鬼才・クエンティン・タランティーノ監督のおすすめ映画9選!『キル・ビル』他
日本では「しゃべりタランティーノ」などのCMでもおなじみの、クエンティン・タランティーノ。彼はハリウッドの鬼才として、有名な映画監督です!
今回は、そんな鬼才・タランティーノ監督のおすすめ映画を、みどころと撮影裏話と共にご紹介していきます!
目次
クエンティン・タランティーノ監督について
タランティーノの本名は、クエンティン・ジェローム・タランティーノ。1963年3月27日生まれ、アメリカ合衆国のテネシー州ノックスビル出身で、シングルマザーの家庭で育ちました。高校を中退した後、レンタルビデオ店で働く傍ら多数の映画作品を鑑賞するようになったタランティーノ。同時期に、シナリオの執筆も手掛けています。
その後1992年のアメリカ映画『レザボア・ドッグス』で、監督・脚本デビュー。ハリウッドの映画監督の中でも過激な作風が評判で、彼の作品にはこれまでに観た事のないような新しいアイデアが多数、詰め込まれています。
またこれまでには無かった映画の手法を劇中で披露し、以後の様々な映画作品に影響を与えた監督でもあります。自身の映画作品にちょっとした脇役で出演する事も多々あり、映画を誰よりも愛している監督としても有名です。
クエンティン・タランティーノ監督のおすすめ映画9本
映画の鑑賞範囲は計り知れない程で、日本の映画作品にも精通しており、相当な”オタク監督”である事も有名。それでは早速、そんなタランティーノ監督の、おすすめ映画作品をご紹介していきます!
1.レザボア・ドッグス
出典:映画『Reservoir Dogs』公式Facebook
あらすじ
ジョー・カボット(ローレンス・ティアニー)は大がかりな宝石店強盗を企み、馴染みのメンバーを集めた。
集められたメンバー6人には互いの素性がばれない様に、ミスター・ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)やミスター・ピンク(スティーヴ・ブシェミ)などのコードネームが与えられる。レストランに集合した強盗達は無意味な無駄話をはじめ、緊張感皆無の様子だ。
だが警察側には既に計画が知れ渡っていたと見られ、強盗は失敗に終わる。更にミスター・オレンジ(ティム・ロス)は撃たれ、ミスター・ホワイトに付き添われながらアジトに向かった。この中に裏切り者がいると悟ったメンバーは互いを疑い合い、そこから犯人探しが始まる……。
クエンティン・タランティーノ作品「レザボア・ドッグス」の撮影裏話
・何とミュージシャンのトム・ウェイツも、この映画のオーディションを受けていた。
・ミスター・ブロンドを演じたマイケル・マドセンは、実はミスター・ピンクの配役を希望していた。
・サンダンス映画祭で初上映された時は、拷問シーンに耐え切れず、退席する人が後を絶たなかったと監督は語っている。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
クエンティン・タランティーノ監督の、記念すべき監督デビュー作です。本作品はほぼワンシチュエーションで進行するストーリーに、それぞれのギャング達の回想シーンが挿入されています。
冒頭のレストランのシーンでは、監督自らが演じるミスター・ブラウンがマドンナの曲『ライク・ア・ヴァージン』について延々と語りはじめ、ギャング達の「どうでもいい無駄話大会」になってしまいます。
これから大仕事をする悪党とは思えないような、緊張感のないミーティングシーンは公開当時話題になりました。またそれとは裏腹に、センスの良いオープニングのタイトルバック後は、予期せぬ展開が待っています。
この唐突な始まり方が痛快で、タランティーノ作品の世界に一気に引き込まれる事でしょう。クライムムービーでありながら、肝心な強盗シーンがまるまるカットされている事に度肝を抜かれ、ショッキングな拷問シーンに唖然とします。
斬新な表現スタイル、「これまでに観た事がなかった映画の世界」を体験している充実感。レザボア・ドッグスは、良い所を挙げればキリがない程の映画です。
2.パルプ・フィクション
あらすじ
あるコーヒーショップで、若者カップルパンプキン(ティム・ロス)とハニー・バニー(アマンダ・プラマー)が、新しいスタイルの強盗を企んでいた。彼らは店内で大声を上げ、計画を実行する。
ギャングのジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)とヴィンセント(ジョン・トラボルタ)は車内で、ハンバーガーの呼び名について駄話をしていた。その後若いチンピラのアパートに着いた彼らは、謎のスーツケースを取り返すべく、彼らを残虐に殺害する。
