シリアスからコメディまで ! 韓国映画のおすすめ作品15選
ファッションや音楽で世界に大きな影響を与えている、お隣の国・韓国。日々変化する、独特なエンタメ性に虜になっている人も多いのではないでしょうか?
2003年に日本で放送された韓国ドラマ『冬のソナタ』を皮切りに「韓流ブーム」は訪れました。近年はK-POPなど音楽のほかにも、韓国文化を日常生活に取り入れる人が急増しています。韓国発信のカルチャーは映画界でも目が離せません!!第72回カンヌ国際映画祭でポン・ジュノ監督の「Parasite」が審査員全員一致でコンペティション部門の最高賞、パルムドールを受賞するという、韓国映画界100年の歴史で初めての偉業を達成しました。
クライムアクションなどのハードな演出から、現代史を切り取ったリアリティ溢れる作品、乙女心をくすぐられるラブストーリーが日本では注目されがちですが、今回は2000年以降に公開された、人間味が光る映画作品15選をご紹介します。最高の一本がきっと見つかるはず!
目次
- 韓国映画おすすめ作品特集
- 1. 慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ 原題:경주
- 2. タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜 原題:택시운전사
- 3. わたしたち 原題:우리들
- 4. LUCK-KEY 原題:럭키
- 5. 新感染 ファイナル・エクスプレス 原題:부산행
- 6. THE NET 網に囚われた男 原題:그물
- 7. あなた、その川を渡らないで 原題:님아, 그 강을 건너지마오
- 8. ビューティー・インサイド 原題:뷰티 인사이드
- 9. 国際市場で逢いましょう 原題:국제시장
- 10. ソウォン 願い 原題:소원
- 11. 7番房の奇跡 原題:7번방의 선물
- 12. ハナ 奇跡の46日間 原題:코리아/
- 13. ハハハ 原題:하하하
- 14. おばあちゃんの家 原題:집으로…
- 15. オアシス 原題:오아시스
- まとめ
韓国映画おすすめ作品特集
それでは、早速イチオシの韓国映画をご紹介していきます!
1. 慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ 原題:경주
映像で、人の心を書く。
あらすじ
北京大学で教授として働くチェ・ヒョン(パク・ヘイル)は、先輩の訃報を聞きつけて大邱(テグ)を訪れた。亡き先輩と7年前に旅行した思い出を浮かべ、慶州(キョンジュ)へと向かうヒョン。それは、一度訪れた茶屋にあった春画が今もまだあるのか確認をしたいからだった…。
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
舞台は都市全体が文化財である王陵や墓地が溢れている「慶州」という街です。日本とも関りが深いことから、古代史学習も兼ねて修学旅行などで訪れたことがある方もいるのではないでしょうか?
今作ではセットでの撮影はほとんどなく、ユニの自宅やヒョンが訪れた店は全て実在します。物語のヒョンのように自転車を借りて、緑あふれる街並みへ実際に訪れる追体験も可能な今作。ゆったりとした物語と魅力ある街に入り込んでみてください!
こんな人におすすめ
- 実在する韓国の街を見たい方
- 柔らかい雰囲気の物語を探している方
こんな人には向かないかも…
- 「死」について触れる映画が苦手な方
- スピーディーな物語が見たい方
2. タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜 原題:택시운전사
1980年5月。韓国現代史上、最大の悲劇となった光州事件――あの日、真実を追い求めたひとりのドイツ人記者と彼を乗せたタクシー運転手がいた
出典:映画『タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜』公式Twitter
あらすじ
1980年5月。韓国では大規模な学生・民衆デモが起こっていた。市民を暴徒とみなし、戒厳軍を盾に収めようとする国の対応は、武装戦争へと発展し多数の死傷者を出した。国が民衆を殺めるという異常事態を世界に伝えるべく、一人のドイツ人記者が現地へ向かう。
事件の中心となる光州の状況は、同じ韓国内にすら伝わっておらず、危険な状況とは知らないまま、大金に目をくらませたタクシー運転手のマンソプ(ソン・ガンホ)は記者を乗せて車を走らせるが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
この物語に登場する人々は、初対面の人にも気兼ねなく話しかけご飯をもてなすような溢れだす人情味がにじみ出ています。近年では少なくなっているものの、韓国人の根底にある人情は日本の田舎町とはひと味違う距離感で絆を繋いでくれますね。
題材となるのは韓国現代史上、最大の悲劇といわれる「光州事件」です。チャン・フン監督作品以外にも、2007年製作のキム・ジフン監督作品『光州5・18』(原題:화려한휴가)、2012年製作のチョ・グニョン監督作品『26年』(原題:26년)、そして2017年製作のチャン・ジュナン監督作品『1987、ある闘いの真実』(原題: 1987)と数多く、1980年の実話を基にして繰り返してはいけない悲劇を語り継いでいます。長らくタブー視されたテーマではあるゆえに、目を背けたくなるシーンも多いですが、史実から逃げない韓国映画の姿勢がよく伝わってきますね!
