世界の喜劇王チャールズ・チャップリンのおすすめ映画特集!

映画史上において、世界の喜劇王チャールズ・チャップリンの名は、今なお燦然とした輝きを放っています。

黒いダボダボのスーツ、山高帽、ちょび髭、ステッキを持ったあのコスチュームはまさに「チャップリン !」と誰もが知っている独特なスタイルです。チャップリンの映画の魅力は、ドタバタ喜劇の中に風刺や社会問題が織り込まれていること、また独自の優しさに溢れていること。

今回は、そんな珠玉の7選をご紹介します。

チャップリンの数奇な人生


出典:wikipedia

1889年イギリスロンドンに生まれたチャップリンは、両親の離婚や病気などにより貧窮生活を余儀なくされ、孤児院で子供時代を送ります。生きるためにあらゆる職業を転々とする一方で、劇団の舞台に立ち俳優としても活動を始めます。チャップリンが幼い頃母親が舞台人であったため、それを常に見ていたことも影響しているのではないでしょうか。

その後劇団の巡業の際、アメリカの映画プロデューサーの目にとまり映画界入りを果たします。自ら考えたあの有名なコスチュームで、数々の短編映画に出演。人気を博したチャップリンは、その実力を発揮し次々に名作を世に送り出していきます。しかし時代は戦争が絡む複雑な世情へと突入し、風刺や問題を提起したチャップリンの作品は共産主義的であるとされ、国外追放処分になってしまいます。

それでもチャップリンの映画人気は衰えを見せることはなく、永遠の喜劇王の名を誰もが忘れることはありませんでした。1972年アカデミー賞名誉賞を受けるため再びアメリカの地を踏んだチャップリンを、会場のすべての人々がスタンディングオベーションで迎えました。

チャールズ・チャップリンのおすすめ映画

長編短編を合わせるとかなりの数の映画を撮ったチャップリンですが、その中でも名作として世界的に人気の高い7本を選んでみました。どれも単なるドタバタではなく、笑い以外に切なさで涙するものや、社会問題を考えされられるものなど、チャップリンという人となりと生きざまを感じさせられる作品ばかりです。

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1 犬の生活


出典:amazon.co.jp

あらすじ

無職の放浪者チャーリー(チャールズ・チャップリン)は、職を求めて職業安定所を訪れるが同じ無職の仲間との戦いに破れ退散する羽目に。その帰り道のら犬の集団にいじめられている一匹の犬を見つけて、自分の姿と重ね合わせ助けて連れて帰る。

そして「スクラップス」と名づけ一緒に暮らし始める。そのスクラップスが強盗が埋めたお金を掘り出したことからドタバタの喜劇が展開する――。

チャップリン監督「犬の生活」のトリビア

「犬の生活」は音の無いサイレント映画です。チャップリンの映画の中に犬はよく登場します。しかし喜劇ができる犬を選ぶのはとてもむずかしいと語っています。「犬の生活」がその始めとなりますが、単なる雑種を求めていた希望に反して準備されるのは名犬ばかりで、どれも気に入らずなかなか「スクラップス」の役は決まらなかったとか。

ようやく決まった犬は「マット」と名づけられ、チャップリンにも懐いて撮影は順調に。しかし懐きすぎてチャップリンから離れるのが辛くてノイローゼになったという話は有名です。

「放浪紳士チャーリー」の誕生!映画のみどころ

ダボダボスーツに山高帽、ちょび髭というチャップリンのあの定番スタイルを持つキャラクター「放浪紳士チャーリー」が確率されたのがこの映画だと言われています。

たった40分の短編映画であるにも関わらず、チャーリーのキャラと犬のキャラの面白さが強烈に脳裏に刻みつけられます。この作品は後に続く名作のスタートを切った記念すべきものと 言えるでしょう。

基本情報

上映時間:40分

監督:チャールズ・チャップリン

出演者:チャールズ・チャップリン エドナ・パーヴァイア

公開日:1918年4月14日 (アメリカ)

2 キッド

出典:『キッド』Wikipedia

あらすじ

赤ん坊を抱いた婦人が車の中にその赤ん坊を置き去りする。そして、車の持ち主は途中で赤ん坊を捨てていってしまう。それを目撃していたチャーリー(チャールズ・チャップリン)は、赤ん坊を拾ったものの困惑しているところで通りがかりの人や警官ににらまれて家に連れて帰る事に。

