最強に過激でバイオレンスなファイト・クラブの名言集
「作中で人が一人しか死なないのにも関わらずあまりにも暴力的」とまで評された映画『ファイト・クラブ』。批評家に酷評されたにも関わらず、今なお熱い人気を誇る超カルト映画です!
そんな本作を象徴するのは、なによりも最強に過激なミニマリスト、タイラー・ダーデンの存在でしょう。
この記事では極力ネタバレを避けつつ、そんな彼と彼に関わる登場人物たちの過激かつ深い名言を紹介していきたいと思います。
目次
- 映画『ファイト・クラブ』のあらすじ
- 映画『ファイト・クラブ』のバイオレンスで深い名言集
- 【名言①】「人は聞く。『タイラーを知っているか?』」
- 【名言②】「一瞬、爆薬の恐怖を忘れて思った。『その銃、清潔なのか?』」
- 【名言③】「張り切りやがって!コーヒー浣腸でも?」
- 【名言④】「違う時間に違う場所で目覚めたら、違う自分になれる?」
- 【名言⑤】「小さな一回分パックの人生旅。砂糖もミルクも一回分。バターも一回分。ままごとのような機内食。一回分のシャンプー液。一回分のうがい液。一回分の石けん。機内で出会う人間は一回分の友達」
- 【名言⑥】「酸素でハイにするのさ。乗客はパニックで大きく息を吸い、酸素の作用でハッピーになり運命を受け入れる」
- 【名言⑦】「自嘲的な笑いだな」
- 【名言⑧】「なにがガーデニングだ! タイタニックと海に沈めばいいんだ」
- 【名言⑨】「諸君、ファイトクラブへようこそ。第一のルール”クラブのことを口外するな”第二のルール”クラブのことを口外するな”」
- 【名言⑩】「ワークアウトは自慰行為だ。男は自己破壊を」
- まとめ
映画『ファイト・クラブ』のあらすじ
この物語は〈僕〉(エドワード・ノートン)が空きビルの中で、口に銃を突っ込まれているところからはじまる。〈僕〉曰く”騒乱計画”の爆破委員会が12のビルに爆弾を仕掛け、あと2分で周囲数ブロックが跡形もなく吹き飛ぶのだそうだ。
そして〈僕〉がいる場所は、爆破を見るのにはうってつけの特等席。すべての原因であるマーラ・シンガー(ヘレナ・ボナム=カーター)とタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)の出会いとその軌跡を回顧するーー。
〈僕〉は自動車会社に勤めるサラリーマン。不眠症に悩まされて医者に通っているが、いっこうに相手にしてもらえない。藪医者は「睾丸がん患者の会合に出てみろ。あそこに本当の苦しみがある」と言うのだった。
そこで実際に確かめてみるために睾丸がん患者の会合に参加した〈僕〉はそこで睾丸がん患者の告白を聞くうちに感極まって泣いてしまう。以降、不眠症が解決した〈僕〉は様々な会合に偽物の患者として参加するようになる。
だがある日、そこで自分と同じように偽物として会合に参加している女、マーラシンガーと出会った。
彼女に「お前は偽物だ」と言われているような気がしてくる〈僕〉はそのせいで再び不眠症に陥ってしまう。
とうとう我慢の限界を迎えた〈僕〉は彼女を問い詰めて互いに会合を日をずらすように契約する。
そんな中、出張のため飛行機に乗っていると、ある奇妙な男と隣席になる。その男こそがタイラー・ダーデンだ。
タイラー・ダーデンの飾らない態度と捻くれた思考に共感を覚える〈僕〉。そんな男との奇妙な友情を感じつつ別れて帰路につくと、なんと家が爆破され跡形もなく吹き飛んでいてーー。
映画『ファイト・クラブ』のバイオレンスで深い名言集
『ファイトクラブ』は暴力的かつ過激な映画。そんな本作はミステリーやスリラーとしての側面や、深い人生考察としての側面もあります。
タイラー・ダーデンの刹那的でミニマリズムなセリフだけではなく、語り部である〈僕〉の深い人生考察についてのセリフなど。たくさんの過激でひねくれたセリフの数々を紹介していきます。
【名言①】「人は聞く。『タイラーを知っているか?』」
映画の冒頭、〈僕〉が最初に発するセリフ。「タイラー・ダーデンとは何者か?」という映画全体を貫くテーマを端的に表しており、この映画を物語る、素晴らしい導入です。
【名言②】「一瞬、爆薬の恐怖を忘れて思った。『その銃、清潔なのか?』」
こちらも映画の冒頭。口の中に銃を突きつけられているという緊迫した状況で画面にかぶさってくる〈僕〉のモノローグ。