こんな人におすすめ
- 史実に沿った物語を見たい方
- 命の重要さを痛感したい方
こんな人には向かないかも…
- 人が亡くなるシーンを見たくない方
- ハラハラするのが苦手な方
3. わたしたち 原題:우리들
友だちになれる、何度でも。
あらすじ
いつもひとりぼっちのソン(チェ・スイン)に初めて「友達」ができた、終業式。初めて友達と過ごす夏休みに胸弾ませるソン。しかし、転校生のジア(ソル・ヘイン)は裕福な家庭の子だった。共働きの両親の元に育つソンと、裕福だが幸せとは言い切れない環境のジアという経済格差の歪みは、新学期を迎えた二人に溝を生み始める。なんとか関係の修復を図るソンを置き去るように変わる環境は、理由を明らかにしないまま、またソンを独りぼっちにはじき出していく…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
この映画は名匠イ・チャンドン企画の一作です。本記事でも紹介します「オアシス」や「シークレット・サンシャイン」、最新作「バーニング」では村上春樹の短編集を原案に独特な世界観を提示し、映画界の話題をさらいました。
近年は後進の育成に力を注いでいるイ・チャンドン。2010年に『冬の小鳥』2016年に『めぐりあう日』を手掛けた、韓国生まれ・フランス育ちのウニー・ルコント監督や、第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門ノミネートの『私の少女』を手掛けたチョン・ジュリ監督といった女性監督のデビューを後押ししてきました。
そして、今作では新鋭ユン・ガウン監督に白羽の矢が立ったのです。監督自身の経験をもとに、現代の子供たちが抱える問題を提示しつつ、あの頃の感情を体験させてくれる映画です。
イ・チャンドンイズムを感じさせる、説明的な描写を避けた生々しいリアクションで進む物語。厳しいオーディションを超えて選ばれた子供たちと台本なしで撮影を進め、「本質」を問い続けただけあって、鮮度溢れる演者と残酷な題材が入り混じる目を離せない一作です。
こんな人におすすめ
- 社会問題を題材にした作品が見たい方
- サスペンスとは違った緊張感のある作品を探している方
こんな人には向かないかも…
- 明るくポップな作品が見たい方
- 大人が中心の作品が見たい方
4. LUCK-KEY 原題:럭키
記憶を失った伝説の殺し屋-俺は誰なんだ!?
あらすじ
「成功率100%」と称される伝説の殺し屋ヒョヌク(ユ・ヘジン)は、仕事終わりに立ち寄った銭湯で石鹸を踏んで転び、頭を強打したことで記憶喪失になってしまった。その場に居合わせた貧乏俳優のジェソン(イ・ジュン)はヒョヌクが倒れている隙に、ロッカーの鍵をすり替えてしまう。その日を境に、二人の人生は入れ替わるが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
人気バラエティ番組出演をきっかけに韓国では知らない人はいない?!と言われるお茶の間のスター、ユ・ヘジン主演のコメディは、スリラー・アクション・犯罪といった重厚な内容の作品が続いていた韓国映画界の「コメディ映画興行不振」というジンクスを振り切った一作です。
そして、この作品の原案は2012年に公開された内田けんじ監督作品『鍵泥棒のメソッド』!実は最近公開された『Be With You ~いま、会いにゆきます』も同様、市川拓治の小説を原作にした日本映画のリメイクです。韓国ドラマや映画の日本リメイクがヒットを飛ばす中、日本発の韓国映画もこれからどんどん増えていきそうですね!
こんな人におすすめ
- キャラクターが特徴的なコメディが見たい方
- 『鍵泥棒のメソッド』が好きな方
こんな人には向かいないかも…
- シリアスな内容の映画が見たい方
- リメイク作品が苦手な方
5. 新感染 ファイナル・エクスプレス 原題:부산행
何があっても、守り抜け!
