劣化版?いえいえ!実はスゴい、日本のミュージカル映画7選

アカデミー賞6部門を受賞した「ラ・ラ・ランド」や、2018年に公開され大ヒットとなった「グレイテスト・ショーマン」など、海外のミュージカル映画は日本においても大きな話題を呼んでいます。

「でも耳にするのは洋画ばかり。もしかして日本のミュージカル映画って無いの?」

いえいえ、そんなことはありません!今回は日本の魅力的なミュージカル映画を紹介していきます!

1.モテキ

「恋が、攻めてきたッ!」

モテキ
Media Tweets by 映画『モテキ』公式 (@MOTEKI_movie) | Twitter

あらすじ

金なし夢なし彼女なし。仕事もせずにダラダラと生きてきた男、藤本幸世(森山未來)。このままではダメだと幸世は奮起しライターの仕事を始める。しかしそれでも恋愛に縁のない生活に幸世の鬱憤は募るばかり。

そんな幸世の前に、ある日突然、SNSで知り合った女性・みゆき(長澤まさみ)が現れる。思わぬ美女の登場に翻弄されまくる幸世。しかし彼女との出会いは、これから幸世の身に巻き起こる「モテキ」の始まりに過ぎなかった。

おすすめポイント

“そんな見せ方ってあり!?個性的すぎる音楽演出”

この作品は音楽の演出方法が非常に個性的で、時には王道のミュージカルスタイルで、時には謎のカラオケ映像の演出で(本当に謎です)、面白おかしく幸世の喜怒哀楽を表現します。

使用される楽曲も様々で、ロックやJ-POP、アイドル音楽など様々なジャンルの楽曲が登場します。作中でPerfumeが登場して幸世とダンスを踊るシーンは大きな話題を呼びました。Perfumeの3人に負けじとキレッキレのダンスを踊る森山未來の姿は必見です。

このように従来のミュージカル映画に捕らわれない、個性的な音楽演出を楽しめることも、この作品ならではの魅力と言えます。

“嫌味にならない幸世の絶妙なダメ男っぷり”

ライターの仕事に就いた幸世は、これまで客の立場で来ていたロックフェスにスタッフパスで訪れたり、憧れのアーティストやお笑い芸人にインタビューをしたり、正にサブカル趣味の人間としては”夢”のような経験をします。

さらにそこにモテキまで到来するのですから、見ているほうは思わず嫉妬で幸世に敵意すら芽生えてくるかもしれません。しかしそこは生粋のダメ男の幸世、自ら墓穴を掘りまくり痛々しいミスを連発します。

ずっと待ち望んでいたモテキが訪れたはずなのに、次から次へと巻き起こる美女達とのハプニングに翻弄される幸世の姿を見ると、何だか羨ましいような、でも自分の身に起こったらと思うと遠慮したくなるような、そんな複雑な気持ちになります。

幸世の周囲を取り巻く会社の同僚達がまたいい味を出しているんですよね。窮地に立たされた幸世を助けるどころか、むしろ面白がって茶化す始末です。

誰も味方してくれない哀れな幸世。でもそんなダメ男の幸世だからこそ、私たちは応援してやりたくなるのかもしれません。

こんな人におすすめ

  • サブカルが好きな人。作中には実在のタレントやアーティスト、バラエティ番組などが多く登場します。しれっと紛れ込んでいるので、その正体に気付けるとニヤニヤできます。
  • テンポの良いストーリー展開に期待する人。ミュージカル映画というと演出上、どうしても進行が滞ってしまいがちですが、この作品はかなりサクサク進みます。演出方法も様々で退屈しません。

こんな人には向かないかも…

  • ダンスや歌をたっぷり見たい人。残念ながら王道のミュージカル演出と呼べるシーンは1つしかありません。森山未來のダンスがあまりにもキレッキレだっただけに、ダンスシーンが少ないのが大変惜しいところです。
  • 下ネタが苦手な人。登場人物の多くが結構ストレートに下ネタを言います(それがこの作品の面白いところでもあるのですが)。

