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映画『愛がなんだ』のあらすじネタバレ|本作で描かれる”幸せ”とは一体…?

里咲

 

映画『愛がなんだ』は、2013年に角田光代さんが発行した同名小説を映画化したものです。10代〜30代と若い女性を中心にSNSなどクチコミで人気が広がり、ロングランヒットを記録しました。

この映画の登場人物は皆が一方通行の恋愛をしているのが特徴。自分は相手のことが好きなのに、相手は他の人のことが好き、という切ない恋愛に女性たちの共感が集まっているように、私たちの人生で実際にありそうな恋愛模様をリアルに描きます。

そして、「追いケチャップ」なる成田凌さんのアドリブ演技も話題になりましたね。

この記事ではそんな映画『愛がなんだ』のあらすじや登場人物について紹介していきます。ネタバレを含みますのでまだ観てない方はご注意くださいね!!

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映画『愛がなんだ』について

愛がなんだ
出典:映画『愛がなんだ』公式Twitter

原作『愛がなんだ』は直木賞作家角田光代さんのみずみずしくも濃密な恋愛模様を描いた片思い小説です。『知らない、ふたり』『パンとバスと2度目のハツコイ』で知られる今泉力哉監督が手掛け、映画化が成功しました。

一人の平凡なOLが好きになってしまったのは自分のことが好きではない男。恋人ではなくましてや両想いでもないけど一線を超えてしまった2人の恋愛模様を描きました。

葉子、ナカハラ、すみれと周りの人たちももどかしい恋愛をしています。彼らの関係は現実にありそうなほどリアルで、もどかしくて、切なくて。

でも、どうしようもなく好きなんです。この映画には恋の難しさ、楽しさ全てが詰まっているように思います。愛とは何なのか、幸せとは何なのか、様々なことを考えさせられる作品です。

物語の中心となるテルコとマモルを岸井ゆきのさんと成田凌さんが演じます。ベッドシーンやお風呂シーンなどいちゃつくシーンが多いので、思わずニヤニヤしてしまう場面も。難しい距離感を見事に演出する2人の演技にも注目です!

 

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10秒で分かる!映画『愛がなんだ』の簡単なあらすじ
出典:エレファントハウス公式YouTubeチャンネル

28歳OLのテルコ(岸井ゆきの)は一方通行の恋に落ちました。背が高くて猫背のマモル(成田凌)に出会ったのです。

マモルに一目ぼれしてから、テルコの世界はマモル一色に染まり始めます。いつどこでもマモルが最優先で、電話一本ですぐ駆けつけたり、会社を欠勤したり。友達の助言も耳に入れませんでした。

仕事を失っても、友達から冷ややかな目で見られても、とにかくマモルのことだけを考える毎日を送っていました。大好きだし、一緒にいれるだけでとても幸せだったのです。

しかし、そんなテルコの思いとは反対に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がありませんでした。マモルにとってテルコはいつでも駆けつけてくれる単なる都合のいい女でしかなかったのです。ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまい…。

