【アウトレイジ】最強に悪いヤツらの最強にシビれる名言集!
平成のヤクザ映画の決定版『アウトレイジ』。「全員悪人」のキャッチコピーを引っ提げ、2010年に第1作が公開され瞬く間に巷の話題をさらい、「全員悪人、完結」のキャッチコピーがついた続編『アウトレイジ ビヨンド』も第69回ヴェネツィア国際映画祭コンペティションを皮切りに好評を博しました。これで完結かと思いきや、さらに続いた『アウトレイジ最終章』も文句も出ない完成度の高さでした。『最終章』キャッチコピーは「全員暴走」。作品の激しさをよく表しています。
怒号と謀略と裏切りのとことんワイルドなヤクザの世界を描いた『アウトレイジ』シリーズにはタイトルの通り怒りに満ちた名言・名セリフがてんこ盛りです。『アウトレイジ』未体験のみなさんも本記事でご紹介する名言にふれれば、見たくなること間違いなしです。
目次
- 『アウトレイジ』のシビれる名言集!
- 【名言①】「てめえ、破門しといて遊びにくんのか、この野郎。ぶち殺すぞコラァ!」/大友(ビートたけし)
- 【名言②】「破門したり取り消したり、おまえの舌は何枚あるんだ、この野郎!」/大友(ビートたけし)
- 【名言③】「水野、おまえ隠れろ。1人ぐらい生きてねえとよ、結果わかんねえじゃねえか」/大友(ビートたけし)
- 【名言④】「相変わらず弱えなあ、おめえ。弱くてもヤクザにタカれるんだからよ。いいよな、警察は」/大友(ビートたけし)
- 【名言⑤】「ヤクザにも守んなきゃいけない道理があんだよ」/大友(ビートたけし)
- 【名言⑥】「俺らヤクザだってこと忘れてねえよな?」/石原(加瀬亮)
- 【名言⑦】「いくら古参の幹部でも、調子に乗ってると容赦しねえぞ、この野郎!」/石原(加瀬亮)
- 【名言⑧】「一度、人を裏切った奴は、何回でも裏切りよる」/布施(神山繁)
- 【名言⑨】「迷惑もハローワークもあるかい、ボケ!」/西野(西田敏行)
- 【名言⑩】「バカ野郎! この車、防弾じゃねえのか! 死んだらどうするんだコラァ」/野村(大杉漣)
- 【名言⑪】「いいかお前、誤解されるようなことするなよ。兄弟ってのも大事だけど、親子はもっと大事だからよ」/加藤(三浦友和)
- 【名言⑫】「なんかやったんですかって、俺たちが知るわけねえだろう。どうして死んだか調べるのがそっちの仕事だろうが」/加藤(三浦友和)
- 【名言⑬】「1人で来るわけないじゃないですか。今の時代、金より出世ですよ」/片岡(小日向文世)
- 【名言⑭】「そりゃ落ち目のヤクザさんでしょ」/片岡(小日向文世)
- 【名言⑮】「手ぶらですか? 先輩ならハジキくらい持ってくると思ってましたが。花菱の皆さん、中にお揃いですよ。持っていきますか?」/片岡(小日向文世)
- まとめ
『アウトレイジ』のシビれる名言集!
