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心に刻まれる『グラン・トリノ』の名言!古き良きアメリカを知る老人の物語

ひとっとび編集長

クリント・イーストウッド主演『グラン・トリノ』は、1台のヴィンテージカーを所有する老人の生きざまが描かれた、2008年のアメリカ映画です。本作品では製作、監督共にイーストウッドが務めており、感動的なラストは多くの人から共感される内容のものとなりました。劇中には主人公ウォルトの、刺激的なセリフや名言が散りばめられています!

本作品を鑑賞すれば今の自分にしっくりくる名言を、見つけることができるかも知れません。ここではそんな『グラン・トリノ』の名言をご紹介します。

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あらすじ

出典:映画『グラン・トリノ』予告編

主人公ウォルト(クリント・イーストウッド)は、愛妻ドローシーの葬式の際にも、孫の態度を監視し顔をしかめるような、気難しい老人である。彼には息子や孫が大勢いたが、皆この偏屈な老人を嫌っていた。また隣の家には最近引っ越してきたアジア系家族が住んでいるが、ウォルトの性格上、人付き合いも得意であるとは言えない。その上ウォルトはアジア人に対して、ある種の偏見を持っているようであったーー。

ヤノヴィッチ神父(クリストファー・カーリー)は、生前のドローシーの頼み通り、再三ウォルトを訪ねる。しかし彼が、若造神父ととりあう事はなかった。妻を失ったウォルトの家はガランとしており、彼は愛犬と静かに過ごす日々である。ガレージにはこの老人が大切にしている車72年型のグラン・トリノがあった。ヴィンテージカーであるその車は、彼が50年間フォード社の自動車組立工をしていた事を物語っているーー。

グラントリノ映画『グラン・トリノ』のあらすじネタバレ解説|人種を超えた人間ドラマを繊細に描いた名作

衝撃のラスト!「グラン・トリノ」の心に響く名言・名台詞

気難しい老人ウォルトの隣家に住むタオ(ビー・ヴァン)は、真面目で庭いじりが好きな大人しい性格の少年です。しかし彼はギャングの従兄スパイダー(ドゥア・モーア)にそそのかされ、老人の愛車であるグラン・トリノを盗もうとしました。計画は失敗に終わりますがこれ以降隣家に物騒な出来事が起こり、それをきっかけに偏屈で孤独な老人とアジア人一家の交流が生まれます。

このように本作品は、人間ドラマとしての観点から見ても、秀逸な筋書きのものとなっています。最初のうちはぶっきらぼうであったウォルトも、タオの姉のスー(アーニー・ハー)やその家族に徐々に気を許し、笑顔を見せるようになりました。しかしギャングであるスパイダーとその仲間は、執拗にこの大人しい姉弟に絡み攻撃を止めません。劇中の人物の刺激的な会話からは、数多くの名言や名セリフを発見することができるでしょう。

【名言①】「国産車を買うとバチがあたるとでも言うのか?」

グラントリノ
出典:IMDb

フォードで自動車の組立工をしていたウォルトは、国産車つまりはアメ車をこよなく愛しています。しかし皮肉なことに、ウォルトの息子ミッチ(ブライアン・ヘイリー)は、日本車をセールスし所有しているのでした。これはウォルトが、ミッチの乗り込んだトヨタ車を見た時に、誰にも聞こえない声で、しみじみとつぶやいた言葉です。

1972年製のグラン・トリノという車は、ある意味アメリカ製の車が輝かしかった時代の象徴でもあります。よって老人であるウォルトが吐くこのセリフから、さまざまな意味をくみ取ることも可能です。彼は車ひとつとっても、血の繋がった家族と価値観が合わず、心を通わすことができません。そのことがより一層、ウォルトを孤独に追いやるのでした。

【名言②】「俺の芝生から出ていけ!」

グラントリノ
出典:IMDb

従兄のギャングらがタオの家に襲撃をかけた時、ウォルトは自分の庭が荒らされる事を嫌がり、この言葉で若者を追い払いました。この妙な出来事を境に、ウォルトは隣家から英雄扱いされてしまいます。彼は「オレはヒーローではない」と皆に主張し続けるのですが、なかなか理解されません。更にこのシーンでは、古い時代のアメリカ人男性であるウォルトが、いかに庭の手入れを大切にしているか!もアピールされているのです。

【名言③】「”怒らせたのが大間違い”という男もいるのだ、例えば俺だ。」


出典:IMDb

ボーイフレンド(スコット・イーストウッド)とのデート中、黒人グループに絡まれたスーをウォルトが助けるシーンの名言です。ウォルトは指をピストルの形にし、絡む連中に向けますが「イカレじじい」などとバカにされ罵られます。しかし彼が上着の内ポケットから、本物の銃を出した瞬間、不良らは顔色を変えるのでした。

このセリフの効果もあり不良グループは、彼がただ者ではない老人であることを悟りました。尚このシーンに出てくる気弱なボーイフレンド役を、クリント・イーストウッドの実の息子である、スコット・イーストウッドが務めています。