2.舞妓はレディ

「あたし、舞妓さんになる。」

舞妓はレディ
舞妓はレディ – 映画・映像|東宝WEB SITE

あらすじ

舞妓に憧れる少女・春子(上白石萌音)は京都のお茶屋を訪れ、自分に稽古を付けてほしいと頼みこむ。しかし紹介も無しに急に現れた春子を誰も相手にしようとしない。

偶然そこに居合わせた言語学者の京野(長谷川博己)が、津軽弁と鹿児島弁の両方を流暢に喋る春子に興味を持つ。春子ならば「京言葉」を喋れる”本物の舞妓”になれると確信したのだ。

かくして、春子の長く厳しい舞妓修行が始まった。舞踊、三味線、そして京言葉のレッスン。数々の厳しい修行を乗り越えていく春子は、徐々に周囲の人々にも認められていく。

しかしある日、春子の身に異変が起こり・・・。

おすすめポイント

“上白石萌音の熱演、そして歌唱力”

この映画の見どころは、舞妓に憧れる少女・春子が京都の人々と触れ合い、成長していく姿にあります。不安、喜び、挫折、希望。厳しい舞妓の修行に明け暮れる春子の身には、日々様々な出来事が巻き起こります。

主演の上白石萌音はそんな春子の初々しい姿を素晴らしい演技で表現してくれました。また、彼女の魅力は何といってもその歌声です。アニメ映画「君の名は。」をはじめとした声優活動や歌手活動の方面でも高い評価を得ている彼女ですが、本作品においてもミュージカルシーンではその見事な歌声を披露してくれます。

“煌びやかな京都の世界”

舞妓の世界が舞台ということもあり、作品中にはお茶屋が立ち並ぶ花街や祇園祭りなど京都ならではの様子が多数登場します。花が散り、舞妓や芸妓が歌い踊る姿には、これぞ日本のミュージカルだ!というものを見せつけられます。

京都の文化や街並みが好きな人にもぜひ見ていただきたい作品です。

“「言葉」の魅力に惹かれる”

津軽弁と鹿児島弁の両方を流暢に喋る春子は、それがきっかけで言語学者の京野と出会い、舞妓修行への道を開きます。馴染みの無い京都文化に困惑する春子ですが、中でも京言葉の修行にはとても苦労します。

この映画の言葉遣いへのこだわりは随所に見られ、最初はたどたどしかった春子の京言葉が徐々に上達していく姿はとてもリアリティがあります。他の映画では見られない、京言葉によるミュージカルを味わえることもこの映画の魅力の1つですね。

こんな人におすすめ

  • 京都の文化や街並みを存分に活かした”和”ミュージカルを見たい人。
  • 夢に向かって努力する主人公に共感できる人。この映画はズバリ、主人公春子のサクセスストーリーです!皆で春子を応援しましょう。

こんな人には向かないかも…

  • 予想外のストーリー展開を楽しみたい人。王道のサクセスストーリーであるが故に、やや先の展開を読みやすいかもしれません。
  • 音痴な歌声が気になってしまう人。正直なところ全員が全員、超絶歌ウマというわけではないです。

3.舞妓Haaaan!!!

「男の究極の夢。それは・・・、舞妓と野球拳。」

舞妓Haaan!!!
出典:Amazon.co.jp

あらすじ

食品会社の東京本社で働く鬼塚公彦(阿部サダヲ)は、ごく平凡なサラリーマン。しかし彼には、どうしても叶えたい夢があった。それは「舞妓さんと野球拳」をするということ。

ロクに仕事もせずに暇さえあれば京都に通っていた公彦は、ついに支社へ左遷されてしまう。しかしその左遷先とは、熱狂的な舞妓ファンの公彦にとっては正に天国とも言える”京都”支社だった。