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映画『愛がなんだ』のネタバレあらすじ

【あらすじ①】始まり

愛がなんだ
出典:IMDb

「風邪をひいた、もし会社にいるなら何か買ってきてほしい」と頼まれたテルコ(岸井ゆきの)。本当は家にいるのに今から帰るふりをしてマモルの元へ行った。

マモルの家でご飯を作り、掃除もしようとするテルコに「そろそろ帰って」とマモル(成田凌)は言い放った。

マモルの家を追い出され、友達の葉子(深川麻衣)の家に向かったテルコ。そんな男はやめといたほうがいいと葉子に言われるも、全く耳に聞き入れないのだった。

【あらすじ②】2人の出会い

愛がなんだ
出典:IMDb

誰でもない平凡な29歳、OLのテルコ。特に良いこともない平凡な毎日を過ごしていた。

そんなテルコに突然訪れたのは恋だった。数か月前、葉子に誘われた飲み会でマモルに出会ったのだ。2人は場に馴染めない同士ですぐに意気投合した。

毎週金曜はマモルから連絡が来る日。テルコはマモルからの連絡を待ち、仕事も手につかなくなっていた。

その日、マモルから連絡があって2人はご飯に行くことに。朝方まで飲み、マモルの誘いで2人はタクシーでマモルの家に行って一線を超えてしまった。

翌日、2人は動物園で象を眺めていた。仕事やめるかもしれないと話すテルコに、マモルは今の仕事をやめたら象の飼育員になる、と言うのであった。

【あらすじ③】好きに理由は必要ない

愛がなんだ
出典:IMDb

テルコは葉子と恋バナをしていた。人を好きになるのに理由なんてある?と話すテルコ。恋愛運が下がったら嫌だから次の仕事は考えないと話すのであった。そんなテルコのことが葉子は気がかりだった。

そんな中、テルコのマモルへの気持ちはさらに加速していき、今まで以上にマモルのことしか考えられなくなり、世話を焼くようになってしまう。

ある日、勝手にタンスの中が整理されていることに気づいたマモルは態度が明らかに変わってしまう。翌日、いつもならゆっくり朝の支度をする2人だが、マモルはテルコを急かし、先に歩いて行ってしまうのだった。

テルコは会社をクビになり追い出された。居場所がなくなってもさらにマモルの世話を焼こうとする。それと対照的に、マモルの態度は変わっていきどんどんと冷たくなった。

ついに完全に連絡が取れなくなってしまう。元々マモルを良い風に思っていなかった葉子にこれで良かったのだと言われ、テルコはようやく現実を見ることができ、テルコは再出発すべく就職活動を始めるのだった。

【あらすじ④】マモルが好きな人

愛がなんだ
出典:映画『愛がなんだ』公式Twitter

しばらく月日が流れたある日、テルコの元に再びマモルから連絡があった。これまで忘れようと努力していた事がなかったかのように、テルコはとても喜んでマモルの元に向かってしまう。

しかし、マモルはすみれ(江口のりこ)という女性の隣に座っていた。そこにはテルコには見せない楽しそうなマモルの姿があり、マモルが今好きなのは隣にいるすみれだということを感じとる。

そしてテルコはいつの間にか「テルちゃん」ではなく「山田さん」と呼ばれるようになっていた。

テルコはマモルの気持ちに気がついていた。すみれはマモルよりも年上でヘビースモーカー、テルコとは正反対ではっきり物を言うし大雑把な性格。なんでマモルはこんな女の事が好きなんだろうと、納得できない気持ちのテルコだが、テルコはなぜかすみれに気に入られてしまい、また呼ばれるようになる。

でもすみれはマモルのことが好きではない。自暴自棄になったマモルに迫られ、再びテルコとマモルは共に夜を過ごした。

ある日、テルコとマモルとすみれとナカハラ(若葉竜也)の4人でキャンプに行った。ここでテルコはすみれのマモルへの気持ちを知ることになる。

【あらすじ⑤】2人の恋の行方は

愛がなんだ
出典:IMDb

ある日、マモルが珍しくテルコの家にやってきた。マモルは、すみれの事が好きだからテルコの入ってくる余地はない、このまま曖昧な関係を続けるのはやめにしたい、と話す。

それに対し強がるテルコ。「マモルの事はもう何とも思っていない、どうだっていいんだよ」と本音とは違うことを言った。どんな形でもいい、愛されなくてもいいからマモルと一緒にいたいという気持ちからであり、自分の本当の想いに蓋をしたことになった。

会えなくなるよりはずっと良い、もはや愛とか恋とかではない、この気持ちはそんなものを越えているかけがえのないものだと思ったテルコは、全てを受け入れたのだ。

マモルが自分を好きでいてくれなくても良い、誰が好きでもいい、ただマモルと会い続けて一緒にいられる道をテルコは選んだのだった。

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映画『愛がなんだ』の登場人物・キャスト

テルコ/岸井ゆきの

愛がなんだ
出典:映画『愛がなんだ』公式Twitter

平凡なアラサーOLで、マモルに片想いをしています。惚れやすく優柔不断で一途な性格の彼女は、マモルに出会ってから仕事が手につかなくなり、会社をクビになってしまってもまだマモルのことを諦められずにいます。

