映画『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』ネタバレあらすじ解説!ナヴィやエイワなど前作からひき継ぐ基本設定もしっかりおさらい!
日本でも大ヒットとなった『アバター』に久しぶりの続編が登場しました。
3Dブームの火付け役となった『アバター』が再び圧倒的な映像美と広大な世界観を携え、『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』としてかつての物語の続きが描かれました。
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』ではどんな物語が描かれたのか、今一度振り返っていきます。
目次
映画『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』とは
2009年に劇場公開され世界的な大ヒットとなった映画『アバター』を、13年ごしに同じく製作・脚本・監督をジェームズ・キャメロンという体制で製作した続編が『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』です。2022年12月16日に日米同時公開されました。
作中でも同じく10年の時が経過した世界を舞台に、パンドラの住人となった元海兵隊員のジェイクが、その地を荒らそうとする人類との新たな戦いに家族とともに相対する物語となっています。
全世界興行収入は22億ドルを超え『タイタニック』を超えるほどの世界スケールでの大ヒット作となりました。映画賞でも第95回アカデミー賞では作品賞など4部門にノミネートを果たし、視覚効果賞を受賞するなど高い評価を獲得しています。
10秒で分かる!映画『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』の簡単なあらすじ
元海兵隊のジェイクは、人間の身体を捨てて衛星パンドラに住む人間型の種族・ナヴィとして生きることにし、妻のネイティリと家族を築いていました。二人の間には4人の子どもを授かり、さらには人間の少年スパイダーとともに平和な生活をおくっていました。
しかしナヴィが暮らす森林に再び地球人が侵略を始めます。ジェイクによって殺されたクオリッチも、DNAから自立型アバターとして復活を果たしジェイクへの復讐を画策します。
家族や一族の危険を感じたジェイクは、オマティカヤ族の集落を離れ、海で暮らすメトカイナ族の集落に身を潜めることにするのですが、クオリッチたちはそのジェイクたちの行方を追ってくるのでした──。
映画『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』のネタバレあらすじ
【あらすじ①人類による再度の侵攻】
かつて、地球人ことスカイピープルとオマティカヤ族の戦いが起こった星パンドラでは10年の月日が流れた。元海兵隊員のジェイクはオマティカヤ族の一員となり、妻のネイティリとの間には3人の子どもが生まれ、グレイス博士のアバターから生まれたキリや、パンドラに残された地球人側の子どもスパイダーとともに家族として暮らしていた。
平穏な日々が続く中、再び移住を目的にパンドラに再びスカイピープルが現れた。かつて倒したはずのクオリッチもDNAの記憶を埋め込んだ自律側アバターとして復活し復讐に燃えていた。
一時は森林が焼き払われるところだったが、ナヴィたちは協力し一時的にスカイピープルの撃退に成功するのだった。
【あらすじ②オマティカヤ族を離れるジェイクたち】
引き続きパンドラの調査を密かに進めていたクオリッチは偶然ジェイクの子どもたちに遭遇し、スパイダー1人がスカイピープルに捕らえられてしまう。
自身がターゲットになっていることから危機感をもったジェイクは、オマティカヤ族を離れて長旅の末、メトケイナ族の集落へ移り住むことにする。首長トノワリの厚意によりジェイクたちは無事集落に居場所を見つける。
一方のスパイダーはスカイピープルによって拷問を受けていた。その行為を止めたのはクオリッチだった。クオリッチはスパイダーに、村へ帰すことと引き換えにジェイク探しを手伝うように命じた。スパイダーの案内を受け、クオリッチたちは飛行生物トルークを乗りこなすことに成功し、歪ながらも二人の親交は深まっていった。
【あらすじ③メトカイナ族の集落での暮らし】
ジェイクたちは海洋に特化したメトケイナ族の生活や風習を教わっていく。そんな中でロアクは集落の子どもたちと喧嘩を起こしてしまう。
