スパイダーマンの敵「ヴェノム」って何者!?特徴や登場映画のあらすじを解説!
アメコミの「マーベル・コミック」に登場し、マーベルコミックを原作としたアニメや実写映画にも登場するヴェノム。
ヴェノムについてよく知らずに映画を見た方や、映画の予告編を目にした方は、「ヴェノムって一体なに?」「悪役なの?それともヒーローなの?」などと思ったのではないでしょうか?
また、スパイダーマンにそっくりな見た目や性質から、「スパイダーマンの変化系なの?」などと疑問に感じた方も多いでしょう。
そこでこの記事では、ヴェノムの正体やスパイダーマンとの関係などを詳しく解説します。マーベル作品をもっと楽しみたい方はぜひ読んでみてください!!
目次
スパイダーマンに登場する「ヴェノム」とは
ヴェノムは、マーベル・コミックの「スパイダーマン」シリーズに登場するキャラクター。スパイダーマンが異世界で手に入れた黒いスーツ……それが全ての始まりでした。
誕生経緯など、ヴェノムの基礎知識から紹介していきます。
ヴェノムの誕生経緯と正体
スパイダーマンが異世界で手に入れた黒いコスチュームは利便性が高く、彼は元の世界に戻ってからも使い続けていました。しかし、やがてそのコスチュームが自我を持っていることがわかります。これが、ヴェノムの元となる地球外の液状寄生生物「シンビオート」です。
黒いコスチュームを封印したスパイダーマンでしたが、シンビオートは脱走し、たまたま遭遇したエディ・ブロックという男に寄生します。そうして生まれたのがヴェノムでした。
名前の「ヴェノム」は、「毒液」という意味を持ち、見た目は黒〜ダークグレーの身体に、胸元に白いクモマークが付いています。
ヴェノムはシンビオートと宿主の共生体であるため、一人称が「We(俺たち)」であるのが特徴です。また壁や天井にへばりついたり、クモの糸(ウェブ)を出したりと、スパイダーマンの能力を受け継いています。弱点は「高熱」と「ある特定の周波数の音」。
シンビオートは多数存在しており、「ヴェノム」の名はそのひとつが持っている固有名詞です。そのため、宿主を変えることもありますが、宿主が変わっても「ヴェノム」を名乗っています。
スパイダーマンの敵?
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「凶悪」などと言われるヴェノムですが、その位置付けは「アンチヒーロー」もしくは「ダークヒーロー」が正しいでしょう。また、スパイダーマンの敵というよりも「ライバル」であると言われています。ヴェノム本人は「自分が善、スパイダーマンが悪」だと信じているようです。
もともとはスパイダーマンを悪へ導く「ヴィラン(悪役)」として登場したヴェノム。しかし、シンビオートは宿主の性格や精神状態に影響されるという性質があり、ヴェノムは善人・悪人の両方の面を持つ記者の男に寄生したため、「正義」と「悪」を併せ持つ存在になりました。
また、より凶悪なシンビオートが現れて戦うことになったため、結果的にヒーロー的ポジションになっています。
人間をエネルギー源とする凶悪性を持ち、倫理観は欠如していながらも、意外と活躍したり人間らしく成長したりと、憎みきれないところがファンの多い理由ではないでしょうか。
とはいえ原作の物語の中では、ヴェノムの宿主が変わって悪に近い存在になったことも、反対にヒーローになったこともあります。
原作コミックのヴェノムについて簡単に紹介!
