映画『英国王のスピーチ』の勇気をもらえる名言集
“吃音” というコンプレックスを抱え、人前にでることが苦手だった英国王ジョージ6世の、王としての成長と、ライオネルとの身分を越えた友情を、史実に基づいて描かれた歴史ドラマ『英国王のスピーチ』。
この映画は『レ・ミゼラブル』のトム・フーパーが監督で、第83回アカデミー賞では4部門を受賞しています。
そんな名作の自信が出る名言を7つ解説と共にご紹介します!!
あらすじ
ジョージ6世(コリン・ファース)は、幼い頃から吃音というコンプレックスのため、英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の次男という生い立ちでありながら、内気な性格であり、自分に自信がなかった。
厳格な父親はそんな息子に容赦なく様々なスピーチを命じる。ジョージは妻のエリザべス(ヘレナ・ボナム=カーター)と共に何人もの言語聴覚士を訪ねるが症状は改善しない。
そんなある日、エリザベスは夫をスピーチ矯正の専門家であるライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ連れて行く。ライオネルはヘビースモーカーのジョージに禁煙させ、大音量の音楽が流れるヘッドフォンをつけて本を朗読するという奇妙な実験を行うが、ジョージはこの治療は自分に合わないと言い、足早に去ってしまう。
しかし、クリスマス放送のスピーチでも失敗したジョージはライオネルに渡された朗読のレコードを聞いて驚く。音楽で聞こえなかった自分の声はとても滑らかであったのだ。
ジョージは再びライオネルを訪ね、その日から、彼の指導のもとでユニークなレッスンを始める。
1936年、ジョージ5世が亡くなり、長男のエドワード8世(ガイ・ピアース)が即位する。しかし、アメリカ人で離婚歴のある女性と交際していたエドワードは王位ではなく恋を選び、代わりにジョージが望まぬ座に就くが、王位継承評議会のスピーチで大失敗する。
しかし、その後の戴冠式のスピーチはライオネルの助けもあり、成功に終わる。だが、王としての本当の試練はこれからであった。ヒトラー率いるナチスドイツとの開戦直前、国民たちは王の言葉を待っていた。王は国民の心を一つにするため、世紀のスピーチに挑む…。
『英国王のスピーチ』の自信が沸いてくる名言集
【名言①】「公式の愚か者だ」/ライオネル
原文:「Makes it official.」
ライオネルがタバコを吸おうとするジョージを止めるシーンで
ジョージ 「今ままでの医者はタバコを勧めてきた」
ライオネル「愚か者です」
ジョージ 「爵位を持っている」
ライオネル「では、公式の愚か者だ」
と、上記のセリフを言います。ライオネルの身分を気にしない姿勢がわかりますね!このあと、治療中にタバコを吸おうとするジョージから、ライオネルがタバコを取り上げるシーンもあります。
【名言②】「王族は、最も下層の、すべて生き物の中で最も卑しいところまで落ちたのだ。我々は、役者にならねばならん」/ジョージ5世
原文:This family’s been reduced to those lowest, basest of all creatures. We’ve become actors!
ジョージ5世のセリフです。昔は馬に乗っていればよかったが、時代の移り変わりとともに、王族も代わらなければならないと語ります。
役者になるというのは民衆のご機嫌取りをしなければならないということです。
【名言③】「あの人はすてきな吃音を持ってる。みんなそっとしておいてくれるって」/エリザベス
原文:「I thought…he stammers so beautifully..they’ll leave us alone.」
兄の退位により国王に即位したジョージでしたが、王位継承評議会でうまく話せずに、プレッシャーに押しつぶされそうになります。そんなジョージにエリザベスがかける言葉です。
ジョージのコンプレックスである吃音ですが、エリザベスにとっては愛おしいものでした。
【名言④】「私には聞かせる権利があるからだ。伝えるべきことがある!」」/ジョージ
原文:「Because I have a right to be heard! I have a voice!」
ジョージは戴冠式のリハーサルで大司教からライオネルは言語療法士の資格を持っていないことを聞きます。ジョージはライオネルを責め、自分に国王の資格がないと弱気な姿を見せますが、ライオネルはそんなジョージを戴冠式で使われる王座に座って挑発することで、励まします。
ライオネル「何が悪い」
ジョージ 「それは王の椅子だ」
ライオネル「たかが椅子だ」
ジョージ 「話を聞け」
ライオネル「なぜあなたの話を」
ジョージ 「私には聞かせる権利があるからだ。伝えるべきことがある!」
ジョージは挑発に乗り、自信を取り戻します。
【名言⑤】「なら私は史上最も厳粛な王だ。」/ジョージ
原文:「Then I’m the solemnest king who ever lived.」
ドイツとの開戦のスピーチをすることになったジョージは、ライオネルを呼びます。そのときにライオネルは「間が長くてもいい。厳粛さが出る。」とアドバイスをするのですが、ジョージは上記のジョークで答えます。
ジョージは、映画の序盤で「コンプレックスのせいで間を取るのが苦手だから、ジョークは苦手だ」と言っていたのですが、ここでジョークを使うということは、コンプレックスを克服したということです。
【名言⑥】「国民に私が話をするからだ。だが、私は話せない」/ジョージ
原文:「Because… the nation believes that when I s… I speak, I speak for them – but I can’t speak.」
ドイツとの開戦前のスピーチを控え、緊張の色を隠せないジョージの言葉です。このセリフは一部で、全文は
「私にどんな力が?政府を組織できるか?税金を徴収できるか?宣戦布告できるか?できない!それなのに、権威の中心にいる。なぜだ?それは、国民に私が話をするからだ。だが、私は話せない!」
自分を責めているジョージ。相当なストレスが溜まっていたのでしょう。王の務めというものが如何に大変なのかが伺えます。
【名言⑦】「この重大な時、おそらく歴史上もっとも運命的なこの時に、国内外の国民に対し、私はこのメッセージを送る」/ジョージ
原文:「In this grave hour, perhaps the most fateful in our history, I send to every household of my peoples, both at home and overseas, this message,…」
ドイツと開戦することになり、ジョージはラジオを通して国民にメッセージを送ります。このセリフを冒頭に、何度もつっかえそうになりながらも、スピーチを続ける彼の姿はとても感動的です!
まとめ
以上、『英国王のスピーチ』の名言でした!ジョージの葛藤や、ライオネルとジョージの身分の壁を越えた友情が感じられるのではないでしょうか!
はたからみると、王というのは楽そうで、お金があって羨ましいと思えますが、上の対場の者ならではの苦悩やプレッシャーというのがたくさんあることが本作からわかります。
そんなプレッシャーに打ち勝とうとするジョージの姿にきっと心を打たれるはずですよ!