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ジャン=リュック・ゴダール監督のおすすめ映画特集!『勝手にしやがれ』他

ひとっとび編集長

「気狂いピエロ」や「勝手にしやがれ」などで知られるジャン=リュック・ゴダール監督は、フランス映画界を代表する巨匠です!

ジャン=リュック・ゴダール監督は、1930年12月3日にフランスのパリで生まれました。子供時代をスイスで過ごした後にパリへ戻り、ソルボンヌ大学に進学します。大学時代にフランソワ・トリュフォー監督やジャック・リヴェット監督と出会い、この頃から俳優として活動を始めます。次第に脚本や製作にも携わるようになり、1959年に「勝手にしやがれ」で長編映画監督デビューを果たしました。

ジャン=リュック・ゴダール監督の作品は、デビュー当初から自由奔放な作風で多くの映画ファンや批評家たちから愛されてきました。映画界に革命を起こし続けてきたジャン=リュック・ゴダール監督は、年代ごとに作風や映画のテーマを変えています。

そんなジャン=リュック・ゴダール監督の作品を、公開年順に紹介していきます!

ジャン=リュック・ゴダール監督のおすすめ映画

1.勝手にしやがれ


出典:Amazon.com

あらすじ

警官を殺してパリへと逃げてきた自転車泥棒のミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)は、アメリカ人の恋人パトリシア(ジーン・セバーグ)と自由気ままに過ごしていた。

ある日、パトリシアはミシェルが警察から追われていることを知るが、ミシェルの愛を確かめるため、警察にミシェルの居場所を密告し、ミシェルにも警察が追ってきたことを伝えた。

そして、ミシェルとパトリシアの逃避行が始まる。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」撮影裏話!

・「勝手にしやがれ」は、それまでの映画の既成概念をひっくり返した作品と言われています。

・当時はほとんど行われていなかった手持ちカメラでの撮影や、隠し撮り風の撮影、唐突なクローズアップ、画面の続きを考えずにショットを繋ぎ合わせていくジャンプカットという技法を使うなど、フランスだけでなくアメリカ全土の映画界にも多大なる影響を与えました。

ジャン=リュック・ゴダール監督「勝手にしやがれ」のみどころ!

フランスで1950年代末に始まった映画運動である「ヌーベルバーグ」の中でも代表作と言われている、記念碑的な作品です。

ジャン=リュック・ゴダール監督の作品の中でも特に有名で、あっと驚くような展開がみどころです。

「三つ数えろ」や「散り行く花」などの名作映画から演出を引用している部分があり、それらの作品を観ておくと更に楽しめます。

基本情報

上映時間:90分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ、ダニエル・ブーランジェ

受賞歴:第10回ベルリン国際映画祭銀熊賞

    第4回ジャン・ヴィゴ賞

    1961年フランス批評家連盟批評家賞

公開日:1960年3月26日

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2.女は女である

映画○○
出典:Amazon.com

あらすじ

パリの書店で働く青年エミール(ジャン=クロード・ブリアリ)は、コペンハーゲンからやってきたばかりでストリップダンサーとして働くアンジェラ(アンナ・カリーナ)と暮らしている。

ある日、アンジェラはエミールに24時間以内に赤ちゃんが欲しいと告げる。

意見が合わない2人だったが、アンジェラの「無理ならば他の男に頼む」という言葉に対して、エミールは「勝手にしろ」と答えてしまう。

怒ったアンジェラは、アパートの下の階に住んでいて自分に何かとちょっかいをかけてくる男、アルフレード(ジャン=ポール・ベルモンド)に頼むと宣言する。そして、アンジェラはついにアルフレードと関係を持ってしまう。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「女は女である」撮影裏話!

