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【英語付き】映画『トレインスポッティング』シリーズの名言・名セリフ20個を厳選!

たかなし亜妖

薬物に溺れる若者たちとその葛藤を描く『トレインスポッティング』、そして仲間を裏切ったレントンらの20年後の物語『T2 トレインスポッティング』。ストーリーだけでなく芸術性の高い映像や独特の世界観に引き込まれる人多数!印象に残るセリフも多く、よくある青春映画からはかけ離れた個性が魅力の一つです。

薬物や犯罪を辞められない若者たち、そしてバラバラになった20年後はどんな言葉を口にしているのか……。ぐっと心に染みる名言たちを厳選してご紹介しますので、ぜひお楽しみください!

⬇︎未鑑賞の方・見直したい方はこちら⬇︎

トレインスポッティング ドーン 映画『トレインスポッティング』のあらすじをネタバレ解説!映画に潜む社会的なテーマとは?

目次

『トレインスポッティング』のあらすじ

出典:映画『Movieclips Classic Trailers』予告編

レントン(ユアン・マクレガー)を含む仲間たちはヘロイン漬けの生活を送っていた。中には薬物をやらない者もいたが、犯罪に手を染めるなど自堕落な日々を延々と過ごしている。「このままではダメだ」と彼は何度も”禁ヤク”を試みるのだが、幾度となく失敗。他の仲間達も物事がうまくいかなければヘロインを再開し、結局振り出しに戻るのだった。

そんな中、仲間内の赤ん坊が薬物の影響で死亡してしまう。更にはレントンとスパッド(ユエン・ブレムナー)は警察に捕まってしまい、スパッドだけが実刑を受ける羽目に。今度こそヘロイン断ちをして人生の更生をはかるレントンだが、依存からの脱却は難しい。そして仲間のトミー(ケヴィン・マクキッド)はエイズにかかっていることが発覚してしまう……。

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『トレインスポッティング』の心に染みる名言集


出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

本作はただ若者が薬物に溺れ続けるストーリーではありません。そこには様々な葛藤や迷い、不安、絶望が溢れんばかりに詰め込まれているのです。不器用ながらも前に進んでいくレントンの姿を見ていると複雑な気持ちを抱えてしまうかも?けれどもそれは「失望」ではなく「応援」に似た、目が離せないものとなっていますよ。

地の底を這う彼らだからこそ紡ぎだせる言葉を感じてみてください。

【名言①】「豊かな人生なんて興味ない」(01:56~)

「I chose not to choose life. I chose something else.」

映画が始まるとイメージシーンの数々が流れ、膝から崩れ落ちるレントン……。冒頭から衝撃的な映像に驚いてしまった人も多いのではないでしょうか?この一言で彼が人生に絶望し、心が枯渇していることが容易に分かります。仰向けになって倒れる彼と、殺風景な部屋の中というシチュエーション。よりセリフの意味を強調しているように思えてしまいますね。

“普通”や”一般的”から明らかに外れた道を進んでいるため、自暴自棄になっていると言えるでしょう。短い一言ですが、彼の心の底を代弁する重みのある言葉です。

たかなし亜妖

倒れたレントンからは何か寂しげな雰囲気を感じます。それに加えてこの言葉、「この先どんな話になるの?」と不安になってしまうこと間違いなし。

【名言②】「理由か?ヘロインだけがある」(01:58~)

「Who needs reasons when you’ve got heroin?」

「豊かな人生なんて興味ない」の後に続くセリフがコレ。「ヘロインだけがあるからオールオッケー」といった、思考回路がショートしたような発言です……。しかし何度もヘロイン断ちをしているため、きっと彼の本心ではないのでしょう。薬物に手を出し、浮ついた頭だからこそ飛び出る言葉とも言えます。きっと辞められないことに嫌気がさして、全てがどうでも良くなっているのです。

けれども視聴者からすればかなりイカれた人物の発言と思ってしまうはず。娯楽のないレントンはどっぷりと薬物に依存し、現実逃避を繰り返しているのでした。

トビくまくん

最初は「まぁただのジャンキーだからなぁ……」と思ってしまうセリフですが、レントンの葛藤を見届けていくうちにこの言葉の鋭さが分かるはず!