好きな人以外はどうでも良くなってしまうらしく、マモル以外の周りが見えなくなってしまっている傾向も…。

テルコ役は岸井ゆきのさんです!『まんぷく』『ピンクとグレー』『#家族募集します』など話題作に多数出演している女優さんですね。

かなり良い演技をする女優さんで、主役のテルコ役が岸井ゆきのさんだったからこそ映画が良い雰囲気にまとまっているのだと思います!

マモル/成田凌

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出典:映画『愛がなんだ』公式Twitter

テルコのことが好きではないにも関わらず、テルコの想いには気づいており自分勝手にテルコを振り回します。

仕事は出版業界で忙しいマモル。すみれのことが好きになってからは、すみれに一直線でテルコのことはおざなりにしてしまいます。

マモル役は『スマホを落としただけなのに』『窮鼠はチーズの夢を見る』『まともじゃないのは君も一緒』などで演技力を絶賛されている成田凌さんです!

この映画でクズというイメージが浸透してしまったようで、Twitterの検索に名前を入れると「クズ」と出てきてしまう時期もあったんだとか。そのくらい演技が上手いってことですね!

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葉子/深川麻衣

愛がなんだ
出典:映画『愛がなんだ』公式Twitter

常にテルコのことを心配している友人。ナカハラが好きでいてくれていることには気づいている様子です。どこか客観的に物事を見ていてミステリアスな雰囲気を持っていますね。

友人の葉子役は深川麻衣さん。深川麻衣さんは乃木坂46の元メンバーで、2016年にグループを卒業して以降は女優として活動しています。

『水曜日が消えた』『RISKY』『まだ結婚できない男』など雰囲気のある演技で引っ張りだこな女優さんです。

ナカハラ/若葉竜也

愛がなんだ
出典:映画『愛がなんだ』公式サイト

葉子に片想いをしており、「いつも俺じゃなくたって良い、他に誰もいないときに思い出してもらえればそれでいい」と葉子の気持ちを一番に考えています。

自分の気持ちを表に出さないナカハラですが、彼は幸せになれたのでしょうか。

ナカハラ役は若葉竜也さんが演じます!『ごくせん』『生きちゃった』『罪の声』などに出演している俳優さんです。

近年映画にたくさん出演しているのでまだまだこれから話題になるかもしれません。

すみれ/江口のりこ

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出典:映画『愛がなんだ』公式サイト

はっきり物を言う、テルコとは反対の性格。マモルとは合コンで出会いました。マモルの片想いの相手ですが、すみれはマモルのことをなんとも思っていないようです。

すみれ役には江口のりこさん。『半沢直樹』『ソロ活女子のススメ』『事故物件 怖い間取り』などに出演しており、ユニークな演技で注目を浴びています。

この映画では恋敵という役どころですが、江口のりこさんだとなんだか安心して見ることができる気がします。

共感続出!映画『愛がなんだ』の見どころ

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出典:映画『愛がなんだ』公式サイト

2人の関係の変化

この映画の見どころのひとつは、やはりテルコとマモルの関係の変化です。

最初に出会ったころは恋人のようにじゃれあっていた2人。特にお風呂のシーン、本当の恋人のような自然な雰囲気が印象的です。

ただ、マモルの気持ちが冷めていってからそんな2人の関係は変わっていきました。

久しぶりに連絡があったかと思えばマモルに好きな人ができているのです。テルコがマモルに会いたいがために、すみれがマモルのことを呼んでいたかのようにマモルを呼び出します。そこまでしてでもマモルに会いたいという気持ちは少しわかるような気もして、複雑な気持ちで胸が締め付けられます。

そしてまた一夜を共に過ごす2人ですが、出会った頃とは違う空気が流れています。マモルには他に好きな人がいて、お互いどこか吹っ切れているように思いました。

お互いどこか本音を隠しているような、付き合っていないけど関係を持っている2人のリアルな距離感を演出できているなと感じます。

演出も素晴らしいですが、岸井ゆきのさんと成田凌さんの演技力が光っていますね。

映画ならではの演出

この映画はとあるアドリブシーンが話題になりました!