出典:映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』公式Twitter
あらすじ
娘のスアン(キム・スアン)の誕生日プレゼント代わりに別居中の妻と会わせるため釜山へ向かうソ・ソグ(コン・ユ)。二人が乗ったソウル発釜山行きのKTX101列車には、ユン・サンファ(マ・ドンソク)と妊娠中の妻ソンギョン(チョン・ユミ)や高校生野球チームのキム・ジニ(アン・ソヒ)とミン・ヨングク(チェ・ウシク)たちも同乗していた。発車直前、異様な様子で駆け込み乗車をしてきたひとりの女性。そして、ホームでは駅員が何かに襲われていた…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
世界的に有名なモダンホラー作家スティーブン・キングも「『ウォーキング・デッド』がおとなしく見える」と称賛する、時速300km超のノンストップ・サバイバル映画『新感染』!
社会派アニメの名手として知られるヨン・サンホ監督は、今作の前日譚を描いたアニメ映画『ソウル・ステーション/パンデミック』も手がけています。しかし、韓国公開当時はゾンビ映画はヒットしないというジンクスがあったようで、撮影中ゲン担ぎも兼ねて「ゾンビ」という単語は禁止し、キャストも含めスタッフ間では「あれ」や「それ」と言って進行したとのことです。
原題の「釜山行き」は日本公開に合わせてインパクト重視の邦題『新感染』を選定。韓国では新幹線は無いため、日本の新幹線に掛けて決定したというユニークな由来で公開に至りました!
こんな人におすすめ
- 生々しい人間の変化を見るのが好きな方
- 勢いのある物語を探している方
こんな人には向かないかも…
- ゾンビ映画が苦手な方
- パンデミック映画が苦手な方
6. THE NET 網に囚われた男 原題:그물
スパイでも英雄でもない
出典:映画『THE NET 網に囚われた男』公式Facebook
あらすじ
貧しいながらに妻と子供と共に幸せな毎日を過ごしていた北朝鮮の漁師、ナム・チョル(リュ・スンボム)。いつも通り、韓国との国境付近の漁村から漁に出たものの、モーターの故障で韓国の海域まで漂流してしまった。そして、国境警備隊に身柄を確保されてしまう。韓国の警察ではスパイ容疑で執拗な取り調べが続くが、容疑を必死に否定し続けるチョルを見守る若手警察官のジヌ(イ・ウォングン)は、いつしか彼の潔白を信じはじめたが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
2012年日本公開の『プンサンケ』、2014年日本公開の『レッドファミリー』と脚本および総指揮者として南北問題を手がけてきた鬼才キム・ギドク監督。今作では、監督・脚本・撮影と多岐にわたり映像化に取り組んでいます。それは年々緊迫状態が高まる南北問題へ愉快な要素なくシリアスにアプローチしたかったためだそうです。
互いが正しいと信じる国家間の対立という繊細な題材に挑むため、監督が信頼を置く俳優を揃えている今作。生まれ育った独裁国家に、何の疑問も持たず翻弄される男を描いた衝撃のサスペンス・ドラマです。ぜひ今作で私たち日本人には介入し難い国家問題にふれてみてはいかがでしょうか。
こんな人におすすめ
- シリアスな内容が好きな方
- 鑑賞後、考えたくなる作品を探している方
こんな人には向かないかも…
- 淡々とした物語が苦手な方
- ポップな作品を探している方
7. あなた、その川を渡らないで 原題:님아, 그 강을 건너지마오
動員数480万人を記録、10人に1人がみた奇跡のドキュメンタリー
あらすじ
夫98歳、妻89歳。76年の結婚生活は決して裕福でも、順風満帆でもなかった。しかし、純粋で儚い愛情を与えあう一組の夫婦を追ったドキュメンタリー。
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
韓国映画界史上、最高の動員数を記録したドキュメンタリー映画。取り上げられているのは、たわいもない会話がまったりと繰り返され、深く想い合う一組の夫婦です。
このご夫婦は、市場で色鮮やかなお揃いの韓服を着て手を繋いで歩いているところを新聞記者に取材された様子がネットで話題になっていたそうです。その模様を取り上げたテレビ番組を見た監督は、「一瞬だけ紹介されて終ってしまうにはあまりにも残念だ」と、世界中の人たちに見てもらうために映画化を実行したのです。
イベントを利用した一過性の愛情表現ではなく、自然に「愛する」行為を何十年もの間ずっと続けてきた生活ぶりに、約15ヶ月間密着した一作。ご家族ですら知らない話も引き出されるほど、濃密な約90分です。
