全米が吐いた!?映画『テリファー』はB級テイストの鬼畜ホラー
「全米が吐いた!」
思わず二度見してしまうようなキャッチフレーズで注目を浴びたスプラッター・ホラー映画の『テリファー』。トラウマ必須の恐ろしきピエロが載ったポスタービジュアルはお目立ち度大。どんな物語なのか気になっている人も非常に多いそう。
けれども18歳未満鑑賞禁止、過激すぎて公式SNSでは注意喚起が促されるといったハードルの高さが何よりの懸念点でしょう。そこで今回は「観てみたいけど後悔したらどうしよう」と悩んでいる人たちのために!筆者がネタバレありでストーリーを徹底解説!
結論から申し上げますと、『テリファー』はグロいながらテイストが完全にB級なので“観られる人は観られる(と思う)”作品に仕上がっています。みどころなども併せてチェックすれば、本作を鑑賞する勇気が湧くかもしれません。
目次
映画『テリファー』について
き、極めて刺激の強い……
【R18+】
区分ですので
子どもは見ちゃダメです。#テリファー https://t.co/IZEr2uCRLS pic.twitter.com/QuKgwDQr9E— 『テリファー 終わらない惨劇』<映画🎬公式>【6.2(金)公開】🤡 (@terrifier_movie) May 11, 2023
『テリファー』は2016年に制作されたホラー映画。製作費はたったの10万ドルとアメリカ映画の中ではなかなかの低予算。日本では公開されることがなく、当時は作品そのものが話題になりませんでした。
なぜ今になってSNSで話題になったか?その理由は、続編『テリファー 終わらない惨劇』が2023年6月に日本へ上陸することがきっかけになったから。
第二弾の日本公開が2023年3月頃に発表され、SNS上では「全米が吐いた!」「失神者続出」のフレーズに吸い寄せられたユーザー多し(笑)スプラッター好きの期待度を上げるような公式からの“注意喚起”も、人々の興味関心を掻き立てる要素だったのでしょう。
瞬く間に作品名が知れ渡り、続編公開前に『テリファー』第一弾が急遽一部の映画館で限定公開へ!この勢いには驚いてしまいますね。監督を務めるのはデイミアン・レオーネ。キャラクター「Art the Clown(例のピエロのこと)」を生み出し、本作では監督、脚本、制作、編集全てを担当。
そして現在は『テリファー3』を製作中なんだとか……?期待の若手監督が手掛ける次回作を期待して待ちましょう。
10秒で分かる!映画『テリファー』の簡単なあらすじ
とあるテレビ番組のトークショー。
司会者が話を伺うのは1年前に起きた殺人事件、マイルズ大虐殺について。現れた被害者女性は顔の原型を留めておらず悲惨な姿になっています。
その女性は犯人であるピエロ・Art the Clown(デビッド・ハワード・ソーントン)が目の前で死亡したのを確認したそうですが、司会者曰く、彼の遺体は現在安置所から消えているとのこと……。
一方で、ハロウィンの夜を楽しく過ごしたタラ(ジェナ・カネル)とドーン(キャサリン・コーコラン)酔いながら夜道を歩いています。
酔い覚ましのために寄り道をしてから帰ることにしますが、その時タラはピエロの格好をした男性と目が合いました。タラが奇妙に感じていると、奴は2人は入ったダイナーへやってきます。
この時は誰も想像がつかなかったでしょう。ピエロとの出会いがハロウィンの夜を血に染め上げることになるなんて……。
映画『テリファー』のネタバレあらすじ
以下は映画『テリファー』のあらすじをネタバレありで解説していきます。過激な表現、核心に触れる部分がありますので未鑑賞の方や心臓の弱い方はご注意ください。
【あらすじ①】マイルズ大虐殺
あるテレビ番組のトークショーでは1年前に起きた殺人事件「マイルズ大虐殺」について触れていた。ゲストに当時の被害者女性の顔は原型を留めず、悲惨な状態になっている。