メトケイナ族の子どもたちによって沖に置き去りにされてしまったロアクは、そこで巨大な捕食生物によって襲われてしまう。間一髪ロアクを救ったのはクジラのような姿をした生物・トゥルクンのはぐれ者パヤカンだった。
トゥルクンとメトカイナ族は深い絆で結ばれていたが、単独行動をするパヤカンは忌み嫌われていた。しかしロアクはそんなパヤカンとの親交を深め、パヤカンの仲間たちはかつてスカイピープルによって殺され、孤独に追いやられた過去を持っていたことを知る。
一方クオリッチたちはジェイクたちが海へと移動したことを察し、島々に住むナヴィたちの集落を襲っていた。トゥルクンを殺して老化を防止する成分を得ているミック船長ら海洋狩猟船とも協力しジェイクに迫っていた。
【あらすじ④再び捕らえられる子どもたち】
クオリッチたちはトゥルクンたちを殺して、その遺体をあえて残すことでジェイクたちを牽制してきた。ロアクはこの事態を受けパヤカンへ危機を知らせようとするが、その矢先にクオリッチたちに襲われてしまう。
クオリッチに捕らえられてしまったロアクとキリとトゥク。メトケイナ族の人々と駆けつけたジェイクだったが、子どもを人質に取られたことにより窮地を迎える。
事態を変えたのはパヤカンだった。パヤカンがクオリッチたちの海洋戦シードラゴンを急襲したことをきっかけに事態は混戦を迎える。
隙をついてスパイダーともにロアクを救出したネテヤムだったが、脱出の途中で敵の銃撃が被弾してしまう。家族が見守る中、ネテヤムはついに息を引き取ってしまうのだった。
【あらすじ⑤クオリッチとの一騎打ち】
未だ捕らえられたままだったキリを人質にするクオリッチだったが、息子を殺されて怒りに震えるネイティリは逆にスパイダーを人質にとって解放を迫った。ネイティリはスパイダーがクオリッチの“息子”であることを知っていたのだ。本気を見せるネイティリの態度に、クオリッチはついにキリを解放するのだった。
沈みゆくシードラゴンの中で、ジェイクとクオリッチはついに一騎討ちを迎える。戦いの末、意識を失ったクオリッチは一人海へ沈んでいくのだった。
しかし沈みゆくシードラゴンの中、ジェイクもネイティリも脱出できずに居た。それぞれが死を覚悟したその時、キリやロアクの機転により無事救出され、船外への脱出に成功する。そして、クオリッチもまた偶然スパイダーに発見され命を救われていた。
戦いは終わった。犠牲となったネテヤムの葬儀が行われる。みんなが見守る中、ネテヤムの遺体は海の奥底に沈んでいき、ネテヤムの命はエイワと一体となっていった。
映画『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』の登場人物・キャスト
ネイティリ / ゾーイ・サルダナ
ジェイクと結婚したオマティカヤ族の純粋なナヴィがネイティリです。
前作『アバター』では最初こそジェイクに敵意を見せていましたが、次第に打ち解けていき、ついには結ばれることになります。
10年の時を経て二人の間には三人の子供が産まれ、さらには二人の養子を引き取り家族となりました。
族長の娘であり戦士としてだけでなく、母親としても強い心を持っており、子どもたちのためであれば思い切った行動にも出ます。
純粋な戦闘力も高く中でも弓矢の腕は随一です。
ネイティリ役を演じるのは前作に引き続き、ゾーイ・サルダナ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのガモーラ役などでも知られています。
ジェイク・サリー / サム・ワーシントン
パンドラでの生活をきっかけにナヴィとして暮らすことにした男がジェイク・サリーです。もともとは地球人であり、車椅子生活を送っていた海兵隊員でした。
前作『アバター』では、アバターを通してナヴィたちの生活に触れ、オマティカヤ族の味方につきナヴィたちと共に人類と戦いました。
現在はネイティリと結ばれ家族となり、オマティカヤ族の一員として子どもたちを育てています。思いやりと厳しさを持っており、父親として子どもたちに接しています。
ジェイク役を演じるのは前作に引き続き、サム・ワーシントン。『ターミネーター4』(2009)や『ハクソー・リッジ』(2017)などにも出演しています。
ネテヤム / ジェイミー・フラッターズ
ジェイクとネイティリの長男がネテヤムです。
幼い弟たちを守り、一族の次期リーダーとなろうとする真面目な性格を持ってます。ジェイクから兄弟たちの面倒を見るように言われており親からの信頼は厚いです。
一方で兄弟たちの気持ちも理解しており、ジェイクの言いつけを守らず責任を問われることも。
