本サイトにはPRを含みます。なお、掲載されている広告の概要や評価等は事実に反して優遇されることはありません。

【ネタバレ】映画『怪物』タイトルからは想像のできない濃厚なヒューマンドラマ!【考察】

たかなし亜妖

「怪物だーれだ」

印象に残るセリフを聞き、映画『怪物』が気になっている人もいるでしょう。筆者もスクリーンでこの作品の予告を目にし、非常に興味が湧きました。

ただ予告だけではどんなストーリーなのかが少々不透明で、ジャンルもホラーなのか、サスペンスなのか、それともよくあるヒューマンドラマなのか……。

正直、全く見えてこなかった、という意見が多いでしょう。

今回は大ヒット上映中の『怪物』がどんな作品なのかを紹介!

一体何が、どのような点が“怪物”なのかなど、考察を交えながら解説していきますよ。未鑑賞の方はもちろんのこと、鑑賞済みの方もぜひご覧くださいね。

映画『怪物』について


映画『怪物』公式Twitter

『怪物』は原作のない映画オリジナルストーリー。2022年に撮影が始まり、満を持して2023年6月スクリーンへ登場しました。

『三度目の殺人』、『万引き家族』、『ベイビー・ブローカー』などで知られる是枝裕和監督がメガホンを取り、脚本は 『世界の中心で、愛をさけぶ』、『それでも、生きてゆく』、『花束みたいな恋をした』、坂元裕二氏が担当。

どちらも邦画界では超実力派の2人がタッグを組み、本作が生み出されたのです。

是枝裕和監督は常に脚本を兼任するため、執筆をしないのは今回が初めてなんだとか。

音楽は故・坂本龍一氏が担当、とにかくスタッフ陣が豪華なのも『怪物』の魅力あふれる部分の一つですね。

カンヌ国際映画祭に出品され、脚本賞とクィア・パルム賞を受賞。

本作が織りなす独自の世界観と細やかなストーリーに審査員は「信じられないくらい感動した」

「繊細な詩、深い思いやり、見事なテクニックで監督は登場キャラクターのあらゆる一面や経験に敬意を表している」と大絶賛したのです!

ちなみにクィア・パルム賞とは何なのか?この章についてはのちほど解説と共にご紹介しますね。

10秒で分かる!映画『怪物』の簡単なあらすじ

ギャガ公式YouTubeチャンネル

長野県の郊外に住むシングルマザーの麦野早織(安藤サクラ)とその息子、湊(黒川想矢)。2人は平和な日々を送っていましたが、ある時を境に湊の様子がおかしくなります。

家に戻らない、靴が片方だけない、大人が驚くような妙な質問を繰り返すなど……。明らかにいつもとは違うのです。

変わりゆく息子の姿に心配した早織は湊を問いただすと、担任の保利に(永山瑛太)暴力を振るわれたと答えました。

彼の言葉を聞いて学校へ乗り出す早織ですが対応が悪く、保利の言い分も見事にバラバラ。主張が全く食い違い、それぞれが混乱状態へと陥る一方。

問題が解決しない最中で子どもたちはと言うと、大人の知らないところで様々な顔を見せています。

複雑な感情に襲われる者もいて、大人、子供の心に潜む「怪物」たちは徐々に姿を現すのでした。

映画『怪物』のネタバレあらすじ

【あらすじ①】「豚の脳」ってさ……


映画『怪物』公式Twitter

ある日、街では火災が発生。その様子をベランダから眺めるシングルマザーの麦野早織(安藤サクラ)と息子の湊(黒川想矢)。

その時、突然港は「豚の脳を人間に移植したのは豚なのか、人間なのか」と奇妙な質問を親へ投げかける。回答できない早織、その話題を誰がしたのかと尋ねると担任の保利(永山瑛太)だと言う。

火災が起きた翌日、クリーニング屋で懸命に働く早織の元にママ友が来店。

昨日の火災はひどく、ビルには“女の子のお店”が入っていたそう。そこへ保利が通っているとの噂があると、ママ友は口にするのだった。

妙な発言以降、湊の様子は段々とおかしくなる。

  • 自ら髪の毛を切る
  • 靴を片方だけなくす
  • 水筒から泥水が出てくる

など、理由の分からぬ不審な行動が相次いだ。

ある日、家にいつまでも帰宅しない湊。早織は心配し、知人の情報を頼りに廃墟と化したトンネルへ。すると

「怪物だーれだ」

と、スマホのライトをかざしながら1人で喋る息子の姿が……。

【あらすじ②】息子の知らない姿?