ボクサーのブッチ(ブルース・ウィリス)は、ギャングのボスであるマーセルス(ヴィング・レイムス)から八百長試合の依頼を受け、その依頼金を受け取ってしまう。
映画『パルプ・フィクション』のあらすじネタバレ解説|これを読めば更に映画が楽しめる小ネタも紹介クエンティン・タランティーノ作品「パルプ・フィクション」の撮影裏話
・サミュエル・L・ジャクソンは、この作品でアカデミー賞で助演男優賞にノミネートされてから、出演作を自由に選べるようになったと語っている。
・劇中に登場するアタッシュケースの中身が何であるのか?は、監督のインタビューでも明かされていない。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
「パルプ」とは低俗な犯罪小説の事を指し、この映画がその様な物語である事を仄めかしています。
本作品の最大の特徴は、時間軸が大胆に入れ替えられた構成です。これによりバラバラになったパズルを、頭の中で組み立て直すという新しい映画の見方が生まれました。
キャラの立った魅力的な登場人物や、随所に挿し込まれるセンスの良い挿入歌などは、かつて知っていたはずの俳優や音楽であるにもかかわらず、新しさが感じられます。これぞタランティーノマジック!また誰が主役であるとはっきり言えない、群像劇である事もこの作品の魅力です。
高揚感が感じられる場面の連続。アート系映画のテイストでありながら、極度にバイオレントな描写が見られるのもあまり前例がないパターンです。
3.ジャッキー・ブラウン
あらすじ
主人公ジャッキー(パム・グリア)はフライトアテンダントの仕事をこなす傍らで、武器密売人であるオデール(サミュエル・L・ジャクソン)に雇われ、運び屋をしていた。
しかし遂にジャッキーは、連邦保安官レイ(マイケル・キートン)らに逮捕されてしまう。FBI側はジャッキーにオデールの逮捕の協力を求めるが、彼女はそれに応じる気はない。
その後ジャッキーは保釈され、保釈屋の男マックス(ロバート・フォスター)と出会う。マックスはジャッキーに一目惚れするが……。
クエンティン・タランティーノ作品「ジャッキー・ブラウン」の撮影裏話
・撮影を担当したギレルモ・ナヴァロは、後にギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』や『パシフィック・リム』などの撮影をした事でも有名。
・劇中で現金引き渡しがされたショッピングモールのロケ地は、デルアモファッション センター。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
本作品ではタランティーノ作品の中でも珍しく、大人の男女の恋愛が描かれています。よって他のタランティーノ作品と比較しても異色であり、賛否両論が分かれる作品とも言えるでしょう。
ストーリーは、エルモア・レナードの小説が元になっています。加えて、監督が大ファンである女優パム・グリアの為に、主人公を白人から黒人に変えたというエピソードも有名です。劇中でジャッキーは、自分の過去に決着を付ける為、危険な賭けに出ました。
刑務所から自分を保釈してくれた男から銃を盗むが、やがてその男に惹かれていくジャッキー。生きるか死ぬか!ギリギリの生活をしている、中年男女の物語と言っても良いでしょう。どろどろとした生活とは裏腹に、ピュアな恋をしてしまう男女の生き様が、対照的に描き出されていて素晴らしいです。
またロバート・デニーロ演じるルイスがキレて、勢いでメラニーを射殺するシーンなど、マニアックなみどころも満載。まさかこの人物がこのタイミングで発砲するなんて!荒唐無稽な展開が魅力のタランティーノ映画ですが、デニーロがこんなよく分からない男を役じている事自体、ある意味フレッシュさが感じられます。
果たしてジャッキーの計画通りに事は進むのか?ハラハラ感と、捻りのあるストーリー展開は必見です。
4.キル・ビル Vol.1
あらすじ
主人公ザ・ブライド(ユマ・サーマン)は結婚式のリハーサル時、ビル(デビッド・キャラダイン)とその手下4人にその場を台無しにされる。ビルは殺し屋軍団のボスであり、ザ・ブライドもその組織に属していたが、妊娠を機に足を洗う事にしたのだった。
教会内の人々は皆殺しにされ、ブライドは4年の間、意識不明であった。夫と、生まれて来る筈であった子供の命を、共に奪われたブライド。こうして、4年の昏睡状態から目覚めた彼女の復讐が始まるのだった。