司会者のモニカ(ケイティ・マグワイア)がピエロの格好をした犯人Art the Clown(デビッド・ハワード・ソーントン)の遺体が安置所から消えた件を話すと
「彼が亡くなったのをこの目で確認した」と困惑する女性。
そんなテレビ放送を眺めながらピエロの衣装を纏い、化粧を施す一人の男性が。凶器の数々を用意して何やら怪しげな様子である。放映は無事に終了し、控室。モニカは電話口で視聴率を稼ぐために被害者女性を呼んだことを告白。彼女は自分の冠番組が欲しくて必死なのだ。
「私があんな顔になったら安楽死させてほしい」と批判していると、衣装ラックの奥から例の女性が登場。モニカの顔を滅茶苦茶に壊しながら死亡させるのだった。
【あらすじ②】ハロウィンの夜に出会った不気味なピエロ
ハロウィンパーティーの帰り、タラ(ジェナ・カネル)とドーン(キャサリン・コーコラン)は夜道を歩いていた。ドーンはかなり酔っぱらっており、呆れたタラが視線を外すと、そこに不気味なピエロメイクをした男性が立ち尽くしている。
大きな黒いゴミ袋を持ったピエロがすぐさま姿を消し、2人は酔い覚ましのためにダイナーへ。不気味に感じたタラに追い打ちをかけるべく、例のピエロはダイナーへ入ってきた。ずっとこちらを見つめているためとにかく気分が悪いタラ。
ドーンは彼女の言うことをきかず、全く喋らないピエロと2ショットを撮るなどやりたい放題。ダイナーの店主は注文もせず、挙句の果てにトイレを汚物まみれにしたピエロに大激怒。彼を無理やり追い出し、「もう大丈夫だから」と2人へ声をかけるがタラの不安は拭い去れない。
食事を終えて外へ出ると、なんと車がパンクさせられている。タラは先ほどの奴の仕業では?と推測するがドーンは何も気にしていない。このままでは家に帰れない、タラは電話で姉のヴィクトリア(サマンサ・スカフィディ)に助けを求めた。
【あらすじ③】惨劇の始まり
先ほどのダイナーではピエロの手により、店員、店主が次々と殺されていた。
ヴィクトリアの迎えを車内で待つ2人。タラはトイレに行きたくなり近くの建物へ。ドーンが1人になるとラジオのニュース速報が流れ、先ほどのダイナー事件が報道される。
容疑者の特徴を耳にし危険を察知するドーン。しかし時すでに遅し、横を向くとピエロが隣に座っていたのだ……。一方でトイレから出たタラは建物内で様子のおかしな女性と遭遇。女性は人形に“エミリー”と名付け我が子のように胸に抱いていた。
気味悪く感じて外に出ようとすると、遂にタラの前にもピエロが!追いかけっこ状態となりメスで攻撃されてしまうが、抵抗してその場を後にする。だが建物の外には出れていない。隠れつつも逃亡を図るが捕まり、意識を失った。
【あらすじ④】犠牲者続出、ピエロの残虐パーティー
目を覚ましたタラは椅子に縛り付けられ、口をふさがれた状態。タラを脅しかけたピエロは捕まえたドーンを逆さづりにし、股間からノコギリで真っ二つに引き裂いていく。
タラは自ら拘束をほどき逃げるが、ピエロは拳銃で応戦。弾丸は彼女の太ももに命中、次に腹、最後は顔とトドメを刺していく。けれども運よく銃弾は頬を貫通しており、タラは一命を取り留めた。
激しいバトルが繰り広げる中、ようやくヴィクトリアが到着。そのことに気づいたピエロは手元に合ったタラのスマホを使い、彼女をおびき寄せることに。遂に銃弾はタラの頭に命中。
その様子を見ていたあの人形を抱えた女性は驚き、建物内にいた害虫駆除業者の男性・マイク(マット・マカリスター)に事情を説明。助けを呼ぶも失敗に終わり、ピエロにやられてしまう。
女性は暴れまわるピエロをあやすかのようになだめた。ピエロもまた女性の胸に頭を預けている……。
一方で2人を未だ見つけられないヴィクトリアはドーンの死体を目にし、悲鳴を上げる。そこで余命いくばくかのタラと発見し、近くには絶滅寸前の人形の女性の姿が。ヴィクトリアもピエロに見つかり、次は2人が追いかけっこ状態へ。
【あらすじ⑤】トークショーの女性の正体は?
