映画『娼年』のあらすじネタバレ解説|松坂桃李の大胆な濡れ場シーンなど見どころも解説!

ひとっとび編集長

 

過激な描写と美しきエロス、そして松坂桃李が濡れ場に挑戦していることで話題を呼んだ映画『娼年』。成人指定作品の強みを活かしながら、凡庸な大学生が生きる希望を見出していくというストーリー。

タブーに触れるような深みのある題材だけでなく、キャスト陣の体当たりの演技にも注目したいところ。性を売り物にした“娼年”による葛藤、世間の目、自分自身の成長などが丁寧に映し出されています。決して女性が観ていて嫌悪感のある性的描写ではないので、芸術的な画についつい引き込まれてしまうのも魅力のひとつでしょう。

娼婦となった青年は果たして、どのような結末を迎えるのでしょうか?あなたも覗いたことがない、めくるめく官能の世界をお楽しみくださいませ。

本記事はネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意くださいね!

 

映画『娼年』について

映画  娼年

原作は石田衣良さんによる長編小説で、第126回直木賞の候補作となりました。惜しくも大賞は逃してしまいましたが、美しきエロティックな描写と、女性の心の奥を突いたストーリーには定評がありました。

2016年には舞台化され、包み隠さない激しい濡れ場を堂々と披露した演出が大きな話題となります。全席が即日完売と伝説のヒットを記録し、冷めない支持によってスクリーン公開へと漕ぎつけたのだそう。キャスト陣の全力の芝居には、誰しもが心を奪われました。ちなみに舞台監督は三浦大輔さん、主演は松坂桃李さんと、三浦×松坂コンビは映画版でも健在です。

三浦大輔さんは映画監督だけでなく劇作家や演出家としても活躍しており、性に関するテーマを得意としています。『激情』や『愛の渦』が有名作品であり、2022年には『そして僕は途方に暮れる』の公開が予定されています。

10秒で分かる!映画『娼年』の簡単なあらすじ

Happinet phantom公式YouTubeチャンネル

大学生の森中領(松坂桃李)は、毎日に飽き飽きしていた。生活も、女性とのセックスも楽しくは感じない。名門大学へ通うも週に1回程度しか顔を出さず、バーテンダーのアルバイトをしながら変わらぬ日々を過ごしている。

ある日バイト先へ元同級生・現ホストのシンヤ(小柳友)が客の御堂静香(真飛聖)と来店する。静香の正体は会員制ボーイズクラブ「Le Club Passion(ル・クラブ・パッション)」のオーナーで、ひょんなことから領はキャストとして働き始めることに。

「女性なんてつまらない」と吐き捨てる領は、彼女との出会いにより娼夫として生まれ変わる。戸惑いながらも女性の欲望や願望、隠している悩みを受け止めることで仕事のやりがいを見出していくが……。

映画『娼年』のネタバレあらすじ

【あらすじ①】「女性なんてつまらない」

娼年 領
映画『娼年』公式Twitter

名門大学へ通いながらも、つまらぬ日々を過ごす森中領(松坂桃李)。大して興味の相手と寝ては、翌日自己嫌悪に陥っていた。大学へまともに行かず、夜はバーでアルバイト。代わりにとってもらったノートは同級生の恵(桜井ユキ)に任せっきりだ。

そんなある日のこと。中学時代の同級生であり、現在はホストクラブで働くシンヤが客を連れて来店した。美しく物静かな女性の名前は御堂静香(真飛聖)。

シンヤはお調子者で精一杯彼女をもてなすが、領はあまりその雰囲気にさえのれない。挙句の果てにはポツリと「女なんてつまらないよ」という言葉まで吐いてしまった。

ほどなくして去っていく2人。片づけをしているとコースターの下から、静香の名刺が出てきたことに気付く。裏には「仕事が終わるころ、お店の下で待っています」と書かれていた……。

 