【名言④】「どうにもならん身内より、ここの連中の方が身近に思える。全く情けない。」


出典:IMDb

誕生日の日、たまたまスーからバーベキューに誘われたウォルトは、ビールを切らしていたこともあり隣家を訪ねました。
しかし彼がこれまで深く関わろうともしなかった、モン族の人々と過ごす時間は、思いの外ストレスを感じさせません。

ウォルトはこの頃から隣に住むアジア人家族に、好感を持ち始めたのでしょう。「全く情けない」というセリフから、他人に迷惑をかけたくないという、ウォルトらしさをうかがうことができます。

【名言⑤】「はじめて”面白い”と言われた」

モン族のバーベキューに招かれたウォルトは、若者の中に入っていき、タオの意中の女の子ユア(Choua Kue)と会話を交わします。ユアから得意な仕事を聞かれた彼は、「物の修理をするのが得意だ」と答えました。結果ウォルトは、「面白い人」と言われてしまいます。ウォルトはスー同様、このユアに対しても好感を持ったようでした。

またウォルトはユアが立ち去った後タオに歩み寄り、良い女性なのに彼女になぜ声をかけなかったのかと説教をします。ウォルト曰く、「ユアはお前をずっと見ていたのに、取り逃した」と言うのです。ウォルトは自分の車を盗もうとした少年に対して、恋のアドバイスをするなど、チャーミングな一面を見せるのでした。

【名言⑥】「私だって、クソ野郎は許せない」

これまで教科書に書いてあるような、薄っぺらで正しげな事ばかり言っていた神父の名言です。この神父は、ウォルトが親しくしていた隣人のスーが、アジア人のチンピラに強姦された事を知り、ウォルト宅を再び訪問します。

神父はウォルトから「何も分かっていない27歳の童貞男」などと呼ばれ、邪険に扱われながらもドローシーとの約束を守り、懸命にこの老人に関わってきました。頼りのなさそうな人物ではありますが、善意溢れる彼の態度には心を打たれます。怒りを共有できる相手を見つけたウォルトは、この後神父にビールをすすめるのでした。

【名言⑦】「ああ、私の心は安らいでいる」

スーが強姦された事件に対して、神父はウォルトが復讐するのではないか?即ち暴力で物事を解決するのではないか?と考え心配します。そこで彼はウォルトに対して「安らぎを」という言葉をかけますが、彼の口から出てきたのは意外にもこの言葉でした。ウォルトはこの時点で既に、ある決意を固めていたのでしょう。

【名言⑧】「”人を殺してどう感じるか?”この世で最悪の気分だ。それで勲章などもらい、もっと気分が悪い」


出典:IMDb

朝鮮戦争について、タオに聞かれた時のウォルトの名言です。このセリフの後、ウォルトは自分の辛い戦争体験を彼に語ります。姉のスーを酷い目に遭わされたタオには、復讐心が芽生えはじめていました。

そのことに気付いたウォルトは、タオを閉じ込め、自分1人でアジア人のギャングの元へ向かいます。戦争の経験者であるウォルトは、タオに自分と同じ思いをして欲しくないと考えたのでしょう。またこの言葉は戦争を体験した人物が、いかに罪悪感に苛まれ、苦しい人生を送らなくてはならないか?を考えさせられるような名言となりました。

【名言⑨】「ウォルトと知り合うまで、私は生と死について何も分かっていませんでした。」

これはウォルトの葬式の時の神父の言葉です。ウォルトは結局アジア系ギャングらに復讐をするのではなく、自らが死という犠牲を払う事で問題を解決しました。結果ギャングらは警察に捕まり、これ以上タオやスーに絡む事が出来なくなります。彼の死はまだ若い神父にも、多大なる影響を与えたと言えるでしょう。

【名言⑩】「それさえ守れるのなら、あの車はお前のものだ。」


出典:IMDb

ウォルトの愛車グラン・トリノは遺言状により、友人であるタオに譲られます。
この名言は、その時のウォルトからのメッセージの1部です。「それさえ守れるのなら」というのは、車に妙なカスタマイズを加えてくれるな!ということを表しています。ウォルトは「車の後部にカマっぽいスポイラーなどを付けぬこと」など、グラン・トリノを譲り受けるにあたっての細かい注意点も書き残していました。

非常に悲しい場面ですが、皮肉とユーモアに溢れるこのフレーズは、いかにも彼らしいものとなっています。また同時にヴィンテージカー目当てのウォルトの息子や孫らが、驚きの表情を見せる結末も痛快です。

まとめ

クリント・イーストウッド監督の代表作とも言える『グラン・トリノ』では、アメリカの古き時代のポリシーを、頑なに守り続ける老人の姿が描かれています。劇中のウォルトの言葉を注意深く拾っていけば、重みのある名言と出会うことができるかも知れません。車好きの方にはもちろん、そうでない方にもおすすめの作品です。機会があればぜひご鑑賞ください!

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ひとっとび編集長

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