映画『怪物』公式サイト

耳から血が出ている湊。車に乗せると走行中、急にドアを開けて外へ飛び出してしまった。幸い大事には至らなかったが、明らかに様子が変だ。

早織が問いただすと、耳のケガは保利のせいだと言う。おまけに「お前の脳は豚の脳だ」と暴言を吐かれた事実を明かした。

黙っていられない早織は学校へ乗り出すも学校側の対応は極めてひどく、“謝ればいい”といった超テンプレート対応。

校長(田中裕子)は最近孫を亡くし、悲しみに明け暮れて常に上の空のようだ。何かがあると逃げ出そうとし、ようやく保利が現れても全く心のこもっていない適当な対応。

納得がいかない早織は後日、再度学校へと向かうも対応は変わらない。

それどころか保利の口からは「湊君、同じクラスの星川のことをいじめていますよ。家に凶器を持ち帰っていませんか」という衝撃の言葉が。

毎日の息子の様子を見ていれば、イジメや凶器など有り得ないに決まっている――。怒りに震えた早織は公然の場で保利のガールズバー通いを暴露、そのまま自宅へと戻る。

うまくいかないことにやきもきし、湊の部屋で2人くつろいでいると彼のランドセルから着火ライターが見つかるのだった。

【あらすじ③】保利の謝罪


映画『怪物』公式サイト

早織は湊のいじめを信じられず、直接星川依里(柊木陽太)の自宅へ向かう。依里は快く早織を家に上げるが、玄関にはなくしたはずの港の靴が。その件について尋ねると、湊は依里に片方だけ貸してくれたと言う。

依里の腕にはやけどの跡があり、湊がやったのかと不安を覚える早織。

だが依里曰く、彼にはいじめられておらず全ては保利のせいだと語る。クラスでは保利への評判が最悪だが、誰もが恐れで事実を告白しないそうだ。

遂に学校では保護者を集めて緊急会見のような形に。保利は大勢の前で暴力の件を謝罪、この問題はメディアに取り上げられ全国へと広まった。

平和な日常が取り戻せたかと思いきや、学校より湊が階段から落ちたと連絡が入る。校内で急に現れた保利に突き落とされケガをしたと言うのだ!

なぜ退職したはずの彼が急に――?早織はやり切れない気持ちを抱え、相変わらず様子のおかしな息子と過ごしていると、ある日大きな台風がやってくる。

台風の前日「僕って何に生まれ変わるのかな」と口にしていた湊。大嵐の朝を迎えると、愛する息子は家から姿を消していた。

【あらすじ④】捻じ曲げられた真実と誤解


映画『怪物』公式Twitter

時は遡って保利の視点へ。例の火災があった日、彼は恋人の広奈(高畑充希)と自宅へ向かっていた。少々理屈っぽくてややオタク気質の保利だが、彼なりに一生懸命児童と向き合っていたのである。

だが依里がクラスメイトにいじめられた部分を見逃していた。本当は湊と依里は仲が良かったものの、クラスの立場や目線を気にして湊は人目に触れないところで彼と交流を図ったのだ。

だからこそ依里へのいじめは見るに絶えず、強く出れない自分にも鬱憤が溜まる。湊の抑えきれない感情が度々爆発し、その一面を見るたびに保利は勘違いをしてしまったということ。

湊のケガも、彼の暴走時に保利の手がうっかり当たってしまったもの。つまり湊と依里はクラスの現状について嘘をついていた。

やがて保利もいじめに気が付き、依里の家を訪れる。

だが星川家は母親が不在、酒に酔った父親が保利を出迎え、自分の息子を「あいつは豚の脳みそがつまっている化け物から、俺が教育してやっていると」と虐待を匂わせる一言が。