・ヒロインのアンナ・カリーナは、「女は女である」の撮影前にジャン=リュック・ゴダール監督と結婚しています。後に2人は離婚してしまいますが、夫婦ならではの息のあった芝居と演出で名作を生み出しています。

・「女は女である」は、ジャン=リュック・ゴダール監督が手掛ける初めてのカラー映画で、映画の舞台となった美しい街並みはフランスのパリ市内で撮影されました。

ジャン=リュック・ゴダール監督「女は女である」のみどころ!

「女は女である」のみどころは、何と言ってもヒロインのアンジェラを演じたアンナ・カリーナの可愛らしさを堪能できる点です。

アンジェラは突然恋人に赤ちゃんが欲しいと言い出す奔放な女性ですが、アンナ・カリーナの天真爛漫な可愛さが光っています。

「女は女である」はミュージカルコメディなので、所々で笑える所もあり、ストーリーも秀逸です。

基本情報

上映時間:84分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:ジャン=クロード・ブリアリ、アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド

受賞歴:第11回ベルリン国際映画祭銀熊賞最優秀女優賞、銀熊賞特別賞

公開日:1961年12月23日

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3.気狂いピエロ


出典:映画『気狂いピエロ』公式Facebook

あらすじ

「気狂いピエロ」と呼ばれているフェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)は、金持ちの妻との結婚生活に退屈し、逃げ出したいという衝動に駆られていた。

ある日フェルディナンは、昔馴染みのマリアンヌ(アンナ・カリーナ)と再会し、一夜を共にする。翌朝目覚めたフェルディナンは、マリアンヌの部屋で見知らぬ男の死体を発見するが、マリアンヌは何事もなかったかのように朝食を作っていた。

初めは面倒なことに巻き込まれてしまったと思っていたフェルディナンだったが、マリアンヌと行動を共にするうちに2人でパリから逃げ出すことを決心する。

ギャングに追われながらも充実した日々を過ごしていた2人だったが、平凡なフェルディナンに嫌気がさしたマリアンヌは、ギャングと手を組んでフェルディナンを裏切ってしまう。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「気狂いピエロ」撮影裏話!

・「気狂いピエロ」は、ライオネル・ホワイトの「十一時の悪魔」が原作になっています。ストーリーは原作が元になっていますが、映画には脚本がなく、ほとんどのシーンが即興で演出されて撮影されました。

・マリアンヌの奥に秘めた恐ろしさがこの映画の重要な役割を担っていますが、ジャン=リュック・ゴダール監督は、当初マリアンヌ役をシルヴィ・ヴァルタンにオファーしていたそうです。しかし、シルヴィ・ヴァルタンのエージェントがこのオファーを断り、アンナ・カリーナが起用されました。

・当時まだ駆け出しの女優だったアンナ・カリーナでしたが、本作への出演で一躍有名になりました。

ジャン=リュック・ゴダール監督「気狂いピエロ」のみどころ!


出典:映画『気狂いピエロ』公式Facebook

「気狂いピエロ」のみどころは、主人公のフェルディナンが破滅に向かっていく過程の過激さです。

平穏で退屈な生活を送っていたフェルディナンは、危ない香りのするマリアンヌという女性と行動を共にすることによって徐々に破滅していきます。

特に中盤からラストにかけては更に過激さが増していて、フェルディナンが顔に爆弾を巻きつけて自爆するシーンは圧巻です。

ジャン=リュック・ゴダール監督の作品の中でも、特に破天荒で伝説的な作品です。

基本情報

上映時間:110分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド

受賞歴:なし

公開日:1967年7月7日

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4.カルメンという名の女

映画○○
出典:Amazon.com

あらすじ

元映画監督のジャン(ジャン=リュック・ゴダール)は、パリの精神病院で異常なしと診断されたが、なかなか病院を出たがらない。

そこへ彼の姪のカルメン(マルーシュカ・デートメルス)が、ジャンが持っている海辺のアパートを映画撮影のために貸して欲しいと頼みにやってきた。

しかし映画撮影というのは嘘で、カルメンはジャンのアパートを、銀行強盗をした後の逃げ場にしようと考えていたのだった。

カルメンが強盗に入った銀行では、ジョゼフ(ジャック・ボナフェ)が警備員として働いていて、強盗一味を捕らえようとしていた。

しかしカルメンとジョゼフは、揉み合っているうちに心を通わせ合い、互いに惹かれあってしまう。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「カルメンという名の女」撮影裏話!