同僚の彼女・大沢富士子(柴咲コウ)をあっさり切り捨て、意気揚々と京都入りする公彦。しかしそこで、「一見さんお断り」という舞妓遊びの大きな壁にぶち当たる。果たして公彦はこの大きな壁を乗り越え、憧れのお茶屋デビューを果たすことができるのか。

おすすめポイント

“舞妓に憧れた男のドタバタ奮闘劇”

「舞妓はレディ」と同じく、こちらも舞妓の世界を舞台にした作品になります。しかしこちらは舞妓さんが主人公、ではなく「舞妓さんと野球拳をするのが夢」というなんとも自分の欲情に真っすぐな男の、ドタバタ奮闘劇が描かれています。

舞妓さんを追ってどこまでも暴走する主人公・公彦の行動は、いつも見る側の予測を超えていて、あれよあれよという間にとんでもない大活躍・大出世をしていきます。

そんな公彦の姿はあまりにも誠実さとはかけ離れていて、哀れで、でもどこか愛おしく感じられます。”ダメ男”なのになぜだか”憎めない奴”を上手く表現する、主演・阿部サダヲのらしさが溢れています。

“笑いが散りばめられた「クドカンワールド」”

この作品の脚本は宮藤官九郎です。彼の特徴といえば、”現実離れした世界観”を登場人物の設定やセリフで面白おかしく表現する部分にありますが、この作品においてもその魅力が大いに発揮されています。

途中、舞妓になかなか逢えず傷心の公彦が音楽にのせて歌いだしますが、これが世界観無視のブロードウェイのようなミュージカルで異彩を放っています。一緒に踊るために出てきた舞妓達に急に公彦がキレたりと、
ミュージカルのお約束すらもパロディとして扱ってしまうブラックユーモアが、この作品ならではの魅力と言えます。

「The 有頂天時代劇?山猿?どこかで聞いたような。」、この作品にはそんなぎりぎりなパロディネタがたくさん詰め込まれており、それらがテンポ良く次から次へと登場するのですから、とにかく笑いの密度がすごいです。

小ネタを盛り込む作品は多々ありますが、ここまでの物量の多さは、正に「クドカンワールド炸裂!」といった感じで、その魅力を存分に味わうことができます。

こんな人におすすめ

  • ちょっと危険なパロディネタが好きな人。
  • 阿部サダヲのハイテンションな演技でたくさん笑いたい人。映画「謝罪の王様」でもおなじみの「阿部サダヲ×宮藤官九郎」の、ハイテンポなコメディ映画の魅力がこの作品には詰まっています。

こんな人には向かないかも…

  • 京都の文化を丁寧に掘り下げた作品を見たい人。終盤は舞妓さんそっちのけで、本当にとんでもない展開になっていきます。
  • 歌や踊りをたっぷり楽しみたい人。作中では阿部サダヲの意外にも美麗な歌声を聞くことができますが、残念ながらミュージカルシーンはそこまで多くはありません。

4.愛と誠

「天使が悪魔に恋をした」

愛と誠
出典:Amazon.co.jp

6月16日(土)公開 映画『愛と誠』 予告篇 – YouTube

あらすじ

超絶お金持ちの家庭に生まれたお嬢様・早乙女愛(武井咲)は、幼いころに助けられた太賀誠(妻夫木聡)と運命の再会を果たす。しかし手も付けられない不良少年になっていた誠は、不良グループとケンカをして少年院に送られてしまう。

誠に思いを寄せる愛は、”お金と愛の力”で更生させようと、誠を自分が通う名門学校に編入させ、さらにはアパートや学費までも用意してしまう。

そんな愛の努力も虚しく、またも問題を起こして退学になってしまう誠。そんな誠が次に転入したのは、札付きの不良たちが集う学校だった。さらにそこへ誠を心配した愛までもが転入してきてしまい・・・。

おすすめポイント

“人気漫画作品、まさかのミュージカル化”