何もかもが解決されないまま、遂に学校側から保護者への謝罪を強要されてしまう。

真実とは異なった内容でメディアに報じられたため、自宅にマスコミが来たり、嫌がらせを受ける日々。

決して校内で湊を追い掛け回したのではなく、退職の意を彼に説明したかっただけなのだ。

恋人にも去られ孤独になった保利は、依里と湊の件が引っかかっている……。自宅にて子どもたちが書いた作文を読むと、湊が依里の見方だった真実を知った。

【あらすじ⑤】生まれ変わった僕たち


映画『怪物』公式Twitter

台風の日、謝罪しに麦野家へ向かうと湊がいない。早織と保利は彼を探しに行く。一方で湊と依里は廃線跡にある古びた電車の中にいた。

2人は以前からこっそりと秘密基地を作り、放課後毎日のようにこの付近で遊ぶほどの仲だったのだ。

「怪物だーれだ」というカードを使った遊びに探検、ナイショの時間は充実していた、父子家庭と母子家庭の2人、似たような雰囲気に惹かれていく。

依里は周囲から頭がおかしい、病気扱いをされていて自らをそう語る。

例の火災も実は依里の仕業で、父がガールズバー通いだったことから、あの場所を燃やせば母親が帰ってくると考えたらしい。

湊は着火ライターを彼から奪う。依里の素直さに感情を揺さぶられるけれどもこの気持ちが何なのかわからない。

クラスのこともあって、やりきれない気持ちが時々爆発してしまうのだ。

依里が同性を好くことを納得がいかない父親は、息子を祖母の元へ送り転校させようとする。そこで湊は虐待に気づき、嵐の前日に2人で秘密基地へ逃げ込んでいく。

翌日台風は去り、晴天。全身泥だらけの港と依里は満面の笑顔を浮かべながら、森の中を走り回るのだった――。

映画『怪物』の登場人物・キャスト

本作は主要人物でないキャラクターもインパクト大。“怪物”度が凄まじく、視聴者を圧倒される人々ばかりです。

早織、湊、保利、依里を中心に物語が展開するため、今回はこの4人をピックアップしていきましょう。

麦野沙織/安藤サクラ


映画『怪物』公式Twitter

女手一つで子どもを育てるたくましいシングルマザーの早織。湊を寂しくさせないためにせっせと働き、家事・育児をテキパキとこなします。

「息子のことを心配しすぎなのでは」といった意見もあるようですが、我が子を傷つけられて黙っていられる親はいません。

学校に乗り込んだのも湊を想う気持ちがあってのことなのです。

早織を演じるのは女優の安藤サクラさん。『愛のむきだし』で注目を浴び、実力派との呼び名が高かったとか。『まんぷく』、『万引き家族』など有名作品へ次々と出演中です。

麦野湊/黒川想矢


映画『怪物』公式Twitter

妙な発言に不審な行動、何かに取り憑かれている様子を見せ続けた湊ですが彼にオカルト的様子はありません。

依里への気持ちや学校での自分の立場、様々な葛藤と戦っていたからこそ、周囲からは理解されないような行為へ走ったのです。

本当は心優しい彼は親意外に初めて大切な人を見つけました。作中では依里との関係がどうなったのかは描かれていませんが、きっと素敵な絆を結ぶことができたでしょう。

湊を演じるのは子役の黒川想矢さん。5歳から芸能界入りを果たし、『怪物』が自身初となる主演作!高い演技力で多くの人を魅了、今後もさらなる活躍が期待したいですね。

保利道敏/永山瑛太


映画『怪物』公式Twitter

少々不思議キャラの保利。でも悪い人間ではなく、彼は彼なりに子どもたちと向き合い、教師として日々奮闘していました。

学校の方針で間違いを主張できず、丸め込まれてしまう保利。波風を立てないあの風潮には、彼自身が最も苦しい気持ちを抱えたでしょう……。

大嵐のなか早織と子どもたちを探しに行ったあとは、湊と和解できたはず。学校に戻るのは難しくとも、「保利先生」として第二のスタートが切れることを願うばかりです。

保利を演じるのはさん。3兄弟全員が俳優であり、「永山瑛太」とは芸名ではなく本名。

数々の賞レースで好成績をおさめ、ドラマ『ハロー張りネズミ』、『あなたがしてくれなくても』、映画『友罪』など、あらゆるキャラクターを器用にこなす高い演技力の持ち主です。