クエンティン・タランティーノ作品「キル・ビル Vol.1」の撮影裏話
・服部半蔵役で出演した千葉真一は、ユマ・サーマンやルーシー・リューにちゃんばらの演技指導をした。彼女らは非常に熱心に稽古をしたと、千葉は語っている。
・撮影が始まる直前にユマ・サーマンが妊娠したが、監督は彼女が子供を無事出産するまで、撮影は延期された。
・オーレン・イシイのセリフは元々英語であったが、ルーシー・リューの提案により日本語で話される事になった。彼女は、着物を着た状態で刀を振るのは困難であった、と語っている。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
B級感が強い作風ですが、邦画へのオマージュシーンもたくさんあり、日本人には非常に受けた作品です。またマニアック過ぎて分からないネタも、知らなくても楽しめる様に制作されているのが本作の素晴らしい所。
DJのように様々な作品を繋ぎ合わせ、1つの作品にコラージュするのはタランティーノ作品の大きな特徴ですが、それが最も分かりやすい形で表れているのがキル・ビルではないでしょうか。
ブライドが着用している黄色いトラックスーツは、ブルース・リーが『死亡遊戯』で着ていたものと同じデザインであり、話題になりました。まさに、日本・アジア映画ファン垂涎の一作と言えるでしょう。
5.デス・プルーフ in グラインドハウス
出典:Amazon.com
あらすじ
舞台はテキサス州。若い娘アーリン(ヴァネッサ・フェルリト)とジュリア(シドニー・ターミア・ポワチエ)とシャナ(ジョーダン・ラッド)の3人組は車中で、恋人の話などで盛り上がり、有頂天になっている。
とあるバーに到着した彼女らは、友人であるマーシー(マーシー・ハリエル)と合流する。その際、アイリーンは駐車場に不気味な車を見付けた。その後彼女らはバーを変え、再び飲み直す。
アイリーンがテラスでたばこを吸っていると、先程の怪しい車がまたある事に気が付いた。車の持ち主は、スタントマンのマイク(カート・ラッセル)という男である。マイクはカウンターに座り、ジュリアらのテーブルを眺めているが……。
クエンティン・タランティーノ作品「デス・プルーフ in グラインドハウス」の撮影裏話
・この企画の提案者はロバート・ロドリゲスであった。彼がタランティーノの自宅のムービーシアターで彼のフィルムコレクションを観た時、監督のコレクションがどんなものか世界中の人に見せてあげたいと言ったのがはじまりである。
・この映画では、タランティーノが撮影監督も務めている。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
グラインドハウスとは、かつてインディーズ系映画や、エクスプロイテーション映画が上映された映画館の事です。1960年代から1970年代のアメリカにはこの様な劇場が存在し、2、3本立てでマイナーな映画が上映されていました。
当時この様な映画はメジャー映画とは違い、少数のフィルムしかプリントされず、多くの都市で使い回されていたようです。これを再現しようと制作されたのが、デス・プルーフ in グラインドハウスです。
アメリカでは、ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー in グラインドハウス』と2本立てで、映画『グラインドハウス』として上映されました。
タランティーノ作品の中でもB級度はMAXであり、グロテスクでショッキングな描写が特に目立ちます。まただらだらと続くガールズトークと、やり過ぎなカーアクションがこの映画の個性と言っても良い程であり、賛否がはっきりと分かれる作品となりました。
6.イングロリアス・バスターズ
出典:Amazon.com
あらすじ
第二次世界大戦中のフランスのある酪農家の元へ、ナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)が訪ねる。ナチスの占領下にあったフランスでは、ユダヤ人狩りが行われていたのだ。
酪農家は床下にユダヤ人1家を匿っていたが、ランダ大佐はそれを見抜き部下に銃殺させる。無残にも家族を惨殺されたショシャナ(メラニー・ロラン)は、1人田園を全速力で走り逃げ切る。
3年後、ショシャナはエマニュエルという偽名を使い、パリで映画館のオーナーをしていた。しかし彼女はランダと再会してしまう。その頃アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)が率いる秘密特殊部隊“バスターズ”は、イギリス軍と手を組みナチス暗殺計画の実行を図っていた。
