『チャーリーとチョコレート工場』公式Facebook
あらすじ
世界中で売られているお菓子といえば「ウィリー・ウォンカ製」のお菓子。その謎に包まれたお菓子工場を5人の子供たちが見学する権利が与えられた。その5人とは、チョコレートが大好きな「オーガスタス」。社長令嬢の「ベルーカ」。チューインガムを噛み続けている「バイオレット」。ゲームが好きで生意気な態度をとる「マイク」。家族思いの優しい少年「チャーリー」。しかも5人中の1人には素晴らしい副賞が与えられるという。
しかし、全員素直に見学する機会は与えられず、彼らは工場内で不思議な光景を目にしつつ、様々なハプニングが起こり、一人ずつ工場から脱落していく。
ティム・バートン監督の作品「チャーリーとチョコレート工場」の裏話
- 工場内のチョコレートの川はチョコレートは使用されませんでしたが、チョコレートの質感のような素材で表現されたものだったそうです。
- 庭園や芝生は、なんとチョコレート職人が手掛けた本物のチョコレートを使用して撮影されたそう!
- ジョニー・デップが演じているウィリー・ウォンカですが、当初は別の俳優候補が挙がっていて、その一人はジム・キャリーだったそう。
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「チャーリーとチョコレート工場」注目ポイント!
ジョニー・デップとの作品の一つです。原作に忠実に作られている中、ティム・バートンの考え、世界観を生かされた作品で、ウィリーウォンカ(ジョニー・デップ)が異質で個性的な人物像として登場します。
しかし、彼はチョコレートが好きで純粋な少年時代、親に反対されながらもチョコレート作りの人間となります。反対こそされてきましたが、彼は家族の事を本当に大切にしていました。そんな彼の姿から、異質な人物像の中にある愛おしさというものを感じられる作品です。
そして、映画の作品として、原作で妄想が膨らむようなお菓子の世界を見事に表現されており、ファンタジーで楽しく子供のころに夢をみたような工場の描写に幼心が躍るような映像作品でもあります。
4.ティム・バートンのコープスブライド
出典:Amazon.com
あらすじ
ヨーロッパの小さな村で、「ヴィクター」という青年は、貴族の娘「ヴィクトリア」との結婚が政略結婚として進められていた。結婚式前日に結婚式のリハーサルが執り行われ、そこで初めて二人は対面した。しかし、ヴィクターはその結婚式のリハーサルで大失敗をしてしまう。牧師に怒られ、式の延期を命じられた。
そこで彼は夜の森で、一人結婚式の練習をすることにした。森の中に落ちていた枝を使い、花嫁の指に見立てて結婚式の誓いの言葉とともに指輪を枝にはめた。しかし、枝と勘違いしたそれは「コープス・ブライト」である「エミリー」の指だった。彼に誓いをたてられたと勘違いしたエミリーは彼を死者の世界である地中に連れ去ってしまう。
ティム・バートン監督の作品「ティム・バートンのコープスブライト」の裏話
- 人形を使ったストップ・アニメーションという撮影方法で作製されています!これは以前時間がなくて製作のみにしか携われなかった「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」と同じ方法とのことです。
- ジョニー・デップはこの作品が声優初挑戦だったそう!ジョニーデップの声優デビュー作品としてもみどころですね♪
- 「チャーリーとチョコレート工場」と「コープスブライド」は同じ時期に制作されていたため、出演している俳優が被っているんだそう!
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「ティム・バートンのコープスブライト」注目ポイント!
ヴィクターの声優がジョニー・デップであり、この作品もジョニー・デップとのタッグの作品となります。「ティムバートンらしい映画」作品のひとつであり、こちらはアニメーション作品となっています。アニメーション作品はほかにも「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」などがあります。
今回の作品も少しホラー要素が含まれ、異質な雰囲気がありながらも、健気な二人の花嫁の姿と心優しいヴィクターの姿に心温まる作品となっています。この作品は映像も音楽も良く、映像はストップモーションならではの優しくて繊細な動きと、ミュージカルのような音楽が使われています。終盤で二人で弾くピアノのシーンは聴き入るものがあります。
5.スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
出典:Amazon.com
あらすじ
19世紀のロンドン。船から降りてきたのは白髪の怪しげな男「スウィーニー・トッド」彼は、若い船乗りのアンソニーに連れられてロンドンに舞い戻ってきた。
トッドは昔この街でベンジャミン・パーカーとして妻と娘と一緒に理髪店を営んでいた。しかし、彼の美しい妻を狙った「ターピン」によってトッドは嵌められ、流罪に処される。つまり、トッドは復讐のためにロンドンに戻ってきたのだ。
昔あった自分の店を訪れると、そこは錆びれたパイ屋となっていた。パイ屋を営む夫人から、トッドの妻は自死し、娘はターピンによって軟禁状態であると教えられた。夫人はトッドに、パイ屋の2階を理髪店として提供し、彼に協力することにした。素性を隠し、名前を変えて舞い戻ってきたスウィーニートッドは、ターピンに復讐を開始する。
ティム・バートン監督の作品「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」の裏話
- 撮影直前まで、トッド役のジョニー・デップの歌声は監督も聞いたことが無かったため、ミュージカル映画にも関わらず、歌声に関しては博打だったようです。
- ジョニーデップはこの作品が初めてのミュージカル映画となっています。
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」注目ポイント!