そして五年後、赤ん坊は少年(ジャッキー・クーガン)となり、チャーリーといっしょに詐欺まがいの商売をしながら暮らしていた。少年が石を投げて割ったガラスをチャーリーが修理するというもの。しかしある日少年が警官に見つかったことがきっかけとなって、二人の生活に変化が訪れる。そして出現した少年の本当の母親は――。

チャップリン監督「キッド」のトリビア

「犬の生活」と同じくサイレント映画です。汚い下町の様子と貧困、金持ちの描写などチャップリンの少年時代の経験が多大に反映されていると言われています。

プライベートでもいろいろとややこしい時期だったようで、前妻との訴訟問題で金銭的なトラブルの真っ最中。「キッド」のフィルムを持ち歩いて差し押さえから逃れていたというエピソードも伝えられています。

泣ける喜劇の名作!映画のみどころ

喜劇でありながら、泣ける映画にもとりあげられる名作です。おなじみのコミカルなストーリーに加え、貧困や親子の情愛の意味を考えさせられる映画。チャーリーと少年の間に流れる思いやりと優しさが絶妙に切ない物語になっています。

この時代の映画としては喜劇と悲劇が融合した稀に見る映画であり、この映画で一躍人気者になった少年役のジャッキー・クーガンの演技が、それを確たるものにしています。笑い、怒り、泣く少年の姿があまりにも可愛くて切なく、最後には悲しくて爽やかな涙を誘うことと請け合いです。

基本情報

上映時間:オリジナル版68分 1971年サウンド版53分

監督:チャールズ・チャップリン

出演者:チャールズ・チャップリン ジャッキー・クーガン リタ・グレイ

公開日:1921年1月21日(アメリカ合衆国)1921年7月(日本)

3 黄金狂時代

出典・Wikipedia

あらすじ

金鉱を探し求めて雪深い山にたどり着いたチャーリー(チャールズ・チャップリン)は、猛吹雪に遭遇。逃げ込んだ山小屋には同じような金鉱探しのジム(マック・スウェイン)とお尋ね者がいた。究極の寒さと飢えから、彼らは靴までゆでて食べる始末。

その後出向いた酒場で出会った美人の踊り子との騒動に、山小屋仲間だったジムとの再会。めまぐるしい展開とドタバタの末、チャーリーはみごと金鉱を見つけることができるのか――?

チャップリン監督「黄金狂時代」のトリビア

短編作品が主だったチャップリンの初の長編映画となります。ふんだんにギャグが盛り込まれた映画ですが、中でも有名なのが山小屋で飢えた末に靴を食べるシーン。靴をゆでてかじり、靴ひもをスパゲティのように食べてしまいます。この靴は海藻で作った特殊な靴だそうですが、それでも撮影中何足も食べることになってお腹を壊してしまったようです。

また山での大勢のエキストラを使ったロケや、雪崩のシーンなど特撮技術も使われており、チャップリンの映画の中でも大規模なものとなり、一年以上もの歳月がかかった撮影でした。

コメディの形はここから始まった!映画の見どころ

チャップリンの映画の中でも傑作と名高い「黄金狂時代」ですが、この映画の中に散りばめられたギャグの数々は、後のコメディの世界に多大な影響を与えたように思われます。今では定番となっているコントやギャグの数々を、この作品の中に見ることができるからです。ディズニーの短編映画にも、「ミッキーの黄金狂時代」というタイトルのオマージュといえる作品があります。黄金に集う人間たちを客観的に見つめながら笑い飛ばしたこの傑作の出現は、世界の笑いが形作られた瞬間とも言えるのではないでしょうか。

基本情報

上映時間:オリジナルサイレント版112分 サウンド版73分
監督:チャールズ・チャップリン
出演者:チャールズ・チャップリン マック・スウェイン ジョージア・ヘイル
公開:1925年6月26日(アメリカ合衆国)1925年12月17日(日本)

4 街の灯

出典:Wikipedia

あらすじ

浮浪者チャーリー(チャールズ・チャップリン)は、街で見かけた盲目の花売り娘(ヴァージニア・チェリル)に一目ぼれしてしまう。

花を拾ってあげた折にお金持ちだと勘違いされたチャーリーだが、それから彼女に献身的に尽くし奮闘する。彼女が滞納した家賃のお金を作るため八百長ボクシングを引き受けたり、強盗に襲われたりととんでもない目に合うが、チャーリーの思いは揺るがない。