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原作コミックでは、ヴェノムは時代によって新たな宿主を見つけています。ここでは原作で有名な5種類のヴェノムをザッと紹介しましょう。
1代目ヴェノム
ヴェノムは1988年に刊行されたコミックス「AMAZING SPIDER-MAN #299」で初登場しました。(参照:Wikipedia)
宿主は記者のエディ・ブロック。記者として強い正義感を持っていましたが、間違った人を連続殺人の犯人として報じてしまい、真犯人を捕まえたスパイダーマンを逆恨みするなど、完全な善人とは言えません。
エディはボディビルダーでもあったため、ヴェノムの体格はムキムキ。スパイダーマンの正体がひ弱なピーター・パーカーであることもあり、パワーはヴェノムの方が断然強いです。
2代目ヴェノム
癌を患ったエディは、シンビオートをオークションにかけました。それを落札したギャングの親玉が、息子のアンジェロ・フォルトゥナートに与えました。
しかし、アンジェロはシンビオートを見て怯えて逃げ出すなどし、シンビオートはアンジェロの臆病さに呆れて見放してしまったのです。
3代目ヴェノム
スパイダーマンシリーズに登場するヴィランの「スコーピオン」ことマック・ガーガンがシンビオートの能力を欲しがり、寄生されました。人間を貪り食うなど、凶暴性の強いヴェノムです。驚くことに、凶暴性を抑える薬を与えられ、スパイダーマンになりすまして新アベンジャーズに入れられたこともありました。
4代目ヴェノム(エージェント・ヴェノム)
4代目ヴェノムは、スパイダーマンことピーター・パーカーの友人であるユージン”フラッシュ”・トンプソンに寄生しました。
彼はイラク戦争で両足を失い車椅子での生活を余儀なくされていたところ、マック・ガーガンからシンビオートを奪うことに成功したアメリカ軍から、「寄生中は両足が戻る」と持ちかけられ、シンビオートを寄生させることに同意したのです。
そうしてフラッシュは、アメリカ軍の管理下でエージェント・ヴェノムとしてヒーロー活動を始めました。
アンチ・ヴェノム
癌に侵されたエディからシンビオートが離脱したのち、エディは息を引き取る寸前で「対ヴェノム抗体」を投与され、命を取り留めました。この時、エディの体内にわずかに残っていたシンビオートが抗体によって変質し、アンチ・ヴェノムが生まれました。
そうして、エディはしばらくの間アンチ・ヴェノムとしてヒーロー活動をします。
ヴェノムを反転したような、白ベースに黒の模様という見た目をしていました。
ヴェノムが登場する3つの映画
ここからは、ヴェノムが登場する実写映画を紹介します。
スパイダーマン3(2007)
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あらすじ
市民からヒーローとして愛されているスパイダーマン。その正体であるピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、憧れのメリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)との交際も順調で絶好調の日々を送っていた。
そんな矢先、謎の液状生命体「シンビオート」に寄生されてスパイダースーツが黒く染められると、「ブラック・スパイダーマン」になってしまっていた。「ヴェノム」や「ニュー・ゴブリン」などの悪党たちと戦いながら、スパイダーマンは自分という敵とも戦わなければならず…。
ヴェノムの活躍ポイント
2007年に公開された『スパイダーマン3』は、サム・ライミ監督版スパイダーマン三部作の最終作です。本作でのヴェノムはヴィランとして描かれ、『ブラック・クランズマン』などに出演する俳優トファー・グレイスが演じました。
「シンビオート」に寄生されたスパイダーマンがスーツを脱ぎ捨て、その先にエディ・ブロックJr.がいた、という経緯でヴェノムが誕生。見た目やキャラクター像がかなり凶悪に書かれたため、ヴェノム原作ファンからの評価は高くありませんでしたが、迫力あるCGやちょっとダサいラストは見どころ。原作ヴェノムの熱狂的ファンでさえなければ、まずは本作で「スパイダーマンの敵」として見てもいいでしょう。
ヴェノム(2018)
あらすじ
出典:映画『ヴェノム』予告編
記者のエディ・ブロック(トム・ハーディ)は、ライフ財団のある危険な実験の事実を追及しようとして仕事も恋人のアン(ミシェル・ウィリアムズ)も失った。半年後、ライフ財団の博士に真実を報道してくれと依頼されて実験施設に侵入したエディは、地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。
それ以降、頭の中でシンビオートの声が聞こえるようになり、凶暴性が増していく。一方、ライフ財団のCEOであるカールトン・ドレイク(リズ・アーメッド)は、シンビオートが侵入者に奪われたと知り…。
ヴェノムの活躍ポイント
2018年公開の映画『ヴェノム』は、 ルーベン・フライシャー監督による、「SPUMC」シリーズの第1作目。「SPUMC」とは「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター」のことで、ソニー・ピクチャーズ主導で制作されるマーベル・ユニバースシリーズです。
本作では、トム・ハーディ扮するエディ・ブロックを主人公に、残虐性とユーモアを併せ持つキャラクター像や、「We(俺たち)」という一人称など、原作のヴェノムをしっかり再現して描かれました。
残念なことにスパイダーマンが登場しないため、スパイダーマンの能力は受け継いでおらず、胸元のクモマークもありません。代わりに血管のような白い模様があります。
エディとヴェノムの相性の良いコンビネーションが楽しい作品です。
ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021)
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.
作品概要
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.
