『アリス・イン・ワンダーランド』のネタバレあらすじ|強さと勇気を思い出させてくれるアリス
イギリスの児童文学小説『不思議の国のアリス』を知らない人はいませんよね?アリスをモチーフに映画化した作品はいくつかありますが、それらとはひと味違うのがティム・バートン監督の実写映画「アリス・イン・ワンダーランド」。まだ観てない方に、この映画の魅力とネタバレあらすじをご紹介していきます。
『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』をベースとして、幼い少女だったアリスの13年後の新たな物語が描かれ、19歳のアリスが失っていたものを見つけ出します。そんなアリスと一緒に皆さんもワンダーランドに冒険してみてはいかがでしょうか!
目次
今までにない“アリス”を描いた『アリス・イン・ワンダーランド』について
実写とモーションキャプチャの技術を使って映画化し2010年に公開。監督は、日本でも人気の『バットマン』や『シザーハンズ』、『チャーリーとチョコレート工場』などで有名なティム・バートン監督。監督の作品にはジョニー・デップの出演が多いですが、この映画で7作目となるタッグを組んでいます。
青い芋虫アブソレムの声は、2016年に亡くなったアラン・リックマンが演じており、ハリーポッターシリーズのセブルス・スネイプ役で日本でも馴染み深い俳優かと思います。2016年公開の続編『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』が遺作となりました。
映像も素晴らしく、童話の世界が見事に実写化されイメージそのまま、というよりそれ以上の世界が広がっています。プロダクションデザイナー(美術監督)を務めたロバート・ストロンバーグは、『アバター』に続きこの『アリス・イン・ワンダーランド』でもアカデミー賞美術賞を獲得しています。
今まで作られた「アリス」をモチーフにした映画が気に入らなかったというティム・バートン監督が、キャラクターの人物像を深く掘り下げて作ったというこの映画。どのような物語か、詳しくご紹介していきます!
10秒で分かる『アリス・イン・ワンダーランド』の簡単なあらすじ
ざっくりあらすじ19歳になったアリスは、幼い頃に行ったワンダーランドを忘れていた。大好きな父が亡くなり、何も聞かされてなかったパーティで母の薦める結婚相手からプロポーズされるアリス。突然のことに戸惑ってその場から逃げ、庭で見かけた青い服を着た白ウサギの後を追って再びアンダーランドに迷い込む。
アリスは、赤の女王に支配されたアンダーランドの救世主である“アリス”を探していた白ウサギたちに、本物の“アリス”か判断するため芋虫のアブソレムの元に連れていかれる。しかし、アブソレムは「ほど遠い」と答えるのだった。「違う“アリス”」だと周りから言われるアリスだが、赤の女王に狙われ巻き込まれてゆく――。
この映画を観ると、子どもの頃に持っていた自分の本質的なモノをもう一度思い出したくなります。
大人になるにつれて失われる本質的な強さを取り戻したい人に見て頂きたい映画です!
『アリス・イン・ワンダーランド』のネタバレあらすじ
【ネタバレあらすじ①】プロポーズから逃げるアリス ~白ウサギの後を追って~
19歳になったアリス(ミア・ワシコウスカ)は、幼い頃に見ていたおかしな夢をまた見るようになっていた。幼い頃のワンダーランドの記憶はすでになく、ぼんやりしたイメージのただの夢になっていた。自分を理解してくれた大好きな父を亡くし、母と暮らすアリスは、ある日パーティに連れていかれる。実はそのパーティは、貴族の御曹司ヘイミッシュがアリスにプロポーズするために開かれた婚約パーティだった。知らずにいたアリスは困惑する。奇想天外な想像が大好きで、貴族社会の礼儀が窮屈に感じるアリスは、ヘイミッシュからのプロポーズに決断ができず、「少し時間をちょうだい」と言ってその場から逃げ出した。そして、庭で見かけた青い服を着た白ウサギの後を追って、穴に落ちてしまうのだった。
【ネタバレあらすじ②】アンダーランドに迷い込む ~間違い“アリス”~
穴から落ちて辿り着いた部屋にはいくつものドアがあり、全て閉まっていた。テーブルに置かれた鍵に合うドアを見つけたが、とても小さい。幼い頃に訪れた時の記憶を失っているアリスは試行錯誤して小さいサイズになり、何とか外へ抜け出す。すると、ドアの外には見たこともない生き物や不思議な世界が広がっていた。
