007シリーズでお馴染みサム・メンデス監督のおすすめ映画特集!
『アメリカン・ビューティー』、『007 スカイフォール』で知られるサム・メンデス監督。監督した作品は、人間の闇にフォーカスをあてたものが多いのが特徴です!
今回はそんなサム・メンデス監督のオススメ作品を7つ公開年度順にご紹介します!
目次
サム・メンデス監督のおすすめ映画
おすすめ映画をご紹介する前に、彼について少しご説明いたします。
出典:Wikipedia
監督は、イギリスのバークシャー州レディング出身、1965年8月1日生まれです。ケンブリッジ大学卒業後、舞台の演出家として活躍しました。92年にロンドンに劇場を設立し、以降10年にわたり芸術監督を務め、人気の劇場にしました。99年には『アメリカン・ビューティー』で映画監督デビューを果たし、アカデミー賞で監督賞、作品賞を含む5部門を受賞。
続く『ロード・トゥ・パーディション』でも成功を果たします。2003年には女優のケイト・ウィンスレットと結婚し、08年にウィンスレットとレオナルド・ディカプリオが主演の『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』を制作。2012年にはシリーズ初のオスカー監督として『007 スカイフォール』を監督しシリーズ最高の興行成績を達成しました。
人間の闇を描いた作品を多く手掛けているのがとても印象的です。それでは早速サム・メンデス監督のおすすめ映画をご紹介していきます!
1.アメリカン・ビューティー
あらすじ
大手の広告代理店で働くレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)は、妻であるキャロライン(アネット・ベニング)と、高校生の娘ジェーン(ソーラ・バーチ)と共に、広い庭が付いた一戸建てに暮らしている。
幸せそうに見えるレスターであったが、彼は不幸だと感じていた。会社ではリストラを恐れ、妻とはセックスレス、娘は両親のことを馬鹿にして口を利かない。
そんなある日、レスターは娘と共にチアリーダーとしてダンスをするアンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)に一目惚れをする。ジェーンは父の変化に気付いて、ますます軽蔑する。そんなある日、レスターはキャロラインと喧嘩をする。これがきっかけでレスターの中で何かが変わった。レスターは誰にも相談せず会社を辞め、自分のやりたいことを始めだすーー。
ココがスゴい!『アメリカン・ビューティー』サム・メンデス監督の撮影裏話
・本作は、元々の構想を変更したことでヒットを生みました。元はミステリー映画としての脚本でしたが、監督はそれだと映画の規模感が小さくなってしまうと思いました。その後ミステリー要素を削り、メッセージ性が強い作品に仕上げました。
・タイトルの『アメリカン・ビューティー』には2つの意味があります。1つはバラの名前です。本作にはバラがたくさん出てきます。もう1つは「アメリカの美しさ」という意味ですが、家庭がぼろぼろになるストーリーなので、ブラックジョークで付けられたタイトルです。
・バラの上にアンジェラが横たわるシーンが有名ですが、はじめは水の入ったプールで撮影する予定だったそうです!