クエンティン・タランティーノ作品「イングロリアス・バスターズ」の撮影裏話
・日本公開時の「映画が面白くなければ返金キャンペーン」の提案に対して、監督は「やってやろうじゃないか、と思ったね。途中で帰れるものならどうぞ」と笑顔で語っている。
・ランダ大佐は劇中でフランス語や英語、ドイツ語などを自由に話す。監督はもしも適役が見付からなければ、この映画は無かったかも知れないと言った。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
第二次世界大戦中のフランスを舞台とした、社会性を帯びた作品です。しかし歴史がごっそり改変されているなどの自由度の高い映像表現には、やはりタランティーノ作品の個性が感じられます。
イングロリアス・バスターズの見所は、異なった言語を話す登場人物らの、探り合いの会話劇です。例えば冒頭のシーンでは、ランダ大佐が途中から英語で話をする事により、地下に隠れているユダヤ人に、地上での会話の内容を聞かれないようにします。
それぞれの事情を持った登場人物らが他国の言語を話すシーンでは、些細な訛りやアクセントから、実情がばれるのではないかとヒヤヒヤさせられます。
また個性的な登場人物揃いで、中でもランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツの嫌な奴度はマックス。それに対する、ブラッド・ピットの大胆なキャラクターも負けていません。
ヒットラーに復讐をしたはいいが、物語の結末は虚しい……。復讐とは何か?を考えさせられるラストには、ある種のメッセージが感じられます。
7.ジャンゴ 繋がれざる者
出典:Amazon.com
あらすじ
黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、賞金稼ぎシュルツ(クリスト・ヴァルツ)の探している相手の顔を知っていたため、彼に助けられる。ジャンゴの才能に気づいたシュルツは、彼に銃の扱い方を叩きこみ、賞金稼ぎとして育て、相棒にする。
シュルツによって自由になったジャンゴは、賞金稼ぎで金を貯め、妻を買い戻すことを決意する。金を貯め妻がとらわれている農場主カルビン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところへ向かう。しかしそこは、黒人に対する差別が非常に激しいミシシッピだった…。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
映像がとてもスタイリッシュです。主人公のジャンゴがとてもカッコよく、相棒のキング・シュルツも、ちょうどいいちょい悪オヤジ感をかもし出しています。
二人ともアウトロー的な汚れ感がなく、高級スーツを身にまとい、涼しい顔で敵を倒していきます。
賞金稼ぎのキング・シュルツとジャンゴの戦い方は対照的で。意識して見比べると楽しいでしょう。スタイリッシュで、おしゃれです。二人のアブない男の暴れっぷりにガンマンの理想を見ることができます。
8.ヘイトフル・エイト
出典:映画『The Hateful Eight 』公式Facebook
あらすじ
舞台は南北戦争後のワイオミング州、猛吹雪の中を1台の駅馬車が走っていた。馬車に乗っているのは、賞金稼ぎであるジョン・ルース(カート・ラッセル)とその賞金首のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)だ。
同じく賞金稼ぎであるマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)は、この駅馬車を止め、自分も同乗出来ないかと依頼した。ジョン・ルースはマーキスの依頼を許し、駅馬車は再び発車する。その後新任保安官だと名乗る男クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)も同乗を求めて来た。彼はレッドロックへ行く途中なのだ。
嵐が酷い為4人は途中ミニー(デイナ・グーリエ)の紳士服飾店へ立ち寄り、休憩を取る事になった。そこにはミニーの姿は無かったが、代わりにメキシコ人のボブ(デミアン・ビチル)が出迎える。
店にはオズワルド・モブレー(ティム・ロス)をはじめ3人の先客がおり、皆大雪の為足止めを食らっていた。オズワルドは、自分が死刑執行人だと言う。こうして集まった曲者8人は、互いの嘘を探り合うようになる。
クエンティン・タランティーノ作品「ヘイトフル・エイト」の撮影裏話