ネテヤム役を演じるのはジェイミー・フラッターズ。Netflix映画『スヘルデの戦い』(2021)や『スクール・フォー・グッド・アンド・イービル』(2022)など近年映画での活躍が増えてきた方です。
ロアク / ブリテン・ダルトン
ジェイクとネイティリの次男がロアクです。
問題を起こさないように言われていながらメトカイナ族と揉め事を起こしたりと問題児的な一面を持っています。一方で未知なる海の生物と積極的にコミュニケーションをとり、心を通わせるなど優しい心も持っています。
父であるジェイクに認められたいという気持ちはあるものの、裏目に出てしまうことが多く、ナヴィと人間の間に生まれた存在であることに疎外感も感じています。
ロアク役を演じるのはブリテン・ダルトン。TVドラマシリーズ『弁護士ビリー・マクブライド』(2016)や映画『レディ・プレイヤー1』(2018)などへの出演経験はありましたが、大役としては今作が初と言っていいでしょう。
キリ / シガーニー・ウィーバー
ジェイクとネイティリの養子の14歳の少女がキリです。
前作『アバター』で命を落としたグレース博士の実の娘ではあるものの、その出生については具体的に描かれておらず、どう生まれて、父が誰なのかなど、多くがまだ謎に包まれています。
エイワとも不思議な繋がりを持っており、自然に対しての親和性も強く、パンドラの生物たちを操る様子も描かれています。
養子であることに疎外感を抱きつつも、トゥクの面倒を見たりと家族を大切に思う優しい性格をしています。
キリ役を演じるのは前作でグレース役を演じたシガニー・ウィーバー。『エイリアン』(1979)や『ゴーストバスターズ』(1984)など数多くのヒット作に出演してきた方です。撮影時の2017年時点で68歳だったのですが、14歳のキリを演じるという驚きの起用となりました。
トゥク / トリニティジョリーブリス
ジェイクとネイティリの末っ子の娘がトゥクです。
まだ幼く様々なことに興味を示し、大胆でいたずら好きな一方で、その迂闊さからその身を危険に晒してしまうこともあります。
トゥク役を演じるのはまだ出演作がまだ多くないトリニティ・ジョー=リー・ブリス。TVシリーズアニメ『Princess Power』(2023)のリタ役を務めることになるなど、本作への出演をきっかけに今後の活躍の機会は増えていきそうです。
スパイダー / ジャック・チャンピオン
ジェイクとネイティリに養子として育てられた地球人がスパイダーです。
パンドラの地球人居留地であるヘルズ・ゲートで救出され、ジェイクたちに家族として迎え入れられます。
そんなスパイダーの父親は実はクオリッチであり、クオリッチにより捕らえられた際には、実は親子であることからも互いに複雑な思いを抱えているようで、互いに敵対はしていながらもどこかぞんざいにできない存在として認識しているようです。
母親については作中では一切言及されていませんがパンフレットなどでは、前作の戦いで戦死したとされています。
スパイダー役を演じるのはジャック・チャンピオン。まだ出演作品は多くなく、経歴としては日本未公開映画『The Night Sitter』(2018)への出演など限られています。ただし、実は『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019)にセリフもないちょっとした役で出演していたりもします。
クオリッチ / スティーヴン・ラング
ジェイクの元上官であり、ジェイクの宿敵となるのがクオリッチです。
前作『アバター』でネイティリとの戦いによって命を落としたはずでしたが、RDA(Resources Development Administration)社によってクオリッチのDNAの記憶が埋め込まれた特殊な自律型アバターとして復活しました。
ジェイクを見つけ出すべく、ナビィの集落を焼き払うなど残忍な手段をとる一方で、自身の子どもであるスパイダーに対してはそれなりに思い入れがあるようで、ネイティリに人質に取られた際にも思わずスパイダーを救う意思を見せます。
クオリッチ役を演じるのは前作に引き続きスティーヴン・ラング。とはいえ人間の姿だった前作に対して、今作では終始ナヴィの姿での出演となっています。『ドント・ブリーズ』(2016)や『VETERAN ヴェテラン』(2020)など前作への出演以降も多数の作品に出演しています。
予習・復習で押さえておきたい『アバター』の世界観
『アバター』シリーズといえば独自の世界観や専門用語が登場するシリーズです。そもそもこの映画がどういう設定なのか?や今回のシリーズで明らかになった新たな設定についても追っていきましょう。
物語の舞台はどこなのか?