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
人間味あふれる登場人物たちが見どころです!本作の登場人物たちには共通していることがあります。それは「自分は正しい」と思っていることです。
レスターは薬を飲んでおかしくなり、キャロラインは銃を持つことで自信を持ち、アンジェラは自分を演じる。そんな自分をみな正当化します。
アメリカの抱える問題を風刺しながら、自分勝手に生きる登場人物たちの生活をユーモラスに描いた作品。本作は自分が正しいと思っている時こそ、過ちを起こすというメッセージを伝えたいのかもしれません。
基本情報
上映時間:122分 監督:サム・メンデス 出演者:ケヴィン・スペイシー/アネット・ベニング/ソーラ・バーチ/ウェス・ベントリー 受賞歴: ・第72回アカデミー賞 作品賞、 主演男優賞、 監督賞 、脚本賞、 撮影賞 ・第25回LA批評家協会賞 監督賞 ・第57回ゴールデン・グローブ賞 作品賞、監督賞、脚本賞 公開日:1999年10月1日 |
2.ロード・トゥ・パーディション
出典:Amazon.com
あらすじ
舞台は1931年アメリカのイリノイ州ロックアイランド。2人の息子のよき父親であるマイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)には裏の顔があった。それは町を牛耳るマフィアの幹部という顔。ボスのジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)はサリヴァンを息子のように可愛がっていた。また、サリヴァンの息子2人にも実の孫のように接する。
ある日、ジョンの息子コナー(ダニエル・クレイグ)は幹部会で父から自分のミスを激しく攻め立てられる。コナーは、父への恐れと、父に自分以上の愛情を注がれるサリヴァン一家に憎悪の念を抱き、最悪の事態を引き起こしてしまうーー。
ココがスゴい!『ロード・トゥ・パーディション』サム・メンデス監督の撮影裏話
・主演のトム・ハンクスによると、サム・メンデス監督と撮影監督のコンラッド・ホールは夫婦のように仲良しだそうです。
・本作はリハーサル期間が普通の映画よりも長く取られていて、役者と監督が意見をぶつけ合いました。
・たくさんの人が死んでしまうストーリーですが、暴力描写がないんです。サム・メンデス監督の演出なんですが、銃撃戦などでも撃たれる瞬間を映すのではなく、人が倒れる瞬間を映したりします。これでも銃撃戦の結果はわかりますよね?「現実リアルに表現するのではなく」映像に工夫をして、現実を表現しています。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
父親と息子の関係性がみどころです。ギャング映画というとハードボイルなものが多いんですが、本作はそういったシーンが少なく、親子関係や、人の優しさにフォーカスがあてられます。
サリヴァンの息子を思う姿は胸が熱くなること間違いなしです!
基本情報
上映時間:119分 監督:サム・メンデス 出演者:トム・ハンクス/タイラー・ホークリン/ポール・ニューマン/ジュード・ロウ 受賞歴: ・第75回アカデミー賞 撮影賞 ・第56回英国アカデミー賞 撮影賞 プロダクション・デザイン賞 公開日:2002年7月12日 |
3.ジャーヘッド
出典:Amazon.com
あらすじ
代々海兵隊員を輩出してきた家系に生まれたアンソニー・スオフォード(ジェイク・ジレンホール)は1988年に18歳でアメリカの海兵隊に入隊して訓練を受ける。海兵隊員は頭を刈り上げる独特の髪型により「ジャーヘッド」と呼ばれていた。
その後アンソニーは前哨狙撃兵に選ばれ、1990年にサウジアラビアに派遣される。
しかし、待っていたのは砂漠での訓練と待機の退屈な日々。隊員たちが不満を膨らましていたとき、アンソニーは彼女クリスティーナが浮気をしているのではないかと疑い、落ち込んでゆく。
サウジアラビアに来て122日がたったクリスマスの日、隊員達はストレス発散のために禁止されている酒を飲んで騒ぐ。しかし、見張りのファーカス(ブライアン・ジェライ)の失態により火事がおきてしまうーー。
ココがスゴい!『ジャーヘッド』サム・メンデス監督の撮影裏話
・本作は戦争映画ですが、現代の若者を描いた青春映画の要素もあります。サム・メンデス監督は「無気力な若者たちが、緊張感あふれる戦場を体験する」という状況を描きました。
・スオフォードの逸話は、海兵隊に伝わる伝説を参考にしています。
・”fack”という単語が278回使われています。戦争をテーマにした、緊張感がある映画だとこんなに使われませんよね。本作ならではです。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
