映画『天気の子』あらすじ結末ネタバレ | 新海監督はなぜ少年に銃を握らせたのか

 

現在も大ヒット上映中の映画『天気の子』。日本映画の歴代興行収入ランキングでも上位となった本作ですが、すごいのはその数字だけではありません。映像の美しさはもちろん、その作りこまれたストーリーから、「何度でも観たくなる!」とリピーターが続出しています。

アニメーション映画ではありますが、ふたりの若者のお互いを想い合う純粋な気持ちに、大人でも心を動かされる映画となっています。

本記事では映画『天気の子』のネタバレあらすじをご紹介しながら、物語の中に隠された深いメッセージもひもといていきます。これを読めば、『天気の子』の世界観により引き込まれていくでしょう。

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世界中で大旋風を巻き起こしている『天気の子』について

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

2019年7月に公開された映画『天気の子』は、新海誠監督の最新作。

日本を代表するアニメーション監督で、2016年に大ヒットした前作『君の名は。』は世界でも有名な作品で、シッチェス・カタロニア国際映画祭、アニメ作品部門での最優秀長編作品賞をはじめ、日本以外でも様々な賞を獲得しました。

新海監督といえば「映像美」というイメージがありますが『君の名は。』以前の作品も多くの支持を集めています。その全ての作品に共通するこだわり抜かれた映像美や少年少女の純粋な気持ちを繊細に描いた内容は「新海ワールド」とも呼ばれているんですよ!劇中では実在する場所もたくさん出てくることから、新海誠監督の神聖巡礼をするファンも後を絶たないんだとか。

そんな新海監督が手がけた『天気の子』は、不思議な力を持っている少女と家出して東京にやってきた少年が出会い、惹かれ合う物語ですが、もちろんただのラブストーリーじゃないんです。Twitterではたくさんの解釈が行き交っていて、何回観も観たくなるほど見応えのある映画となっています!詳しいあらすじは、後ほど説明していきます。

10秒で分かる『天気の子』の簡単なあらすじ

出典:映画『天気の子』予告編

森嶋帆高は、離島から家出して上京してきました。東京での生活に不安を感じていた彼は、オカルト雑誌のライターとして須賀圭介という男に雇われ、そこで「晴れ女」という噂を耳にします。東京ではひたすらに雨が降り続くという異常気象が続いていましたが、そんな雨をも降り止ませる「100%の晴れ女」が存在するというのです。

そんな中で帆高は天野陽菜という少女と出会い、仲良くなった帆高は彼女こそ「晴れ女」だと知ります。「晴れ女」はいいビジネスになるのではないか。アルバイトをクビになりお金に困っているという陽菜に、帆高はそう進言しました。そしてふたりは、陽菜の弟・凪も巻き込んで「晴れ女ビジネス」を始めます。

人を幸せにできるその仕事に喜びを感じる陽菜でしたが、その裏には悲しい運命が待ち受けていたのです――。

若者たちの一途でひたむきな思いが胸に響く作品で、現代社会に生きる大人たちにこそ観てほしい作品となっています。

『天気の子』あらすじ【※ネタバレ有】

それでは、天気の子のあらすじを細かくご紹介していきます。ネタバレがありますので、これから観る方はご注意ください。

【あらすじ①】帆高少年の家出

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

高校1年生の帆高は生まれ育った離島を飛び出し、東京へと向かっていた。フェリーで豪雨にのまれて振り落とされそうになるが、間一髪のところを須賀という男に助けられる

たどり着いた東京は、何日間もずっと雨が降り続くという異常気象に見舞われていた。そんな東京での生活は想像以上に厳しく、これからの生活に不安を抱いていた帆高は、ゴミ箱に捨てられていた怪しい包みを拾う。マクドナルドで夕食のスープを飲みながら、その包みを開けると、中に入っていたのは拳銃だった。

まさか本物なわけがないとそれを鞄にしまい、今後について悩んでいた帆高。3日連続でスープだけを飲みに来ていた帆高をかわいそうに思ったアルバイト店員の陽菜は、彼にハンバーガーをごちそうする。