こんな人におすすめ
- 理想の夫婦像を模索している方
- 韓国でのリアルな生活を見たい方
こんな人には向かないかも…
- ドキュメンタリーが苦手な方
- 思いっきり笑える映画を探している方
8. ビューティー・インサイド 原題:뷰티 인사이드
史上初1役123人が演じる誰も見たことのないファンタジーロマンス
あらすじ
ウジンは18歳を迎えてから、毎日目覚めるたびに容姿が全くの別人に変わるようになってしまった。それは性別も年齢も国籍も関係ない。そのおかげで人と直接会って仕事はできないため、インターネットを通じて家具デザイナーとしての仕事をしている。
ある日、アンティーク家具店に訪れたウジンは、そこで働くイス(ハン・ヒョジ)に一目惚れをするが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
韓国公開時には、韓国動員数歴代3位の『ベテラン』や世界的に人気な『ミッション:インポッシブル』シリーズ最新作などの人気作を抑えて、異例の大ヒットとなった今作。
実は、原案は世界2大広告祭と言われるカンヌ国際広告祭で3冠、クリオ国際広告祭で金賞という偉業を達成した“The Beauty Inside”というソーシャル・フィルムです。
自分の好きなアイドルの誕生日やデビューのお祝いを広告としてファンが展開する文化を持つ韓国ならではの着目点ですね!
原案では100人あまりの視聴者の映像を使い、 Facebookを介して主役を演じるという手法で物語が展開します。「誰でも主人公の男を演じることができる映画」という斬新なコンセプトで広告祭を賑やかした40分程度の映像を忠実に活用し、“最高のビジュアル・アーティスト”と称されるCMクリエイターのぺク監督が手掛けた繊細なラブロマンスをぜひご堪能下さい。
こんな人におすすめ
- イレギュラーな相手を好きになってしまった女性の葛藤を見たい方
- 一筋縄ではいかないラブストーリーが好きな方
こんな人には向かないかも…
- たくさんの登場人物が出る物語は苦手な方
- 男らしい物語が見たい方
9. 国際市場で逢いましょう 原題:국제시장
“大丈夫だ”と笑って見せて、“よかった”と涙ぐむ。家族のために懸命に生きてきた、父の背中がそこにはあった――
あらすじ
朝鮮戦争の興南撤収作戦による混乱の中に巻き込まれ、父と末の妹と離れ離れになった長男のドスク(ファン・ジョンミン)は父から「今からお前が家長だ。家族を守ってくれ。いつか国際市場で逢おう」 と家族を任された。ドスクたちは無事に釜山へと渡り、国際市場の叔母の店で働くようになるが。
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
韓国の歴代興行収入4位を飾る『国際市場で逢いましょう』。
政治的なものを取り除き、“家族映画”を目指したという監督。極めて”国民的”な物語にたどり着いた「一番平凡な父の、一番偉大な物語」は全世界の全年代の共感と関心を得た一作です。
この作品では、日本でも人気の東方神起のユンホが本格スクリーンデビューを果たしています。この話題性は韓国のみならず日本や中国のファンも動かし、撮影時、50台近くファンが乗った車が付いて回るという、大名行列の様な惨事もあったとのこと。
韓国の名優ファン・ジョンミンが青年時代から老齢までひとりで演じた、ドスクという男性は監督のお父様がモデルとなっているようです。ちなみに、この特殊メイクは『007 スカイフォール』でもメイク技術を発揮した、スウェーデンの特殊メイクチームによる力作です!見どころ満載の127分をぜひ、ご堪能下さい。
こんな人におすすめ
- 有名な俳優が出ている作品が見たい方
- 心動かされる人間模様が描かれた映画を探している方
こんな人には向かないかも…
- どんでん返しなど、期待を裏切る展開が見たい方
- 痛々しいシーンが苦手な方
10. ソウォン 願い 原題:소원
幸せに生きていく それが最大の復讐
あらすじ
事件はある雨の日。8才のソウォン(イ・レ)は通学途中に、泥酔した男に襲われてしまった。
2008年、実際に韓国で起きた幼女暴行事件(ナヨン事件)を元に、心身ともに生涯癒えることのない傷を負った少女とその家族の苦しみ、そして再生を描く。
ここが韓流!韓国映画としてのポイント
この物語はタブー視されてもおかしくはない残酷すぎる事件が元になっています。
実際に被害に合われたご両親の気持ちを代弁すべく、オファーを受けた父役のソル・ギョングと母役のオム・ジウォン。この作品の出演まではヒーロー像が当てはめられていたソル・ギョングは「平凡で非力な父親」に徹し、5キロ以上の増量とメイクなしで撮影に挑んだオム・ジウォン。