・当初はカルメン役をスター女優だったイザベル・アジャーニにオファーし、2週間ほど撮影をしていましたが、監督とイザベルとの間に演出の相違があったために途中で降板しました。

・当時マルーシュカ・デートメルスは無名で、映画に出演したこともありませんでしたが、ジャン=リュック・ゴダール監督は彼女をヒロインに抜擢し、一躍スター女優へと押し上げました。

ジャン=リュック・ゴダール監督「カルメンという名の女」のみどころ!

「カルメンという名の女」では、銀行強盗を目論み実行した女と、カルメンを捕らえようとするものの恋に落ちてしまう警備員の男の、恋と逃避行を描いています。

最初は強盗であるカルメンと銃を突き合わせ、捕らえようとしたジョゼフでしたが、次第にカルメンに惹かれていきます。

禁断の愛に走ってしまうのも無理がないほど魅力的なカルメンの奔放な美しさもみどころです。

基本情報

上映時間:85分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:マルーシュカ・デートメルス、ジャック・ボナフェ、ミリアム・ルーセル

受賞歴:第40回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、特別賞

公開日:1984年6月23日

5.ゴダールのリア王

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あらすじ

ウィリアム・シェークスピア五世(ピーター・セラーズ)は、プラッギーという教授(ジャン=リュック・ゴダール)に魔術を聞き出すために、レマン湖の街ニヨンにやって来た。

ある日、ウィリアムが宿泊先のホテルで食事をしていると、地元マフィアのボスであるドン・レアーロ(バージェス・メレディス)と、娘のコーディリア(モリー・リングウォルド)の会話を聞いてしまう。

その会話の内容は、祖先であるシェークスピア・シニアの「リア王」のストーリーそのままの、出来すぎた話であった。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「ゴダールのリア王」撮影裏話!

・「ゴダールのリア王」は、シェイクスピアの四大悲劇の1つである「リア王」を1980年代風に再構築した作品です。

・当時大手の映画会社だったキャノングループの映画プロデューサー、メナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバスが、ジャン=リュック・ゴダール監督に発注して本作が制作されました。

ジャン=リュック・ゴダール監督「ゴダールのリア王」のみどころ!

「ゴダールのリア王」のみどころは、本家シェークスピアの「リア王」に出てくるようなキャラクターが登場している点です。シェークスピア五世を名乗る青年や、年老いた父親とその娘などが登場します。シェークスピアの「リア王」のストーリーを知っていると、更に「ゴダールのリア王」を楽しむことができます。

基本情報

上映時間:90分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:ウディ・アレン、バージェス・メレディス、モリー・リングウォルド

受賞歴:なし

公開日:1998年8月10日

6.右側に気をつけろ

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出典:Amazon.com

あらすじ

「本日の夕刻までに映画を作って首都に届ければ、過去の罪を全て見ずに流す」との電話を受けた公爵殿下(ジャン=リュック・ゴダール)は、フィルム缶を抱えて空港へと向かっていた。

途中で車を降ろされた公爵殿下は、フィルム缶に気を取られる提督夫人(ドミニク・ラヴァナン)から逃げ去る。

一方でフレッド・シシャン(本人)と、カトリーヌ・ランジェ(本人)は音を探し求め、レコーディングスタジオで演奏を繰り返し、人(フランソワ・ペリエ)と、男(ジャック・ヴィルレ)との対決を繰り広げていた。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「右側に気をつけろ」撮影裏話!