本作もティム・バートンとジョニーデップとのコラボ作品となっています。このページでも紹介しました「シザーハンズ」同様「はさみ」と「奇怪なジョニーデップ」がセットになった作品です。ただ今回の作品はR15指定となっており、原作舞台では引き出せないグロさやホラーさをティムバートン監督の色で表現されています。床屋が客を平然と殺すシーンや、パイ屋が人肉でパイを作るシーンなど、ミュージカル映画でありながらスプラッター映画にもなっています。苦手な方はご注意ください!
本作品は明暗が鮮やかに表現されている作品です。全体的に暗い街並みと衣装、描写自体が「暗」として描かれるからこそ、出血時の鮮やかな深紅色が「明」としてよく目立ちます。また、数少ない明るい描写では色彩が多く使われており、ここでも明暗が表現されています。そういった点にも注目して鑑賞していただきたい作品です。
6.フランケンウィニー
出典:ディズニー公式サイト
あらすじ
交通事故で愛犬スパーキーを失ってしまった少年ヴィクターはその死を受け入れられず、科学の実験を利用し、禁断の実験でスパーキーを蘇らせようと決意する。スパーキーはつぎはぎだらけのフランケン犬としてこの世に蘇ることに成功した。
しかし、その様子をみていた近所のヴィクターのクラスメートたちは、スパーキーの姿に驚き、ヴィクターの真似をして次々と驚くようなものを蘇らせ、街は大騒ぎとなる――。
ティム・バートン監督の作品「フランケンウィニー」の裏話
- ティムバートンも幼少期に犬を飼っており、その経験を元にして製作された映画です。
- 上記で紹介した「ティムバートンのコープスブライド」のスタッフが多数参加している作品です。
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「フランケンウィニー」注目ポイント!
ティム・バートンがまだディズニーに在籍していた頃にティムが監督として「フランケンウィニー」という短編映画を製作しました。しかし、内容が奇抜だったため、当時年齢制限がかかりお蔵入りとなってしまいました。本作は、そんな作品を掘り起こし、3Dのストップモーションで長編アニメとしてリメイクされた作品です!
ティムバートンの幼少期の思い入れもあってか、楽しく自由に作られた作品です。ただの純粋な愛犬との感動作品というわけではなく、ホラー映画の「フランケンシュタイン」のオマージュをところどころに取り入れることとで、少しだけホラー要素の加わった「ティムバートンらしい作品」の一つとなっています。白黒作品であるがゆえに、まるで自分が子供のころ経験したような回想シーンのようにも感じます。撮影中のカメラを一時停止させ、ある被写体を突然消したり出現させたりするトリック技法である”ストップモーション”を採用しており、なんとも温かみのある作品となっています。
7.ダンボ
出典:ディズニー公式サイト
あらすじ
昔、サーカス団で活動していた「ホルト・ファリア」。彼はサーカス団で馬術師をしていたが、従軍中に左腕を失い家族のもとへ帰ってきた。しかし戻ってきた際、妻は流行りの感染症で命を落としており、サーカスでの仕事は無くなり、彼は子供を養うために「マックス・メディチ」に仕事の依頼をした。
そこでホルトはマックスから新しく購入した象の世話係を任命される。その象は身ごもっており、出産の日を迎えた。生まれた小象は身体に不釣り合いな大きな耳を持っており、その姿を笑いものにされてしまう。その小象が「ダンボ」である。笑いものにされる小象を守ろうとした母象は大暴れしてしまい、ダンボと引き離される事に。母を想うダンボに心を動かされたホルトの家族とサーカス団の仲間は、ダンボの母象を救い出す作戦を決行する。
ティム・バートン監督の作品「ダンボ」の裏話
- 本作品はサーカスが舞台となるのですが、ティムバートンはサーカスに対して恐ろしい”ピエロ”のイメージを抱いており、実はあまり好きではなかったのだそう。奇才な作品を手掛ける彼にしては、ちょと意外ですね!
異端児ティム・バートンらしい作品とは? 「ダンボ」注目ポイント!
ティム・バートンの作品にしては、ホラーや異質な雰囲気が少なめの作品となっております。アニメ版ディズニー映画のイメージ通り、小さい象が大きな耳で空を飛ぶ姿が、実写であるにも関わらずかわいらしくCG映像化されております。そして、ディズニー映画のイメージを潰すことなく、美しい映像と音楽、家族との絆といった点も表現された作品となっております。
しかし、全て原作に似せるわけではなく、原作にはない登場人物の多さがあったりと新しい「実写版ダンボ」という映画です。ティム・バートン監督の色というものは少し薄いようですが、万人受けするように作られた作品もよいのではないでしょうか。
まとめ
今回は、「ティム・バートンらしい作品」というものを多く紹介しました。映画にはそれぞれ映画監督の色が出ますが、ティム・バートンの作品は特に色濃いものが多く存在します。
この中で一作品でも既に観たことがある・若しくは好きな作品がある!というのであれば、連鎖反応のようにほかの作品にも引き込まれてしまうはずです。ぜひご覧になってみてくださいね!
まだまだ現役のティム・バートン監督に今後も期待しましょう。
奇妙で重厚な雰囲気にハマる、ダークファンタジーのおすすめ映画15選!