建物内から出られないヴィクトリアは絶体絶命のピンチに陥るが、マイクが助けを求めた上司・ウィル(マイケル・リーヴィ)のクラクションにより危険を回避。その代わりにウィルが犠牲となってしまうのだが……。
遂にタラも死を迎え、ヴィクトリアとピエロの戦いへ。まだ生き残っていたマイクが彼女を救出。通報し、このまま病院へ向かおうとするが扉には鍵が掛かっていて脱出ができない。
そうこうしているうちにピエロに見つかり、頭を潰されるマイク。混乱状態に陥ったヴィクトリアは決死の思いで扉を開け、ピエロに抵抗しながら外へ出た。
だが逃げようとした彼女はピエロが運転した車にはねられてしまう。まだ殺意をむき出しにするピエロを警察が取り囲むと、彼は拳銃で自殺。ヴィクトリアは一命を取り留めたが、奴に顔の一部を食べられてしまったため顔がひしゃげてしまった。
警察が一連の出来事を報告しているとピエロが蘇生。検視官の体は崩れ落ちていく……。悲惨な出来事から1年後、ヴィクトリアはようやく退院。医師から明日の取材を頑張るよう背中を押されている。
そう、冒頭のトークショーの被害者女性とは彼女のこと。そしてあの放映を目にしていたのは恐らく「ヤツ」。まだ惨劇が終わらぬ予兆がする中で、物語は幕を閉じるのだった。
映画『テリファー』の登場人物・キャスト
映画『テリファー』にはインパクト大のピエロと犠牲となる人々が多数登場。その中でも物語のメインであるArt the Clown(アート・ザ・クラウン)とタラ&ヴィクトリア姉妹を紹介します!
アート・ザ・クラウン/デビッド・ハワード・ソーントン
生まれながらのピエロ男なのか?と思いきや、冒頭で衣装とメイクを施すシーンが……。謎に包まれたアート・ザ・クラウン。今の時点で分かっているのは殺人衝動がとにかく半端ない、喋らない、蘇生能力がある(不死身?)ということ。
彼が残虐非道な殺人を繰り返す理由は、もしかすると続編で明らかになるかもしれません。アート・ザ・クラウンを演じるのは俳優のデビッド・ハワード・ソーントン。本作で一気に知名度を挙げ、次回作もピエロを続投中。
テレビシリーズの『Bupkis』もアート・ザ・クラウンを担当し、今後もこのキャラを筆頭に活躍し続けることでしょう。
タラ/ジェナ・カネル
惨劇の被害者となった美女のタラ。楽しかったはずのハロウィンパーティーの夜に彼と出くわさなければ、命を落とすこともなかったでしょう。
非常に勇敢でとにかく強い!攻撃を食らってもなかなか絶命しないのがびっくりポイント。激しい戦いの末に絶命し悲惨な最期を迎えました。
タラを演じるのは女優のジェナ・カネル。ホラー映画への出演が多く『テリファー』、『バイバイマン』で一躍有名になりました。2023年大注目の映画『レンフィールド』のキャロル役、そしてスタントパフォーマーとしても携わっていますよ!
ヴィクトリア/サマンサ・スカフィディ
ハロウィンの夜、急遽タラに呼び出されたヴィクトリアも事件に巻き込まれてしまいます。まさか彼女がトークショーのゲストとは、想像のナナメ上を行くオチでしたね!
ごくごく普通の人だったのに、事件後は司会者を殺すほどの凶暴な人物に。アート・ザ・クラウンに殺されると狂気や残虐性が乗り移るのでしょうか。続編ではどんな姿を見せるか楽しみです。
ヴィクトリアを演じるのはサマンサ・スカフィディ。本作で長編映画デビューを果たし、現在は『テリファー』三作目の出演も決定しています。
映画『テリファー』はどのくらいグロい?
「映画『テリファー』が気になっているけどスプラッターはダメ」、「グロ態勢はまぁまぁあるけど度を超えたのは無理」と、鑑賞したいけど勇気がない!といった層が非常に多いとのこと。
筆者もスプラッター映画はそこそこ観ていますが、本作はなかなかのイカレっぷり(笑)“怖いもの見たさ”だけで挑むと後悔する可能性が高いのでホラー、スプラッター、バイオレンス作品がある程度見慣れていないとキツく感じるでしょう。
「SAWシリーズ全部観られたからイケる?」と聞かれたのですが、グロ度はSAW3以降よりもさらにエグめに作られています。
「イテテッ」と思わず声に出しそうになる描写のオンパレードですから、鑑賞の際は心してかかるべき!
……まぁ、だいぶB級テイストでおマヌケチックな雰囲気も強い『テリファー』ですからね。B級でちょっとエグいスプラッターホラーと割り切れる人は、意外とすんなり受け入れられるかもしれません(笑)とは言え流石はR18、本来は見せられない部分までしっかりと画面に映してくるので油断は禁物です!