アリスは、白ウサギ(マイケル・シーン)、ヤマネ(バーバラ・ウィンザー)、トウィードルダムとトウィードルディ(マット・ルーカス)たちと出会い、ヤマネに「違う“アリス”」だと言われる。白ウサギたちが頭の良い青い芋虫のアブソレムに判断を仰ぐためにアリスを連れて行くと、アリスを見たアブソレム(アラン・リックマン)は「ほど遠い」と言うのだった。
皆が探している“アリス”とは、アンダーランドの預言の書に記された救世主。アンダーランドを恐怖で支配する赤の女王から解放し、白の女王が治める世界にするため、赤の女王のペット・ジャバウォッキーを殺す戦士“アリス”なのだった。
【ネタバレあらすじ③】マッドハッターのお茶会 ~チェシャ猫に導かれ~
皆に違う“アリス”だと言われるアリスは、夢から目覚めようとヤマネの剣で刺してもらうが、その痛みにもかかわらず目覚めなかった。その時、赤の兵士たちとバンダースナッチが襲ってくる。皆は散り散りに逃げるがそれぞれ捕まっていってしまい、アリスはヤマネの助けで何とか逃げ延びるのだった。
預言書を拾ったハートのジャック(クリスピン・グローヴァー)は、赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)に報告する。赤の女王は、可愛がっているジャバウォッキーを殺させないよう、アリスを捕まえる命令を出す。
森の中でさまよっていたアリスは、チェシャ猫(スティーブン・フライ)に出会い、マッドハッターと三日月ウサギたちのいるお茶会へ連れていかれるのだった。
アリスを見たマッドハッター(ジョニー・デップ)は、間違いなく“アリス”だと言う。お茶会をしていると、兵士を連れたハートのジャックと犬のベイヤードが迫ってくる。マッドハッターは、急いでティーポットにアリスを隠し、なんとかやり過ごす。そして、アリスを白の女王の元に連れていくことにするのだった。
【ネタバレあらすじ④】白の女王の元へ ~ヴォーパルの剣を手に入れて~
マッドハッターとアリスが白の女王の元へと向かう森の中、追手の赤の騎士団が近づいてくる。それに気づいたマッドハッターはアリスを逃がし、自分は捕まってしまうのだった。
犬のベイヤードに見つかるアリスだったが、ベイヤードはマッドハッターたちの仲間で、アリスを白の女王の元へ連れて行こうとするが、アリスはマッドハッターを助けに赤の女王の城へ向かった。
白ウサギの助けで身体が大きくなる菓子を食べたアリスは、「アム」という名で赤の女王の城に潜り込む。そして、バンダースナッチを味方につけヴォーパルの剣を手に入れると、マッドハッターを助けようとするが、ハートのジャックに正体がばれてしまう。兵士たちに捕まりそうになるが、バンダースナッチに助けられ、無事にヴォーパルの剣を白の女王(アン・ハサウェイ)の元へ届けるのだった。
【ネタバレあらすじ⑤】フラブジャスの日 ~取り戻したアリス~
赤の女王の城で処刑されそうになったマッドハッターとヤマネだったが、仲間と共に上手く逃げ出し、白の女王の元へ集まった。
フラブジャスの日になっても、ジャバウォッキーと戦う覚悟ができないアリスは、皆の期待の目から逃れるように戦士を決める場を離れる。どうしたらいいか分からないアリスは、アブソレムと話すうちに自分が何者かを思い出し、バンダースナッチの背に乗って白の女王と一緒に決闘の場へ赴くのだった。
赤の女王は怪物ジャバウォッキーを、白の女王はアリスを身代わりとして戦いを始める。ヴォーパルの剣を手にしたアリスは、マッドハッターの助けもあって、見事に怪物ジャバウォッキーを倒す。王冠が白の女王の元に戻り、赤の女王はハートのジャックと共に追放されるのだった。
マッドハッターはアリスに、アンダーランドに留まらないかと提案するが、アリスは元の世界で生きることを選び、ジャバウォッキーの血を飲んで元の世界へ戻る。戻ったアリスの腕に残った傷がアンダーランドでの出来事が現実だと物語っていた。
パーティに戻ったアリスは、ヘイミッシュのプロポーズを断り、亡き父のアイディアを評価しているヘイミッシュの父親・アスコット卿に新たな事業の提案をする。アリスの目の輝きにアリスの亡き父・チャールズを思い出したアスコット卿は、提案を受け入れて会社に誘う。
“wonder”号に乗って航海に出るアリスの肩には蝶になったアブソレムがとまり、空に羽ばたいていくのだった。