【あらすじ②】陽菜との再会

帆高は須賀に連絡し、彼が社長を務める会社のオフィスを訪ねる。そこには、夏美という美女が。その後帰ってきた須賀は、自分のところで働いてみるかと帆高を誘う。須賀の会社はオカルト雑誌の記事を作成していて、最近話題の「100%の晴れ女」についての取材で、帆高は夏美に同行することになる。

取材先で聞いた「100%の晴れ女」の話があまりに非現実すぎて呆れる帆高だが、住み込みかつ食事つきという条件に乗せられ、仕事を引き受けることにする。

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

帆高は叱られながらも、だんだんと仕事にやりがいを感じていく。そんな時に、男たちに怪しげな仕事に誘われて戸惑っている陽菜を見かけた。放っておけずに彼女を助けようと連れ出す帆高だったが、男たちに追いつかれて殴られ、さらに陽菜は自分から男たちについていこうとしていたと聞かされる。

あまりのショックに、帆高はお守り代わりに持っていたあの拳銃を取り出す。ただのオモチャだと、男たちも帆高自身もそう思っていたが、引き金をひくと確かに響く重い衝撃。拳銃は本物だった。呆気にとられる帆高の手を取り、逃げる陽菜。

たどり着いた廃ビルで「人を殺していたかもしれない」と怒る陽菜に、帆高も自分で恐くなり、拳銃をその場に投げ捨てる。落ち込む帆高に、陽菜は自分がバイトをクビになったことを明かす。そのためにお金が必要だったのだと。

帆高を陽菜は屋上に誘う。相変わらず降り続く雨を見上げ、彼女が祈りを捧げた瞬間、雨が止んで晴天が広がった。彼女こそ「100%の晴れ女」だったのだ。

【あらすじ③】「晴れ女」としての仕事

帆高はお金に困っている陽菜に、晴れ女の能力を活かしてビジネスをしないかと持ちかけた。大切な日に晴れてほしいと願っている人へ、お天気を届ける仕事。陽菜とふたりで暮らしている弟の凪も巻き込み、彼らはそんな「晴れ女ビジネス」を始める

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

降り続く雨に、神にもすがる気持ちで依頼してくる人は後を絶たず、晴れ女は口コミで話題になった。陽菜は晴れ女の仕事に喜びを感じていくが、大きなイベントでの依頼を引き受けた際、テレビに姿が映ってしまったために依頼が殺到し、すでに引き受けていた2件を最後に休業することになった。

依頼先で、帆高は陽菜の母親が亡くなったこと、彼女の誕生日が近いことを知る。帆高は小学生ながら経験豊富な凪のアドバイスを受け、彼女のためにアクセサリーショップで指輪を買った。

【あらすじ④】「晴れ女」の真実と追われる帆高

須賀と夏美は「晴れ女」の伝説の取材のために、とある神社を訪れる。そこで「天気の巫女」に関する悲しい物語を耳にする。ふたりはその話を聞いて妙な胸騒ぎを感じた。

陽菜の「晴れ女ビジネス」の最後の依頼者は、須賀だった。彼は死別した妻との間に生まれた子どもと会うため、晴れ女に依頼したのだ。みんなでひとしきり遊んだ後、夏美は神社で聞いた話を陽菜に教えてしまう。あれはただの伝説でしかないと思いながら。

帰り道、帆高が陽菜に指輪を渡そうと声をかけたとき、陽菜の周りに水の魚が舞っているのに気づく。その瞬間突風が吹き、目の前から陽菜の姿が一瞬消える。恐怖に怯える陽菜は、帆高とアパートに帰った後で、自分が晴れ女になったいきさつを語りはじめる。

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

1年前、廃ビルの屋上にある鳥居。入院している母のことを想いながら、雨が止むようにと願ってその鳥居をくぐった陽菜。その日から彼女は、空と繋がったのだ。

そんな事情を話した直後、突然玄関のチャイムが鳴り、警察が訪ねてくる。以前陽菜を守ろうとしたときに、帆高が拳銃を撃った姿が防犯カメラに映っていたのだ。帆高のことをなんとか誤魔化す陽菜だったが、小学生の弟とふたり暮らししていることを指摘されてしまう。

須賀の元にも警察が訪れていた。帆高の両親が捜索願を出していたこともあり、このまま雇ってはおけないと、須賀は帆高を解雇する。行き場所を失った帆高は、再び陽菜の家を訪れた。帆高と陽菜、凪の3人で一緒に逃げることを決めたのだ。

【あらすじ⑤】少年少女の逃走劇の結末!陽菜の選択は?