映画『テリファー』のココがいい!ポイント
『テリファー』はスプラッター描写ばかりがフォーカスされがちですが、実は他にもイイネ!を押したくなるポイントが満載です。超過激で取り扱い注意とも呼ぶべき本作が愛される理由について、探ってみました。
雰囲気は完全に古の映画!?良い意味での古臭さに旨味あり
映画『テリファー』は2016年の作品なのですが空気感は完全に80年代ホラー。ホラー好きからするとカメラワーク、BGM、舞台から“古の映画っぽさ”を強く感じるんですよね。
脅かし方もまた古風で、いると思ったらいる!というような王道っぷりがたまりません。最近はビックリ演出にも捻りがたくさん加えられている作品ばかりですから、原点に返ったような気分になるかも(笑)
2016年という新しさがあるのはグロ描写くらいでしょうか。敢えてこの時代に80年代を彷彿させる作りに不思議な旨味を覚えるかと思います。
B級ホラーのお約束を忘れない流れにキュン♡
B級ホラーにおけるド定番の要素と言えば
- 主人公がムダに強い
- ビッチキャラは早々に殺される
- それ必要?という謎のシーンがある
- それ必要?というキャラクターが出てくる(で、すぐ殺される)
- 明かされていない謎が残されたまま物語が終了する
など挙げたらキリがないのですが、『テリファー』は上記5つをしっかり守ってくれます!
- 主人公がムダに強い→なかなか死なない超人タラ
- ビッチキャラは早々に殺される→一番最初には死ななかったが案の定犠牲になったドーン
- それ必要?という謎のシーンがある→人形おばさんのシーンは必要だったのか……
- それ必要?というキャラクターが出てくる(で、すぐ殺される)→人形おばryや一瞬で死んだ上司のウィル
- 明かされていない謎が残されたまま物語が終了する→アート・ザ・クラウンの正体や事件後のヴィクトリアの凶暴性など
時間稼ぎか!?と疑いたくなるセリフも多いのでツッコミどころ満載。でもそこがB級好きにはたまらない……♡カチッとしてそうで結構おマヌケなところも、『テリファー』で楽しんでほしいポイントの一つです。
魅力的に思えるアート・ザ・クラウン!今後のホラー界を代表するアイコンに?
どこからどう見ても怖いアート・ザ・クラウンですが、一度見たら忘れないインパクトがありますよね。ホラー界の新生とも言える彼はアメリカのテレビシリーズ『Bupkis』にて1人で登場するなど、大きな注目を浴びているのだそう。
激しい残虐性だけではなく、ピエロそのものを彷彿させるパフォーマンスや一切言葉を発さないところなぜか三輪車に乗り回して楽しそうな様子を見せるところなど(笑)、想像もつかぬ動きに不思議な魅力を感じます。
『It』のペニーワイズのように今後はホラー界、そしてピエロ界を代表するアイコンになる可能性大。今のうちにアート・ザ・クラウンの活躍をしっかりと目に焼き付けておきましょう!
映画『テリファー』の続編『テリファー2 終わらない惨劇』は6月2日公開!
\公開まであと一か月/
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6/2(金)公開
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— 『テリファー 終わらない惨劇』<映画🎬公式>【6.2(金)公開】🤡 (@terrifier_movie) May 2, 2023
続編『テリファー2 終わらない惨劇』は2022年10月のハロウィンシーズンにアメリカで公開されました。今回、満を持して日本の映画館へ登場!2023年6月2日より待望のロードショーです。
忌まわしいあの事件から1年が経過。復活したアート・ザ・クラウンは再びハロウィンの夜を迎えます。残虐ショーのターゲットとなるのは父親を失った10代の姉弟、シエナとジョナサン。ピエロの手により街から1人、また1人と姿を消していくのでしょう……。
『テリファー』は本編が84分だったのに対し、『テリファー2 終わらない惨劇』はなんと139分の長編に!前作よりも内容が遥かにボリュームアップしているため、ゴア描写だけではなくストーリーにも注目したいところですね。
「鑑賞は自己責任で」という注意喚起が逆に興味をそそってしまう作品です。勇気と度胸がある方はぜひ、大スクリーンでアート・ザ・クラウンの暴れっぷりを堪能してほしいもの。そして『テリファー 3』も絶賛制作中とのことなので、シリーズのファンは続報を待ちましょう。
まとめ
何かと注目を集めている映画『テリファー』。決して万人ウケしませんが、“刺さる”層にはたまらないやり過ぎさが心地よいと感じるでしょう。いけるところまでいってしまうゴア描写。ここまで凄まじい映画、最近ではちょっぴり珍しいような気もします。
振り切った感じとアンバランスさを覚える古風な作り、そして肩透かしを食らうようなマヌケさのギャップで全て許せてしまう、不思議な作品です。
第一弾がハマッたのなら続けて続編を観に行けば、より『テリファー』シリーズの世界をとくと味わえるはず。興味のある方は是非ご鑑賞ください。