原作は1970年代に連載された純愛漫画「愛と誠」で、その後もドラマ化や舞台化などもされた人気作です。その「愛と誠」がなんと40年ぶりに蘇り、しかもミュージカルに!なんとも衝撃的な作品となっています。

不良がはびこる荒廃した学校で、これまた不良の主人公が日々ケンカにあけくれる、という定番の設定なのですが、随所に盛り込まれているミュージカル演出がエンタテインメント作品としてのこの映画の魅力を際立たせています。

さあいざケンカの始まりだ!というシーンで急に歌いだす誠。ちょっとシュールな感じですが、時代劇の名乗りや歌舞伎の見栄切りのようにも思える、不思議な格好良さがあります。

“コメディタッチで描かれる学園ライフ”

絵に描いたような不良少年の誠ですが、ド天然の愛が素っとん狂なことを言っては見事なツッコミを入れ、愛に惚れるストーカーまがいの男・岩清水には終始振り回され、なんとも苦労人としての一面も持ち合わせています。

そんな誠を中心に、コメディ要素多めで学園ライフが描かれていきます。不良のケンカものはちょっと・・・、という方も笑って楽しめる作品に仕上がっています。

“それでもテーマは「純愛」”

終始コメディタッチなこの作品ですが、愛と誠の恋愛事情についてもしっかりと描かれています。

ケンカばかりにあけくれる誠と、そんな誠を信じて一途に思い続ける愛。この純愛こそが、この作品のメインテーマなのでしょう。予想もできないこの2人の恋愛の着地点には、思わず心が震えてしまいます。

こんな人におすすめ

  • 「ろくでなしBLUES」のような、不良少年によるケンカと恋の物語が好きな人。
  • 昭和歌謡曲が好きな人。「あの素晴らしい愛をもう一度」「また逢う日まで」「激しい恋」など昭和の名曲が勢揃いです。

こんな人には向かないかも…

  • 原作漫画そのままの世界観に期待する人。70年代の作品を現代に蘇らせるため、敢えて大きな改変が行われています。
  • バイオレンスな表現が苦手な人。

5.嫌われ松子の一生

「松子。人生を100%生きた女。」

嫌われ松子の一生
「嫌われ松子の一生」公式サイト

あらすじ

自暴自棄な生活を送っていた冴えない男・川尻笙(瑛太)は、自分の伯母にあたる川尻松子(中谷美紀)が殺害されたことを知らされる。

家族からも見放され、嫌われ者として生きてきた哀れな松子に、初めは何の感情も抱かなかった笙だったが、松子の自宅の片づけをしていくうちに1枚の写真を見つける。

教師、不倫、ソープ嬢、殺人。笙はこれまで語られることのなかった彼女の壮絶な人生を知ることになる。

おすすめポイント

“壮絶すぎる松子の一生”

主人公であるはずの松子が殺されてしまった、そんな衝撃的な展開から物語は始まります。そこから語られていく松子の人生もあまりに壮絶で、思わず目を覆ってしまうような、でもどこか笑えてしまうような作品です。

“どこまでも純粋で不器用な松子の人間性”

なぜ松子はそんな人生を送ることになったのか。窮地に立たされるとその場しのぎの嘘をついてはさらに追い込まれ、交際相手から身体のことを褒められればすぐにソープ嬢になり、
そんなどこまでも純粋で不器用な松子に、見ている側は「おいおい」、とツッコミたくなる展開の連続です。

しかしそんなハチャメチャな松子だからこそ、ただただ悲惨なはずの人生がどこか面白く、ユーモラスに満ち溢れた作品になっています。

中谷美紀さんの演技も素晴らしく、順風満帆だったはずの教師時代から晩年の50代まで、様々な境遇の松子を見事に演じ切っています。特徴的なアヒル口(といっていいのか・・・)の変顔はものすごく印象に残ります。

“悲しく、それでもどこかファンタジーな世界”

松子にばかり注目が行ってしまいがちですが、他の登場人物も松子に負けじとばかりにキャラが立っています。「劇団ひとり」や「カンニング竹山」などお笑い芸人も多く出演しており、
彼らの松子との
ハチャメチャな掛け合いはぜひ見ていただきたいです。