戦場で出番のない若者隊員たちの心情の変化がみどころです!本作は今までにない戦争映画とよばれています。その理由として、残酷な戦闘シーンがなく違った切り口で現代の戦争を描いているからです。
始めはやる気があったのに、どんどん緊張感が薄れていく様子は人間の弱さを表しているように思えます。
基本情報
上映時間:123分 監督:サム・メンデス 出演者:ジェイク・ジレンホール/ピーター・サースガード/ジェイミー・フォックス 受賞歴:なし 公開日2005年11月4日 |
4.レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
出典:Amazon.com
あらすじ
舞台は1955年のアメリカ。フランク(レオナルド・ディカプリオ)はパーティで出会ったエイプリル(ケイト・ウィンスレット)と結婚。二人の子供に恵まれ、コネチカット州の「レボリショナリー・ロード」という郊外の一軒家に暮らす。
理想的な生活を送っているように見える二人であったが、フランクは退屈な仕事に嫌気がさしており、エイプリルは志していた役者の道を諦めて専業主婦に従事している。そんな中、エイプリルはかつてフランクが言っていた「フランスはこことは違って人が生きている」という言葉を思い出し、家族でパリに引っ越すことを提案する。フランクは提案を受け入れて、移住を決意する。
しかし、「フランクの出世話」と、「エイプリルの三人目の妊娠」により、計画は揺らぐ。エイプリルは中絶をしてでもパリに行きたい事を伝えるが、フランクはそれに激怒する。結局パリ行きは延期になり、二人の溝が深まっていくーー。
ココがスゴい!『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』サム・メンデス監督の撮影裏話
・サムメンデス監督はリハーサルをたくさん行って、脚本通りに撮影する舞台のやり方を取り入れています。レオナルド・ディカプリオはこのやり方に対して「本作は精神的に難しいシーンが多かったから、監督のやり方にすごく助けられた。」と言いました。
・サム・メンデス監督と妻であるケイト・ウィンスレットの初コラボ作品です!ウィンスレットはサム・メンデス監督のことを「私の期待をはるかに上回る監督だった。」と語ります!
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
フランクとエイプリルの夫婦喧嘩が見どころです。本作はただのラブロマンス映画ではなく、考え方の違う夫婦の様子を描いたものです。そのため夫婦喧嘩のシーンが異常に多いんです。これはとてもリアルだと思います。
現在の日本では2分に一組が離婚をしています。本作のように考えが合わず上手くいかない夫婦は多いんじゃないでしょうか。フランクはエイプリルの美貌に惹かれ、エイプリルはフランクの社会的地位に惹かれます。自分の欲を満たすためだけの結婚は上手くいかないのかもしれません。『タイタニック』と同じ主演とヒロインである本作。ぜひご覧ください!
基本情報
上映時間:119分 監督:サム・メンデス 出演者:レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレット 受賞歴:第66回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ケイト・ウィンスレット) 公開日:2008年12月26日 |
5.お家をさがそう
あらすじ
同棲生活を送る、仲むつまじいカップルのバート(マーヤ・ルドルフ)とヴェローナ(マーヤ・ルドルフ)。
ある日、二人の間に子供が出来るが、30代半ばにして生活基盤が固まっていないことに気付く。そして、彼らは理想とする新天地を求め旅にでるのであったーー。
ココがスゴい!『お家をさがそう』サム・メンデス監督の撮影裏話
・本作は、旅の途中のさまざま出来事を描いたロードムービーです。
・キャスティングが印象的であるサム・メンデス監督ですが、今回はとても地味なキャスティングでした。その地味さが映画に軽さや、ゆるさをもたらしています。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
旅の途中で二人が出会う様々な夫婦や家族が見どころです!知人を訪ねながら旅を続けるのですが、その間にたくさんの家族との出会いがあります。そこで出会うのはくせがある家族ばかり!しかし、それぞれの家族に違った愛の形や考え方があります。本作をみて、自身に合う愛の形を見つけてみてください!