天気はさらに狂いはじめ、8月だというのに雪まで降りだした。交通機関も乱れており、身分証さえも持たない帆高たちはラブホテルに行き着く。そこで3人だけの楽しい時間を過ごした。深夜0時をまわり、誕生日を迎えた陽菜に指輪を渡す帆高。嬉しそうに笑う陽菜は、帆高に夏美から聞いた話をする。

「天気の巫女」は狂った天気を元に戻すための人柱であり、自分が消えることでこの異常気象は元に戻ると。そう話す陽菜の身体は透けていく。そうはさせないと、ふたりで涙を流した翌日、目が覚めると陽菜は帆高の隣から消えていた。東京の狂った天気はすっかり元に戻っていた。

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

帆高は、陽菜が人柱になってしまったと確信する。一度は警察署に連行されるが、陽菜にまた会うために警官を振り切って、彼女が晴れ女となった例の廃ビルに向けて駆け出すそんな帆高を放っておけず、夏美は自分のバイクに乗せて手助けした。

たどり着いた廃ビルには、須賀の姿があった。帆高は自分が以前捨てた拳銃を見つけ、逃げずに警察へ行けと言う須賀に、それを向ける。戸惑う須賀を前に、天井にむけてそれを放ち、ただ陽菜に会いたいだけなのだと叫ぶ

帆高は屋上にたどり着き、陽菜のことを想いながら例の鳥居をくぐる。すると彼の身体は空へと舞い上がり、雲の上でたたずむ彼女を見つける。帆高は陽菜に「天気なんて狂ったままでいい」と伝えた。帆高の叫びを聞いた陽菜は、自分のために「生きること」を願い、ふたりで地上へ戻る。帆高は警察に逮捕され、東京にまた雨が降りはじめた。

その後も東京には雨が降り続き、多くのエリアが水没してしまった。親元に帰されて保護観察処分となっていた帆高は、久しぶりに東京へと戻ってくる。3年ぶりに陽菜と再会し、ふたりはこれからも一緒にいることを選んだのだ。

『天気の子』の登場人物/キャスト紹介

森嶋帆高/醍醐虎汰朗

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

主人公の帆高の声を演じているのは、俳優の醍醐虎汰朗さんです。醍醐さんは現在19歳で、2017年より芸能活動を開始しています。2,000人以上のオーディションを勝ち抜き、今回帆高の声優として選出されました。

劇中での帆高は、不器用ながらもまっすぐに自分の信念を貫こうとしています。東京にやってきたばかりの頃は、下を向いていることが多い帆高ですが、人との出会いや仕事を通して成長を感じられます。見ていると応援したくなるような少年です。

天野陽菜/森七菜

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

陽菜の声を演じている森菜奈さんは、現在18歳の女優です。15歳でデビュー後、数々の話題作に出演しています。醍醐さん同様、オーディションで今回陽菜の声優に抜擢されました。

劇中での陽菜は、大人に憧れる少女です。自分の年齢を18歳と偽り、少しでも大人でいようとしていました。母親を亡くし、弟の凪を守っていくためにも子どものままではいられないと思ったのかもしれません。とても健気で、それゆえ儚い少女です。

天野凪/吉柳咲良

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

凪の声優を務めた吉柳咲良さんは、現在15歳の女優です。ホリプロスカウトキャラバンにて歴代最年少でグランプリを受賞し、12歳で芸能界デビューしました。

劇中で同年代の女の子たちに大人気だった凪は、小学生でありながら人との距離感をしっかり見極められる少年であり、その冷静な態度は本当に小学生か疑いたくなるほどです。

しかし、そんな凪が涙を流しながら「姉ちゃんを返せ」と帆高に怒鳴るシーンがあります。帆高を焚きつけるだけとは思えないそのセリフは、自分の力だけではどうしようもできない、もどかしい気持ちが表現されたものに聞こえます。