【名言①】「てめえ、破門しといて遊びにくんのか、この野郎。ぶち殺すぞコラァ!」/大友(ビートたけし)
『アウトレイジ』(第1作)から、主人公・大友(ビートたけし)のセリフです。巨大暴力団・山王会傘下には池元組があり、そのまた下部に大友組があります。大友はその組長。親分である池元の言いつけ通りに働いたというのに、その結果、大友は破門となってしまいます。
あまりに理屈に合わないし、破門されたからには上下関係ももはやありません。汚れ仕事を押しつけておいて破門、破門にしておいて大友組が仕切るカジノに顔を出す身勝手な池元(國村隼)に、大友もとうとう怒り出すのでした。
【名言②】「破門したり取り消したり、おまえの舌は何枚あるんだ、この野郎!」/大友(ビートたけし)
『アウトレイジ』から、これも大友のセリフです。貧乏くじとも言える損な役まわりをさせられて破門の憂き目を見た大友は、彼を散々な目に遭わせておきながら目の前に現れた池元に詰め寄ります。大友は池元組のさらに上にいる山王会会長の関内(北村総一朗)から池元を始末していいと許しを得ていました。
殺意を持って迫る大友に、この期に及んで「破門は取り消すよ」などと言い出した池元。これによってさらに怒りの火に油を注がれた大友は理不尽さに怒号を轟かせ、池本の舌を拳銃で撃ち抜いたのです。
【名言③】「水野、おまえ隠れろ。1人ぐらい生きてねえとよ、結果わかんねえじゃねえか」/大友(ビートたけし)
『アウトレイジ』終盤の大友のセリフです。大友が池元組組長を殺害したため、大友組を襲撃する池元組の残党。とうとう抗争に発展します。山王会会長が池元組若頭の小沢(杉本哲太)に親(親分=組長)の仇を取れとそそのかしたのです。
小沢らは1人、2人と大友組組員を殺害していき、大友を追い詰めていきます。ふたつの組が争い合いやがて大友組が壊滅していこうという時、大友が自分の組の若頭・水野(椎名桔平)にかけた言葉がこのセリフです。組と自分の最期を覚悟した大友がせめて部下にかけた情けが、大友組の滅びの時をさらに克明にしていくようです。
【名言④】「相変わらず弱えなあ、おめえ。弱くてもヤクザにタカれるんだからよ。いいよな、警察は」/大友(ビートたけし)
『アウトレイジ』から大友のセリフです。池元組の木村(中野秀雄)の手下を大友組の者が射殺してしまったため、大友は警察に逮捕されるのですが、担当のマル暴刑事・片岡(小日向文世)は大友のボクシング部の後輩でした。
不起訴にすることはあらかじめ決まっていましたが、ほかの刑事らの手前、片岡は大友を怒鳴りつけて激しい取り調べをしますが、刑事らの目がなくなると謝るのです。大友は片岡をボクシング式に何発も殴り、ボクシング部時代の彼を思い出しながら「相変わらず弱えなあ」と言うのです。
【名言⑤】「ヤクザにも守んなきゃいけない道理があんだよ」/大友(ビートたけし)
『アウトレイジ ビヨンド』からの大友のセリフです。前作『アウトレイジ』のラストを経て、意外な関係を結ぶ元池元組の木村と大友。ヤクザの権力闘争の中、互いに裏切り、騙し合い、殺し合う世界で、その中でも守らなければならないものがある、と木村との間柄について大友が言うのです。無法者には無法者なりの道理がある。『アウトレイジ』シリーズの中でも「最高にクール」と評判の高いセリフです。
【名言⑥】「俺らヤクザだってこと忘れてねえよな?」/石原(加瀬亮)
英語が得意な大友組の若手組員・石原(加瀬亮)は、とある国の在日大使を脅して大使館内に闇カジノを作らせました。その利益を吸い上げて大友組は稼ぎを増やしていきます。しかし大使は自分の取り分を増やしてほしいと交渉してくるのです。
大友組の金庫番である石原は一旦「考えておく」と話を引き取りますが、改めてこのセリフを口にするのです。ヤクザのやり口はヤクザなものだ、ということをたった一言で思い起こさせる迫力と冷酷さがこもった名言です。