・「右側に気をつけろ」でジャン=リュック・ゴダール監督が演じる公爵殿下は、同じく彼が監督を務めた映画「子どもたちはロシア風に遊ぶ」でも登場しています。

・公爵殿下はどちらの映画でもジャン=リュック・ゴダール監督が演じていて、フョードル・ドストエフスキーの「白痴」に登場する、主人公のムイシュキン公爵がモデルになっているそうです。

・ジャン・ラシーヌの「ベレニス」や、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの「寓話」など、様々な戯曲や文学から歌詞や台詞を引用しています。

ジャン=リュック・ゴダール監督「右側に気をつけろ」のみどころ!

ジャン=リュック・ゴダール監督は本作について、「俳優とカメラと録音機のための17もしくは18景のファンタジー」と称していて、空や街など日常の風景をいちいち理解しようとするのでなく、ただ感じるだけなのと同じように、この映画を観るべきだと語っています。

ストーリーや演出を深く考えることなく、映画全体を感じながら観ると、ジャン=リュック・ゴダール監督の意図が見えて、より深く映画を感じることができます。

基本情報

上映時間:81分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:ジェーン・バーキン、ジャック・ヴィルレ、ジャン=リュック・ゴダール

受賞歴:1987年ルイ・デリュック賞

公開日:1989年1月28日

7.ヌーヴェルヴァーグ

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出典:Amazon.com

あらすじ

大財閥の当主であるエレナ・トルラート=ファヴリーニ(ドミツィアーナ・ジョルダーノ)はある日、交通事故に遭った男ロジェ・レノックス(アラン・ドロン)を救う。

放浪者だったロジェはそのままエレナの家に住み着く。

ある日、エレナとロジェが湖でボートを漕いでいると、ロジェが湖の中に落ちてしまったが、エレナは手を差し伸べなかった。

そしてちょうど1年後の春、エレナの前にロジェと瓜二つの男リシャール(アラン・ドロン)が現れる。

エレナはロジェとは全く反対で行動的なリシャールに惹かれていき、次第にリシャールがエレナの会社の実権を握っていく。

ジャン=リュック・ゴダール監督の「ヌーヴェルヴァーグ」撮影裏話!

・ジャン=リュック・ゴダール監督は、本作で初めてアラン・ドロンを主役として起用しました。

・ジャン=リュック・ゴダール監督は、アラン・ドロンとの撮影を終えて「生まれながらにして固有の悲劇を抱えている人物」と評したそうです。

・映画の中で大きな役割を持つ湖でのシーンは、スイスのレマン湖で撮影されました。

ジャン=リュック・ゴダール監督「ヌーヴェルヴァーグ」のみどころ!

「ヌーヴェルヴァーグ」のみどころは、名優アラン・ドロンの一人二役です。顔は全く同じだが中身が全く違うロジェとリシャールという2人の男を演じています。

ロジェは負け組とも言えるボロボロの放浪者、リシャールは活気にあふれバイタリティに満ちた実業家ですが、アラン・ドロンは真逆の2人を秀逸に演じ分けています。

映画界の発展に長年貢献してきた名優アラン・ドロンの、年を取っても変わらない演技に脱帽です。

基本情報

上映時間:90分

監督:ジャン=リュック・ゴダール

出演者:アラン・ドロン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ

受賞歴:なし

公開日:1991年11月11日

まとめ

フランス映画の巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の作品を公開年順に紹介しました。おしゃれで独特な雰囲気が人気のフランス映画ですが、その先駆けとなったのがジャン=リュック・ゴダール監督の作品と言っても過言ではありません。

この先もずっと映画史に残り続けるであろうジャン=リュック・ゴダール監督の作品たちを、ぜひ鑑賞してみてください。

この記事を書いた人
ひとっとび編集長
ひとっとび編集長

映画の情報サイト『映画ひとっとび』の編集長。 映画を「なんとな〜く」探している方から、「この映画の考察が知りたい!」というマニアな方まで楽しめるサイトを目指しています! 皆さんの映画ライフがもっと充実するお手伝いができますように。