須賀圭介/小栗旬

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

須賀の声優を務めたのは、俳優の小栗旬さんです。メインキャストの中では最年長ということもあって、まるで須賀と同じように、初々しい少年少女たちを見守りながらアフレコに参加していたようです。

本編での須賀は、帆高と同じく10代で家出して東京にやってきました。そのため、同じ境遇の帆高を放っておけなかったのだと考えられます。その後、妻を失うことで絶望を味わい、何かを守るためには何かを諦めなければならないと思っています。娘の萌花を守るために、帆高や陽菜のことは諦めなければと考えたのです。しかし、理性的な自分とは対照的に欲求のままに動く帆高を見て、彼の凝り固まった概念はほぐれていくのです。

須賀夏美/本田翼

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

夏美の声を演じているのは、女優として活躍している本田翼さんです。「夏美役には抜擢されたというよりは“まずは声を聞かせてくれ”と言われ、オーディションを受けたようだった」とインタビューで答えています。アフレコ中も、同じシーンでさまざまなパターンを試したようです。

劇中での夏美は、叔父である須賀のもとで働きながら、将来を見据えて就職活動をしています。無邪気で人の心を開くことに長けている夏美ですが、このまま自分の思うように生きたい気持ちと、大人にならなければいけないと思う気持ちとの葛藤が見られるキャラクターです。

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『君の名は。』のメンバーも登場!

実は本作には、新海監督の前作『君の名は。』に登場したキャラクターも表れており、世界観を共有していることがわかります。瀧と三葉は気づいた方が多いと思いますが、そのほかにも四葉、テッシー、サヤちんの合計5人が出てきています!

5人とも『君の名は。』と同じ声優が担当しているのも、ファンとしては嬉しいポイントですよね♪
それでは、どんな場面で登場したか見逃してしまった方々のために、1人ずつ紹介していきます!

立花瀧/神木隆之介

『君の名は。』の主人公である瀧くんは、自身の夫の初盆の日を晴れにしてほしいと陽菜に依頼した老婦人、立花富美(倍賞千恵子)の孫として登場します。『天気の子』の舞台は2021年ということなので、瀧くんは21歳の計算になりますね!

お盆のため、祖母の家に来ていた際、「晴れ女サービス」として同じく富美宅に来ていた帆高と陽菜に遭遇し、帆高に陽菜の誕生日プレゼントについてアドバイスをしています!

思わぬところでの瀧の登場に、中国では劇中で拍手が起こったほど話題になったらしいですよ!

宮水三葉/上白石萌音

三葉は、帆高が指輪を買いに行ったジュエリーショップの店員として登場しています。帆高から「喜んでもらえるでしょうか?」と聞かれ、「大丈夫ですよ。」と安心させるような言葉をかけています。当時24歳の計算ですね!

瀧くんと三葉は再会できたのか、ファンにとっては心配でなりません…

宮本四葉/谷花音

彼女は東京に腫れが戻って来た時、太陽を手で覆いながらクラスメイトと「なんか、涙でるね」というセリフを放っています

クレジットを見て、「四葉出てたの?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。Twitterでも「見つけられなかった」という声が多く挙がっています。

勅使河原克彦/成田凌、名取早耶香/悠木碧

三葉の同級生であるテッシーとさやちんは、帆高と陽菜が初めて台場でフリーマーケットを行った際に登場します。2人で観覧車に乗っていますよ!

また、実は、帆高が警察署から逃げ出す時にすれ違った女性もさやちんなのではないか、という憶測もあります。

『天気の子』で気になる2つの謎を解説

【考察①】須賀が涙を流した理由は?奥さんは『天気の子』だったの?