星川依里/柊木陽太


映画『怪物』公式Twitter

素直で可愛らしい依里ですが、おっとりさんでマイペースなせいかいじめのターゲットに。実父からは虐待され、過酷な状況のなか真っすぐさを忘れずに生きています。

依里からすれば湊は救いとなる存在。彼と友達だということ堂々と公言できなくても、秘密基地での毎日は非常に楽しかったと思います。

依里は湊と心が通いました。“本当の絆”を知った彼らはどう進んでいくのか……。2人の未来はきっと明るい、そう信じてほしいものですね。

依里を演じるのは子役の柊木陽太さん。2021年より活動をスタートさせ、現在は続々と出演作が急増中。

2023年夏公開予定の『1秒先の彼』にも出演しており、今後の成長が楽しみな人物の一人と言えるでしょう。

映画『怪物』、登場人物の“怪物”な部分とは?


映画『怪物』公式Twitter

『怪物』といったタイトルですが、決して幽霊やモンスターが登場するのではありません。

本作は人の心に潜む“鬼”、そして“闇”、“攻撃性”などダークな部分を「怪物」と表すのだと筆者は考察します。

人間の“怪物な一面”とは果たしてどのような部分なのか。登場人物の事例を見ながら、一緒に考えてみませんか。

早織の“怪物”さ

早織は頑張るシンママで、表面だけを見れば作中の登場人物の中では常識人に見えるかと思います。

しかし湊の嘘により学校への不信感を抱き始め、保利へ食って掛かる姿は“怪物”そのものでした。

もちろんあのような対応をされれば誰もが心をかき乱されるのは仕方がないものの、事実かどうかは定かでない保利のガールズバー通いを急に暴露。

また夫が不倫旅行中に死亡した件についてはノータッチ。これには妙な怖さを覚えてしまうほどです。

物語が進むにつれて早織はどこか無理をしており、頑張って湊へ接しているようにしか見えないような……。

早織の二面性、そして人間味が溢れていそうでいない点が彼女の“怪物”な一面と言えるでしょう。

湊の“怪物”さ

湊の怪物が表れてしまった場面と言えば、依里への感情とやるせない気持ちが爆発した部分でしょう。

けれども自分では良くないことをした自覚があるからこそ、すぐに怪物が引っ込む。まだ彼が素直な子どもだからかもしれませんね。

大人と違ってドロドロとしたねちっこさがない湊の“怪物”。そんな一面さえ受け入れて終盤へ進む彼の姿には成長を感じるはずです。

保利の“怪物”さ

保利は変わり者なので元々が怪物っぽいのかもしれません(笑)

性格は非常に冷静で感情を全面に出し過ぎることなく、唯一行き過ぎた言動が見られなかったキャラクターです。

彼の“怪物”さは誰よりもライト。序盤は保利自身がモンスターのように描かれていましたが、実際はかなりマトモだったということです。

依里の“怪物”さ

可愛くて子どもらしく、“いい子”。けれども雑居ビルに放火した驚きの秘密を抱えていたのです。

依里は見ているだけで笑顔になるような愛らしさを持ちますが、狂気性を秘めているといっても過言ではないでしょう。

放火後もスキップして帰る、森の奥で火を扱うことに抵抗がない、どんなにいじめられても涙を流さない等……。

どこか心が欠けてしまっていて、人間味の薄さを感じてしまいますよね。

虐待や周囲の環境のせいで作られた狂気なのか、それとも初めから依里に“怪物”備わっているのかは分かりません。

広奈の“怪物”さ

広奈はマスコミに追われた保利を見てあっさりと彼を捨てます。

付き合っている時から彼にお熱ではなく、ちょっと一歩引いたところで見ていた意見の“他人っぽさ”といったらもう……。

広奈は女性としての怪物さが表に出た人物だと思いますね(笑)

校長の“怪物”さ

怪物度のトップクラスを争うキャラ、校長先生を忘れてはなりません。

最初は超サブキャラか?と思いきや……

  1. 孫を亡くした→
  2. 孫を誤って轢き殺したのは旦那だった→
  3. 実際に轢いたのは校長本人→
  4. 自分の立場を守るために旦那に身代わりになってもらった(旦那は檻の中)

……と、衝撃の事実がボロボロと溢れ出る始末。

また校内の闇は適当に処理、学校を守るために保利に犠牲になってもらうと“怪物”すぎる存在!