【名言③】「でもとことんクスリをやればすべて他人事」(04:06~)

「And all the fresh air in the world won’t make any fucking difference!」

トレインスポッティング 修道士
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

冒頭はしばらくレントンのナレーションが続き、仲間同士でヘロインを打ち合う様子が映し出されています。それぞれが薬に溺れて恍惚の表情を浮かべる恐ろしいシーン。そこへこのセリフが流れるため、狭い空間には「異常」の二文字がぴったりです。ほとんどの人が同じことを思うかもしれませんが、筆者もこのシーンを観た時は何とも言えない気持ちになってしまいました……。

「ヘロインさえあればいい」そんな心の声の意見が一致したような言葉ですね。「薬物に溺れる」ことをとてもリアルに描いているので、ゾッとしたような感覚にさえ襲われてしまいます。

最初は「まぁただのジャンキーだからなぁ……」と思ってしまうセリフですが、レントンの葛藤を見届けていくうちにこの言葉の鋭さが分かるはず!

たかなし亜妖

最初のシーンはヘロイン!ヘロイン!ヘロイン!のオンパレード(笑)冒頭から怪し気な雰囲気満載で、ジャンキーになった若者がとにかくリアル。俳優さん達の演技力も要チェックです。

【名言④】「人は一度得た成功を失うと――一生取り戻せない」(12:11~)

「At one time, you’ve got it, and then you lose it, and it’s gone forever.」

ヘロイン断ちを行ったレントンと絡みながら、シック・ボーイがポツリと言ったセリフ。成功したはいいものの、それを失えばその反動が大きいということ。確かに成功→失敗すれば失意の底に落ちてしまうのも仕方がないような気もします。ただし一生を取り戻せないかは人によると思いますが……。何度も薬物依存に成功⇔失敗するレントンを見れば、その考えになるのも少し分かってしまうような。

彼らが薬物に陥った経緯は描かれていませんが、もしかするとシック・ボーイはこのような経験が引き金となってヘロインに手を出したのかもしれません。

たかなし亜妖

人生に絶望し、何もないからこそ薬物に逃げる。若者たちの心の弱さが垣間見える、そんな名言です。

【名言⑤】「ベグビーはクスリ中毒じゃない。その代わりケンカ中毒だ」(19:13~)

「Begbie didn’t do drug either. He just did people. That’s what he got off on; his own sensory addiction.」

トレインスポッティング ベグビー
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

レントンのナレーションにて、ベグビーの紹介が入ります。そう、仲間内で針を回し合いしている時も彼の姿はありませんでした。唯一ヘロインに手を出していない人物ですが、その代わり(?)最も気性が荒くクレイジーな性格をしているのです。薬物をやっているメンバーよりも遥かに凶暴で、全く悪びれがない部分がベグビーの怖いところ。

彼はレントンを「おいジャンキー」と小馬鹿にしたような言い方をします。けれどもベグビーもまた、別の”ジャンキー”なのでした……。若者5人のどうしようもなさは、このナレーションにてよ~く分かるはずです。

たかなし亜妖

唯一薬をやっていないベグビーですが、彼もまた別のものに依存しているのですね。

【名言⑥】「俺の人生には何かが欠けている」(20:11~)

「I realized that something important was missing from my life.」

退屈で憂鬱な日々を過ごすレントンは、ヘロインをやっていようが、クスリ断ちをしようが、いつも心に穴が空いています。親友のシック・ボーイと一緒にいたところで何かが満たされるわけでもない……そう思った時のナレーションがこちら。穴をこれ以上広げないように、彼はまた薬物に手を染めてしまうのです。

物語の前半は薬物依存→やめる→逆戻り、を繰り返しているので、人生に全く面白味を見出していないことがビシビシと伝わってくることでしょう。レントンのナレーションでは時折吐き出せない本音が混じっており、それを聞くたびに胸が締め付けられるような気持ちになりますね。

たかなし亜妖

何度も何度もクスリ断ちをするレントンが言うからこそ、このセリフを聞くと心が痛くなってしまうはず。「彼の心の隙間は何なのだろう」と、つい考えてしまいますね。でも皆さんもこのような気持ちになることがあるのではないでしょうか?

【名言⑦】「この時俺たち3人は――健全な選択としてヘロインの再開を決めた」(34:13~)

「We made a healthy informed democratic decision to get back on heroin as soon as possible.」

トレインスポッティング ヘロイン
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

彼女にフラれたトミーに付き合ったレントン、シック・ボーイ、スパッド。遠方へ行こうが、自然を感じようが、青空の下で酒を飲もうが、彼らの退屈な日々に変化が訪れるものではありません。そして3人は結局「健全な選択」として、ヘロインの使用を再開してしまうのでした……。

このナレーションはレントンが語っているものの、誰が「やろう」と言い出したのかは分かりません。もしかすると”暗黙の了解”のように、自然とクスリに手が伸びていたのかも……。そしてこれをきっかけに、トミーまでヘロインにハマってしまう。負の連鎖は終わらない、そんなことを示唆する一言です。