出典:『天気の子』公式サイト

公式小説でも明かされている通り、須賀は少年時代に、親は議員、兄は財務官僚といったエリート家庭で育ったプレッシャーから田舎を出て東京来ており、その上愛していた妻・明日花(あすか)を亡くしています。つまり帆高と同じような境遇を経験していたのです。

消えてしまった陽菜、そして帆高の境遇に過去の自分を重ねてしまい、自然に涙が零れてしまったのだと受け取れます。加えて、そんな帆高たちの事を一度は保身の為に見捨ててしまった自分を虚しく思ったというのもあるでしょう。

社会をどこか俯瞰的に捉え、人生のすべてを諦めてしまったかのような擦れた態度の、いわゆる典型的な「大人」でありながら、最後には帆高の背を押したり、そもそも素性の知れない帆高が東京に出てすぐ困っているところを助けていたりと、情に厚い面も持ち合わせています。そんな彼だからこそ、帆高たちを見捨てた後悔は大きかったのかもしれません。

また、「須賀の奥さんが天気の巫女だった」という説もあります。下記のツイートが話題になっていましたね。

その説で作品を観るならば、須賀の娘が「雨の日は体調を崩してしまう」という設定も興味深いです。しかし、仮に奥さんが「天気の子」であったなら、須賀もその力の代償くらい知っていたのではないでしょうか。そんな彼が陽菜に「晴れ」を依頼するような酷な事をするでしょうか。「須賀の奥さんも天気の巫女」である真相は明確になっていないので、監督の口から語られるまでは自由に解釈しておきたいですね。

【考察②】帆高に「銃」を扱わせた理由は?


出典:『天気の子』公式サイト

劇中では、重要なシーンで「銃」が登場します。この小道具の登場、そしての使われ方に少々違和感を抱いた方も多いのではないでしょうか?

あまり望ましくない事ですが、いっそ帆高が人を殺して世界を変えていたのであれば完璧な「君と僕とのボーイ・ミーツ・ガール」として成り立つのですが、帆高は結局人を殺しませんし、落としどころとしてはなんだか消化不良感が残ってしまっています。

では、何故『天気の子』で「銃」という小道具を取り入れる必要があったのでしょうか?あの違和感に納得するためには、作品全体のメッセージ…というより「新海監督が表現したかった事」を理解する必要があります。

新海監督は、2019年8月に発行された「月間ニュータイプ」で「僕が描きたいのは、いつも個人の願いの物語です。」と語っています。今回はまさに、帆高個人の願いを貫き通したストーリーとなっていますよね。

そして恐らく新海監督は、「銃」を用いた理由として帆高に「世界を変える力」を持たせたかったのではないでしょうか。

陽菜は元々「天気の子」として世界の天気を変えてしまうという大きな力を持っていました。そして帆高は、あそこで銃を手にした事によって「黒服や警察には絶対に抗えない」という帆高に立ちはだかる小さな「世界」を大きく変える力を手に入れたのです。

陽菜はその力で「世界の天気」を、そして帆高は手に入れた力で「犯罪を犯す」という代償を払う事となりましたが、その結果陽菜を救う事に成功しました。

代償を払い、世界は台無しにしてしまったけど、陽菜を救う事が出来たんだから「それでいい」じゃないか。世界がどうなろうと、君がいればそれでいい。全くもって自分勝手で我が儘極まりない、思春期特有の全能感に溢れた厨二展開ですが、そこには少年たちのただひたすらに必死で真っ直ぐな「愛」が確かに存在します。

新海監督は、世界よりも少女を迷わず選んでしまうような、愚かでがむしゃらで真っ直ぐな”青臭い青春”を描きたかったのではないでしょうか。

過去作『雲のむこう、約束の場所』でも同じように、主人公が「少女か世界、どちらか1つを選択しなければならない」という場面にぶち当たっていましたよね。新海監督が映画で表現したい事は、デビュー当時からずっと一貫しています。

そういえば、11月1日に日本公開されたDC映画『ジョーカー』でも同じように「銃」が引き金となって主人公の人生、そして世界を大きく変えていました。銃という小道具が「世界を変えてしまう力」のメタファーだったと考えてもう一度作品を見返してみると、また違った受け取り方をすることができるでしょう。

 

ネタバレあり!『天気の子』に隠された3つのメッセージ

【メッセージ①】帆高の家出に見る「自分に正直に生きること」

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

帆高の家出の理由については、映画の中ではっきり描かれていません。物語序盤とクライマックスで帆高の顔に絆創膏が貼られていることや、小説版で「父親に殴られた」と書かれていることから、家族関係がうまくいっていなかったのでしょう。しかし、それは家出の直接の理由ではないと新海誠監督は語っています。