そして、両親の反対も押し切って出演を希望した新星イ・レ。幼いながらに難しい役どころを演じきった彼女を監督は「この映画の宝であり、幸運」と称しています。
並々ならぬ決心で被害者の耐え難い苦しみと真摯に向かい合った製作陣と俳優たちの有志をぜひ、ご覧ください。
こんな人におすすめ
- 壮絶な物語を見たい方
- 家族再生の物語が見たい方
こんな方には向かないかも…
- 残忍な事件に関することには触れたくない方
- 明るい物語が見たい方
11. 7番房の奇跡 原題:7번방의 선물
あなたに会えてよかった。
出典:Amazon.com
あらすじ
障害により知能年齢が6歳のままの父親イ・ヨング(リュ・スンリョン)はしっかりものの6歳の娘イェスン(カル・ソウォン)と暮らしていた。ある日、ヨングは事件に巻き込まれ、誤認逮捕されてしまう。離れ離れになった二人は互いに寂しさを募らせていた。
ヨングは同じ7番房で過ごす房長の命を助け、そのお礼に囚人たちが「イェスン潜入大作戦」を決行するが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
2001年公開の「I am Sam アイ・アム・サム」や2014年公開の「神さまがくれた娘」と父娘間の愛情を取り上げた作品に涙した方も多いのではないでしょうか?母性愛が描かれることが多い韓国映画で、父娘の関係に心を揺さぶられるなら今作が最適です!
いじらしいほどに可愛さの溢れる、子役時代のイェスンを演じ切ったのはカル・ソウォンちゃん。そして過去出演作では披露していなかった一面で純真すぎる父親役を全うしたリュ・スンリョンに加えて、数々の作品で存在感を光らせてきたバイプレーヤー達が脇を固める今作。刑務所のシーンではアドリブも多かったというから驚きですね。
こんな人におすすめ
- 家族愛に浸りたい方
- 仲間との絆を感じる映画を探している方
こんな人には向かないかも…
- 迫力あるアクションが見たい方
- 刑務所の演出が苦手な方
12. ハナ 奇跡の46日間 原題:코리아/
この感動に国境はいらない
あらすじ
1991年、千葉県で開催された第41回世界卓球選手権。突如決定された「南北統一チーム」の結成により、ライバルであった韓国のヒョン・ジョンファ(ハ・ジウォン)と北朝鮮のリ・プニ(ぺ・ドゥナ)はチームメイトとして合同生活を始めるが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
2005年公開の『リンダリンダリンダ』を皮切りに、日本でも知名度の高い韓国人女優のペ・ドゥナが6年ぶりに主演を果たした今作。共演のハ・ジウォンと共に、4か月を超える卓球の訓練を乗り越えて、巧みな朝鮮訛りで難しい立ち位置の役所を演じ切っています。
韓国語で「一つ」という意味の「ハナ」を邦題にかかげ、実話をベースに分断の悲劇へとアプローチした一作です。1999年以降、南北問題を題材にした韓国映画は数多くありますが、「北朝鮮」をフィーチャーした映画は2008年の『クロッシング』が印象として強い方も多いのではないでしょうか。この物語は女性同士の友情とスポ根をかけ合わせ、統一への希望を抱かせてくれる一作です。ぜひ一度、ご覧ください。
こんな人におすすめ
- スポ根映画が好きな方
- 国家事情を取り上げた映画を探している方
こんな人には向かないかも…
- 爽やかなスポーツ映画を探している方
- 非現実的なフィクションが見たい方
13. ハハハ 原題:하하하
出典:Amazon.com
あらすじ
ムンギョン(キム・サンギョン)とチュンシク(ユ・ジュンサン)は「ひと夏の出会い」についての話を酒の肴に呑んでいた。その中で、偶然にも同じ港町に旅行していた事が発覚し、話は盛り上がるが…。
ここが韓流!韓国映画としてのポイント
「韓国のゴダール」そして「ロメールの弟子」称され、ヨーロッパで絶大なる人気を博しているホン・サンス監督。
紹介する「ハハハ」は「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」として特集上映された、「恋する人」に視線を向けた4作品のうちの一作です。男女の人生がすれ違いながらも、どこかで絡み合う、それぞれの作品では”過去の恋”、”一目惚れ”、”三角関係”、”出会いと別れ”を描いています。
ホン・サンス監督は脚本を撮影当日の朝まで誰にも明かさず、綿密な演技プランを立てられない情況で俳優たちに演じてもらう手法が有名です。そして、役柄によりリアルな息を吹き込んでもらうため、実際にお酒を飲んで撮影をするそうです。他の作品で見かける演技とはひと味違う表情が堪能できるのは、ホン・サンス作品の醍醐味ですね!