校長自身も過ちを後ろめたく思っているせいか、常に何とも言えぬ表情を浮かべています……。

教員たちの“怪物”さ

完全に校長の言いなり、世間体ばかりを気にする教員たちも立派な“怪物”たち。

思うことは色々あるのだろうけど「穏便に済ませればいい」という事なかれ主義には呆れてしまいますね。

映画『怪物』の推せるポイント


映画『怪物』公式Twitter

映画『怪物』は最初から最後まで完璧に作られた素晴らしい映画だと思います。

推しポイントは山ほどあるのですが、多くの人が共感するイチオシポイントをまとめました。

序盤のホラー臭、後半のどんでん返し

不審な火事が起き、湊の様子がおかしくなる序盤はホラーのような雰囲気を覚える『怪物』。

話が進むにつれてモンスターパニック系の作品ではないことが分かり、後半には驚きのどんでん返しが炸裂!

保利の回想シーンから始まる伏線回収には驚きを爽快感を覚えるはずです。

前半と後半で少し毛色が異なり、飽きさせない作りが多くのファンを獲得する秘訣でしょう。

世の中の闇のリアルさ

家庭環境、いじめ、虐待、学校問題……。世の中には完全な解決が難しい問題が山ほど溢れています。

怪物は闇とも言える問題の描き方が非常にリアル、容易に想像できるようなシーンは思わずやるせない気持ちになってしまうほど

我々が目を背けていない部分を嘘偽りなく真っ向から映し出すところは、流石としか言いようがありません。

同性愛にまつわる繊細な描写

LGTB法案が可決される以前より、同性愛などを取り扱う作品が増えたように感じます。

本作も湊と依里の関係に“愛”が絡んでいますが、ここまで(同性愛に対する)葛藤を描いたものはそう多くないでしょう。

まして湊は小学校5年生という子どもです。これから大人に進む一歩手前の年齢ですから、最も繊細な時を丁寧に描写。

ただ今流行りの要素を取り入れているわけではない――。『怪物』のサブテーマである強いメッセージが伝わってきますね。

視聴者に委ねられる意味深なラストシーン

最後は嵐が去った森を駆け回る湊と依里のシーンでおしまい。果たしてこれがハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかは視聴者の考えに委ねられています。

仮に2人が結ばれたとしても、現実は続いているのであの教室に戻らねばなりません。

湊も保利の謝罪が必要ですし、いずれは同性愛者という事実を早織に打ち明ける必要が出てくるかも……。

依里も依里で転校の話が出ていました。虐待のことも考慮すれば、2人の道はこの後も少々険しそうな予感がします。

また、あの快晴に包まれた森は「天国」である可能性も高いでしょう。

2人だけの世界でトンネルから抜け出した=厳しい現実から離れた=激しい嵐に巻き込まれて死亡した、なんて考察もできるもの。

果たして彼らがどうなったのかは作中の登場人物にしか分からないのです……。

まとめ

話題沸騰中の『怪物』についてご紹介しました。今年上映される邦画の中でも注目度が高く、足を運ぶ人々が続々と増えています。

筆者も平日に映画館へ行きましたが朝から晩まで席がほぼ埋まっており、話題性のある作品ということを強く実感したほど。

126分あっという間に過ぎてしまう作品です。普段映画を観ない方にも必ず“刺さる”はずですのでぜひスクリーンでご覧ください。

この記事を書いた人
たかなし亜妖
たかなし亜妖

フリーライター&シナリオライターの映画好きサブカル女子。ライター歴は一年半くらいでまだまだひよっこ。 「感動よりも恐怖を、お涙よりもスリルを!」を基準に映画を選ぶ人。ホラー、スリラーサスペンス、鬱になりそうな作品が特に好き。でもハッピーな気分になれる海外ドラマも好き。キャラクターものもアニメも好き。要するにかなりの雑食です。