【あらすじ②】青年は娼夫となる

娼年
映画『娼年』公式サイト

店の下で静香と合流した領。彼女は車の中で話し、セックスについて尋ねることに。

しかし領からの回答は「セックスなんて手順の決まった退屈な運動ですよ」とのこと。

その一言を聞き逃さなかった静香は、「じゃあそれが本当にそうなのかを証明して」と彼を自宅へ連れていくこととなった。

いざセックスか――と思えば相手は静香でなく、耳の聞こえない1人の少女・咲良(冨手麻妙)。「あなたのセックスを試してみて。私はここで見てる」と言われ、仕方なく流されるままに行為は始まった。

コトが終わると、静香が差し出してきたのは5,000円札1枚。その上から咲良がプラスで1枚5,000円を追加した。「ギリギリ合格」との言葉を投げられるも、理解ができぬ領。

御堂静香は会員制ボーイズクラブ「Le Club Passion(ル・クラブ・パッション)」のオーナーを務め、このセックスはボーイとして働くための試験だったらしい。最後のお金は彼につけられた“値段”ということ。

クラブの最低利用料金は1万円、だからこそ「ギリギリ合格」なのである。誘われて戸惑う領だが、彼自身も退屈な日々には飽き飽きしていた。僅かな希望の光を見つけ出すかのごとく、凡庸な大学生は娼夫へ転身するのだった。

 

【あらすじ③】様々な女性との出会い

娼年
映画『娼年』公式サイト

 

まず最初に紹介されたのは美しくしとやかな女性、ヒロミ(大谷麻衣)。とてもコールボーイを呼ぶようには見えない女性で、領は少々呆気に取られてしまう。しかし初めての仕事は大成功を納め、それが彼を変えるきっかけとなっていく。

クラブの会員は特別な性癖を持っていたり、セックスレスに悩んでいたり、時には夫婦でプレイを楽しんだり……。非日常とも呼べる世界だが、それぞれの根底には人に言えない悩み、羞恥などが根底に潜んでいたのだった。

のっけから欲望を露わにする女性などおらず、領は心に寄り添いながら彼女らの願いを叶えていくことに。最初は戸惑いを隠しきれなかったものの、会員たちの「ありがとう」を受け取るたびにやりがいを覚えていく。

そして遂にある夫婦から特別ボーナスが贈呈された。クラブでボーナスの贈呈は昇格の文字とイコールになる……。最低料金だった娼夫から、なんと領はVIPクラスに昇り詰めることができたのだ!

ナンバーワンのイケメン・アズマ(猪塚健太)と肩を並べるほどの人気となり、更に様々な女性を紹介されることとなる。

 

【あらすじ④】昼の世界と夜の世界

娼年
映画『娼年』公式Twitter

アズマはVIPクラスと言えど、客のほとんどは金持ちの変態。彼自身も体を傷つけられて喜ぶマゾヒストだったのだ。傷だらけの体を見せつけられて驚く領だが、彼の性癖を真剣に受け止める。

するとアズマは「話を聞いてくれたお礼がしたい」と、突如奉仕し始めた。初めての男同士の行為。まだまだ知らない世界があると、領は驚きを隠せないでいる――。

仕事は順調にいっていたものの、シンヤが恵にクラブの仕事をバラしてしまった。「汚い」と罵倒する恵、「お前は“普通”に生きられるはずなのに、なぜそんな仕事をするんだ」と詰めるシンヤ。唯一保っていた昼の繋がりが、ここで絶たれてしまうのだった。

領はこの世界に引き込んでくれた静香へ、淡い恋心を抱いていた。仕事の順調な彼へ「何でも願いを叶えてあげる」と言う静香に対し、勢いで彼女を抱こうとしてしまう。けれども「あなたとは寝れない」と断られ、タイミングよく新たな仕事が舞い込んでくる羽目に。

【あらすじ⑤】静香の秘密とその後

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映画『娼年』公式Twitter

複雑な感情に追い打ちをかけるべく、次の客はなんと恵。元々領を好いていたため、自暴自棄になって彼を買ってしまったのだ。“仕事”をキッチリこなす領を前にして、行為が終わると恵は泣き出す。もう、元には戻れないのだから。