あらすじ
ヴェノムの活躍ポイント
前作『ヴェノム』は、エディ・ブロック(トム・ハーディ)が刑務所にいるクレタス・キャサディ(ウディ・ハレルソン)の元へ取材へ行くシーンで物語が終わりました。この時、クレタスは「ここを出たら大殺戮(カーネイジ)になるぞ」と言っているのですが、続編ではそんなクレタスがヴィランキャラクターの「カーネイジ」となります。
悲惨な大虐殺が起こってしまうのかーー。他に、女性ヴィランのシュリーク(ナオミ・ハリス)や「レイブンクロフト監獄」が登場することもわかっています。
以前より「SPUMC」シリーズは、“今後スパイダーマンが登場する可能性がある”と報道され注目を集めてきました。アンディ・サーキス監督が「本作は独立した世界の物語になる。登場人物たちはスパイダーマンの存在を知らない」という旨の発言していることから、本作に大々的にスパイダーマンが登場することはなさそうですが、その存在を示唆するような要素が登場しないか注目したいところです!
ヴェノムを知る上で重要な5つのキャラクター&アイテム
ヴェノムについてもう少し詳しく知るために、原作でヴェノムに関連するキャラクターや、アイテムについてもチェックしましょう!
カーネイジ
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映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のヴィランとして登場するのが「カーネイジ」です。赤くスリムな身体に黒い血管のような模様を持ち、名前の意味は「大殺戮」。
原作では、エディがレイブンクロフト監獄に収監された際、同じ房のクレタス・キャサディという男にシンビオートの一部が寄生したことで生まれました。クレタスが凶悪なサイコキラーだったため、カーネイジは非常に攻撃性の高い「完全悪」の存在です。
シンビオートと宿主が細胞レベルで一体化しているため、一人称は「I(オレ)」。身体の一部を武器に変形させたり、身体の一部を飛ばして人に寄生させコントロールさせたりすることが可能です。スパイダーマンに登場するヴィランの中でも最凶だと言われています。
ライオット
映画『ヴェノム』で主要ヴィランとして登場したのがライオットです。名前の意味は「暴動」。
原作では、ライフ財団がヴェノムから抽出したシンビオートを使って生み出した5体のうちの1体で、「ハイブリッド」という新たなシンビオートになるまでの宿主はライフ財団のトレヴァー・コールという男でした。映画版ではライフ財団CEOのカールトン・ドレイクに寄生しています。
身体はグレーまたはダークブルー。ヴェノムの持つ能力に加えて、カーネイジのように身体の一部を武器に変形できるのが特徴です。
トキシン
出典:Amazon
映画には登場していませんが、原作において、警察官のパトリック・マリガンがカーネイジに卵を産みつけられたことでシンビオートとの共生体になったのがトキシンです。名前は「毒素」という意味を持ちます。
上半身は赤っぽい色、下半身はダークブルーで描かれることが多いです。凶悪なカーネイジから生まれたものの、宿主のパトリックが正義感の強い人物だったためヴィランではありません。
トキシン自身は凶暴ですが、パトリックがそれを抑え、日々人間の倫理を教えているのです。戦闘能力は非常に高く、ヴェノムとカーネイジのコンビを倒すほどです!しかし、トキシンはのちに宿主を変え、最強のヴィランへとなってしまいます。
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のキャスト欄に“マリガン刑事(スティーヴン・グレアム)”の名があることから、映画にも登場すると期待されています!
シー・ヴェノム
シー・ヴェノムは、女性型のヴェノムです。映画『ヴェノム』でも、エディの元婚約者であるアン・ウェイング(ミシェル・ウィリアムズ)がシー・ヴェノムになるシーンが少しだけありました。
原作では、エディ・ブロックの元妻アン・ウェイングがシンビオートに寄生され、一時的にシー・ヴェノムの姿になっていました。
チョコレート
ヴェノムは「人間の脳」が好物ですが、実はチョコレートも好物です。これはヴェノムが人間の脳にある神経伝達物資「フェネルチルアミン」を欲するからであり、この物質は実際にチョコレートにも含まれています。そのためエディに人間を食べることを制限されたヴェノムは、チョコレートを食べたがるのです。
加えて映画では「テイタートッツ」というポテトも好きなようでした。こういった可愛らしさが凶悪さを和らげ、人気を獲得している理由のひとつなのでしょう。
まとめ
ヴェノムは異世界の存在で、元々スパイダーマンに寄生し、悪へ導こうとしていたものでした。しかし、エディ・ブロックに寄生したことで、人々に愛される「最凶のダークヒーロー」になったのです。
さらに凶悪なカーネイジが登場する新作映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』や、今後の「SPUMC」シリーズ映画、そして、MCUとの関係はどうなっていくのかなど、注目したいポイントがたくさん!ぜひヴェノムの活躍を、映画やコミックでチェックしてくださいね!
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