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映画『TENET テネット』の実力者揃いなキャストと撮影裏話を紹介!

ひとっとび編集長

 

SF映画の巨匠、クリストファー・ノーラン監督が3年ぶりに手がけた『TENET テネット』。新型コロナウイルスの影響で公開が10ヶ月延期され、日本では2020年9月13日に公開を果たしました。

『メメント』や『インセプション』、『インターステラー』のように、ノーランが手がけるSF映画はどれも難解で、一度観ただけでは理解できないほど。そんな過去作よりもはるかに難しく、”ノーラン史上最も難しい”と言われているのがこの『テネット』なのです。

この記事では、『TENET テネット』に登場する魅力的なキャストたちを紹介していきます!

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【ネタバレなし】『TENET テネット』のあらすじ

映画『TENET テネット』予告編

ウクライナにある満席のオペラ会場で突然、テロが勃発。罪のない観客を救うため特殊部隊が突入し、無事大量虐殺を防ぐことに成功するのだが、部隊の一員である名も無き男(ジョン・デイビット・ワシントン)はテロ組織に捕らえられてしまう。

拷問の末、毒薬が入ったカプセルを飲み込んだ名も無き男。しかしそのカプセルは鎮静剤とすり替えられており、彼は気がつくと船の上にいた。そこにいたフィンという男からテストに合格したことを告げられ、あるミッションを告げられる。

それは、未来からやってくる敵の脅威から世界を守るというものだった。どうやら未来では人やモノが自由に移動できる「時間の逆行」が可能な装置が開発され、第三次世界大戦が勃発する危険性があるのだという。

名も無き男は無事ミッションをクリアすることができるのか、そしてその先に待っているものとはーー。

『TENET テネット』の魅力的なキャストを紹介!

本作が大ヒットした大きな要因の1つとして挙げられるのは間違いなく、魅力的なキャスト陣でしょう。極力CGを使わないことに重点を置いた本作では、大迫力のアクションシーンや銃撃戦、水上のシーンなど、役者それぞれが体を張った演技に圧倒されます。

ここからは、『テネット』に登場したキャストたちを紹介していきます!

名も無き男/ジョン・デヴィッド・ワシントン

© 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

CIAエージェントで、優れた頭脳と身体能力の持ち主。突如、第三次世界大戦の勃発から世界を守るという任務を与えられます。

名も無き男を演じたジョン・デヴィット・ワシントンは、アメリカ・ロサンゼルス出身の俳優。1984年7月28日生まれで、『テネット』公開時点では35歳。父親にオスカー俳優のデンゼル・ワシントンを持ち、子役として『マルコムX』などにも出演経験を持っています。

学生時代は演技を離れますが、アメリカンフットボールの特待生として学費の全額免除を受けるほど優秀だったのだとか。プロのアメフト選手として活躍しますが、怪我を経て2015年に引退した後は役者としての道を歩み始めます。

2018年には、『マルコムX』でも監督を務めたスパイク・リーによる映画『ブラック・クランズマン』で主役に抜擢。黒人としてアメリカで初めて警察官になった男を演じ、数々の賞を獲得、アカデミー作品賞も受賞しました。その演技で一躍名を広め、『TENET テネット』の主演を努めることとなったのです。

ノーランは当初、『テネット』の主演俳優は「スクリーンに目を釘付けにさせる俳優」を探していたのだとか。そして『ブラック・クランズマン』のワールドプレミアに訪れた際、ジョン・デヴィッド・ワシントンが持つ天性のカリスマ性に惹かれ、「最強の主役になれると確信した」らしいですよ。

次回作には、新型コロナウイルスによるロックダウン中に撮影されたNetflixオリジナル映画の『マルコム&マリー』が公開されました。今後も次々と主演作が決まりそうな勢いですね!

ニール/ロバート・パティンソン

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も無き男とミッションを成功させるため、共に世界を旅する相棒的存在のニール。名も無き男と同様に高い知識と身体能力を誇り、ミッションの成功へと導く非常に信頼性のある人物でもあります。

ニール役を演じたのは、イギリス出身の俳優、ロバート・パティンソン。モデルの事務所で働く母親を持ち、幼少期から芸能活動をしていました。デビュー作は2004年に公開されたテレビ映画『ニーベルングの指環』。その後、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でセドリック役を演じてブレイクし、2008年から5作に渡って公開された『トワイライト』シリーズでは全作で主人公の恋人役であるエドワード・カレン役を演じました。

今となってはハリウッド俳優の中でも出演料がトップレベルというパティンソンは、2021年公開の『バットマン』主役に大抜擢。ノーランが監督を務め、バッドマン役をクリスチャン・ベールが演じた前3作のバッドマンシリーズからどのような変化が見られるのか、非常に楽しみです。

キャット/エリザベス・デビッキ

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キャットは一児の母であり、ロシア人の大富豪セイターの妻。イギリスの貴族階級生まれで美術品の鑑定士をしていますが、偽造品を売ってしまったことがセイターにバレ、彼に逆らえなくなってしまいます。名も無き男から接触されーー。

そんな悲劇のヒロイン的存在を演じたのは女優のエリザベス・デビッキ。192cmという高身長を生かし、本作では華麗な飛び込みを始めとした体を張ったアクションで、観客を魅了しています!