【名言⑦】「いくら古参の幹部でも、調子に乗ってると容赦しねえぞ、この野郎!」/石原(加瀬亮)
『アウトレイジ ビヨンド』から、石原のセリフです。前作『アウトレイジ』では金庫番から闇カジノの管理を経て、ついには大友組を裏切って離脱、山王会若頭にまで上り詰めた石原。インテリながら部下や山王会の古参を低く見て怒鳴りつけることたびたびで、その分好かれていません。
そんな実質が伴わないまま居丈高になる石原ですが、山王会の新たな会長となった加藤(三浦友和)を追い落とそうとしていた古参幹部の一人・富田(中尾彬)が加藤の命令によって殺害されたことを受けて、加藤に不満を持つほかの古参幹部らに睨みを効かせます。そのときに言い放つのがこのセリフです。
【名言⑧】「一度、人を裏切った奴は、何回でも裏切りよる」/布施(神山繁)
『アウトレイジ ビヨンド』から登場する、関西を拠点とする巨大暴力団・花菱会の会長・布施(神山繁)のセリフです。政界に影響するほど強大になった山王会の勢力を削ぎ落とすため、片岡が策略でぶつけようとしたのが花菱会ですが、実は山王会と花菱会は片岡が仕組むよりも先に協力関係にあったのでした。
しかし、布施は山王会会長・加藤を呼び、加藤の過去を暴露したICレコーダーを差し出します。山王会の前会長を殺害したのは加藤であり、親(親分)殺しはヤクザの世界でも重罪です。そしてこの暴露は石原が仕組んだことだと明かし、この名言を口にします。劇中だけでなく現実にも言い得る、深みある名言です。これのセリフによって山王会の加藤・石原の2人体制にひびが入ります。
【名言⑨】「迷惑もハローワークもあるかい、ボケ!」/西野(西田敏行)
『アウトレイジ最終章』から、花菱会若頭・西野(西田敏行)のセリフです。前作『アウトレイジ ビヨンド』から登場する花菱会は会長が代替わりして、先代の布施の娘婿で元証券マンの野村(大杉漣)が跡目を継ぎましたが、西野は彼を快く思っていません。野村もまた、西野を邪魔に思っています。『最終章』はこの二者の争いを中心に展開していきます。
そんな訳ですから、西野の舌鋒も目立ちます。西野を演じる西田敏行はもともとアドリブが効く人で、どんどん台本にないセリフを入れ込んでくる俳優だと言います。北野武監督も西田のアドリブをカットするのが大変だったとインタビューに答えているほどです。カットされていく数々のアドリブの中で、このセリフは生きのこった秀逸な名言だったのです。
【名言⑩】「バカ野郎! この車、防弾じゃねえのか! 死んだらどうするんだコラァ」/野村(大杉漣)
『アウトレイジ最終章』から、花菱会会長・野村のセリフです。花菱会傘下の小者ヤクザが大物フィクサーに不始末を働いたことから若頭・西野が小者を連れて謝罪に行きます、フィクサー側は態度を硬化。この揉めごとを利用して野村は西野を失脚させようとチンピラを使ってフィクサーを襲います。
フィクサー自身はこれに対して何もしませんでしたが、側近の若者が独断で野村を襲撃。野村が乗る自動車の窓は粉々に砕けます。そのときの野村のセリフがこれです。言っている内容はその通りなのですが、どこかおかしみがあるとともに、もともと堅気の人間が無理に極道ぶろうとしているのが窺えるセリフです。
【名言⑪】「いいかお前、誤解されるようなことするなよ。兄弟ってのも大事だけど、親子はもっと大事だからよ」/加藤(三浦友和)
『アウトレイジ』から、山王会若頭・加藤(三浦友和)のセリフです。ヤクザの社会は縦社会。組織を「一家」と呼ぶこともあるように、「親子」「兄弟」という上下関係を持ち、その結びつきは絶対のもの。その中で山王会に属さない村瀬組と結びついて「横のつながり」を重視している山王会傘下の池元組組長を戒めて言ったのです。