「いつでもバーに来て。恵はいつだってタダだから」と声を掛け、彼女の元を去る領。

迎えに来た車の中で静香は、昔自分が娼婦として働いていたこと、咲良が自分の娘なこと、そしてエイズに感染している事実を明かす。病気のことを知った咲良は、自ら店を手伝いたいと志願したそうだ。

静香は領のことを好いているものの、行為には及べない。領は彼女の心境を汲み取り、「オレがどれだけ成長したか見てください」と再度試験を受けることに。もちろん相手は咲良だが、男として成長した彼のセックスは見違えるものとなっていた。これにより、静香との心が繋がったも同然だ――。

しかしこの出来事の後に事件は起きた。クラブが摘発され営業停止に、静香は逮捕されてしまったのである。

路頭に迷う領と咲良だが、娼夫は自分を変えた仕事。一念発起した領、咲良、アズマはクラブを再開し、そこには再び生き生きと働く領の姿があった。

 

映画『娼年』のキャスト

森中領/松坂桃李

娼年
映画『娼年』公式Twitter
毎日をつまらなく過ごす名門大学生の領。気怠い雰囲気を纏い、序盤は死んだ目をしているのがとても印象的でしたね。「Le Club Passion(ル・クラブ・パッション)」で働き始めてからは相手の心に寄り添い、新たな世界を発見することで人として、そして男性として成長していきます。

凡庸な大学生から一歩、また一歩と進んでいく姿には感動さえ覚えてしまうもの。少年、いや青年から立派な『娼年』へと移り変わる様子をしっかりと見届けましょう。

主演を務めるのは大人気イケメン俳優松坂桃李さん。大胆な濡れ場を披露し、多くの女性がキュンとときめいてしまったことでしょう!主に俳優業がメインですが、時に声優や吹き替えもこなす多才な俳優です。

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御堂静香/真飛聖

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映画『娼年』公式サイト

上品な雰囲気と美しきルックス、まさにクラブのオーナーといった人物ですよね。彼女の落ち着きとセクシーさはどんな男性でも惹かれてしまうのではないでしょうか?女手ひとつで子供を育て、店を経営するたくましさを持っています。

エイズに感染し、逮捕された静香はどうなってしまうのか……。後述しますが、小説版では彼女のその後が描かれているんです。

静香を演じるのは元・宝塚歌劇団花組トップスターの真飛聖さん。2011年に退団後は女優として活動をスタートさせます。『あなたの番です』や『ミッドナイトスワン』といった有名作品に次々と出演していますよ。

御堂咲良/冨手麻妙

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映画『娼年』公式サイト

ハンディキャップを背負いながら母・静香の店を手伝う咲良。体を張って母を支える力強さは、静香譲りなのかもしれませんね。領に好意を抱いているので、彼女を見ているとちょっぴり複雑な感情になってしまいます……。

静香が逮捕された後に、クラブの続行を決意。母の代わりとなって動き続けるのでした。

咲良を演じるのは元AKB48研究生の冨手麻妙さん。体当たりの演技が魅力的で、園子温監督の『アンチポルノ』や『全裸監督』にも出演。今大注目の女優さんと言えるでしょう。

 

白崎恵/桜井ユキ

世の中の“一般論”だけで現すなら、昼の世界の典型的な人物である恵。領のことを好いていて代わりにノートを取ってあげるなど、世話焼きな一面も見せます。足しげくバーに通い、好意を露わにしているのがよく分かりましたよね。

好きだからこそ、娼夫の仕事を理解できずに自暴自棄になってしまいます。プロとしてのセックスを体験し、涙する姿には筆者も酷い悲しみを覚えてしまいました。そして原作でも、意外なキーパーソンとなるキャラクターです。

恵を演じるのは女優の桜井ユキさん。『リアル鬼ごっこ』や『イチケイのカラス』など、主に映画やテレビドラマで活躍しています。

映画『娼年』の見どころをご紹介!

娼年

①領の変化に注目

本作で最も注目してほしい部分は、やはり領の変化と成長です。松坂桃李さんの演技がとても素晴らしいので市が、序盤と後半では目・顔つきが別人のようではありませんか?