挙句の果てに人違いで逮捕されることになるが…。

チャップリン監督「街の灯」のトリビア

セリフはほとんどありませんが、音楽を入れたサウンド版として公開された作品です。チャップリンの映画に対するこだわりと完璧主義が実感できるエピソードが数々残っています。気に入らない役者の交代、おびただしいほどのリハーサルと撮り直しの数、花売り娘との出会いの場面は特にチャップリンが重要視したようで、NGの数は300回を超えたとか。その結果、完成までに3年の月日がかかりました。予算もコストも度外視したこの制作は、チャップリンだからこそ出来た業でしょう。

純粋な弱者を貫き通したチャーリー!映画のみどころ

チャップリンの映画の中でも広い年齢層に人気のある代表作といえるのではないでしょうか。ロマンチックな部分と、ボクシングの場面などのわかりやすく笑える部分、また経済成長を影にある貧富の差、アメリカ社会への風刺的な部分などいろいろな要素が盛り込まれている作品です。「黄金狂時代」などとは違い、徹底的に弱者の立場に徹したチャーリーという人物のその貫き通した純粋さゆえに、ラストでは涙を誘ってしまうのではないでしょうか。

基本情報

上映時間:87分
監督:チャールズ・チャップリン出演者:チャールズ・チャップリン ヴァージニア・チェリル フローレンス・リー

公開:1931年1月30日(アメリカ合衆国)1934年1月13日(日本)

5 モダンタイムス

出典:Wikipedia

あらすじ

製鉄工場でひたすらネジを回し続けるという単純作業に明け暮れるチャーリー(チャールズ・チャップリン)は、ある時自動給食マシーンの実験台にされひどい目に合い、ついに発狂してしまう。

病院おくりになったり、拘置所に入れられたりと散々な毎日を過ごす中、無銭飲食がきっかけで同じようにパンを盗んだ浮浪少女(ポーレット・ゴダード)と出会う。いつか自分たちの家を建てようと奮闘する二人だが、なかなかうまくいかない。それでも希望を捨てずに、前を向いて進んでいく二人の結末は――。

チャップリン監督「モダンタイムス」のトリビア

時代はすでにトーキー全盛期。ほぼサイレントであったチャップリンの映画は、時代遅れになりつつありました。この映画も「街の灯」と同じく音楽と効果音が主流のサウンド版ですが、注目すべきはこの作品で初めてチャップリンの肉声が入る点!それだけではありません!なんと、歌まで歌ってくれちゃうのです。

ラストシーンで印象的な曲「スマイル」はチャップリンの作曲。新たな才能を披露してくれます。アメリカを20年ぶりに訪れたアカデミー賞の会場で、ゲスト全員がこの曲を歌ったそうです。

機械文明を皮肉るチャップリンからのメッセージ!映画のみどころ

機械による大量生産の中で失われていく人間の尊厳と、資本主義を強烈に皮肉ったこの映画は、チャップリンの映画の中でも最も共産的だという非難の的になりました。上映禁止になった国もあり、時代的に不穏な世の中にあってチャップリンの主張やメッセージは刺激的なものに受け取られたのでしょう。今や機械なしでは生きていけなくなった私たちですが、この名作から受けるチャップリンの無言のメッセージに心を揺さぶることに意味を感じます。

基本情報

上映時間:87分

監督:チャールズ・チャップリン

出演者:チャールズ・チャップリン ポーレット・ゴダード ヘンリー・バーグマン

公開:1936年2月5日(アメリカ合衆国)1938年2月(日本)1972年11月(日本リバイバル上映)

6 独裁者


出典: Wikipedia

あらすじ

トメニアという国の二等兵である床屋のチャーリー(チャールズ・チャップリン)は、前線で救出した士官と共に重要書類を届けるべく飛行機に乗るが、燃料切れで墜落してしまう。それが元で記憶喪失となり20年間病院生活を送ることに。

この20年の間にトメニアは独裁者としてヒンケル(チャールズ・チャップリン二役)が牛耳っていた。何も知らずに戻ってきたチャーリーは、たちまちトラブルに巻き込まれる。隣人のハンナ(ポーレット・ゴダード)と共に隣国へ亡命を企てるチャーリー。しかしヒンケルは隣国への侵略とユダヤ人の迫害を強化。絶対絶望のチャーリーに起きた奇跡は、なんとヒンケルと風貌が瓜二つであることだった。