また、CGアニメーションを随所に盛り込んだ、絵本の世界を思わせるようなファンタジーな世界観もこの作品の魅力の1つです。「悲惨な人生?それがどうした!」そう言わんばかりの華やかな演出が、松子の人生をコメディタッチに描き出しています。

こんな人におすすめ

  • 悲しくも笑えるミュージカルを見たい人。ストーリーだけ見れば本当に救いのない人生です。でも笑えます。
  • サスペンス要素が好きな人。松子が殺されてしまったという衝撃の始まりから、徐々に真相が語られていく展開には、思わず息を呑みます。

こんな人には向かないかも…

  • 気持ちよくスッキリとした見ごたえを期待する人。悲惨な松子の人生には、ウッと辛くなってしまう瞬間も多いです。
  • リアリティのあるストーリーを楽しみたい人。この作品はどこまでもファンタジーな世界観で、登場人物も変な人ばかりです。

6.TOKYO TRIBE

「世界初 ”バトル・ラップ” ミュージカル!」

TOKYO TRIBE映画『TOKYO TRIBE』 – ホーム

『TOKYO TRIBE』予告 – YouTube

あらすじ

近未来のトーキョーでは、様々な族(トライブ)が各々の街を縄張りとして支配しながら生きている。トライブの1つ「ムサシノSARU」に所属する出口 海(YOUNG DAIS)も、仲間たちと共に変わらない日々を送っていた。

しかしある事件をきっかけに、海と親友の「ブクロWU-RONZ」のヘッド・メラ(鈴木亮平)は衝突する。この二人の衝突はやがてトライブ同士の争いに発展し、ついにはトーキョー全体のトライブを巻き込む壮絶な大バトルが始まろうとしていた。

おすすめポイント

“圧巻の「バトル・ラップ」ミュージカル”

この映画の特徴は何といっても、ラップをベースに行われるミュージカル演出です。歌って踊るのがミュージカルなら、確かにラップバトル映画もミュージカルと呼べるかもしれません。
最初この発想を目の当たりにしたとき、
「やられた!そういう手段があったのか!」と衝撃を覚えました。

惜しむらくは、このラップ×ミュージカルというジャンルに続く映画作品がなかなか出てこないことでしょうか。ラップバトルの文化は割と閉鎖的な世界で、興味がない人にはなかなか目にする機会がないものだと思いますが、
この作品はそんな人達でも
「ラップってなんだかカッコイイ」と思わせる力があるように感じました。

国内から今後も同ジャンルの映画が出てくるのに期待するのはもちろん、本場アメリカからもぜひ同じ路線の映画が出てきてほしいですね。そんな新しいジャンルを切り開く可能性をもった作品です。

“現役ラッパー達が本気のラップを披露”

本作品には「YOUNGDAIS」、「漢 a.k.a. GAMI」、「D.O」などの有名な現役ラッパー達が多数登場します。このラッパー達のキャラが個性的で面白い。
ラッパーというのはキャラ立ちが大事なので、映画の世界においても彼らの魅力が際立つのはある意味当然かもしれません。

また、俳優陣にも染谷将太や窪塚洋介など音楽好きな人が多く、彼らも本職のラッパー達に負けじと印象に残りまくりの熱演を見せつけます。そんな現役ラッパー達や俳優陣の”本気”のラップが、この映画にヒップホップカルチャーとしての説得力を与えてくれています。

こんな人におすすめ

  • ラップやストリートファッションなどのヒップホップカルチャーが好きな人。
  • ヒップホップ音楽をバックに行われる、ど派手なアクションシーンでスカッとしたい人。
  • バカバカしいけど勢いのある笑いが好きな人。