たかなし亜妖

何が「健全な選択?」と思ってしまいますが、彼らはヘロインしか救いがないという負の連鎖に胸が痛みます……。

【名言⑧】「赤ん坊と同時に――その日彼の中の何かが死んだ」(41:23~)

「Something inside of Sick Boy was lost and never returned.」

ヘロイン中毒の仲間として、女性のアリソンというキャラクターが登場しています。彼女は中毒者ながら子供を持っており、いつもクスリを楽しむ場所には赤ん坊が歩き回っているのでした。

しかし赤ん坊のドーンが突然の急死。仲間たちは父親が誰かも分からないまま悲しみますが、実はシック・ボーイの子供だったのです。レントンは泣きながら訴える彼を見て、苦しみを忘れるべくクスリを作り始めたとか。その時のナレーションであり、シック・ボーイの何かが崩れ去ってしまいました。

この出来事をきっかけにヘロインをまたも再開してしまう若者たち。彼らは痛みや苦しみ、辛さを逃れる方法を薬物以外知らないのです……。

たかなし亜妖

何度も薬物へ逃げる彼らには、呆れを通り越して絶望さえ覚えてしまいます…汗

【名言⑨】「家族や友達に囲まれてるのに――これほどの孤独もなかった」(44:46~)

「Here I was surrounded by my family and my so-called mates and I’ve never felt so alone. 」

トレインスポッティング ロンドン
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

薬物治療後、ダイアンの勧めによってロンドンへと移住したレントン。職も住処も手に入れ、ヘロイン断ちは成功したのですが毎日の生活が退屈であることには変わりません。友達も、何度薬物を繰り返しても受け止めてくれる家族さえいるのに、レントンはいつまでも孤独を感じてしまいます。

友達と言えど、自分以外は犯罪者であるか、薬物中毒者のまま。彼には本当の心の拠り所がないのです。周りに人はいるけれど常に寂しい……これほど悲しいことがあるでしょうか?

たかなし亜妖

彼の満たされない気持ちは環境に原因があるのでは?しかしそれを手放せない弱さや寂しさが垣間見える、そんなセリフです。

【名言⑩】「楽しみだ あんたと同じ人生さ」(1:29:57~)

「I’m looking forward to already. I’m gonna be just like you.」

トレインスポッティング オチ
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

薬物の取引で手に入れたギャランディを全て盗み、消えたレントン。大きな袋を持ちながら颯爽と歩く姿は、とても爽やかなものがありますね。そして笑顔を浮かべながら、このセリフを唱えるのです。

この場合の「あんた」が誰を指すかは明らかになっていませんが、きっと本作を観ている「一般的な」視聴者に向けてのメッセージでしょう。薬物や犯罪に染まった黒の世界から足を洗い、新たな人生の一歩を踏み出すレントンの力強い一言。決して盗みや裏切りが良いとは言えませんが、彼なりの脱却方法で、遂に太陽の下へ出てくることができたのです。

たかなし亜妖

最後のレントンの笑顔&このセリフを聞いてほっとした方も多いはず!物語のラストを締めくくる印象的なセリフですね。
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『T2 トレインスポッティング』のあらすじ

出典:映画『T2 トレインポッティング』予告編

仲間を裏切り、金を持ち逃げしてから早20年。レントンは逃亡先のオランダから、生まれ育った地・エディンバラへ再び足を踏み入れていた。かつてギャランディの分け前を渡したスパッド、犯罪を犯しながら生計を立てるシック・ボーイ、そして逮捕されたままのベグビー……。レントン以外は見事に悲惨な生活を変わらずに送っている。

だがレントン自身も秘密があり、理由があってこのエディンバラへ戻ってきたのだ。裏切った仲間の前に姿を現し、シック・ボーイと共に一獲千金を狙うが……。

『T2 トレインスポッティング』の心に染みる名言集

T2 トレインスポッティング 20年後
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

薬物中毒から抜け出し第二の人生を歩むレントンに、エディンバラで燻る元・仲間たち……。もう若者ではありませんが、結局まだ苦しみの中でもがいているのです。歳を取ったからこその迷い、悩み、不安が生々しく、第一作とは別の形で心に突き刺さることでしょう。そしてレントンが戻ってきた理由を知れば、より考えさせられるものがあるかもしれません。

あの地獄のような日々から20年。46歳になった彼らからどんなセリフが飛び出すのでしょうか?『トレインスポッティング』をご覧になってからお楽しみください。

【名言①】「ヘロインは親友。俺の唯一のダチだ」(06:26~)