チャップリン監督「独裁者」のトリビア

「独裁者」といえばヒットラーですが、チャップリンとヒトラーに共通点があることは有名ですね。年齢も同じ、生まれた月も4月と同じ、幼い頃貧しかったこと、そして何よりあのちょび髭の風貌。ヒトラー本人の証言はありませんが、巷の噂ではヒトラーは人気スターであったチャップリンにわざと似せたという話もあるとか。

チャップリンの初の完全トーキー映画でもあり、ラストの6分間の大演説は有名です。しかしあの演説シーンは始めは無かったのだそうです。この映画が制作を開始したのは第二次世界大戦から二週間ほどで、まだユダヤの大量虐殺もされていませんでした。それもあってか、ラストはコメディっぽくみんなで踊って仲良く戦争が終わるという予定だったとか。しかし独裁者への怒りを強く訴えたいとして、あの大演説になったそうです。

庶民の賞賛と圧力を同時に受けたチャップリン!映画のみどころ

コメディ映画というには、ズバリヒットラー批判という実に生々しい作品です。当時アメリカはドイツとまだ戦争には突入していませんが、だからこそファシズムに関しての意見はタブー的なものであったようです。公開後批判的な意見もあったり、当然ドイツとその同盟国(日本を含む)では上映禁止となりました。

しかし大多数の人々の賛同を呼び、「独裁者」は大ヒットとなりチャップリンの代表作となりました。チャップリンの映画史上最大の興行成績をあげたこの作品ですが、「共産主義者」としての反発をいっそう受けることになってしまいます。

基本情報

上映時間:124分

監督:チャールズ・チャップリン

出演者:チャールズ・チャップリン ポーレット・ゴダード ジャック・オーキー

受賞歴:ニューヨーク映画批評家協会賞 主演男優賞受賞

公開:1940年10月15日(アメリカ)1960年10月22日(日本)1973年10月(日本リバイバル上映)

7 ライムライト

出典:Wikipedia

あらすじ

酒浸りの日々を送っていたおちぶれた道化師カルヴェロ(チャールズ・チャップリン)は、ある日自殺未遂をしたバレリーナテリー(クレア・ブルーム)を助ける。

踊る力を失っていたテリーを励まし再びダンサーへと復活させる。成功を遂げたテリーは、仕事仲間であるネヴィル(シドニー・チャップリン)に求婚されるが、カルヴェロに思いを寄せていた彼女は彼に結婚を申し込む。

しかし自分はふさわしくないとカルヴェロは彼女の元を離れてゆく。やがて第一次世界大戦始が始まった不穏な空気の中、テリーは街角でカルヴェロに再会。そして彼のために再起の舞台を用意するのであった――。

チャップリン監督「ライムライト」のトリビア

「ライムライト」には二人の話題の共演者がいます。一人はシドニー・チャップリン。チャップリンの次男です。若い頃は問題児であり軍隊にも所属していた彼は、この頃劇場経営をしていました。若い貧乏作曲家のネヴィル役に指名したチャップリンですが、その頃シドニーは100キロを超える巨体。まずダイエットを強要したそうです。

もう一人は、「世界の三大喜劇王」としてチャップリンと並び称されるバスター・キートンです。当時経済的に困っていた彼に、チャップリンが自分の相棒役として出演するよう声をかけたと言われています。二人の最初で最後の共演となりました。

チャップリン最後の名作。映画のみどころ

「ライムライト」は、アメリカにおけるチャップリンの最後の映画となりました。この後、彼は赤狩りにより国外追放を命じられアメリカを後にします。

落ちぶれた喜劇役者の役、そしてチャップリンが放浪紳士チャーリーの姿を脱ぎ捨て、唯一素顔を表した作品だったことを見ても、何らかの節目になる映画になることを予測していたといえなくもない気がします。チャップリンらしくないと賛否両論ある「ライムライト」ですが、実質最後のチャップリンからのメッセージとして、ハリウッドの歴史の一部となる映画です。

基本情報

上映時間:137分

監督:チャールズ・チャップリン

出演者:チャールズ・チャップリン クレア・ブルーム バスター・キートン シドニー・チャップリン

公開:1952年10月16日(イギリス)1952年10月23日(アメリカ合衆国)1953年2月12日(日本)

まとめ

 

サイレント映画は古臭い映画と思われがちですが、映画の一つの分野として見るととても面白いものだと思います。セリフがないということは、どこの国のどんな年齢の人が見てもわかるということ。考えようによっては理想的なことですよね。

それをほぼ最後まで貫き通した放浪紳士チャーリーは、やはり名実ともに世界の喜劇王です。

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