新海監督はこの作品に「トラウマが動力となって進んでいくような物語にしたくない」という思いを込めていたそうです。また、「憧れのまま走り出し、そのまま遠いところまで駆け抜けていくような少年少女を描きたかった」とも語っています。

本編の中で、帆高が光を追いかけるシーンがあります。雨雲の隙間から差し込んだ太陽の光を追いかけ、帆高は必死で自転車を漕ぎますが、その光は海のずっと向こうへと行ってしまいます。離島での生活は帆高にとっては暗くて狭い世界であり、光が向かった先である東京が彼にとっては憧れの場所であり、家出というかたちで帆高は一歩を踏み出しました。

帆高が東京に来たばかりの頃大変な苦労をしたように、上手くいくことばかりではないかもしれません。しかし東京に来て、帆高は自分のやるべきことに気づきました。自分の気持ちに正直に生きることで、自分の存在意義を感じられたり、本当にやりたいことが見つけられるのかもしれませんね。

【メッセージ②】須賀の心情に見る「人生の優先順位」

身分証を持たない帆高を、須賀は迷うことなく雇いました。その理由を、夏美は「自分と似ていたので放っておけなかったのだろう」と言っていました。須賀は帆高と同じように家出して上京してきたと、公式ビジュアルブックで明かされています。

また、須賀は何年か前に妻の明日香を亡くしています。実は明日香も「天気の巫女」だったのではないか、という話がささやかれているのです。明日香は喘息持ちの娘のため人柱になりましたが、それに須賀は抗えず、結果妻を失って娘とも引き離されてしまいます。そのため、彼は帆高が陽菜を取り戻そうと警察署から逃げ出したことを聞いて涙を流しました。そしてあの廃ビルで帆高と対峙し、ただ陽菜に会いたいという一心で運命に抗う姿を目の当たりにして、ひどく動揺するのです。

妻の事情は噂にすぎませんが、彼女を亡くした後の須賀は、多くのことを諦めてしまっていました。それでも、帆高のただまっすぐに陽菜を想う気持ちに動かされて、最終的には陽菜のもとへ向かう帆高を庇います。3年後、東京に戻ってきた帆高が陽菜に会うことをためらっているのを見て、「早く行け」と後押ししたのは須賀だったのです。

大人になると、達観したつもりで仕方ないと諦めてしまうことも増えていきますが、人生の優先順位は自分で決めるのだということを、『天気の子』は教えようとしているのかもしれません。

【メッセージ③】狂った天気に見る「当たり前」

天気の子 ネタバレ出典:映画『天気の子』公式Twitter

須賀と夏美が「晴れ女」の取材で訪ねた神社の神主は、夏美が発した「異常気象」という言葉に異様なほど怒りを露わにします。天気とは天の気分であり、人間はただ仮住まいさせてもらっている身なのだと。晴れ女に依頼した人たちはみな「大切な日を晴れにしたい」と考えていましたが、それは人間のエゴでしかないのです。

陽菜が晴れ女をやめて雨が降り続いたあとも人間は順応し、何事もなく生活していました。ラストでは、雨の中でも人々は花見を楽しんでいるような表現もあります。

世界はこれまでも、人間や天気によって変わり続けてきました。陽菜や帆高が世界を変えてしまったというモノローグがありますが、そうではありません。これは自然の道理だったのです。当たり前だと思っていることも、見方を変えると違ったように見えるかもしれません。

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まとめ

映画『天気の子』のネタバレあらすじからひもとく「メッセージ」をご紹介しました。本編だけではなく、主題歌や挿入歌にもこだわりがあり、余すことなく楽しめる作品です。そのため、何度観ても心に染みわたります。

アニメーション作品という枠にとらわれず、現代社会に生きる若者から大人まで、すべての世代が楽しめる映画です。2019年9月27日からは4DXでの上映も開始し、ますます物語に入り込めるようになっています。この機会に、ぜひご覧になってくださいね!

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