ぜひ、『よく知りもしないくせに』『次の朝は他人』『教授とわたし、そして映画』と併せてお楽しみください!
こんな人におすすめ
- ゆるい会話の光る映画を見たい方
- 恋愛のいじらしさを堪能したい方
こんな人には向かないかも…
- ゆったりとした映画が苦手な方
- 派手なアクションや演出がが好きな方
14. おばあちゃんの家 原題:집으로…
いつだって山の向こうで待ってるよ。
出典: Amazon.com
あらすじ
都会で生まれ育ち、母に反抗的な態度を取る7才のサンウ(ユ・スンホ)。失業してしまった母が、次の仕事を見つけるまでの間、会ったことのない田舎の祖母の家で過ごすこととなった。慣れない田舎暮らしに不満を募らせるサンウと、なんとか願いを叶えようと奮闘するおばあちゃんの交流を描く。
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
87分というライトな作品ですが、この物語には他の作品で見たことあるようなプロの俳優さんは登場しません。
キャスティングは全て撮影地でオーディションをして見つけてきた逸材ばかり。なんと主役のおばあちゃんは映画出演歴どころか、映画を見たこともなかった農家のキム・ウルブンさん。監督直々に説得の上、出演を受諾してくださったそうです。韓国のアカデミー賞である大鐘賞の最優秀作品賞を受賞した快作の素朴でシンプルな作りをご堪能下さい!
こんな人におすすめ
- 自然と涙があふれる作品を探している方
- 懐かしい雰囲気を楽しみたい方
こんな人には向かないかも…
- 激しいアクションが見たい方
- 都会的な風景が見たい方
15. オアシス 原題:오아시스
世の中から疎外された二人が知った“はじめての愛”
あらすじ
ひき逃げ事故を起こした過去を持つジョンドゥ(ソル・ギョング)。出所後も我が道を行くジョンドゥは家族に煙たがられながら毎日を過ごしていた。ある日、被害者家族のアパートを訪れたジョンドゥは質素な部屋にひとり過ごす、コンジュ(ムン・ソリ)を見つける。脳性麻痺を患う彼女は、自由に動き回ることも、話すこともできず、部屋の中で空想にふけていた。互いに世間から「はみ出した」二人は、いつしか惹かれ合い、周りに理解されない中で純粋に愛し合うが…
ここが韓流!韓国映画としてのおすすめポイント
誕生日のお祝いには「わかめスープ」が欠かせないという文化がある韓国。出所した際には、身も心も潔白になるように「白い食べ物」をまず食べる習慣があります!今作でも、出所後のジョンドゥは真っ先に牛乳と豆腐を買い、豪快に食しました。
ドラマや映画ではこういった「食」の考え方の違いを見られるのも面白みの一つですね!
こんな人におすすめ
- 純粋な恋愛模様が見たい方
- 巨匠と呼ばれる監督の作品に触れたい方
こんな人には向かないかも…
- 最近公開された作品が見たい方
- コメディ寄りの恋愛映画を見たい方
まとめ
バイオレンスさが際立つハードな作品で、世界的に一目を置かれる韓国映画界ですが、今回は人間味に着目した作品を15作ご紹介しました。
文化や生活習慣の違いは現地にいかずとも映画からも垣間見えます。少しでも韓国という隣国に興味を持ってもらえたら光栄です。
そしてこれを機に、「韓国語がわかるようになりたい!」という方に、編集部からイチオシの書籍も載せておきますので、気になる方は詳細をご覧ください。
以上、韓国映画でおすすめの作品15本を紹介しました。
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