(※あらすじを読んで“ワンダーランド”じゃないの?と疑問を抱いた方もいるかと思いますが、“ワンダーランド”は幼いアリスが呼んでいた名称なので、正確には“アンダーランド”となっています)
『アリス・イン・ワンダーランド』のキャスト
アリス・キングスレー/ミア・ワシコウスカ
主人公のアリスを演じたのは、1989年10月14日生まれのオーストラリア出身の女優、ミア・ワシコウスカ。2004年から女優活動を始めた彼女ですが、2009年公開の『That Evening Sun』でインディペンデント・スピリット賞助演女優賞にノミネートされています。
女優になる前には本格的にバレエをしていたことが、アリスが穴に落ちていくシーンの宙吊り撮影など、全身を使う演技に生かされているようです。
マッドハッター/ジョニー・デップ
アリス作品には欠かせないマッドハッターを演じたのは、説明の必要がないくらい日本でもファンが多いジョニー・デップ。1963年6月9日生まれでアメリカ合衆国ケンタッキー州出身。出演作は、1984年のホラー映画『エルム街の悪夢』の初出演作をはじめ、『プラトーン』や『ネバーランド』『パイレーツ・オブ・カリビアン』など多数。最近では2018年『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』にも出演しています。
今までのマッドハッターとは違って、人間味のあるマッドハッターは見逃せません!
ちなみに、マッドハッターの被っている帽子には“10/6”という数字がついていますよね。これは“10シリング6ペンス”の値札なんだとか。帽子屋なのに売り物の帽子を被った、まさに「イカレた帽子屋」ということなんですね。
赤の女王/ヘレナ・ボナム=カーター
残虐ですが、親に愛されなかった悲しみをもつ赤の女王を演じるのは、ヘレナ・ボナム=カーター。
イギリスの女優で1966年5月26日生まれ。世界トップレベルのケンブリッジ大学に合格したものの、女優のキャリアを選び入学しなかったそう。数多くの映画賞を受賞している実力派女優です。出演作は『ファイト・クラブ』や『ハリーポッター』シリーズ、『英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』など多数。ティム・バートン監督と交際していた期間には長男と長女を出産。2014年に破局を発表しています。
ハートのジャック/クリスピン・グローヴァー
赤の女王に仕えるハートのジャックを演じるのは、クリスピン・グローヴァー。アメリカの俳優で1964年4月20日生まれ。出演作は、『13日の金曜日・完結編』のジミー役、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のジョージ・ダグラス・マクフライ役、『チャールズ・エンジェル』シリーズの痩せ男など。
ハートのジャックは、赤の女王の前では媚びて赤いハートの眼帯を着けていますが、それ以外では黒いハートの眼帯を着けています。
白の女王/アン・ハサウェイ
赤の女王の妹・白の女王を演じるのは、日本でも人気が高いハリウッド女優のアン・ハサウェイ。『プラダを着た悪魔』でも有名ですが、2012年のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』ではミュージカル部分も吹き替えなしで演じ、第85回アカデミー賞助演女優賞とゴールデングローブ賞助演女優賞を獲得し、名実ともにトップ女優となりました。
白の女王としての演技では、アンダーランドの住人らしく不思議な雰囲気をかもしだしています。また、綺麗な顔で時折見せる変顔シーンは必見です。
『アリス・イン・ワンダーランド』が訴えかける3つのポイント
【ポイント①】アリスの人生の”ターニングポイント”
今回、主人公のアリスは19歳です。19歳といえば、大人になる年齢ですよね。人生において大きな転機を迎える年頃です。
誰でも人生のターニングポイントに何を選び取るのか迷うと思いますが、自分がどんな人間なのか、何を望んでいるのかという本質的な問いにも関わってくるのではないでしょうか。
生き続けるかぎり、転機は何度でも訪れます。この映画は年齢に限らず人生のターニングポイントを迎えるどんな人にも観てもらえる作品になっているのではないでしょうか?