無精ヒゲに気怠そうな雰囲気が何とも言えず、あまり清潔感を感じられないですよね(苦笑)まさに全てが面倒臭い、そんなニオイがプンプンします。

クラブで働くことによって見た目も徐々に進化、ラストでは惚れ惚れしてしまうようなイケメンへと成長していました。少しずつ変わっていく様子を描くのがとても丁寧であり、観賞するなら絶対に欠かせないポイントです。

 

②個性派キャラクターから学ぶ「多様な形」

性の世界は終わりがなく、間違いも正解もありません。作中ではセックレスといったオーソドックスな悩みを持つ女性から、アズマのようなニッチな嗜好を持つ男性まで、様々なキャラクターが登場します。

観ていて驚いてしまうかもしれませんが、決して彼らは“間違った”ことをしているのではないのでしょう。心の底からそれが「好き」「気持ちいい」と思い、多様な性の形が映像で映し出されています。

誰しもが人に言えない秘めた願望を持ちながら生きている。シーンが移り変わるたびに、『娼年』から、人間の生きざまを深く感じられることは間違いありません。

 

③娼夫になった葛藤と生きる喜び

「性を売り物にする娼夫」といった難しき題材。正直なところ水商売といった夜の世界は、今なお偏見にまみれています。自らが売り物といった感覚が理解できず、それを「汚い」という言葉で片付けてしまう人も多いことでしょう。その立派な例が、恵の存在だと思います。

確かに自分がこのような仕事をしていなければ、なかなか理解には苦しむもの。特に領は名門大学生であり、シンヤの言う通りに選択肢がたくさん散りばめられていたタイプでした。「もうこれしかない」ではなく、自ら進んだことがより非難を浴びる原因となってしまったのですね。

領本人も引き下がるか、進むかでとても悩んだことでしょう。否定されることの多い職業ですが、それでも彼は誇りを持って仕事をこなしていくのです。その葛藤と働くことによって得られる喜びが、どこか私たちの心に沁みます。

何かを得るには何かを失う、本作はそんなことも教えてくれるような気がしました。

 

原作の『娼年』と『逝年』、『爽年』について

娼年 小説
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石田衣良さん原作の『娼年』ですが、続編に『逝年』があり、最終章が『爽年』にあたります。全て漫画化もされているので、本を読むのが苦手な方でもシリーズの世界観に触れることができるでしょう。

『逝年』と『爽年』の内容をちょっぴり解説!

第一作目の『娼年』はクラブが摘発→再開したところでエンディングを迎えました。

静香より「いつかまたクラブを再開してほしい」との手紙があり、3人の力でお店を再スタートする部分は映画版とほぼ同じですね。ただし原作では通報者についての言及があり、その犯人は恵だったとか……。衝撃のラストを迎えたまま、『逝年』へと続きます。

引き続き娼夫として働く彼らの元へ、遂に静香が帰ってくることに!けれどもエイズ発症のことから、彼女は余命1年となっていました。彼女への想いは変わらない領、果たして2人は結ばれるのでしょうか?

そして最終章となる『爽年』では、領の7年後を描いています。変わらずクラブで働き、まさに娼夫は天職と言えるのでしょう。過去に出てきた女性客も登場し、全てが順風満帆に思えるほどです。

しかしここでもまた衝撃の出来事が発生します。共に働いていた仲間の危機、一体どんな結末になるのでしょうか?

奥が深い世界だからこそ、何が“本当”で“正解”なのかは誰にも分かりません。映画を観て『娼年』のトリコになってしまったそこのあなた!ぜひこの機会に原作にも触れてみてください。

まとめ

過激な濡れ場で話題となった作品ですが、最大の見どころはセックスシーンではありません。

セックスを通じて人の心に寄り添い、それぞれが言えない願望を抱きながら生きている、そんな人間の様に注目しながら鑑賞してみてください。成人指定作品に抵抗を抱いている方も、『娼年』、そしてめくるめく性の世界へ触れることで、今までの考えがガラリと変わるかもしれません。

キャスト陣の演技にも心を惹きつけられ、観終わった後には十分な満足感が得られるはず。画の見せ方も非常に美しいので、人恋しい夜やふと寂しくなった時にぜひご覧ください。

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