基本情報
上映時間:98分 監督:サム・メンデス 出演者:バート: ジョン・クラシンスキー/ヴェローナ: マーヤ・ルドルフ 受賞歴:なし 公開日:2009年6月5日 |
6.007 スカイフォール
出典:Amazon.com
あらすじ
ある組織に愛していた女性が殺されたジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は復讐を果たすべく、世界各地で壮絶な戦いを繰り広げていた。
ある日、上司のM(ジュディ・デンチ)が隠していた過去の事件が浮かび上がる。その内容はボンドのMに対する忠誠心をためすものであった。
そんな中、彼らが所属するMI6が何者かの標的となる。ボンドの任務は相手を突き止め、脅威をなくすこと。それがいかに個人的なものだったとしても任務を遂行しなければならないのだった…。
ココがスゴい!『007 スカイフォール』サム・メンデス監督の撮影裏話
・007はシリーズもので、『007 スカイフォール』は第23作目です。作品によって監督が変わるのですが、本作はシリーズ初となるオスカー受賞監督の「007」です。
・本作を制作する際に、サム・メンデス監督は「クリストファー・ノーランの『ダークナイト』に影響をうけた」と語っています。
・いままでの007シリーズではあまり見られなかった、人間ドラマが充実しています!舞台出身であるサム・メンデス監督らしい作品になりました。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
見どころは、007シリーズのファンに嬉しい、目配せが随所に利いているところです!オメガの時計や、ボンド・カー、銃・ワルサーPPK、アストンマーチンDB5など、さりげなくシリーズの伝統と呼ばれるアイテムに焦点があたるんです。
たくさんの賞をとっており、作品としての完成度も高いですが、シリーズのイメージも大事にしている本作。サム・メンデス監督の抜け目のなさが伺えます。007シリーズを見たことがある方はもちろん、見たことの無い方にも、007シリーズを見るきっかけにふさわしい作品です!
基本情報
上映時間:143分 監督:サム・メンデス 出演者:ダニエル・クレイグ/ハビエル・バルデム/レイフ・ファインズ 受賞歴: ・第85回アカデミー賞 歌曲賞、音響賞 ・第38回LA批評家協会賞 撮影賞 ・第70回ゴールデン・グローブ 歌曲賞 公開日:2012年10月23日 |
7.007 スペクター
あらすじ
ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は少年時代をすごした ”スカイフォール” で焼け残った写真を受け取る。
彼は写真の謎をつきとめるために、M(レイフ・ファインズ)が止めるのを振り切り、単身でメキシコ、ローマに訪れる。そこで悪の組織スペクターの存在を確信する。
ボンドは死闘を繰り広げながら、スペクターの謎を暴いていくなかで、追い求めてきた敵と自分との恐ろしい関係性を知ることとなるーー。
ココがスゴい!『007 スペクター』サム・メンデス監督の撮影裏話
・本作は007第24作目です。先ほどご紹介したスカイフォールに続けて2作連続でサム・メンデス監督が担当しました。次回作の制作にも声がかかりましたが、「新しいキャラで物語を作りたい」といって辞退しました。
・「死者は生きている」というのがテーマの作品で、メキシコの「死者の日のカーニヴァル」がでてきます。
・CGを極力使わない撮影がされたそうです。監督は「大事なことはロケーションだ。CGは使いたくない。天気、水、煙、自分でコントロールできないものこそ面白い映像を生む」と語ります。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
悪役の存在感が見どころ!本作の悪役はアカデミー賞を2度受賞したクリストフ・ヴァルツです。
クールかつワイルドなダニエル・クレイグと、知的ですが残忍さを醸しだすヴァルツの演技対決は思わず息を飲んでしまいます。
基本情報
上映時間:148分 監督:サム・メンデス 出演者:ダニエル・クレイグ/クリストフ・ヴァルツ/レア・セドゥ 受賞歴: ・第73回ゴールデングローブ賞 主題歌賞 ・第88回アカデミー賞 歌曲賞 ・第21回エンパイア賞 イギリス映画賞、スリラー映画賞 公開日:2015年10月26日 |
まとめ
以上、サム・メンデス監督のオススメ作品を公開年度順にご紹介しました。人間の闇にスポットをあてたものや、メッセージ性の強いものが多かったですね。
新しい映画を撮りたいと表明している監督の、これからの活躍に注目しましょう。