ポールランド人の父とオーストラリア人の母の元、フランスで生まれ、5歳からオーストラリアに移住。両親がどちらもバレーダンサーだったこともあり、6歳の頃からバレーを始めます。高校を首席で卒業し、名門・メルボルン大学に入学。その後は演劇を学び、2013年に『華麗なるギャッツビー』でジョーダン・ベイカー役でブレイク。その後は『コードネーム U.N.C.L.E.』や『ロスト・マネー 偽りの報酬』などに出演しています。

次回作はNetflixオリジナルドラマ『ザ・クラウン』でダイアナ妃を演じることが決まっています。

セスター/ケネス・ブラナー

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武器商人として金を儲けるロシア人の大富豪であり、妻を心身ともに支配する冷酷な人物。時間の逆行を利用して過去と現在を行き来し、人類滅亡を企てる彼の真の目的は一体何なのでしょうか。

セスターを演じたのは、イギリス人俳優のケネス・ブラナー。幼い頃から演劇を学んでおり、23歳の時にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加。その後は自ら演劇の会社を設立し世界各国で公演を行うなど、舞台を中心に活躍の場を広げています。監督や脚本を担当することも多々あり、非常に多才な役者さんです。

1989年に公開された『ヘンリー5世』では主演と監督を務め、アカデミー賞にノミネートされました。その後は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でギルデロイ・ロックハート役、『オリエント急行殺人事件』のエルキュール・ポアロ役など、非常に演技の幅が広いのが特徴です。ノーラン監督作の『ダンケルク』にも出演しているので、今後もノーラン監督との共演が期待できますね!

マヒア/ヒメーシュ・パテル

テネット マヒア

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名も無き男とニールと共に、ミッションに参加するエージェントの1人。飛行機の操縦を得意としています。

マヒアを演じたヒメーシュ・パテルは、イギリス生まれの32歳。イギリBBCのTVシリーズ「イーストエンダーズ(原題)」でブレイクし、『イエスタディ』で映画初主演に大抜擢。「もし自分以外ビートルズを知らなかったら?」というユニークな設定と彼の歌唱力が人気を呼びました。

プリヤ/ディンプル・カパディア

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時間を逆行する黒幕と仲介をしているサンジェイ・シンの妻。しかし主人公たちがシンの家に侵入し話をすると、実際に裏で取引していたのはプリヤだということが判明します。その後は主人公に情報を提供し、指示を出すテネットのトップとして協力します。

プリヤを演じたのは、インド人女優のディンプル・カパディア。主にインド映画で活躍しており、14歳の頃に出演したいミュージカル映画『ボビー』で名を広めました。『ボビー』はインド国内最高興行収入を叩き出すほどのヒットを記録しており、現在も多くの人から愛される作品です。

結婚を機に一度は演技から離れたものの、現在は復帰しているようですね。

アイヴス/アーロン・テイラー=ジョンソン

プリヤが指揮する私設部隊のリーダーとして、主人公たちに協力します。おそらくプリヤと同じか、それよりもテネットについて熟知している人物でもあります。

男らしく、威厳を持って部隊を導くアイヴスを演じたのは、イギリス人俳優のアーロン・テイラー=ジョンソン。イングランドのバッキンガムシャー出身で、10歳の頃から演劇を始めています。

『アンナ・カレーニナ』や『キャプテン・アメリカ』などに出演し、「ノクターナル・アニマルズ』ではゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得しました。

マイケル・クロスビー卿/マイケル・ケイン

イギリス情報部に精通しており、名も無き男にセイターの情報を与える人物

出番は少ないですが、観客にインパクトを与えたマイケル・クロスビー卿を演じたのは、イギリス出身のベテラン俳優、マイケル・ケイン。ノーラン作品には『バッドマン』以降7本に参加しているため、ノーランにとって唯一無二の俳優といえるでしょう。