【ポイント②】自分のプライドを取り戻す
アリスは、現実世界でもアンダーランドに行っても周りに流されますが、マッドハッターから「君は変わった」「“凄さ”がなくなった」と言われ、徐々に自分の意思で行動しはじめます。
そうするうちに、初めは「(救世主の“アリス”とは)ほど遠い」と言っていたアブソレムに「ほとんど“アリス”だ」と言われます。
それでも決断できないアリスは、どうすればいいのかアブソレムに尋ねます。するとアブソレムは「自分が誰かもわからんやつには教えられん」と答えます。
そこでアリスは、自分のことを話し出します。そして父を誇りに思い、そんな父の娘である自分が父に恥じない生き方をする。という強い意志が芽生えるのです。
アブソレムのいう「お前は誰だ」とは、「自分は誰なのか?=自分は何者なのか?=自分は何を誇りに思って生きる者なのか?」と問いかけるセリフだったのですね。
皆さんも人生のターニングポイントでは、アリスの様に自分を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
【ポイント③】バタフライエフェクトを連想させるラストシーン
蝶になったアブソレムが羽ばたいていくシーンで終わります。これが“バタフライエフェクト”を連想させるのです。
※バタフライエフェクト(バタフライ効果)とは、気象学者エドワード・ローレンツの言葉「1匹の蝶の羽ばたきは、遠くの場所の竜巻を引き起こすか?」に由来する。初期状態にほんのわずかでも変化が生じるとそれがさまざまな波及効果を呼び、初期状態とは大きく異なる状態にいたる現象のこと。
ラストシーンは、ルールに縛られる貴族社会の中で奇抜な発想をするアリスを蝶に見立て、一人の少女が世界に影響を及ぼしてゆく想像を与えるシーンにも思えます。
一人の小さな行動が、世界を変えてゆく。そんなメッセージが込められているのかもしれません。
あなたも通になれる『アリス・イン・ワンダーランド』のトリビア
【トリビア①】登場人物や怪物などの由来
トゥィードルダムとトウィードルディの由来
出典:ディズニー公式サイト
イギリスやアメリカの童謡『マザーグース』に出てくるキャラクター。ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』では、第4章「トウィードルダムとトウィードルディ」に登場する。
バンダースナッチの由来
『鏡の国のアリス』の「ジャバウォックの詩」や、同じくルイス・キャロルが書いた『スナーク狩り』に登場する架空の生き物。
映画の中では、はじめは赤の女王側についてアリスの腕に傷をつけたり、ヤマネに目玉をくり抜かれるが、後でアリスから目玉を返してもらい、白の女王側につく。
ジャバウォッキーの由来
『鏡の国のアリス』にある「ジャバウォックの詩」に出てくる正体不明の怪物。映画の中では、赤の女王のペット。
(※ちなみに、マッドハッターがアリスを連れて白の女王の元へ向かう途中、森の中で口ずさんでいるのが「ジャバウォックの詩」です)
ヴォーパルの剣の由来
『鏡の国のアリス』中の「ジャバウォックの詩」に出てくる剣で、ジャバウォックを倒す武器。
映画の中で、ジャバウォッキーはヴォーパルの剣を因縁の相手と語っています。
今回アーカイブス展で特に感動したのがアリスインワンダーランドで、アリスがジャバウォッキーと戦う時に使用した剣のデザイン。映画では見えない細部にまで工夫が凝らされていて生で見た甲斐があった。 pic.twitter.com/EO7zv4fj1U
— 緑目@リハブ中 (@green_eyes_idol) August 12, 2018
【トリビア②】キャラクターやお菓子の名前
『アリス・イン・ワンダーランド』に登場するキャラクターの正式名称
あまり名前を意識したことはないキャラクターにも、実は名前がついています。
マッドハッター:タラント
白の女王の名前:ミラーナ
赤の女王の名前:イラスベス
ハートのジャック:イロソヴィッチ・ステイン
白ウサギ:マクトウィスプ
ヤマネの名前:マリアムキン
『アリス・イン・ワンダーランド』に登場するお菓子と飲み物の名称&レシピ
アリス作品には欠かせない「Eat Me」や「Drink Me」。一度は食べてみたいと思った人も多いのではないでしょうか?これにも名前がついていました!