『アバター』の物語は地球からおよそ5光年離れた場所にあるとされる衛星パンドラが舞台です。
パンドラは地球に似た青い星ではありつつも、巨大な樹木や夜になると発光する動植物など地球とは異なる生態系が発達しています。
大気には地球人にとっては有毒な成分が含まれていることから、パンドラの先住民であるナヴィ族と人間との遺伝子を融合させた分身──アバターに意識を投影させ、遠隔操作をして活動を行います。
パンドラの住人「ナヴィ」とはどんな生き物なのか?
パンドラの星に住んでいる人間に近い容姿を持った種族がナヴィです。
ナヴィは地球人たちを遥かに上回る身体能力を持っています。体力・俊敏性・器用さ・運動神経は人類の4倍とも言われています。
また人類にはない鋭い歯を持っており、怒りを表現する際には独特な音をたて、歯をむき出しにして威嚇します。
ジェイクはそんなナヴィたちと身体構造や生理機能を同じとする“アバター”で一族に溶け込みました。ただし人間の遺伝子が組み込まれている影響から、眼球が比較的小さかったり、指が5本だったり、本来はない眉毛があったりと細かな違いが伴います。
ナヴィにも、草原に暮らしている部族や海岸に暮らしている部族など多様な一族が存在しており、それぞれの生活圏に合うような身体的な面でも異なる特徴を持っているようです。
パンドラの不思議な存在「エイワ」とは何か?
ナヴィたちが住むパンドラの森では、樹木や自然が神経細胞のような交信機能を持っており、星全体にネットワークのようなものを形成しています。これが「エイワ」です。
ナヴィを含むパンドラの生き物たちはそのネットワークに“フィーラー”と呼ばれる器官でアクセスすることができます。アクセスすることで感情を共有することができます。
ナヴィたちはこのエイワを神として崇めており、彼らを導いてくれる存在と考えています。
前作『アバター』では、神経をアバターの肉体に移植する力も描かれており、ジェイクもこの力でナヴィとなりました。グレース博士も同様の移植を試みたものの、怪我による衰弱で間に合わず亡くなりましたが、最後にエイワと通じていた様子が描かれています。
キリがそのほかのナヴィに比べて密接にエイワと繋がっているのはこの点に起因しているのかもしれません。
新たに登場したメトカイナ族とは?
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』ではオマティカヤ族とは異なる文化や体の構造を持ったナヴィのメトカイナ族が登場しました。海の民である彼らは水中での活動に特化しており、手足や尻尾がヒレのようになっています。
またメトカイナ族は、クジラによく似た姿をした海洋生物のトゥルクンと“魂の兄妹”と呼ばれるような強い絆で結ばれており、子どもの生誕をともに祝い、互いの死をともに悲しむ関係性にあります。
メトカイナ族は成人の通過儀礼として、身体にタトゥーを入れるという文化を有しており、この風習はトゥルクンにも反映されており、胴体やヒレなどにメトカイナ族と同様のタトゥーが彫られます。
まとめ
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』は作り込まれた設定とそれを圧倒的な映像で魅せる凄まじい映画でした。前作から物語は進み、ジェイクに子どもが生まれたことで新たに“家族”の映画としても新たなステージに進んでいる様子がわかりました。
キリの出生や生存していたクオリッチ、そして今後のジェイクたちの行方などまだまだ気になることは多いですが『アバター』シリーズはすでに続編の制作が進められています。
本作がどんな結末に向かっていくのか、今後の続報にも目が離せないシリーズとなっていきそうです。