料理をしているテルコの元へマモルがやってきて2人がつまみ食いするシーン。このシーンでマモルがケチャップを自分の指に出してテルコの口に突っ込む「追いケチャップ」なるものが誕生しました。成田凌さんは監督から、岸井ゆきのさんの肩に頭を乗せてほしいということは言われていたらしく、そこでテンションが上がって思いついたそうです。そんな胸

キュンなかなか思いつきませんよね!岸井ゆきのさんも突然のアドリブに驚いたそうです。

もう一つ印象的なのは、テルコのラップシーン。恋敵が現れてもやもやする気持ちをラップで表現しています。このシーンは原作の小説にはなく映画オリジナル。リリックは監督が書いており、ラップの先生の音声データを事前に聴き込んで挑んだそう。テルコのどこにもやれない憤りや虚無感を見事に演出しています。外でワンカット撮影なので岸井ゆきのさんはとても緊張したそうですが、とても思い入れのあるシーンになったと話しています。急にテイストが変わるので映画のアクセントになっているシーンですね。

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映画『愛がなんだ』から考える、「幸せ」とは

マモルの「本気で好きだから逆に言えないこともある」という言葉はすみれに言ったのだと思いますが、この物語の登場人物全員に当てはまる言葉だと感じました。本気で相手のことを思ってるからこそ関係が変わることが怖くて本当の気持ちが言えない、そして曖昧な関係のままになのです。

そしてナカハラがテルコに「幸せになりたいっすね」と言ったシーン。いつまで経っても「好きな人」の「好きな人」になれない2人の会話になんだか切ない気持ちになります。

そんな会話とは裏腹に、マモルは「山田さんが俺を好きじゃなくて良かった」「別に付き合ってないけど、もう会うのやめよっか」と言ってしまうんです。悲しい展開ですよね……。テルコはマモルと一緒にいれるだけで幸せだと言っています。

ナカハラの写真展に葉子が訪れたシーンでは、葉子がナカハラの名前を検索して写真展を見つけたと話したときの、ナカハラの表情が印象的でした。ナカハラにとっては葉子の心のどこかに自分がいるだけで幸せなのでしょう。

テルコもナカハラも、登場人物みんなラストにはそれぞれの幸せを見つけています。この映画には、幸せの形は人によって違っていいんだ、というメッセージも込められているのだろうと感じました。

登場人物が結ばれないという意味ではハッピーエンドという終わり方ではありませんが、ある意味ハッピーエンドと言って良いのではないかと思います。

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まとめ

いちゃいちゃシーンやアドリブシーンが話題となりましたが、観た人によってそれぞれの感じ方ができるような一作です。恋とは何か、愛とは何か、幸せとは何か、いろんなことに気づかされることでしょう。

マモルとテルコの恋愛は理想的な恋愛というより、身近で自分自身も経験したことがあるような恋愛である気がします。だからこそ、共感する部分や感情が揺さぶられるシーンが多いのです。

「恋愛ってなんだろう…」「もう恋愛で傷つきたくない」と思っている人はもちろん、今幸せな恋愛をしている人にも見て欲しい作品となっています!

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この記事を書いた人
里咲
里咲

福岡在住の女子大生フリーライター。国内の映画やドラマが好きです。いろんな作品に出会いたいので、新ドラマはとりあえず1話を網羅してみるタイプ。特に脚本家の野木亜紀子さんの作品が大好きです!