体が大きくなる菓子「Eat Me」:アッペルクーヘン
映画にはレシピは出てきませんが、ネット上では「アップルクーヘン」として、アップルを使った実際に食べられるレシピが多数存在します。
体が小さくなる飲み物「Drink Me」:ピッシュサルバー
<レシピ>
・虫の油を少々
・ホースフライのオシッコ ※
・バターフィンガー
・死人のポケットの小銭3枚
・希望的観測をティースプーン2杯
・白の女王の唾
※ホースフライとは『鏡の国のアリス』に出てくる木馬バエだと思われる。この映画では、アリスが小さいドアを出てアンダーランドに入った時、目の前を虫と一緒に飛んでいる。
これはちょっと飲みたくないですよね。映画の中で白の女王が作り、そのできたてをアリスが飲みますが、これを目の前で作られて飲めるアリスは凄い!
【トリビア③】キャラクターたちの口癖
赤の女王の口癖「打ち首じゃー!」
妹(白の女王)を可愛がっていた父親も殺してしまった赤の女王は、城の周りのお堀におびただしい数の頭部を投げ捨てている。何かあるとすぐに処刑しようとします。
青い芋虫アブソレムの口癖「お前は誰だ?」
禅問答のような会話をするアンダーランドの知恵者。出会うと毎回このセリフを言います。
マッドハッターの口癖「カラスと書き物机はなぜ似ているのか」
原作者ルイス・キャロルによると意味のない(ナンセンス)言葉である。すべてのことに意味を見つけようとせず、余白を愛せよ、ということでしょうか?
赤の女王に虐げられた仲間の合言葉「ビッグヘッド倒せ」
ビッグヘッドとは、赤の女王のこと。お茶会でアリスの匂いを嗅ぎつけたベイヤードにマッドハッターが「ビッグヘッド倒せ」と言うと、ベイヤードは引き下がります。赤の女王に虐げられ白の女王に治めてほしいと思っている仲間だと、この合言葉でわかるのです。
【トリビア④】分かると面白い英語の言葉遊び
アリスの名前「アム」をめぐる言葉遊び
“Um……”とは、答えがすぐに出てこない時に使う日本語でいえば“えーっと” です。
赤の女王が城の庭で、大きいアリスを見て名前を聞きます。白ウサギが「Um……」と答えに詰まっているとアリスが「アムブリッジから来ました」(=“Umbridge”村から来た“Um”です)と答えるのです。
そして、その後にあるシーンでは、赤の女王と一緒にいるアリスを見たハートのジャックが、女王にアリスの名前を聞きます。女王が「Um」と答えると、ジャックは女王が「えーっと……」と思い出せないで言っていると思い「お前の名を、女王はお忘れか」というセリフが出てくるのです。
英語ならではのやりとりですね!
ちなみに、アリスがとっさに言ったアムブリッジは、「Um」+「Ambridge(アンブリッジ/ペンシルベニア州にある地名)」なのかもしれません。
処刑のシーンでの言葉遊び
マッドハッターが処刑されそうになるシーンで、切り落とされたマッドハッターの首が宙に浮き、実はチェシャ猫がマッドハッターに化けていたとわかります。ヤマネはチェシャ猫に「このタヌキ!」(吹替え)と言いますが、英語では「dog!」(ずるい奴)と言っています。
これは、チェシャ“猫”に対して“犬”と言っている面白さがあるシーンなのでした。
分かるとさらに面白いですよね。英語字幕で観ると言葉遊びの面白さも感じられるので、英語の勉強にもいいかもしれません。
『アリス・イン・ワンダーランド』の原作『不思議の国のアリス』のトリビア
出典:ディズニー公式サイト
【アリス原作トリビア①】原作者ルイス・キャロルは男性!
キャロルというと女性の印象ですが、よく見れば名字。そして、ペンネームなのです。
イギリスの数学者で、本名は「チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン」という男性なのでした。
【アリス原作トリビア②】即興で作られた物語だった!
『不思議の国のアリス』は、チャールズが親しい友人ヘンリー・リデルの娘たちに語っていた即興の物語だったのです!その娘の一人であるアリス・リデルがいつでも読めたらいいのに、とチャールズに言ったので、手元に残るよう書き留めるようになったそう。
まさかその即興物語が、聖書やシェイクスピアに次ぐほど世界各国で翻訳され、世界中で愛されるようになるとは思ってもいなかったでしょうね。
まとめ
さて、ティム・バートン監督の映画『アリス・イン・ワンダーランド』の魅力とあらすじをご紹介してきました。そもそも原作はナンセンスな世界。理由づけするもしないも自由です。映画から何か人生のヒントをもらうもよし、ただ楽しむもよし!この映画は皆さんに届けられた時点で、それぞれのワンダーランドになっていることでしょう。