しかしこの後、加藤は自分の「親」である山王会会長・布施に銃を向け、会長の座を奪うという非道に走ることになります。このセリフは目下の者に対する指導であると同時に、加藤自身の未来を示唆する伏線でもあったのです。
【名言⑫】「なんかやったんですかって、俺たちが知るわけねえだろう。どうして死んだか調べるのがそっちの仕事だろうが」/加藤(三浦友和)
『アウトレイジ ビヨンド』から、加藤のセリフです。前作『アウトレイジ』では山王会若頭だった加藤は最後に会長の座に就きました。『ビヨンド』は加藤が会長となった山王会の物語です。前作のラストで昇進して担当を離れたマル暴刑事・片岡の後任・山本(貴山侑哉)が殺害され、再任された片岡は山王会に赴きます。
そこで片岡が山本殺害の理由を加藤に尋ねるのです。それをあしらったのが加藤のこのセリフ。正論と言えば正論です。しらばっくれた訳ですが、堂々とした貫禄あるしらばっくれ方です。
【名言⑬】「1人で来るわけないじゃないですか。今の時代、金より出世ですよ」/片岡(小日向文世)
『アウトレイジ』(第1作)から、片岡のセリフです。村瀬組と池元組の密な関係をよしとしなかった山王会、山王会の命令を大友に都合よくまる投げした池元、池元に利用された大友。その運命の流れは大友に組長を殺害された池元組残党による「大友狩り」に発展しました。
何とか逃げ延びた大友ですが、もはやこれまでとかつての後輩でマル暴刑事の片岡に助けを求めます。いざ片岡を前にすると強がりを口にしてしまったりもしましたが、片岡の説得で自ら彼に逮捕されました。警察の保護下に入れば安全です。
しかし、片岡は大友と会うために1人で現れたのではなく、大勢の警察官を従えて来ていたのでした。片岡は大友を助けるためではなく、大友を逮捕して出世するために現れたのです。片岡のしたたかさがよくわかる名言です。
【名言⑭】「そりゃ落ち目のヤクザさんでしょ」/片岡(小日向文世)
これも『アウトレイジ』(第1作)からの片岡のセリフです。池元組の残党の襲撃に遭い、壊滅の一途をたどる大友組。追い詰められていく大友に片岡が「消される前に警察に逃げ込んだ方がいいんじゃないですか」と勧めますが、大友は「誰に向かってしゃべってるんだ」と激高。これに対して片岡が答えたのがこの名言です。
大友は強がりましたが、このときの彼はまさにこのセリフで表されるものでしかありません。この直後、片岡は大友の顔面に拳を浴びせます。片岡なりの、大友を守るための説得だったのです。
【名言⑮】「手ぶらですか? 先輩ならハジキくらい持ってくると思ってましたが。花菱の皆さん、中にお揃いですよ。持っていきますか?」/片岡(小日向文世)
『アウトレイジ ビヨンド』終盤の、したたかな片岡のセリフです。片岡はヤクザの世界に入り組んだ謀略を張り巡らせ、加藤の殺害容疑を木村にかけることで加藤の部下に木村を殺害させ、木村殺害は木村に破門された大友が行ったかのように工作しました。しかし木村と大友は兄弟の盃を交わした間柄です。
大友は片岡に呼び出され木村の葬儀に線香を上げに現れます。葬儀には山王会幹部、早美歯科医の西野らが参列しています。丸腰の大友に片岡はこのセリフを述べて銃を渡すのです。大友は何も知らない訳ではありませんでした。拳銃を受け取り、その手で片岡を撃ちます。策士策におぼれると言いましょうか、己れの策謀に足許をすくわれた片岡の最期でした。
まとめ
『アウトレイジ』シリーズ3作から15の名言を選んでご覧頂きました。迫力あるもの、味わいがあるもの、笑いがこみ上げるもの、いろいろありますが、このいずれもがそれぞれの作品のカラーとなっている欠かせないものです。未見の方は作中でこれらの名言をぜひ味わってください。既にご覧の方には再度ご覧頂けば、さらに深く味わって頂けることでしょう!