こんな人には向かないかも…

  • エミネムの「8Mile」のような骨太なストーリーに期待する人。行き当たりばったりな展開が許せない人。
  • バイオレンスな表現、性的な表現が苦手な人。

7.座頭市

「ミュージカル”時代劇” 誕生!」

座頭市
出典:Amazon.co.jp

金髪、赤い鞘という派手な装いをした盲目の按摩・座頭市(ビートたけし)。ある宿場町を訪れた市は、用心棒の働き口を探す浪人・服部と、旅芸者のおきぬ、おせい姉妹の二組の旅人と出会う。

野菜売りの女・おうめの家に世話になっていた市は、おうめからこの宿場町はヤクザの銀蔵一家に仕切られていることを聞かされる。市はそんな銀蔵一家の賭場に足を運ぶが、持ち前の耳の良さで銀蔵一家のイカサマを見破り、賭場の男たちを切り殺してしまう。

銀蔵一家に追われた市は、おきぬ、おせい姉妹と合流し、彼女たちの親が銀蔵一家に殺されていたことを知る。銀蔵一家の壊滅に乗り出す市だったが、そこで銀蔵一家の用心棒となっていた服部と衝突するのだった。

おすすめポイント

“万人が楽しめる新・時代劇”

この作品は勝新太郎の名作時代劇「座頭市」に、北野武が監督・主演で挑んだ話題作です。綾瀬はるかの「ICHI」や香取慎吾の「座頭市 THE LAST」など、この作品以降も「座頭市」は長きに渡って愛されるシリーズになっています。
その中でもこの北野武版の座頭市は異彩を放っており、
時代劇にミュージカルを合わせるという非常に挑戦的な作品です。

北野武監督はこの映画に「娯楽作品」としての魅力を追求しており、分かりやすいストーリーや派手なアクションシーンなど、そのこだわりは随所に見られます。
ミュージカルをかけ合わせたのも、より多くの人にこの時代劇を楽しんでもらうための手法の1つだったのでしょう。

“音へのこだわり”

この作品のミュージカル演出は少し変わっていて、何といっても印象的なのは、町人たちが集団で踊りだす「タップダンス」です。声を出して歌うわけでもなく、
”下駄”を履いて軽快なリズムでタップし、その所作の音のみで全ての表現をしていきます。

他にも、大工が打つ金槌の音や農作業の音が小気味よいリズムを刻んでいて、いつのまにかそれがそのままBGMになっている、というシーンもあります。
これらの
”音”の演出へのこだわりは、主人公が盲目であるというこの作品の設定ともシンクロさせているのかもしれません。

そう考えると、足音、着物が擦れる音、雨の音など、すべての音が北野武監督のこだわりが詰まった魅力的なものに思えてきます。この映画を見る際には、ぜひ”音”にも注目しながら見ていただきたいです。

こんな人におすすめ

  • 敵をバッサバッサと刀で斬りまくる殺陣シーンが好きな人。
  • 他の作品では見られない、ビートたけしのミステリアスでカッコイイ時代劇アクションを楽しみたい人。
  • アクション要素が多く、笑いも溢れる時代劇を楽しみたい人。これまで時代劇にあまり興味がなかった人にこそ見ていただきたい作品です。

こんな人には向かないかも…

  • 出血描写が苦手な人。
  • 歌声が聴けるミュージカルに期待する人。この作品はタップダンスをはじめとした”音”の演出に重きを置いています。

まとめ

以上、オススメな日本のミュージカル映画の紹介でした。

タイトルは聞いたことがあったけど、ミュージカル要素があるとは知らなかった、という作品も多かったのではないでしょうか。この記事をきっかけに、日本のミュージカル映画に興味を持っていただけるととても嬉しいです。

また、2019年夏には「スウィングガールズ」や「ハッピーフライト」の矢口史靖監督による、ミュージカル映画「ダンスウィズミー」が公開予定です。こちらもぜひチェックしてみてください!

イチオシ ! ミュージカル映画25選|最高の音楽体験をアナタに… 幸せがとことん詰まったハッピーエンドで終わるおすすめ映画15選!