・数人しか知らない筈の新作脚本が流出した事に激怒したタランティーノ監督は、一時期は製作を中止すると公表した。
・再び書き直された脚本を元に、朗読会が開かれた。参加俳優はサミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ティム・ロスなど。3日間かけてリハーサルをした朗読会は好評で、このシナリオが映画化されたのがヘイトフル・エイトである。
・本作の美術は、日本人の種田陽平が担当した。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
この映画には監督のこだわりから、70mmの横長のフィルムが使用されています。ジャンルで言えば西部劇ですが、舞台は雪景色の中の山小屋ということもあり、これまでにない新ジャンルであると認識しても良いでしょう。
内容は、山小屋の中に集まった曲者8人の密室ミステリー。見所はスリリングな会話劇や、こだわりが感じられる舞台セットなどたくさんあります。登場人物らは、一癖も二癖もあるいかがわしい人物ばかりで、その上皆やたらとおしゃべりです。
全員がペラペラと嘘をついているので、最後まで何が本当なのかさっぱり分からないまま、ストーリーは進行。再度鑑賞すると誰が嘘をついているのか分かる為、新たな発見があります。
また本作は1982年のSF映画『遊星からの物体X』と似たシーンが、いくつも見受けられます。両作共にカート・ラッセルが出演している事や、音楽の担当がエンニオ・モリコーネである事から、『ヘイトフル・エイト』が『遊星からの物体X』を意識した作品である事は、ほぼ確定と言えるでしょう。
劇中ではオマージュシーンと思われるものがいくつも見受けられ、そういった場面を探すのも本作品の楽しみ方の1つです。
9.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
出典:映画『once upon a time in hollywood』公式Twitter
出典:映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告編
あらすじ
リック・ダルトンはかつてテレビ西部劇で名を馳せていたが、ハリウッドの過渡期に伴い仕事を失いつつある落ち目の中堅俳優。彼と行動を共にするクリフ・ブースは、リックのスタントマン兼付き人であり、良き親友でもある。そんなある日、リックの隣の家に売れっ子監督のロマン・ポランスキーと、彼の妻であり若手女優のシャロン・テートの夫妻が引っ越してくる。落ちぶれていくリックとクリフと対照的に、若い夫妻は輝きを放っていた。
時代は1960年代後半のヒッピーブームの真っ只中で、町にはヒッピーが溢れかえっていた。そんな彼らをまとめていたのが、チャールズ・マンソンという男だった。
ハリウッドで俳優として再び栄光をつかもうともがくリックとクリフ。そして、若く美しいポランスキー夫妻。彼らを巻き込みながら、映画史を塗り替える事件の起こった1969年8月9日が訪れるのだった——。
ここに注目!!タランティーノ映画的グッとくるポイント
幼少期をハリウッドで過ごしたタランティーノ監督は、本作にハリウッドへの愛のメッセージをたくさん詰め込みました。題名は68年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』や84年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』をもじっており、リックとクリフのようなスターと専属スタントマンという関係性は、『大脱走』のスティーブ・マックィーンとバッド・イーキンスや、バート・レイノルズとハル・ニーダムなどの名コンビがモデルとなっています。
リックがイタリアにわたり出演した、セルジオ・コルブッチ監督の『ネブラスカ・ジム』やカルヴィン・J・パジェット監督の『素早く殺せ リンゴ』などは、タイトルこそ架空ですが、監督や共演者の名前は実在した人物です。
このように例を挙げればキリがないものの、本作にはタランティーノ監督の愛のメッセージがたくさん溢れています。それらを探しながらハリウッドの歴史を遡ってみるのも、この映画の新たな楽しみかもしれません。
まとめ
以上クエンティン・タランティーノ監督の、おすすめ映画をご紹介しました。
タランティーノ作品は、映画に新しい刺激を求める方に特におすすめです!また既に鑑賞された方も再度鑑賞すれば、新しい発見があるかも知れません!
とっておきのおすすめ洋画ランキング25本を紹介!見て損はしない名作揃い