長年の活躍が評価され、2000年にはSirの称号を受けています。

知られざる『TENET テネット』の撮影裏話

逆行シーンまで!?ほとんどCGなし、リアルすぎる撮影方法


映画『TENET テネット』公式Twitter

ノーラン監督は、ほとんどCGを使わずに”リアル”を追求する監督として知られており、もちろん本作も例外ではありません。本作は世界7カ国を巡って撮影し、制作費用として2億ドル以上費やすという大規模な作品となりました。ノーラン監督が「普通のラブコメ映画よりも(CGシーンが)少ない」と言っている通りのこだわりっぷりが伝わってきます。

とはいえ、本作で一番の醍醐味といえば、「時間の逆行」。まるで逆再生しているような動きが多く見られますが、実はこのシーンもほとんど全てCGなしで撮影されているのだから驚きです。キャスト陣は身体作りはもちろん、アクションシーンの作り方から学びました。さすがにそこまで基本的な部分から役作りを行うのは、スタントチームですら初めての経験だったのだとか。

さらに、非常に人口密度が高いエストニアにある高速道路8kmを3週間もの間封鎖してカーチェイスの撮影をしたり、本物の大型ジェット機を爆破させたりと、規模の大きさにも脱帽です。

キャット役は当初、候補にも上がっていなかった!?

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キャット役を探していた当初、ノーラン監督は「年上の、イギリス人らしいいわゆる”英国美女”」を探していたと監督自身が明かしています。セイターはキャットよりかなり年上に見えますので、無理もないかもしれません。

ノーラン監督が『テネット』の制作前からキャット役のエリザベス・デビッキに注目していたのは事実ですが、彼女のことをアメリカ人だと勘違いしていました。そこでノーランの妻であるエマ・トーマスが訂正し、ノーラン監督は『華麗なるギャッツビー』や『ロスト・マネー』などを見返し、彼女の演技力の高さと演技の振り幅の広さに驚いたんだとか。

一流の役者でも、生まれた時からの喋り方やアクセントを変えるのはかなり難しいと言われています。そんな中、クリストファー・ノーランという名監督でも騙されるほどなのですから、相当な演技力の持ち主であることは間違いありませんね!

名も無き男が着ているスーツはブルックス・ブラザーズのものではない!?

本作で名も無き男とニールは、ほとんどのアクションシーンをスーツ姿でこなしています。「時間の逆行」という設定を除くと、スパイ映画の金字塔『007』シリーズを思い出した方も多いのではないでしょうか?

それもそのはず、ノーラン監督は『007』シリーズに強い憧れを抱いており、本作も少なからず『007』シリーズへのオマージュが入っていることは間違い無いでしょう。特に『007 私を愛したスパイ』(1977)がお気に入りらしいですよ。

劇中ではマイケル・クロスビー卿が名も無き男に対して「億万長者を名乗るなら、ブルックスブラザーズのスーツじゃだめだ」と言い、ブラックカードを手渡すシーンがあります。劇中にほとんど笑いを取り入れないノーラン監督にとっては珍しいシーンとも言えるでしょう。(ちなみにブルックス・ブラザーズは主に紳士服を手掛けるアメリカ発祥のブランドで、安値で買えるわけではありません、、。)

しかし、スタイリストのジェフリー・カーランドによると、そのシーンで名も無き男が着ていたスーツはブルックスブラザーズのものではなかったというのです!スーツを着たままド派手なアクションシーンに挑むので、さすがに既製品だと限界があるためでしょうか。カーランドによると、本作に登場するスーツは全てオーダーメイドだそうですよ。

クロスビー卿と会った時のスーツと、その直後、キャットと会うシーンで着ているシルバーのスーツを比較すると、初心者でもスーツの質が上がったことが分かります。

© 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

ちなみに、カーランドがノーラン作品でスタイリストを担当するのは、『インセプション』と『ダンケルク』に続く3回目。その他にも、『コラテラル』や『ミッション・イン・ポッシブル/フォールアウト』など、名作映画のコスチュームを担当しています。

まとめ

難解映画で知られるクリストファー・ノーラン監督3年ぶりの新作映画ということもあり、さらに脚本の複雑さが増している本作。その難しさはキャストでさえも理解に苦しみ、何回も脚本を読み直していたんだとか。

1度目よりも2度目、2度目よりも3度目が面白くなる本作を、ぜひ劇場でお楽しみください!

監督·脚本·製作:クリストファー·ノーラン 

製作:エマ·トーマス 製作総指揮:トーマス·ヘイスリップ

出演:ジョン·デイビッド·ワシントン、ロバート·パティンソン、エリザベス·デビッキ、ディンプル·カパディア、アーロン·テイラー=ジョンソン、クレマンス·ポエジー、マイケル·ケイン、ケネス·ブラナー

配給:ワーナー·ブラザース映画

オフィシャルサイト:http://tenet-movie.jp

オフィシャルTwitterhttps://twitter.com/TENETJP

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