「Best friend. Actually, only friend which never left us.」

エディンバラに留まるスパッドは麻薬更生施設にて、このような発言をしています。20年前の彼はヘロインが辞められず、地を這うような生活を繰り返していました。現在の彼は更生施設にいるものの、奥さんや子供から逃げられ、孤独を味わう羽目に……。そしてかつてつるんでいた仲間も、側にいないのです。だからこそヘロインが親友のように感じてしまい、「たった一人の友達」と錯覚してしまうのでしょう。

あれだけつるんでいたのに、仲間を親友と呼べない辛さ。そして薬物しか頼りどころのないスパッドの人生は物悲しく、見ているとやるせない感情でいっぱいになってしまいますね。

たかなし亜妖

レントンやシック・ボーイ、トミーやベグビーでもなく、親友はクスリ。薬物は人間関係でさえボロボロにしてしまうことを示したセリフでもありますよ。

【名言②】「20年一生懸命頑張ったけど失敗ばかりだったよ また笑顔に会いたいよ」(15:13~)

スパッドはなかなかヘロインが辞められないことから、妻に逃げられてしまいました。そこで遺書には上記の言葉を残し、自殺を図ります。

決して腐った性格をしておらず、レントンが最後に情けをかけた唯一の人物がスパッド。どこか気弱で自身がなさげだからこそ薬に溺れてしまったのでしょう。20年もの間もがき続けたのですが、その結果手に入れたのは”孤独”でしかなかったのです。「また笑顔に会いたいよ」の一言が失望に満ち溢れていて、彼に同情してしまいそう……。

たかなし亜妖

不器用ながらに前へ進もうとしたスパッドのセリフにジーンときてしまう。薬物がもたらした代償は本当に大きいのですね……。

【名言③】「お前の血は――今も俺の血管を流れてる」(31:18~)

「Your blood runs in my veins now, Mark.」

T2 トレインスポッティング 親友
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

エディンバラへ戻ったレントンに、シック・ボーイが投げかけたセリフです。二人は親友であり、仲間内でも一番仲が良かったのだとか。第一作でも一緒にいる姿が描かれており、よく一本の針で注射を回し打ちしていたそうです……。

ついた血液はヘロインを注入するたびに、お互いの体を行き来している――。そのことをシック・ボーイは言いたいのでしょう。

たかなし亜妖

お互いの血が交じり合っている以上、純白にはなれない。シック・ボーイのそんな声がひっそりと聞こえてきそうです。

【名言④】「なんてミジメな46歳だ 帰るべき家も家庭もない 心を許せる奴もいない」(35:15~)

「I’m 46 and I’m fucked. I’ve got no home. I’ve got nowhere to think of as a home. I don’t really know anyone.」

レントンがエディンバラへ戻った理由は、奥さんとうまくいっていなかったから。離婚が成立してしまい、子供もいないためにレントンはシック・ボーイの元を訪れ、このセリフを荒々しく吐き捨てるのでした。全てから足を洗っていたはずなのに、結局彼は過ちを犯した土地へ帰ってきてしまったのです。

スパッド同様、孤独を感じるレントンは過去の親友の前で「心を許せる奴もいない」と主張。更にはその後「お前とは古い”知り合い”で……」と続きますが、シック・ボーイは「親友だ」とすぐに否定。スパッドとレントンが特に寂しさを感じる理由は、この「友情」の概念が違っていたからなのかも……?

たかなし亜妖

レントンの逆戻りに視聴者もガッカリしてしまうはず。幸先が悪いことを誰しもが予感できますね…

【名言⑤】「二人ともダメね 過去に生きてる。過去は忘れ去るもの。2人は昔話ばかり」(46:28~)

T2 トレインスポッティング ベロニカ 目的
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

再会後のレントンとシック・ボーイは裏切りなどなかったことのようにはしゃぎ、騒ぎ、語り合います。しかし二人を見たビジネス・パートナーのベロニカはバッサリとこう言い放ったのでした。

確かに20年前から時間が止まっているからこそ、レントンのように前進しても戻るか、ミスを冒してもシック・ボーイのように再度金儲けで企むか、と同じことしか繰り返していないのです。それが「過去に生きてる」にぴったりと当てはまる行動と言えますよね。

たかなし亜妖

ずっと過去から抜け出せないことが「完全に変わり切れない」原因かも?ベロニカは度々鋭いことを言うキャラで、言動にはハッとさせられることばかりですよ!