スリル満点でありながらも、どこか笑えてしまう。コメディチックなところのある『ファイトクラブ』を象徴するかのようなセリフです。
【名言③】「張り切りやがって!コーヒー浣腸でも?」
正確に言えばこれは『ファイトクラブ』の名言ではないかもしれません。
本作の字幕翻訳を担当したのは女王とまで称される戸田奈津子氏。彼女は”なっち”として親しまれており、その特徴的なセリフまわしからファンも多い方です。
上司から無理な出張を押しつけられた〈僕〉の内心を表現したセリフ。
「コーヒー浣腸」というインパクトのある言葉に「~でも?」という戸田奈津子氏特有の言葉遣いが印象的で、まさに戸田奈津子ワールド全開の「名言」です。
さすがに意訳しすぎのような気もしますが、ニュアンスだけでも楽しめるセリフですね。
【名言④】「違う時間に違う場所で目覚めたら、違う自分になれる?」
出張で人生の時間を無駄に費やす〈僕〉が発したセリフです。無為な日々を過ごす〈僕〉の願望を表しています。
そしてのちの展開に関わる重大なセリフでもあるので、要注意です。
【名言⑤】「小さな一回分パックの人生旅。砂糖もミルクも一回分。バターも一回分。ままごとのような機内食。一回分のシャンプー液。一回分のうがい液。一回分の石けん。機内で出会う人間は一回分の友達」
出張中の機内で〈僕〉が述べた飛行機旅に対する考察。離陸から着陸までの刹那的出会いを端的に語った名言です。
〈僕〉という人物がいかに思慮深い人間かを表しています。それと同時に空の旅の味気なさを表すことによって、後のタイラー・ダーデンとの出会いをより印象深いものにしている巧みなセリフです。
【名言⑥】「酸素でハイにするのさ。乗客はパニックで大きく息を吸い、酸素の作用でハッピーになり運命を受け入れる」
飛行機に何故酸素マスクがあるのか。その理由を説明するタイラー・ダーデンのセリフです。
タイラー・ダーデンという人物が破滅的な価値観をもっていることがよく伝わるセリフとなっています。
【名言⑦】「自嘲的な笑いだな」
「仕事はなにか」と聞いた〈僕〉に対してタイラー・ダーデンは「仕事を聞き、他人に興味がある振りを?」と捻くれつつも的を射た返答をします。
何気ない返答に思わず笑ってしまう〈僕〉に対し、タイラー・ダーデンはさらにつづけます。
〈僕〉とタイラー・ダーデンが実は同じような思考の持ち主である。主要人物ふたりの本質を無駄のない言葉で表した見事なセリフです。
【名言⑧】「なにがガーデニングだ! タイタニックと海に沈めばいいんだ」
「我々は消費者だ。ライフスタイルに仕える奴隷。殺人、犯罪、貧困。誰も気にしない。それよりアイドル雑誌にマルチチャンネルTV。デザイナー下着。毛生え薬。インポ薬。ダイエット食品」
「ガーデニング」
というセリフに続く名言。このセリフは火事で家と趣味の家具一式を失った〈僕〉にタイラー・ダーデンが放ったセリフです。
タイラー・ダーデンがミニマリストであることを表すと同時に、〈僕〉をミニマリズムの世界へと誘う重要なセリフです。
【名言⑨】「諸君、ファイトクラブへようこそ。第一のルール”クラブのことを口外するな”第二のルール”クラブのことを口外するな”」
〈僕〉とタイラー・ダーデンの殴り合いにいつしか人が集まるようになり、”ファイトクラブ”と呼ばれるようになります。
その集会でタイラー・ダーデンが会員に対して放ったセリフです。ファイトクラブという作品を象徴する有名なセリフです。
【名言⑩】「ワークアウトは自慰行為だ。男は自己破壊を」
(ジムに通っているアホども! 広告のモデルが理想の男だと思っていやがる!)
「あれが本当の男か?」
というセリフに続く名言。
ジムの広告を目にした〈僕〉が侮蔑の笑みを浮かべ「あれが本当の男か?」と問い、タイラー・ダーデンは爆笑しながら「ワークアウトは自慰行為だ」と切り捨てます。
〈僕〉の価値観の基準がファイトクラブ中心になっていることを表しています。また戸田奈津子的なエッセンスを感じることができる、素敵なセリフとも言えるでしょう。
まとめ
以上が『ファイトクラブ』の名言集でした。
破滅的で捻くれたセリフの数々ですが、どこか真理のようなものを感じる人も多いのではないでしょうか?そこが『ファイトクラブ』という作品をカルト的な人気にしている一因かもしれません。
本記事ではネタバレを極力避けた名言集にしましたが、本編ではとてつもない展開がまっています。この記事を読んで興味を持った方は是非ご覧になってください!