【名言⑥】「彼女、若すぎるわよ」(55:31~)

「She’s too young for you.」

シック・ボーイに頼まれ、相談しに行った女性弁護士がレントンに向かって言ったセリフ。「ベロニカはまだ若すぎるから、変なことに巻き込んだらダメ」といった意味を孕んだ重みのある一言です。

年齢は明かされていませんが、彼女は恐らく20代。かつてヤンチャ騒ぎをしていた彼らと、似たような歳なのです。だからこそ弁護士は大人になったレントンに注意喚起をしたのですね。

たかなし亜妖

わざわざこれを言うためだけにレントンを引き留めた弁護士さん。たった一言ですが、その重さが凄まじいですね。

【名言⑦】「少しずつ死んでた心は空っぽの抜け殻になってる」(1:02:53~)

 「〜a piece of you dies with them until you can see that one day in the future, piece by piece, they will all be gone and there’ll be nothing left of you to call alive or dead.」

人生の不条理さについて、レントンがベロニカに熱く語ったセリフ。一般社会で生きていると少しずつ心が死んでいき、気づいたころには空っぽになってしまっているという考え方をしています。確かに現代社会でも世の中に心を蝕まれてしまうことは多々あるはず。それを彼なりに説明し、体験を元に編み出した言葉なのでしょう。

たかなし亜妖

どこか偏った考えがあるような、でもある意味正解なような、不思議な持論をレントンは持っています。それがまた、我々が引き込まれる魅力なのです。

【名言⑧】「”俺も同じ運命かも”」(1:10:01~)

「”The chances are that a hi’ll be exactly the same.”」

T2 トレインスポッティング 墓参り
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

トミーのお墓参りに向かい、その際にスパッドが書いた小説のなかの一文がコレ。“同じ運命”とはすなわち死を意味しています。

最初はヘロインに手を染めておらず、元気だったトミー。ですが薬物に溺れ、エイズを発症した後は絵にかいたような転落人生を迎えてしまいました。彼を見て「同じ運命を辿るかもしれない」と危機を覚えたスパッドの本音。とは言えレントンもシック・ボーイも、その可能性は大いにあるんですけどね……。

たかなし亜妖

明日は我が身と実感したスパッドの気持ちがよく現れたセリフです。ちなみに英語はスパッドが書いた文面を抜き出しているので、成立していない英語になっています。

【名言⑨】「友達は新しい盗み先だ」(1:30:45~)

「 Friends was just one more class of victim. 」

レントンがベロニカに自分の過去をさらけ出す際に発した言葉。店や会社などあらゆるところから常に盗みを働いていたため、友達は新たな盗み先でしかなかったと語っています。先ほど【名言④】で解説しましたが、やはりレントンには仲間意識というのがちょっぴり薄かったようですね。でなければこんな言葉は、口から飛び出しません。

たかなし亜妖

なかなかインパクトのある残酷なセリフ。この考えがあるからこそお金を盗み、仲間を裏切れたのでしょうね。

【名言⑩】「俺がガキの頃は選択肢なんてなかった しっかり生きろよ」(1:36:41~)

「See, it’s difficult for me, ‘cause… We never had any of that when I was a boy. 」

T2 トレインスポッティング ベグビー
出典:映画『トレインスポッティング』公式Facebook

あの凶悪・凶暴なベグビーが真っ当な道を進む息子に対し、最後に伝えた言葉。まさかあの暴君がこんな優しいセリフを言うなんて……!と驚いてしまった人も多いのでは?選択肢もなく、ただ暴力や犯罪に明け暮れていた彼が言うからこそ、非常に説得力が強いですよね。

この言葉を最後にケジメを付けに行くベグビー、ちょっぴりカッコよさを覚えてしまいます。

たかなし亜妖

ああ、彼も父親だったのか……ベグビーの成長が伺えるセリフです。

まとめ

二作品同時に名言集をお届けしましたが、心に刺さるセリフはありましたか?

セリフの言い回しも独特であるものが多いのですが、どれも深読みすれば考えさせられるものばかり。名言を噛みしめながら繰り返し鑑賞するのも楽しいですよ。

『トレインスポッティング』と『トレインスポッティング T2』のテーマは共通して、ドラッグに依存してしまった物たちの苦悩と、周囲との関係性。一見ドラッグを使ったことのない人たちにとっては共感できない事柄が多いですが、意外と深い名言がたくさんあるのも本作が人気な秘密かもしれません!

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この記事を書いた人
たかなし亜妖
たかなし亜妖

フリーライター&シナリオライターの映画好きサブカル女子。ライター歴は一年半くらいでまだまだひよっこ。 「感動よりも恐怖を、お涙よりもスリルを!」を基準に映画を選ぶ人。ホラー、スリラーサスペンス、鬱になりそうな作品が特に好き。でもハッピーな気分になれる海外ドラマも好き。キャラクターものもアニメも好き。要するにかなりの雑食です。